レクサスオーナーになった方、これから購入を検討している方が一度は疑問に思うのが「ガソリンの種類」ではないでしょうか。「レクサスは高級車だからハイオクが必須?」「もし間違えてレギュラーを入れたらどうなるの?」といった不安や疑問を抱えている方も少なくないはずです。
この記事では、レクサスに推奨されるガソリンの種類について、初心者の方にも分かりやすく解説します。ハイオクとレギュラーの基本的な違いから、なぜレクサスにハイオクが指定されることが多いのか、そして万が一レギュラーガソリンを入れてしまった場合の対処法まで、詳しくご紹介します。この記事を読めば、あなたのレクサスに最適な燃料選びが分かり、より安心で快適なカーライフを送れるようになります。
レクサスのガソリンはどの種類を選べばいい?
レクサスに乗る上で、まず知っておきたいのがガソリンの種類です。エンジンの性能を最大限に引き出し、長く愛車と付き合うためには、メーカーが指定する燃料を選ぶことが基本となります。
基本はハイオク(プレミアムガソリン)
レクサスは、そのブランドイメージ通り、パワフルで静かな走行性能を追求した高性能なエンジンを搭載しているモデルが多いのが特徴です。 このような高性能エンジンの能力を100%発揮させるために、ハイオクガソリンが推奨されています。
ただし、すべてのレクサス車がハイオク指定というわけではありません。 特にハイブリッドモデルの一部などでは、レギュラーガソリンが指定されている車種も存在します。 例えば、ES300hやIS300h、UX250hといったハイブリッド車や、NX250などがレギュラーガソリン仕様となっています。 そのため、ご自身の愛車や購入を検討しているモデルの指定燃料を正確に把握することが非常に重要です。
なぜハイオクが推奨されるのか?
レクサスがハイオクガソリンを推奨する最大の理由は、搭載されている高性能エンジンの性能を最大限に引き出すためです。 ハイオクガソリンは、後述する「オクタン価」という数値が高く、異常燃焼(ノッキング)を起こしにくい特性があります。
エンジンのパワーを上げるためには、ガソリンと空気の混合気をより強く圧縮して爆発させる必要があります。この圧縮比を高めると、パワーは出やすくなりますが、同時に意図しないタイミングで自然発火してしまう「ノッキング」という現象が起きやすくなります。 ノッキングが起きると、エンジンから異音が発生するだけでなく、出力が低下したり、最悪の場合はエンジンにダメージを与えたりする可能性があります。
オクタン価の高いハイオクガソリンは、このノッキングを防ぐ効果が高いため、高圧縮比の高性能エンジンでも安定した燃焼を保ち、本来のパワーとスムーズな走行フィールを実現できるのです。
車種ごとの指定燃料を確認する方法
ご自身のレクサスの指定燃料がハイオクかレギュラーかを確認するには、いくつかの簡単な方法があります。最も確実なのは以下の2つです。
給油口のフタの裏側を確認する
多くの車では、給油口のフタの裏側に指定燃料の種類(例:「無鉛プレミアム」「無鉛レギュラー」など)が記載されたステッカーが貼られています。給油の際に、まずはこちらを確認する習慣をつけると間違いがありません。
車両の取扱説明書を確認する
取扱説明書には、車両のスペックやメンテナンスに関する詳細な情報が記載されています。その中に、必ず使用燃料についての項目がありますので、正確な情報を確認することができます。
中古車で購入した場合や、ステッカーが剥がれてしまっている場合などは、取扱説明書で確認するのが最も確実です。このように、車種やモデル、年式によって指定燃料は異なるため、必ずご自身の車に合った燃料を確認するようにしましょう。
ハイオクとレギュラーガソリンの基本的な違い

ガソリンスタンドでよく目にする「ハイオク」と「レギュラー」。価格が違うことは知っていても、具体的に何が違うのかを詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、その基本的な違いについて解説します。
「オクタン価」が性能の鍵
