プリウスαの車中泊!フラット空間の作り方と快適グッズを完全ガイド

車中泊・アウトドア活用術

低燃費で長距離移動も得意なプリウスαは、実は車中泊にもぴったりの一台です。広々とした室内空間は、ちょっとした工夫で快適な寝室に早変わりします。

この記事では、「プリウスαで車中泊をしたいけど、どうすれば快適なフラット空間が作れるの?」という疑問をお持ちの方に向けて、具体的なシートアレンジの方法から、段差を解消して寝心地をアップさせるコツ、そして車中泊をさらに楽しくする便利グッズまで、わかりやすく解説していきます。

5人乗りと7人乗りの違いにも触れながら、あなたのプリウスαを最高の車中泊仕様にするための情報をお届けします。さあ、プリウスαと一緒に、自由で経済的な旅に出かける準備を始めましょう。

プリウスαで車中泊!フラット空間を作る基本

プリウスαは、その優れた燃費性能とステーションワゴンならではの広い室内空間から、車中泊を楽しむのに非常に適した車種として人気があります。 特に、後部座席を倒すことで生まれる広大なスペースは、大人2人でも十分に足を伸ばして休むことが可能です。

しかし、ただシートを倒すだけでは、完全に平らな「フルフラット」な状態にはならず、快適な睡眠を得るためにはいくつかの工夫が必要になります。 ここでは、プリウスαがなぜ車中泊に向いているのか、そして快適なフラット空間を作り出すための基本的な知識と手順について詳しく見ていきましょう。

プリウスαは車中泊に向いている?その理由とは

プリウスαが車中泊に適している理由は、単に室内が広いというだけではありません。ハイブリッドカーならではの静粛性や、便利な機能がその快適性を大きく向上させています。

まず挙げられるのが、ハイブリッドバッテリーによるエアコンの使用です。 夏の暑い夜や冬の寒い朝でも、エンジンをかけっぱなしにすることなく、バッテリーの電力でエアコンを作動させることができます。これにより、ガソリンの消費を抑えつつ、エンジン音や振動のない静かな環境で快適に過ごすことが可能です。 これは、騒音に気を使う必要のある場所での車中泊において、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

次に、一部グレードにオプション設定されているAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントの存在です。 これがあれば、車内でドライヤーや電気ケトル、ノートパソコンといった家庭用の電化製品を気兼ねなく使用できます。 まるで移動できる小さな部屋のように、車中泊の可能性を大きく広げてくれる便利な機能です。

さらに、プリウスαは運転席の視点が高めに設計されており、天井も高いため、運転中の視界が良好で圧迫感が少ないのも特徴です。 この開放感は、長時間車内で過ごす車中泊においても、リラックスできる空間作りに貢献してくれます。

5人乗りと7人乗りの違いとフラット化のポイント

プリウスαには、2列シートの5人乗りモデルと3列シートの7人乗りモデルが存在し、どちらを選ぶかによって車中泊のスタイルやフラット化の方法が少し異なります。

5人乗りの特徴
5人乗りモデルは、3列目シートがない分、荷室(ラゲッジスペース)の床下収納が充実しているのが大きな特徴です。 リアシートを倒した際の荷室容量は1,070Lと広く、車中泊で使う寝袋やマットなどの荷物をたくさん積むことができます。 シートを倒した際に生まれる空間も広く、フラット化しやすいのがメリットです。
7人乗りの特徴
一方、7人乗りモデルは3列目シートを備えているため、普段は多人数での乗車が可能です。 車中泊をする際は、2列目シートだけでなく3列目シートも格納することでフラットな空間を作り出します。ただし、5人乗りに比べて床下収納の容量は小さくなります。

どちらのモデルでもリアシートを倒せば大人が寝るためのスペースを確保できますが、シートを倒しただけでは、ラゲッジスペースとの間に若干の傾斜や段差、そしてシートの隙間ができてしまいます。 この段差や隙間をどう解消するかが、快適なフラット空間を作る上での最も重要なポイントになります。

