NV200の後部座席を徹底ガイド!広さ・乗り心地からカスタム術まで

ファミリーカー選びとコツ

日産NV200バネットは、ビジネスシーンでの活躍はもちろん、その使い勝手の良さから個人ユース、特にアウトドアや車中泊を楽しむ層からも絶大な支持を集めています。その人気の秘密の一つが、広大な荷室空間を生み出す後部座席の存在です。しかし、「バンの後部座席は狭くて乗り心地が悪いのでは?」「ワゴンとの違いは何?」「リクライニングはできるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、NV200の後部座席に焦点を当て、その広さや乗り心地、便利なシートアレンジ、そして自分好みに変えるカスタム方法まで、皆さんが知りたい情報を分かりやすく解説していきます。NV200の購入を検討している方や、すでにオーナーで後部座席の活用法に悩んでいる方も、ぜひ参考にしてください。

NV200の後部座席、その基本と特徴

NV200バネットと一言で言っても、実は「バン」と「ワゴン」の2種類があり、それぞれ後部座席の仕様が大きく異なります。まずは、自分の使い方に合ったモデルを選ぶために、後部座席の基本的なスペックや特徴をしっかりと把握しておきましょう。

グレードで異なる乗車定員(2人/5人/7人乗り)

NV200バネットは、用途に応じて様々な乗車定員のモデルがラインナップされています。

  • バン: 主に荷物を運ぶことを目的とした商用モデルです。後部座席のない2人乗りと、後部座席を備えた5人乗りがあります。5人乗りであっても、後部座席は比較的簡素な作りになっているのが特徴です。
  • ワゴン: 人を乗せることを主眼に置いた乗用モデルです。2列シートの5人乗りと、3列シートを備えた7人乗りが設定されていました(※7人乗りは2020年の一部改良で廃止)。ワゴンの後部座席は、バンに比べて厚みがあり、座り心地が考慮された作りになっています。

特に中古車で探す場合は、この乗車定員のバリエーションを理解しておくことが重要です。例えば、「5人乗り」という条件だけで探すと、簡素なベンチシートのバンと、比較的快適なセパレートシートのワゴンの両方がヒットするため、どちらのタイプなのかをしっかり確認する必要があります。

バンとワゴンの後部座席の違いとは?

NV200の後部座席を語る上で、バンとワゴンの違いは非常に重要なポイントです。見た目や座り心地、機能性が大きく異なるため、購入後に後悔しないためにも、その差をしっかり理解しておきましょう。

バンの後部座席:
バンの2列目シートは、あくまで「緊急用」「補助席」といった位置づけです。一体型のベンチシートで、クッションは薄く、リクライニング機能もありません。足元のスペースもワゴンに比べて狭く、長時間の乗車にはあまり向いていないと言えるでしょう。 その代わり、シートを折りたたむと広大な荷室空間が出現し、積載能力を最大限に活かせる設計になっています。

ワゴンの後部座席:
一方、ワゴンの2列目シートは、人を快適に乗せることを前提に設計されています。 6:4の分割可倒式シートが採用されており、左右別々にリクライニングさせることが可能です。 シートのクッションも厚みがあり、ヘッドレストも装備されているため、長距離移動でも比較的快適に過ごせます。 7人乗りモデルには、さらに3列目シートが追加されますが、こちらは補助席的な意味合いが強く、大人が長時間乗るには少し窮屈かもしれません。

項目 バン(5人乗り) ワゴン(5人乗り/7人乗り)
シート形状 一体型ベンチシート 6:4分割可倒式シート
クッション性 薄い 厚い
リクライニング なし あり(2列目)
主な用途 荷物の積載 人の乗車

気になる広さと寸法をチェック

NV200の魅力は、そのコンパクトなボディサイズに似合わない室内の広さです。後部座席の居住性や荷室の使い勝手に関わる寸法を見ていきましょう。

後部座席に座った際の頭上空間(室内高)は十分に確保されており、圧迫感を感じることは少ないでしょう。特にワゴンの場合、2列目シートは足元空間も広く、大人が座っても窮屈さは感じにくい設計です。ただし、バンの後部座席は足元がやや狭いため、購入前に一度実際に座って確認することをおすすめします。

