フルモデルチェンジを果たした新型N-BOX(3代目・JF5/JF6型)は、多くの点が進化しましたが、特に運転席に座って最初に目に入るメーターパネルは大きく変わりました。アナログメーターから軽自動車では珍しい7インチのフルカラー液晶メーターへと進化し、見た目の先進性だけでなく、情報の見やすさも格段に向上しています。
この記事では、新型N-BOXのメーターパネルに表示される情報や、さまざまな警告灯・表示灯の意味、そしてマルチインフォメーションディスプレイの便利な使い方について、初心者の方にも分かりやすく、やさしく解説していきます。この記事を読めば、あなたのN-BOXのメーターパネルが示す情報を正しく理解し、より快適で安全なドライブを楽しめるようになるでしょう。
新型N-BOXのメーターパネル表示、その特徴とは?

2023年に登場した新型N-BOXの大きな魅力の一つが、運転席の目の前に広がる新しいデザインのメーターパネルです。旧型からどのような進化を遂げたのか、その特徴を見ていきましょう。
7インチTFT液晶カラーメーターで視認性アップ
新型N-BOXには、7インチTFT液晶カラーメーターが全グレードで標準装備されています。 これは、従来の針(アナログ)式のメーターとは異なり、速度やエンジン回転数、燃料計などの情報をすべて液晶画面に映し出すタイプです。
速度は中央に大きく数字で表示され、その周りに燃料計や航続可能距離など、運転に必要な情報が分かりやすく配置されています。旧型のアナログメーターに慣れている方も、直感的に情報を把握できるデザインになっています。
マルチインフォメーションディスプレイで情報を集約
メーターパネルの中央部分には、マルチインフォメーションディスプレイが搭載されています。 ここには、外気温、航続可能距離、平均燃費、トリップメーター(区間走行距離計)といった基本的な車両情報はもちろんのこと、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の作動状況などもリアルタイムで表示されます。
ハンドルに付いているスイッチを操作することで、表示内容を簡単に切り替えることが可能です。 例えば、燃費を意識したい時は平均燃費表示に、長距離ドライブの際は航続可能距離表示にするなど、状況に応じて知りたい情報をすぐに呼び出せます。
旧型(2代目)からの大きな進化点
旧型N-BOX(JF3/JF4型)のメーターは、速度計がアナログ式で、その中に小さな液晶ディスプレイが組み込まれているタイプでした。 新型ではこれが全面的にデジタル化されたことで、より多くの情報を、よりグラフィカルで分かりやすく表示できるようになりました。
例えば、Honda SENSINGの機能の一つであるアダプティブクルーズコントロール(ACC)作動時には、設定速度や先行車との車間距離などがアニメーションで表示され、システムの状況が一目で理解できます。 このように、見た目の美しさだけでなく、ドライバーが運転に集中しながらも必要な情報を安全に確認できる、という実用面での進化が大きなポイントです。
見逃し厳禁!メーターパネルの警告灯・表示灯の意味