ハイオクとレギュラーの最も大きな違いは、「オクタン価」という数値にあります。 オクタン価とは、ガソリンがエンジン内でどれだけ異常燃焼(ノッキング)しにくいかを示す指標です。
日本工業規格(JIS)では、オクタン価によってガソリンの種類が以下のように定められています。
| 種類 | オクタン価 |
|---|---|
| ハイオクガソリン | 96以上 |
| レギュラーガソリン | 89以上 |
このように、ハイオクはレギュラーよりも高いオクタン価を持つことが規格で保証されています。
エンジンの性能を最大限に引き出すハイオク
前述の通り、レクサスのような高性能エンジンは、高いパワーを引き出すために圧縮比が高く設計されています。このようなエンジンにオクタン価の低いレギュラーガソリンを使用すると、ノッキングが発生しやすくなります。
ハイオクガソリンは「燃えにくい」性質を持っているため、高い圧力がかかっても意図しないタイミングで着火することなく、プラグの火花によって適切なタイミングで力強く燃焼します。 これにより、エンジンは設計通りの性能を最大限に発揮でき、パワフルな加速や静かでスムーズな回転フィールを実現できるのです。
また、ハイオクガソリンにはエンジン内部の汚れを洗浄する清浄剤などの添加剤が含まれていることが多く、エンジンをクリーンに保つ効果も期待できます。 これにより、長期的にエンジンのコンディションを良好に保つことにも繋がります。
価格差はどのくらい?
ご存知の通り、ハイオクガソリンはレギュラーガソリンよりも価格が高く設定されています。一般的に、その価格差は1リットルあたり10円前後であることが多いです。
例えば、タンク容量が60リットルの車を満タンにする場合、1回の給油で約600円の差が出ることになります。年間1万キロ走行し、燃費が10km/Lだとすると、必要なガソリンは1000リットル。年間の差額は約10,000円となります。
この価格差をどう捉えるかは人それぞれですが、レクサスが持つ本来の走行性能やエンジンの保護という観点から見れば、メーカーが指定するハイオクを選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。
レクサスにレギュラーガソリンを入れたらどうなる?

ハイオク指定のレクサスに、うっかり、あるいは節約のためにレギュラーガソリンを入れたらどうなるのでしょうか。「すぐに壊れてしまうのでは?」と心配になる方もいるかもしれませんが、結論から言うと、すぐに重大な故障につながる可能性は低いです。
故障する可能性は低い
現代の車は非常に賢く、ハイオク仕様車にレギュラーガソリンが給油された場合でも、すぐにエンジンが故障するわけではありません。
車には「ノックセンサー」という部品が搭載されており、エンジンの異常燃焼(ノッキング)を検知する仕組みになっています。 もしレギュラーガソリンの使用によってノッキングの兆候が検知されると、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)が点火タイミングなどを自動的に調整し、エンジンへのダメージを防ごうとします。
そのため、一度や二度、間違えてレギュラーガソリンを入れてしまったからといって、直ちに走行不能になるような事態に陥ることは考えにくいです。
パワーダウンや燃費悪化の可能性
すぐに故障はしないものの、エンジンが本来の性能を発揮できなくなるというデメリットは確実にあります。
ノッキングを防ぐための制御が働くと、エンジンの点火タイミングが最適な状態からずれることになります。その結果、以下のような影響が出る可能性があります。
- 出力(パワー)の低下: アクセルを踏んだときの加速が鈍く感じられるなど、本来の力強さが失われます。
- 燃費の悪化: エンジンの燃焼効率が落ちるため、同じ距離を走るのにより多くの燃料が必要になり、結果的に燃費が悪化します。
- エンジンからの異音: 制御が追い付かない場合、カリカリ、チリチリといったノッキング音が発生することがあります。
ノッキングのリスクとは?