荷室の広さは特筆すべき点で、特に後部座席を格納した際の奥行きはNV200の大きなアドバンテージです。ワゴンの2列目シートを前方にタンブル格納(跳ね上げるように格納)すると、広大でフラットに近い空間が出現し、大きな荷物や車中泊用のマットなども楽に積むことができます。

後部座席の乗り心地と快適性

商用車ベースであるNV200。「後部座席の乗り心地は実際のところどうなの?」と疑問に思う方は多いでしょう。ここでは、ユーザーのリアルな声や、快適性を高めるためのポイントについて掘り下げていきます。

正直なところ、乗り心地はどう?ユーザーの口コミ

NV200の後部座席の乗り心地については、やはり「商用車なり」という意見が多く見られます。特にバンモデルに関しては、以下のような声が聞かれます。

  • 「路面の凹凸を拾いやすく、跳ねるような突き上げ感がある」
  • 「シートが薄く、長距離だとお尻が痛くなる」
  • 「リクライニングしないので、楽な姿勢がとれない」

これは、重い荷物を積むことを想定したリーフスプリングという形式のサスペンション(路面からの衝撃を吸収する装置)が採用されているためです。空荷の状態や人が乗っただけではサスペンションが硬く感じられ、ゴツゴツとした乗り心地になりがちです。

一方で、ワゴンモデルについては、「バンよりは格段に快適」「普通のミニバンと比べなければ十分」といった肯定的な意見も多くあります。シートのクッション性が向上していることや、リクライニング機能があることが大きな要因でしょう。

リクライニングはできる?快適性を高める工夫

前述の通り、リクライニング機能の有無はバンとワゴンの大きな違いです。

  • バン: 後部座席にリクライニング機能はありません。背もたれはほぼ直角に固定されています。
  • ワゴン: 2列目シートにはリクライニング機能が付いています。 これにより、乗員の好みに合わせて角度を調整でき、長距離移動の疲労を軽減できます。

もし、バンの乗り心地を少しでも改善したい場合は、いくつかの工夫が考えられます。例えば、厚みのあるシートクッションを敷くだけでも、お尻への負担はかなり和らぎます。また、腰をサポートするランバーサポートなどを活用するのも良い方法です。さらに、乗り心地の根本的な原因であるサスペンションを、よりしなやかな社外品に交換するというカスタムを行うユーザーもいます。

足元のスペースと頭上空間

NV200はFF(前輪駆動)レイアウトを採用しているため、床が低くフラットなのが特徴です。これにより、後部座席の足元スペースは比較的広く確保されています。特にワゴンの2列目シートは、前席との距離も十分にあり、足を伸ばして座ることが可能です。

頭上空間に関しても、スクエアなボディ形状のおかげで十分な高さがあります。身長が高い方でも、頭が天井につかえてしまうような圧迫感はほとんどないでしょう。この広々とした頭上空間は、後部座席での着替えや作業がしやすく、車中泊やアウトドアでの利便性を高めてくれるポイントにもなっています。

ただし、7人乗りワゴンの3列目シートは、足元、頭上ともにスペースは限られます。あくまで補助的なシートと考え、大人が長時間乗る場合は2列目シートを利用するのが賢明です。

多彩なシートアレンジと荷室の広さ

NV200が多くのユーザーに選ばれる最大の理由の一つが、後部座席を格納することで生まれる広大な荷室空間です。ここでは、基本的なシートアレンジの方法と、それによってどれくらいの荷物が積めるのかを見ていきましょう。

後部座席の基本的な倒し方

バンとワゴンでは、後部座席の格納方法が異なります。

バンの場合:
バンの後部座席は、背もたれを前に倒すだけのシンプルな構造です。座面ごと前方に折りたたむ「ダブルフォールディング」という機構が採用されているモデルもあります。操作は非常に簡単で、レバーを引くだけで素早く荷室を拡大できます。

ワゴンの場合:
ワゴンの2列目シートは、タンブル格納という方式が採用されています。

  1. まず、背もたれを前方に倒します。
  2. 次に、シート座面の横にあるレバーを引きながら、シート全体を前方に持ち上げるように跳ね上げます。
  3. 跳ね上げたシートを、前席のヘッドレスト部分にベルトで固定します。