シートアレンジでフルフラットにする具体的な手順

プリウスαで快適なフラット空間を作るための具体的なシートアレンジの手順は、非常にシンプルです。

  1. フロントシート(運転席・助手席)を一番前までスライドさせる
    まず、フロントシートをできるだけ前方に移動させ、背もたれも少し前に倒しておきます。こうすることで、後部座席を倒すためのスペースを最大限に確保できます。
  2. リアシートのヘッドレストを取り外す
    次に、リアシートのヘッドレストを全て取り外します。ヘッドレストを付けたままだと、シートを倒した時にフロントシートに干渉してしまい、うまくフラットになりません。
  3. リアシートの背もたれを倒す
    肩口にあるレバーを引きながら、リアシートの背もたれを前方に倒します。5人乗りは6:4の分割可倒式、7人乗りは5:5の分割可倒式になっています。これで、荷室から続く広大な空間が出現します。

この手順でシートを倒すと、ある程度フラットに近い状態にはなりますが、前述の通り、いくつかの段差や隙間が残ります。特に、倒したリアシートの背面と荷室フロアの間、そしてフロントシートと倒したリアシートの間には、何もしないと気になる隙間ができてしまいます。

この問題を解決するためには、市販の段差解消マットやクッション、あるいは自作した板などを活用するのが一般的です。 これらのアイテムをうまく使うことで、まるでベッドのような完全にフラットな寝心地を実現することができます。

プリウスαの荷室サイズとフラット時の寸法

車中泊をする上で最も気になるのが、「実際にどれくらいの広さで寝ることができるのか?」という点でしょう。プリウスαはステーションワゴンの中でも広々とした室内空間を誇りますが、具体的な寸法を知っておくことで、マット選びや荷物の配置計画が立てやすくなります。ここでは、荷室の基本スペックから、シートを倒してフラットにした際の最大スペースまで、詳しく見ていきましょう。

荷室の基本スペック(幅・奥行き・高さ)

まずは、リアシートを倒していない通常時の荷室サイズから確認します。乗車人数や使い方によって荷室の広さは変わります。

乗車定員 荷室長(奥行き) 荷室幅 荷室高
5人乗り 約985mm 約995mm 約810mm
7人乗り(3列目使用時) 約190mm 約995mm 約810mm
7人乗り(2列目使用時) 約985mm 約995mm 約810mm

(参考:)

この表からわかるように、5人乗りと、7人乗りで3列目シートを格納した状態の荷室奥行きは同じ約985mmです。 荷室の幅も約1m、高さも約81cmと十分なスペースが確保されています。 特に5人乗りは通常時のラゲッジ容量が535Lもあり、キャンプ道具などの大きな荷物も余裕で積み込めます。

シートを倒した時の最大スペースと寸法

次に、車中泊で最も重要となる、リアシートを倒してフラットにした状態でのスペース寸法を見ていきましょう。

フラット時のスペース寸法(目安)

  • 奥行き(最大長):約1,700mm 〜 2,000mm
  • :約1,300mm 〜 1,520mm
  • 高さ:約750mm

リアシートを倒し、フロントシートを一番前にスライドさせることで、奥行きは最大で約2メートルもの広大なスペースが生まれます。 これは、高身長の男性でも足を伸ばして寝られる十分な長さです。

また、室内幅は公称値で1,520mmあり、実際に寝るスペースとしても1,300mm以上は確保できるため、大人2人が並んで寝ても窮屈さを感じにくいでしょう。 ただし、車内の最も幅が広い部分の数値なので、タイヤハウスの出っ張りなどを考慮すると、実際に使える幅は少し狭まります。

高さに関しても約75cmあるため、寝返りをうったり、少し起き上がって本を読んだりする程度の動作であれば、頭をぶつける心配は少ないでしょう。

身長別の寝心地シミュレーション

では、実際にどのくらいの身長の人まで快適に寝られるのでしょうか。

  • 身長160cm台の方
    全く問題なく、余裕をもって寝ることができます。頭や足元に荷物を置くスペースも十分に確保できるでしょう。
  • 身長170cm台の方
    足を完全に伸ばして快適に眠れます。 フロントシートの位置を調整しなくても、十分な長さを確保できる場合が多いです。
  • 身長180cm以上の方
    フロントシートを一番前にスライドさせることで、まっすぐ寝るスペースを確保できます。少し斜めに寝るなどの工夫をすれば、さらにゆったりと過ごせるでしょう。

プリウスαのフラットスペースは、ほとんどの体格の方が快適に過ごせるだけの十分な広さを持っていると言えます。 事前に自分の身長と照らし合わせて、どのくらい余裕があるのかをイメージしておくと、より快適な車中泊計画を立てることができます。