ノッキングは、エンジン内部で混合気が適切なタイミング以外で異常燃焼する現象です。 この現象が続くと、エンジン内部のピストンやシリンダーに想定外の高い圧力がかかり、ダメージが蓄積していきます。
軽いノッキングであれば車の制御システムが対応してくれますが、日常的にレギュラーガソリンを使い続けるなどしてノッキングが頻繁に発生すると、長期的にはエンジンに深刻なダメージを与え、寿命を縮める原因になりかねません。
特に、急な坂道を登るときや、高速道路で追い越し加速をするときなど、エンジンに高い負荷がかかる状況ではノッキングが起きやすくなります。愛車を長く大切に乗るためには、やはりメーカーの指定通りハイオクガソリンを使用することが最も安心な選択と言えるでしょう。
ガソリンの種類を間違えてしまった時の対処法
セルフのガソリンスタンドが増えたことで、うっかりガソリンの種類を間違えてしまうというミスは誰にでも起こり得ます。もし間違えてしまった場合でも、慌てず冷静に対処することが大切です。
慌てずに状況を確認
まず大切なのは、間違えて給油してしまったことに気づいた時点で、それ以上給油を続けないことです。そして、エンジンをかける前に、どの種類の燃料をどのくらい入れてしまったかを確認しましょう。
- ハイオク指定車にレギュラーを入れた
- レギュラー指定車にハイオクを入れた
- ガソリン車に軽油を入れた
この中で最も注意が必要なのは「ガソリン車に軽油を入れた」場合です。この場合は絶対にエンジンをかけず、すぐにガソリンスタンドのスタッフやロードサービス、ディーラーに連絡して指示を仰いでください。燃料をすべて抜き替える必要があります。
ここでは、ハイオクとレギュラーを入れ間違えた場合の対処法について詳しく見ていきます。
ハイオク指定車にレギュラーを入れた場合
最も多いのがこのケースかもしれません。前述の通り、ハイオク指定のレクサスにレギュラーガソリンを入れても、すぐに故障する可能性は低いです。
もし、タンクが空に近い状態で少量のレギュラーガソリンを入れてしまったことに気づいたのであれば、そのまま満タンになるまでハイオクガソリンを追加で給油するのが一つの対処法です。ハイオクとレギュラーが混ざることでオクタン価が多少下がりますが、大きな影響は出にくいと考えられます。
満タン近くまでレギュラーガソリンを入れてしまった場合は、急加速やエンジンに高負荷をかける運転は避け、なるべく早めにハイオクガソリンを給油して混ぜていくようにしましょう。心配な場合は、ディーラーや整備工場に相談することをおすすめします。
レギュラー仕様車にハイオクを入れた場合
レギュラーガソリンが指定されている車に、間違えてハイオクガソリンを入れた場合はどうでしょうか。
ハイオクはレギュラーよりもオクタン価が高く、エンジンへのダメージとなるノッキングを起こしにくい燃料です。そのため、レギュラー仕様のエンジンに入れても、特に不具合が発生することはありません。
ただし、車がレギュラーガソリンで走ることを前提に設計されているため、ハイオクを入れたからといってパワーが上がったり、燃費が劇的に良くなったりするわけではありません。 結果として、単に価格の高いガソリンを入れただけということになるため、経済的なメリットはありません。間違えに気づいたら、次回からは指定通りのレギュラーガソリンに戻せば大丈夫です。
まとめ:レクサスのガソリンは、種類を正しく選んで快適な走りを

この記事では、レクサスのガソリンの種類について詳しく解説してきました。最後に、大切なポイントを振り返ってみましょう。
- レクサスの多くのモデルでは、高性能エンジンの性能を最大限に引き出すためハイオクガソリンが指定されています。
- ただし、一部のハイブリッド車などレギュラーガソリン仕様のモデルも存在するため、給油口や取扱説明書で必ず確認が必要です。
- ハイオクとレギュラーの主な違いはオクタン価にあり、オクタン価の高いハイオクは異常燃焼(ノッキング)を防ぎます。
- ハイオク指定車にレギュラーガソリンを入れてもすぐに故障するわけではありませんが、パワーダウンや燃費悪化の原因となり、長期的にはエンジンにダメージを与えるリスクもあります。
- もしガソリンの種類を間違えても、慌てず状況を確認し、適切に対処することが大切です。
レクサスが提供する上質でパワフルな走りを存分に楽しむためには、メーカーが指定したガソリンを選ぶことが最も重要です。燃料代の差額以上に、愛車の性能を維持し、長く安心して乗り続けるための大切な投資と考えるのが良いでしょう。正しい燃料を選び、快適で素晴らしいレクサスライフをお送りください。



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