このタンブル格納により、後部座席があったスペースがまるごと荷室になり、高さのある荷物も積載可能になります。 6:4の分割式なので、片側だけを格納して「3人乗り+長尺物」といった使い方もでき、非常に便利です。

フルラゲージモードで広大な荷室空間を実現

後部座席をすべて格納した状態を「フルラゲージモード」と呼びます。この状態にすると、NV200の荷室は驚くほどの広さを発揮します。

その荷室長(荷室の奥行き)は、クラスでもトップレベルです。具体的な寸法は以下の通りです。

モデル 荷室長(2名乗車時)
バン 約2,040mm
ワゴン 約1,955mm

バンであれば2mを超える長さを確保できるため、サーフボードやスノーボード、自転車といった趣味の道具はもちろん、DIYのための木材や業務用の資材なども余裕をもって積むことができます。この広さが、NV200を単なる移動手段としてだけでなく、「遊べるクルマ」「仕事の相棒」として特別な存在にしているのです。

長尺物も積める?シートアレンジの限界

NV200は助手席を前に倒すことで、さらに長いものを積むことも可能です。助手席を倒して2列目シートの片側を格納すれば、室内を対角線上に使うことでかなりの長尺物に対応できます。

ただし、完全なフルフラットにはならない点には注意が必要です。後部座席を格納しても、床面には若干の段差が残ります。そのため、車中泊などで快適な就寝スペースを作るためには、この段差を解消する工夫が必要になります。多くのユーザーは、すのこや自作のベッドキット、厚手のマットなどを敷いて、フラットな空間を作り出しています。この「少し不便なところを自分で工夫する楽しさ」も、NV200の魅力の一つと言えるかもしれません。

NV200の後部座席をカスタム!車中泊や趣味の空間へ

NV200のシンプルな室内構造と広い荷室は、カスタムベースとして非常に高い人気を誇ります。特に後部座席周りは、アイデア次第で快適なリビングや寝室に生まれ変わらせることができます。

人気のベッドキットで快適な車中泊仕様に

NV200のカスタムで最も人気があるのが、市販のベッドキットの導入です。これは、後部座席を倒した上や、取り外したスペースに設置する組み立て式のベッドのことで、様々なメーカーから専用品が販売されています。

ベッドキットを導入するメリットは、何といっても手軽に快適でフラットな就寝スペースを確保できる点です。NV200の荷室の段差をきれいに解消し、大人2人が余裕で寝られる広さを生み出します。多くの場合、ベッドのマット下は収納スペースとして活用できるため、荷物の整理にも役立ちます。素材やデザイン、分割方法など、様々なタイプのベッドキットが販売されているので、自分の使い方や予算に合ったものを選ぶことができます。取り付けも比較的簡単なものが多く、DIY初心者でも挑戦しやすいカスタムです。

DIYで後部座席を自分好みに改造

既製品のベッドキットも便利ですが、より自分好みの空間を追求したい方はDIYに挑戦するのもおすすめです。NV200はボディ側面が垂直に近く、内装もシンプルなため、DIYで棚や家具を作り付けやすい構造になっています。

例えば、以下のようなDIYが人気です。

  • 床のフラット化とフローリング化: コンパネ(合板)などを使って床の段差をなくし、その上にクッションフロアやフローリング材を貼るカスタムです。見た目がおしゃれになるだけでなく、掃除がしやすくなるというメリットもあります。
  • サイドキャビネットの製作: タイヤハウスの上のデッドスペースなどを活用して収納棚を自作します。小物や調理器具を整理でき、車内空間を有効に活用できます。
  • 折りたたみ式テーブルの設置: ベッドキットと組み合わせて、食事やPC作業ができるテーブルを設置するのも便利です。

DIYは手間と時間がかかりますが、その分、完成した時の喜びは格別です。世界に一台だけの、自分のライフスタイルに完璧にフィットしたNV200を作り上げる楽しさがあります。

