スズキのエブリィワゴンは、広い室内空間と使い勝手の良さから、商用利用だけでなくファミリーカーとしても人気の高い軽自動車です。そんなエブリィワゴンに乗り始めたばかりの方や、これから購入を検討している方にとって、意外と戸惑うのが給油口の位置や開け方ではないでしょうか。一般的な乗用車とは少し異なるため、ガソリンスタンドで慌ててしまうこともあるかもしれません。
この記事では、エブリィワゴンの給油口の基本的な情報から、いざという時に役立つトラブルシューティングまで、幅広く解説します。給油口の位置やレバーの場所といった基本的な操作方法はもちろん、「給油口の蓋が開かなくなった!」といった緊急時の対処法、さらには蓋の交換やメンテナンス方法、使用するガソリンの種類やタンク容量まで、この記事を読めばエブリィワゴンの給油に関する疑問がすべて解決するはずです。安心して快適なカーライフを送るために、ぜひ最後までご覧ください。
エブリィワゴンの給油口はどこ?基本的な開け方

エブリィワゴンを初めて運転する方がまず確認しておきたいのが、給油口の場所と開け方です。一般的な乗用車とは少し違う特徴があるため、事前に知っておくとガソリンスタンドでスムーズに給油できます。ここでは、給油口の位置の見つけ方から、レバーの操作方法までを詳しく解説します。
給油口の位置は運転席から見てどっち側?
エブリィワゴンの給油口は、車両の右側、運転席ドアのすぐ下あたりにあります。 多くの乗用車が後輪の近くに給油口を持っているのに対し、エブリィワゴンは前席の近くにあるのが特徴です。 これは、荷室スペースを最大限に確保するための設計に由来しています。
ガソリンスタンドに入る際は、給油機が車の右側にくるように停車するとスムーズです。もし給油口が左右どちらにあるか分からなくなってしまった場合は、運転席のメーターパネル内にある燃料メーターを確認しましょう。給油機のマークの横に「◀」や「▶」といった三角形のマークがあり、この矢印が指している方向が給油口のある側です。
給油口レバーの場所と操作方法
エブリィワゴンの給油口は、運転席にあるレバーを引いて開ける「レバー式」が採用されています。 その給油口レバー(フューエルリッドオープナー)は、運転席シートの足元、ドアの近くに設置されています。 運転席に座った状態だと少し見えにくい位置にあるため、車から降りる際に確認すると分かりやすいでしょう。
1. パーキングブレーキをしっかりかけ、エンジンを停止させます。
2. 運転席シートの足元にある、給油機のマークが描かれたレバーを探します。
3. レバーを手前に引くと、「カチャ」という音と共に給油口の蓋が少し浮き上がります。
4. あとは、手で蓋を開ければ給油キャップが現れます。
操作自体は非常に簡単ですが、レバーが小さいため、慣れるまでは手探りで見つけることになるかもしれません。
プッシュオープン式の場合の開け方
最近の乗用車には、給油口の蓋を直接押して開ける「プッシュオープン式」を採用している車種も増えていますが、現行のエブリィワゴンでは、前述の通り運転席下のレバーで開ける方式が採用されています。
過去のモデルや他車種では鍵で直接開けるタイプもありましたが、現在のエブリィワゴンではこのレバー式が主流です。 そのため、「蓋を押しても開かない」と焦る必要はありません。必ず運転席の足元にある専用のレバーで操作するようにしてください。
エブリィワゴンの給油口が開かない!主な原因と対処法

