可愛らしいデザインと小回りの利く運転のしやすさで、多くの女性から支持されているスズキのラパン。 「私の部屋」のような感覚で乗れる、おしゃれな内装も魅力の一つですよね。 そんなラパンですが、実は多彩なシートアレンジが可能で、フルフラットにすることで車中泊や大きな荷物の運搬にも対応できることをご存知でしたか? 「見た目は可愛いけれど、実用性はどうなの?」と思っている方も多いかもしれません。
この記事では、ラパンのフルフラット機能に焦点を当て、その具体的なやり方から、気になる広さ、快適に過ごすためのコツ、そして便利な活用術まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、ラパンの新たな魅力を発見し、カーライフの可能性がさらに広がること間違いなしです。
ラパンはフルフラットにできる?シートアレンジの基本

そもそもフルフラットとは?
フルフラットとは、車のシートを倒して、その名の通り「完全に平らな(Full Flat)」状態にすることを指します。シートの凹凸が少なくなり、寝転んだり、大きな荷物を安定して積んだりするのに非常に便利な機能です。
ラパンの場合、フロントシート(運転席・助手席)の背もたれを後ろに倒し、リアシート(後部座席)と連結させることで、広々とした空間を作り出すことができます。 この状態は、特に長距離ドライブでの休憩や、アウトドアシーンでの仮眠、そして車中泊において大きなメリットとなります。完全に真っ平らとまではいきませんが、マットなどを活用することで、快適なベッドスペースに早変わりします。
ラパンの基本的なシートアレンジ
ラパンはフルフラット以外にも、日常の様々なシーンで役立つシートアレンジが用意されています。 普段の買い物から、少し大きな荷物を運びたい時まで、簡単な操作で柔軟に対応できるのが魅力です。
- 通常モード(4人乗車): すべての座席を使用した基本の状態です。
- 3人乗車+長尺物モード: リアシートの片側だけを前に倒すことで、乗車人数を確保しつつ、長さのある荷物(例えば、カーペットや釣り竿など)を積むことができます。
- ラゲッジモード(2人乗車+大きな荷物): リアシートの背もたれを両方とも前に倒すことで、広大な荷室スペースを作り出せます。 これにより、スーツケースやアウトドア用品など、かさばる荷物も楽に積むことが可能です。
- フルフラットモード: フロントシートとリアシートをつなげて、車内全体をくつろぎの空間にするモードです。
これらのアレンジを使い分けることで、ラパンはコンパクトな軽自動車でありながら、見た目以上の積載能力と居住性を発揮します。
歴代モデルごとのフルフラット対応状況
ラパンは初代から現行の3代目に至るまで、フルフラットに対応しています。 ただし、モデルによってシートの形状や倒し方に若干の違いがあります。
- 初代(HE21S型): 初代モデルから、フロントシートのヘッドレストを外して後方に倒すことでフルフラットに近い状態を作ることが可能です。
- 2代目(HE22S型): 2代目も基本的なフルフラット機能は継承されています。 シートアレンジは現行モデルほど多彩ではないものの、座席をフラットにして寝床を確保することができます。
- 3代目(HE33S型): 現行モデルである3代目は、より快適性を追求したシート設計になっており、フルフラット時の使い勝手も向上しています。 シートアレンジの自由度が高く、様々なシーンで活躍します。
どのモデルであっても、ヘッドレストを外してフロントシートを倒すという基本的な操作でフルフラット空間を作れるのは、ラパンの便利な特徴と言えるでしょう。
【実践】ラパンをフルフラットにする具体的な手順

ラパンをフルフラットにする操作は、誰でも簡単に行うことができます。 ここでは、最も広くスペースを使える「フルフラットモード」と、荷物をたくさん積みたいときの「ラゲッジモード」の具体的な手順を解説します。
フロントシートを使ったフルフラットモードのやり方
車中泊や長時間の休憩に最適なフルフラットモードの手順は以下の通りです。
- 安全の確保: まずは車を安全で平坦な場所に停車させ、パーキングブレーキをしっかりとかけましょう。
- フロントシートのスライド: 運転席と助手席を一番前にスライドさせます。これにより、後方に倒すためのスペースを確保します。
- ヘッドレストを外す: 運転席と助手席のヘッドレストを取り外します。 ヘッドレストの支柱の根元にあるロックボタンを押しながら引き抜くと簡単に外せます。外したヘッドレストは失くさないように保管しておきましょう。
- シートをリクライニング: シートの側面にあるリクライニングレバーを引きながら、背もたれをゆっくりと後方に倒していきます。 リアシートの座面とつながり、平らになる位置まで倒したら完了です。
リアシートを倒すラゲッジモードのやり方
大きな荷物を積む際に便利なラゲッジモードは、さらに簡単な手順で設定できます。
- 安全の確保: フルフラットモードと同様に、車を安全な場所に停車させます。
- リアシートのレバー操作: リアシートの肩口あたりにあるレバー(またはノブ)を引き上げます。
- 背もたれを倒す: レバーを引いたまま、背もたれを前方に倒します。これで荷室が大きく広がり、フラットなスペースが完成します。左右分割して倒せるモデルであれば、片側だけ倒して3人乗車+荷物という使い方も可能です。
このモードにすると、普段は奥行きが約41cmの荷室が大幅に拡大され、大きな買い物やアウトドアグッズの運搬にとても便利です。
注意点やコツはある?