後部座席の取り外しは可能?構造と注意点

「もっと広いスペースが欲しい」「本格的なキャンピングカー仕様にしたい」という場合、後部座席そのものを取り外すという選択肢も考えられます。NV200の後部座席は、ボルトでフロアに固定されているため、工具があれば取り外すこと自体は可能です。

しかし、後部座席の取り外しには注意が必要です。座席を取り外すと乗車定員が変わるため、運輸支局で構造変更の申請が必要になります。

この手続きを行わずに公道を走行すると、違法改造とみなされる可能性があります。また、シートやシートベルトは安全に関わる重要な部品です。取り外しや再取り付けの作業は、安全性を十分に確保した上で行う必要があります。自信がない場合は、専門のカスタムショップに相談するのが最も安全で確実な方法です。

中古車選びでチェックしたい後部座席のポイント

NV200は中古車市場でも人気が高く、多くの車両が流通しています。購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、後部座席周りで特にチェックしておきたいポイントをまとめました。

シートの状態(汚れ・破れ・へたり)

まず最も基本的なチェックポイントが、シート自体の状態です。

  • 汚れやシミ: 特に子供を乗せていたファミリーユースの車両は、食べこぼしや飲みこぼしのシミが付いていることがあります。クリーニングで落ちる程度か、しっかり確認しましょう。
  • 破れや擦れ: 特に乗り降りで擦れやすいサイドサポート部分や、シートベルトのバックルが当たる部分に破れがないかチェックします。
  • クッションのへたり: 商用で長年使われていた車両や、走行距離が多い車両は、シートのクッションがへたっていることがあります。実際に座ってみて、座り心地やホールド感を確認することが大切です。
  • タバコの焦げ跡や臭い: 喫煙車だった場合、シートに焦げ跡が残っていたり、臭いが染みついていたりすることがあります。これも入念にチェックしましょう。

シートベルトやISOFIXアンカーの有無

安全に関わる装備のチェックも欠かせません。後部座席のすべてのシートベルトが正常に引き出せ、ロックがかかるかを確認してください。

また、小さなお子さんを乗せる予定がある場合は、ISOFIX(アイソフィックス)対応のチャイルドシート固定用アンカーの有無を確認しましょう。ISOFIXは、チャイルドシートをより簡単・確実に車体に固定するための国際標準規格です。NV200も年式やグレードによりますが、後部座席にISOFIXアンカーが装備されています。チャイルドシートの取り付けを考えている方は、必ずその位置と状態を確認してください。

オプション装備の確認

NV200の後部座席周りには、快適性を向上させるオプションがいくつか存在します。中古車の場合、前のオーナーがどのようなオプションを付けていたかによって、使い勝手が大きく変わることがあります。

例えば、後席用のエアコン吹き出し口や、プライバシーガラス、スライドドアのオートクロージャー(半ドア状態から自動で閉めてくれる機能)などがあると、後部座席の快適性は格段に向上します。これらの装備は後付けが難しいものも多いため、中古車を探す際には、どのようなオプションが付いているかを車両情報でしっかり確認し、内見の際にも実際に動作させてみることが重要です。

まとめ:NV200の後部座席を理解して、最適な一台を見つけよう

この記事では、日産NV200バネットの後部座席について、基本的なスペックから乗り心地、シートアレンジ、そしてカスタムの可能性まで幅広く解説しました。

重要なポイントを振り返ってみましょう。

  • NV200にはバンとワゴンがあり、後部座席の仕様が全く異なること。人を乗せるならワゴン、荷物優先ならバンが基本です。
  • 乗り心地は商用車ベースのため割り切りも必要ですが、ワゴンはリクライニング機能などで快適性が高いです。
  • 後部座席を格納した際の広大な荷室空間が最大の魅力であり、シートアレンジ次第で様々な用途に対応できます。
  • DIYや市販のベッドキットを使えば、後部座席を快適な車中泊スペースにカスタムすることが可能です。

NV200の後部座席は、ある人にとっては少し不便な補助席かもしれませんが、別の人にとっては無限の可能性を秘めた空間です。あなたがNV200で何をしたいのか、誰とどこへ行きたいのかを想像しながら、この記事の情報を役立てて、ぜひあなたにとって最高の一台を見つけてください。

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