普段何気なく行っている給油ですが、ある日突然「レバーを引いても給油口が開かない」というトラブルに見舞われることがあります。燃料が少なくなっている状況では、特に焦ってしまいますよね。ここでは、エブリィワゴンの給油口が開かなくなる主な原因と、その対処法について解説します。
給油口レバーが動かない・スカスカする原因
運転席のレバーを引いても手応えがなかったり、スカスカした感触だったりする場合、レバーと給油口のロック部分を繋いでいるワイヤーに問題が発生している可能性が高いです。
考えられる原因
- ワイヤーの断線・伸び: 経年劣化によりワイヤーが切れたり、伸びてしまったりすることがあります。
- ワイヤーの外れ: レバー部分やロック部分でワイヤーが外れているケースです。
- ロック機構の不具合: 給油口側のロック部品(アクチュエーターなど)が錆やゴミの詰まりで正常に作動しなくなっている可能性があります。
これらのトラブルは、部品の交換や調整が必要になるため、個人で修理するのは難しい場合が多いです。 無理にこじ開けようとすると他の部品を破損させてしまう恐れもあるため、ディーラーや整備工場に相談することをおすすめします。
寒冷地で多い「凍結」によるトラブル
特に冬場の寒い日や寒冷地で給油口が開かなくなった場合、凍結が原因かもしれません。洗車後などに給油口の隙間に入り込んだ水分が凍りつき、蓋が開かなくなってしまうのです。
この場合の対処法としては、以下の方法が考えられます。
- 暖かい場所へ移動する: 日当たりの良い場所に車を移動させたり、暖房の効いた屋内の駐車場にしばらく停めておいたりして、自然に氷が溶けるのを待ちます。
- ぬるま湯をかける: 凍結している部分にゆっくりとぬるま湯をかけます。熱湯をかけると塗装を傷めたり、部品が変形したりする危険があるため、必ずぬるま湯を使用してください。お湯をかけた後は、水分をしっかりと拭き取っておきましょう。
- ドライヤーで温める: 電源が確保できる場合は、ドライヤーの温風を当てて氷を溶かすのも有効です。
凍結を防ぐためには、洗車後に給油口周りの水分を念入りに拭き取っておくことが大切です。
給油口の蓋(フューエルリッド)が固着している場合
レバーを引くと「カチャ」という音はするものの、蓋が少しも浮き上がらない場合は、蓋のヒンジ部分(蝶番)の錆や汚れによる固着が考えられます。また、蓋のロックを解除した際に、蓋を外側に押し出す役割を持つ小さなバネ(板バネ)がうまく機能していない可能性もあります。
このような場合は、以下の手順を試してみてください。
- 一人が運転席で給油口レバーを引いたままの状態を維持します。
- もう一人が、給油口の蓋の縁に爪や薄いカードなどをそっと差し込み、手前に引き出します。
この方法で開いた場合は、ヒンジ部分やバネ周辺を清掃し、潤滑剤を少量スプレーしておくと再発防止に繋がります。ただし、力を入れすぎると蓋や塗装を傷つける可能性があるので、慎重に作業してください。
緊急時の給油口の開け方
残念ながら、エブリィワゴンには一部の乗用車に設定されているような、車内や荷室からワイヤーを直接引いて開けるといった緊急用の解除機構は備わっていません。
そのため、レバーを引いても開かず、凍結や固着でもない場合は、自力での解決は困難です。
ガソリンスタンドで給油できない状態になったら、無理にこじ開けようとせず、速やかにJAFなどのロードサービスや、ディーラー、自動車整備工場に連絡して対応を依頼しましょう。
給油口の蓋(フューエルリッド)の交換とメンテナンス
エブリィワゴンの給油口の蓋(フューエルリッド)は、経年劣化や外部からの衝撃で破損してしまうことがあります。特にDA64W型のエブリィワゴンでは、蓋の根元が錆びて折れてしまうという事例も報告されています。 ここでは、蓋の交換方法や日常的なメンテナンスについて解説します。
蓋が壊れた!交換は自分でできる?
給油口の蓋の交換は、DIYに慣れている方であれば比較的簡単に行うことができます。
1. 給油口の蓋を開けます。
2. 蓋の付け根にある10mmのボルト2本をレンチで外します。
3. 古い蓋を取り外し、新しい蓋を逆の手順で取り付けます。
作業時間は30分以内と、それほど時間はかかりません。 ただし、車種や年式によって構造が異なる場合があるため、作業前には必ずご自身の車に合った方法を確認してください。自信がない場合や、工具がない場合は、ディーラーや整備工場に依頼するのが確実です。
交換部品の選び方と注意点
交換用の給油口の蓋は、ディーラーや自動車部品販売店、インターネット通販などで購入できます。購入する際には、必ずご自身の車の型式に適合するものを選びましょう。
| 部品の種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 純正部品(未塗装品) | 車体色に塗装されていない素地の状態。 | 取り付け後に車体と同じ色に塗装する必要があります。比較的安価です。 |
| 純正部品(塗装済み品) | メーカーによって車体色に塗装された状態。 | 塗装の手間がなく、交換するだけで済みます。未塗装品に比べて価格は高くなります。 |
| 社外品・中古品 | デザイン性の高いものや、中古パーツなど。 | 適合や品質を十分に確認する必要があります。 |
スズキのディーラーに問い合わせると、DA64W/DA64V型の場合、スペリアホワイトやシルキーシルバーメタリックなどの主要な色は塗装済み品が用意されているようです。 費用を抑えたい場合は未塗装品を選び、自分で塗装するか、板金塗装業者に依頼する方法もあります。
給油口周りの日常的なメンテナンス
給油口のトラブルを未然に防ぐためには、日頃の簡単なメンテナンスが効果的です。
- 清掃: 洗車の際には、給油口の蓋を開けて内部やヒンジ周りの汚れ、砂埃などを洗い流しましょう。汚れが溜まると、水の抜けが悪くなり錆の原因となります。
- 潤滑: 蓋のヒンジ部分やロック部分の動きが渋いと感じたら、潤滑スプレーを少量吹き付けておくとスムーズな開閉を保てます。
- 水分の拭き取り: 特に洗車後や雨天走行後は、蓋の裏側やキャップ周りの水分を拭き取っておきましょう。これが凍結や錆の防止に繋がります。
こうした少しの気配りが、部品の寿命を延ばし、突然のトラブルを防ぐことに繋がります。
エブリィワゴンの給油に関する基本情報