シートアレンジを行う際には、いくつか注意点があります。安全かつスムーズに作業するためのコツも覚えておきましょう。
- 指挟みに注意: シートを倒したりスライドさせたりする際は、シートレールや可動部分に指を挟まないように十分注意してください。
- 周囲の確認: シートを倒す前に、後部座席や足元に荷物がないか確認しましょう。物が挟まると、シートがうまく倒れなかったり、物や車を傷つけたりする原因になります。
- 均等に倒す: フルフラットモードにする際、左右のフロントシートが同じくらいの角度になるように倒すと、より安定した平らな空間になります。
- 力任せにしない: 操作がうまくいかない場合、力任せに動かすのは禁物です。一度手順を見直したり、シートの位置を少し調整したりすると、スムーズに動くことが多いです。
特にフルフラットにする際は、フロントシートを一番前にスライドさせてから倒すのが、きれいにフラットにするための重要なポイントです。
ラパンのフルフラット!広さと快適性をチェック
ラパンをフルフラットにすると、どれくらいの広さが確保できるのでしょうか。また、快適に過ごすためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。ここでは、具体的な寸法や気になる段差の対策について詳しく見ていきましょう。
フルフラット時の室内長と広さの目安
ラパンの室内寸法は、軽自動車ながらも驚くほど広く設計されています。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| 室内長 | 2,020mm |
| 室内幅 | 1,295mm |
| 室内高 | 1,240mm |
フルフラットにした際の有効な長さは、約1,600mm〜1,700mm程度となります。 これは、多くの成人女性が足を伸ばして横になれる十分な長さです。また、室内幅も約1,3mと、セミダブルベッドに近い幅が確保できるため、大人1人がゆったりと、あるいは小柄な方なら2人でも休憩できるスペースが生まれます。
ただし、室内高は約1,240mmなので、車内で完全に立ち上がることはできません。 着替えなどをする際は少し窮屈に感じるかもしれませんが、座って過ごす分には十分な高さと言えるでしょう。
気になる段差は?快適に過ごすための対策
ラパンのフルフラットは非常に便利ですが、完全に真っ平らな状態になるわけではなく、シートの構造上どうしても多少の段差や凹凸が生じます。 特に、フロントシートとリアシートのつなぎ目や、シートベルトのバックル部分などが気になるポイントです。
そのままの状態で長時間横になっていると、体が痛くなる原因にもなりかねません。 しかし、いくつかの簡単な対策で、この段差は大幅に解消できます。
- タオルやブランケットを詰める: 最も手軽な方法は、段差やくぼみが気になる部分に、たたんだタオルやブランケット、衣類などを詰めて埋めることです。これだけでも寝心地はかなり改善されます。
- クッションの活用: 小さめのクッションをいくつか用意しておき、腰やお尻の下など、隙間ができやすい場所に配置するのも効果的です。
これらの対策で、「寝る」という行為に対する快適性が格段に向上し、車中泊の質が大きく変わります。
おすすめの段差解消グッズ
より本格的に快適性を追求するなら、専用のグッズを活用するのがおすすめです。ラパンでの車中泊をより快適にするためのアイテムをいくつかご紹介します。
- 車中泊マット(インフレーターマット):
空気で膨らませるタイプのマットで、段差を吸収してフラットな寝床を作り出してくれます。 使わないときは空気を抜いてコンパクトに収納できるのが最大のメリットです。厚みがあるものを選べば、地面からの冷気や熱をシャットアウトする効果も期待できます。
- 段差解消クッション: シートの隙間や段差を埋めるために設計された専用のクッションです。 車種に合わせて作られているものもあり、ラパンのシート形状にフィットするものを見つけられれば、より快適な空間が作れます。