メーターパネルには、車の状態を知らせるために様々なマーク(警告灯や表示灯)が表示されます。これらのマークは色によって緊急度が異なり、意味を正しく理解しておくことが安全運転につながります。ここでは、代表的なものを色別に解説します。
【赤色】すぐに停車が必要な「危険」を知らせる警告灯
赤色の警告灯は、車のシステムに重大な異常が発生している可能性を示しており、点灯した場合は速やかに安全な場所に停車し、取扱説明書を確認するか、販売店に連絡する必要があります。
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| ブレーキ警告灯((P)や(!)のマーク) | パーキングブレーキが作動している、またはブレーキフルード(ブレーキオイル)が不足している場合に点灯します。走行中に点灯した場合は非常に危険です。 |
| 充電警告灯(バッテリーのマーク) | バッテリーや充電系統に異常がある場合に点灯します。そのまま走行を続けると、エンジンが停止する恐れがあります。 |
| エアバッグシステム警告灯(シートベルトをした人の前にエアバッグが展開しているマーク) | エアバッグやシートベルトプリテンショナー(衝突時にベルトを瞬時に巻き取る装置)に異常がある場合に点灯します。 |
【黄色・オレンジ色】早めの点検が必要な「注意」を促す警告灯
黄色(オレンジ色)の警告灯は、すぐに走行不能になるわけではありませんが、車のシステムに何らかの異常や注意すべき点があることを示しています。点灯した場合は、早めに販売店で点検を受けるようにしましょう。
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| PGM-FI警告灯(エンジンの形のマーク) | エンジン制御システムに異常がある場合に点灯します。「エンジン警告灯」とも呼ばれます。 |
| ABS警告灯(円の中にABSと書かれたマーク) | ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)に異常がある場合に点灯します。通常のブレーキは効きますが、急ブレーキ時にタイヤがロックしやすくなります。 |
| VSA警告灯(滑っている車のマーク) | VSA(ビークル・スタビリティ・アシスト)、いわゆる横滑り抑制装置に異常がある場合に点灯します。 |
| 燃料残量警告灯(給油機のマーク) | 燃料の残りが少なくなると点灯します。点灯したら、早めに給油しましょう。 |
【緑色・青色】システムの作動状態を示す「表示灯」
緑色や青色の表示灯は、異常を知らせるものではなく、特定の機能が作動していることを示します。普段の運転でよく目にするものが多いですが、意味を知っておくと安心です。
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| 方向指示器/非常点滅表示灯(左右の矢印のマーク) | ウインカーやハザードランプが点滅している時に、合わせて点滅します。 |
| ハイビーム表示灯(ヘッドライトから光が出ている形の青いマーク) | ヘッドライトがハイビームになっている時に青色に点灯します。 |
| ECONモード表示灯(葉っぱのマーク) | 燃費を向上させるECONモードがONになっている時に緑色に点灯します。 |
| アイドリングストップ表示灯(Aの周りを矢印が囲んでいるマーク) | アイドリングストップ機能によってエンジンが自動的に停止している時に緑色に点灯します。 |
使いこなそう!マルチインフォメーションディスプレイの表示内容と操作方法
新型N-BOXのメーターパネルの機能を最大限に活用するためには、マルチインフォメーションディスプレイの操作に慣れることが大切です。ここでは、基本的な操作方法と表示される便利な情報を紹介します。
ハンドルのスイッチで簡単操作
マルチインフォメーションディスプレイの表示切り替えや設定は、ハンドルの左側にあるスイッチ(レフトセレクターホイール)で行います。
ただし、詳細な車両設定など、一部の操作は安全のためシフトポジションが「P(パーキング)」の時にしか行えません。
表示を切り替えて航続可能距離や燃費を確認
レフトセレクターホイールを操作することで、様々な情報を表示させることができます。
- 航続可能距離: 残りの燃料であと何km走行できるかの目安を表示します。 長距離ドライブの計画を立てる際に便利です。
- 平均燃費: トリップメーターAまたはBと連動して、リセットしてからの平均燃費を表示します。 自分の運転がどれくらいエコなのかを確認できます。
- 瞬間燃費: 走行中の瞬間的な燃費をバーグラフで表示します。 アクセル操作による燃費の変化が視覚的に分かります。
- トリップメーター: リセットしてからの走行距離を計測します。AとBの2種類があり、給油ごとや目的地ごとなどで使い分けると便利です。
- 経過時間/平均車速: トリップメーターと連動し、リセットしてからの経過時間や平均車速を表示します。
- タコメーター: エンジンの回転数を表示します。
これらの表示は、シンプルな表示モードに切り替えることもでき、必要最小限の情報だけを表示させて運転に集中することも可能です。
Honda SENSINGの作動状況をリアルタイムで表示
新型N-BOXには、衝突軽減ブレーキや車線維持支援システムなどを含む、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車標準装備されています。 マルチインフォメーションディスプレイは、これらの機能が作動している状況をドライバーに分かりやすく伝えてくれます。
例えば、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)を使用している際には、設定した車速や先行車との車間距離、車線を認識している様子などがグラフィカルに表示されます。 これにより、システムが正常に作動していることを視覚的に確認でき、安心して機能を活用することができます。
自分好みにカスタマイズ!メーターパネルの設定変更

新型N-BOXのメーターパネルは、ただ情報を見るだけでなく、一部の表示や機能をお使いの環境に合わせて設定変更することが可能です。
メーターデザインの変更はできる?
新型N-BOXのメーターは、旧型のように後から社外品のパネルを装着してデザインを物理的に変えることはできません。しかし、ディスプレイに表示させる情報を選択することで、自分好みの表示レイアウトに近づけることができます。
「メーター表示設定」画面から、マルチインフォメーションディスプレイに表示させたい項目を選ぶことができます。 例えば、「オーディオ情報」や「電話情報」などを非表示にして、走行に関する情報だけをシンプルに表示させるといったカスタマイズが可能です。
時計や各種お知らせの表示設定
メーター内に表示される時計は、12時間表示と24時間表示の切り替えが可能です。 また、外気温が3℃以下になると表示される「路面凍結注意」のお知らせや、メンテナンス時期を知らせる機能などもあります。
さらに、トリップメーターは、給油時やエンジンOFF時に自動でリセットするように設定することもできます。 これにより、毎回手動でリセットする手間が省け、満タン法での燃費計算などが楽になります。
安全支援システム(Honda SENSING)の個別設定
Honda SENSINGの一部の機能は、ドライバーの好みや状況に応じて設定を変更したり、ON/OFFを切り替えたりすることができます。
例えば、以下のような設定が可能です。
- 衝突軽減ブレーキの警報距離: 前の車に近づきすぎた際に警告が出るタイミングを「標準」「遠め」「近め」から選択できます。
- 路外逸脱抑制機能のON/OFF: 車線をはみ出しそうになった時にハンドル操作を支援する機能のON/OFFができます。
- 標識認識機能: 走行中にカメラが認識した道路標識(最高速度、はみ出し通行禁止など)をメーターに表示する機能のON/OFFや、速度超過時のお知らせ設定ができます。
これらの設定は「車両設定」から行うことができ、自分の運転スタイルに合わせた、よりきめ細やかなセッティングが可能です。
まとめ:新型N-BOXのメーターパネル表示を理解して快適なドライブを

この記事では、新型N-BOXのメーターパネル表示について、その特徴から警告灯の意味、便利な使い方やカスタマイズ方法まで詳しく解説しました。
新型N-BOXに搭載された7インチTFT液晶カラーメーターは、ただ先進的で見やすいだけでなく、多くの情報を分かりやすくドライバーに伝えてくれる頼もしい機能です。 警告灯や表示灯の意味を正しく理解し、マルチインフォメーションディスプレイを使いこなすことで、日々の運転がより安全で快適なものになります。
最初は多機能に戸惑うかもしれませんが、ハンドルスイッチの操作はすぐに慣れることができます。ぜひ、この記事を参考にいろいろな表示を試してみて、あなたのカーライフに役立ててください。



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