最後に、エブリィワゴンの給油に関する基本的な情報をまとめました。愛車の性能を維持し、安全に走行するために、正しい知識を身につけておきましょう。
使用するガソリンの種類は?
エブリィワゴンに使用する燃料は、無鉛レギュラーガソリンです。
給油キャップや、給油口の蓋の裏側にも指定燃料の種類が記載されていることが多いので、セルフスタンドで給油する際には念のため確認する習慣をつけると良いでしょう。
誤って軽油などの異なる種類の燃料を入れてしまうと、エンジンが故障する原因となります。万が一、入れ間違えてしまった場合は、エンジンをかけずにすぐにガソリンスタンドのスタッフに相談し、ディーラーや整備工場に連絡してください。
燃料タンクの容量はどれくらい?
エブリィワゴンの燃料タンク容量は、年式や型式によって若干異なりますが、おおむね37リットルから40リットルです。
- 現行モデル(DA17W型): 37リットル
- 旧型モデル(DA64W型など): 40リットル
燃料計の警告灯が点灯してから走行できる距離は、走行状況にもよりますが一般的に50km程度と言われています。警告灯が点灯したら、早めに給油することを心がけましょう。
給油キャップの締め忘れに注意!
給油後に意外と多いのが、給油キャップの締め忘れです。セルフスタンドでは特に注意が必要です。キャップを締め忘れると、走行中の振動でガソリンが漏れ出し、火災の原因となる可能性があり非常に危険です。
また、最近の車は燃料タンク内の圧力をセンサーで監視しているため、キャップがきちんと閉まっていないとシステムが異常を検知し、エンジンチェックランプが点灯することもあります。
給油後は、蓋を閉める前に必ずキャップが締まっていることを指差し確認するくらいの意識を持つことが大切です。
まとめ:エブリィワゴンの給油口を理解して快適なドライブを

この記事では、エブリィワゴンの給油口に関する情報を網羅的に解説しました。
- 給油口の位置: 車両右側、運転席ドアの下
- 開け方: 運転席シート足元のレバーを引く
- トラブル対処法: 開かない原因はワイヤーの不具合や凍結など。緊急開錠機構はないため、無理せず専門業者へ連絡を
- 給油情報: 燃料はレギュラーガソリンで、タンク容量は約37〜40リットル
エブリィワゴンの給油口は一般的な乗用車と位置が異なりますが、一度覚えてしまえば操作は簡単です。万が一のトラブルにも慌てず対処できるよう、この記事の内容をぜひ参考にしてください。日頃からの簡単なメンテナンスを心がけることで、より長く安心してエブリィワゴンとのカーライフを楽しむことができるでしょう。



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