- 折りたたみマットレス: コンパクトに折りたためるマットレスも有効です。車中泊マットほどのクッション性はないかもしれませんが、手軽に敷くことができ、段差を和らげてくれます。
これらのグッズをうまく組み合わせることで、ラパンの車内をまるで自宅のベッドのような快適な空間に変えることができます。
ラパンのフルフラット活用術!車中泊から荷物の運搬まで
ラパンのフルフラット機能を使いこなせば、日常使いからレジャーまで、カーライフの幅がぐっと広がります。ここでは、具体的な活用シーンをいくつかご紹介します。
軽自動車でも快適!ラパンで車中泊を楽しむコツ
「軽自動車で車中泊は窮屈そう…」と感じるかもしれませんが、ラパンなら工夫次第で十分に快適な一夜を過ごせます。
まず、前述の通り車中泊マットなどを使って寝床の段差をなくし、フラットな状態を作ることが最も重要です。 これで睡眠の質が大きく向上します。次に、プライバシーの確保です。外からの視線を遮るために、窓にサンシェードやカーテンを取り付けましょう。 吸盤で簡単に取り付けられるタイプが便利です。
さらに、快適な空間作りのために、小さなランタンやLEDライトを用意すると夜間の室内が明るくなり、本を読んだりするのに役立ちます。 荷物は、運転席や助手席の足元、あるいはルーフキャリアなどを活用して寝るスペースを圧迫しないように整理するのがコツです。 これらの準備を整えることで、ラパンはあなただけの秘密基地のような、居心地の良い空間に変わります。
大きな荷物も大丈夫!ラゲッジスペースの拡大
ラパンは普段の買い物では十分な収納力を持っていますが、リアシートを倒してラゲッジモードにすることで、その積載能力は飛躍的に向上します。
例えば、IKEAのような家具店で少し大きめの組み立て家具を購入した時や、友人と一緒にゴルフやスノーボードに出かける時など、長尺物やかさばる荷物を積む必要があるシーンで大活躍します。後部座席を倒せば、フラットで広い荷室が出現するため、荷物を安定させて運ぶことができます。
また、自転車を積みたい場合も、前輪を外すなどの工夫をすれば積載可能な場合があります。このように、フルフラット機能を荷物の運搬に活用することで、ラパン一台でこなせることの範囲が大きく広がります。
休憩や仮眠にも便利なフルフラット
長距離ドライブの途中で疲れを感じた時、サービスエリアや道の駅で少し休憩を取りたいことはよくありますよね。そんな時、ラパンならフロントシートを倒すだけで、足を伸ばしてリラックスできるスペースを簡単に作れます。
リクライニングさせて座るだけの休憩とは違い、横になることで体の緊張がほぐれ、短時間でも質の高い休息をとることができます。特に、ドライバーにとっては、仮眠をとることで運転の集中力を回復させ、安全運転につながるという大きなメリットがあります。
もっと快適に!ラパンのフルフラットを彩る便利グッズ

ラパンのフルフラット空間をさらに快適で機能的なものにするためには、いくつかの便利グッズを揃えておくと良いでしょう。ここでは、特におすすめのアイテムをカテゴリー別にご紹介します。
プライバシーを守るシェードやカーテン
車内で過ごす上で、外からの視線は意外と気になるものです。特に車中泊や仮眠の際には、プライバシーの確保と光の遮断が安眠のために不可欠です。
- サンシェード: 車の窓にぴったり合うように設計されたサンシェードは、遮光性が高く、断熱効果も期待できるため、夏場の車内温度の上昇や冬の冷え込みを和らげるのに役立ちます。吸盤で簡単に取り付けられるものが主流です。
- カーテン: 車内用のカーテンを取り付けると、一気に「部屋」のようなプライベートな空間を演出できます。レールを取り付けるタイプや、窓枠にマグネットで固定するタイプなど様々です。遮光性の高い生地を選べば、朝までぐっすり眠ることができます。
- 目隠し用のタオルや布: 専用品でなくても、大きめのタオルや布を窓に挟むだけでも簡易的な目隠しになります。手軽にプライバシーを確保したい場合におすすめです。
これらのアイテムを使うことで、周りを気にすることなく、安心して車内でくつろぐことができます。
照明やポータブル電源の選び方
夜間に車内で過ごす場合、室内灯だけでは光量が足りなかったり、バッテリー上がりが心配になったりします。そんな時に役立つのが、外部の照明や電源です。
- LEDランタン: 乾電池式や充電式のLEDランタンは、火を使わないため安全で、車内を明るく照らしてくれます。吊り下げられるタイプのものを選ぶと、車内のフックなどに引っ掛けて使えて便利です。
- ヘッドライト: 両手が自由になるヘッドライトは、夜間に荷物を整理したり、何か作業をしたりする際に非常に重宝します。
- ポータブル電源: スマートフォンやタブレットの充電はもちろん、小型の電気毛布や扇風機など、消費電力の少ない家電を使いたい場合に大活躍します。容量や出力ポートの種類など、自分の使いたい機器に合わせて選びましょう。最近ではコンパクトで軽量なモデルも増えています。
これらの電源関連グッズがあれば、スマートフォンのバッテリー残量を気にすることなく、快適で便利な車内時間を過ごすことができます。
収納スペースを増やすアイデア
車中泊やアウトドアでは、どうしても荷物が多くなりがちです。限られた車内スペースを有効活用するための収納アイデアをご紹介します。
- シートバックポケット: 運転席や助手席の背もたれに取り付けるタイプの収納ポケットです。 地図や雑誌、タブレット、小物などを整理して収納するのに便利です。
- ヘッドレストフック: ヘッドレストに取り付けて、買い物袋やバッグなどを掛けることができるフックです。 床に荷物を置かなくて済むため、スペースを有効活用できます。
- ルーフネット(天井収納ネット): 車内の天井部分にネットを張ることで、ブランケットや衣類など、軽くてかさばるものを収納するスペースを作り出せます。デッドスペースを有効活用できる優れたアイテムです。
- 収納ボックス: 荷物をカテゴリーごとに分けて収納ボックスに入れておくと、車内が整理整頓され、必要なものをすぐに取り出せます。使わないときは折りたためるタイプが便利です。
これらの収納グッズを駆使して、寝るスペースと荷物スペースをしっかり分けることが、快適な車内空間を維持するポイントです。
まとめ:ラパンのフルフラットを使いこなしてカーライフを楽しもう

この記事では、スズキ ラパンのフルフラット機能について、基本的な知識から具体的な手順、そして快適に過ごすためのコツや活用術まで詳しくご紹介しました。
可愛らしい見た目が魅力のラパンですが、シートアレンジ次第で驚くほど広く、多目的に使える空間を生み出せることがお分かりいただけたかと思います。
- 簡単な操作でフルフラットが可能: フロントシートのヘッドレストを外し、後ろに倒すだけで、足を伸ばせるほどの広々とした空間が作れます。
- 段差対策で快適性アップ: 車中泊マットやクッションを活用することで、シートの段差を解消し、快適な寝心地を実現できます。
- 活用方法は無限大: 車中泊やキャンプといったアウトドアシーンはもちろん、大きな荷物の運搬、長距離ドライブでの仮眠など、様々な場面で活躍します。
- 便利グッズでさらに快適に: シェードやポータブル電源、収納グッズなどを追加することで、ラパンの車内はさらに居心地の良い「マイルーム」へと進化します。
ラパンのフルフラット機能を最大限に活用すれば、あなたのカーライフはもっと自由に、もっと楽しくなるはずです。ぜひ、次の休日にはラパンで少し遠出をして、フルフラットの快適さを体験してみてはいかがでしょうか。



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