快適なフラット空間を作るためのおすすめグッズ

プリウスαのシートを倒して作ったスペースを、まるで自宅のベッドのように快適な寝床へと変えるには、いくつかの便利グッズが欠かせません。ここでは、寝心地を劇的に改善するマットから、プライバシーを守るシェード、そしてあると便利な小物まで、車中泊を成功させるためのおすすめグッズを厳選してご紹介します。

段差解消の必需品!マットの選び方

プリウスαで車中泊をする上で、最も重要と言っても過言ではないのが「マット」です。 シートを倒した際にできてしまう段差やわずかな傾斜は、寝心地を大きく左右します。 体が痛くなるのを防ぎ、朝までぐっすり眠るためには、クッション性の高いマットで完全にフラットな面を作ることが大切です。

マットにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。

マットの種類 メリット デメリット こんな人におすすめ
インフレーターマット ・自動で膨らむので設置が楽
・クッション性が高い
・コンパクトに収納できる
・穴が開くと使えなくなる
・価格が比較的高め
手軽さと寝心地の両方を重視する人
エアマット ・厚みを調整できる
・非常にコンパクトになる
・価格が手頃なものも多い
・空気を入れる手間がかかる
・寝返りで音がしやすいものもある
とにかくコンパクトに収納したい人
高反発ウレタンマット ・段差解消能力が高い
・寝心地が安定している
・耐久性が高い
・収納時にかさばる
・重いものが多い
最高の寝心地を追求したい人

プリウスα専用に設計されたマットも市販されており、車内の形状にぴったりフィットするため、隙間なく敷き詰めることができて便利です。 自分の予算や、車中泊以外のシーン(キャンプなど)で使う可能性も考えながら、最適なマットを選びましょう。

プライバシーと断熱を確保するシェード

快適な睡眠のためには、プライバシーの確保と外気温対策が重要です。そこで活躍するのが、窓に貼り付ける「サンシェード」です。

車内の様子が外から見えないようにすることで、防犯対策になるのはもちろん、周りの目を気にせずリラックスして過ごすことができます。 特に、着替えをしたり、照明をつけたりする際には必須のアイテムです。

さらに、シェードには優れた断熱効果も期待できます。

  • :強い日差しを遮り、車内の温度上昇を抑える。
  • :車内の暖かい空気が外に逃げるのを防ぎ、冷気の侵入をブロックする。

これにより、エアコンの効率も上がり、燃費の節約にも繋がります。プリウスαの窓の形に合わせた専用設計のシェードセットが販売されており、全ての窓を隙間なく覆うことができるため、遮光性・断熱性を最大限に高めたい方におすすめです。

枕や寝袋、その他の快眠アイテム

マットとシェードが揃ったら、次は寝具です。普段使っている枕や掛け布団を持ち込むのも良いですが、車中泊ではよりコンパクトで機能的なものが重宝します。

  • 枕(ピロー)
    空気で膨らませるインフレータブルピローや、低反発素材のキャンプ用ピローなど、アウトドア向けに作られたものはコンパクトに収納できて便利です。自分に合った高さや硬さのものを選ぶと、睡眠の質が格段に向上します。
  • 寝袋(シュラフ)
    車中泊をする季節の気温に合わせて選びましょう。寝袋には、主に「マミー型」と「封筒型(レクタングラー型)」があります。保温性を重視するなら体にフィットするマミー型、布団のようにゆったり使いたいなら封筒型がおすすめです。封筒型は完全に開けば掛け布団のようにも使えるため、汎用性が高く人気があります。
  • ブランケット・タオルケット
    寝袋と合わせて使うことで、温度調節がしやすくなります。夏場はタオルケット1枚で十分なこともありますし、冬場は寝袋の上にブランケットをかけると保温性がさらにアップします。

あると便利!収納・照明・電源グッズ

快眠グッズ以外にも、車内での時間をより快適に、そして便利にするためのアイテムがあります。

  • LEDランタン
    車内の照明として、火を使わない電池式や充電式のLEDランタンが安全でおすすめです。吊り下げられるタイプや、明るさを調節できるものだとさらに便利です。
  • ポータブル電源
    プリウスαにはアクセサリーコンセントのオプションがありますが、非搭載の場合や、より手軽に電源を確保したい場合にポータブル電源があると非常に役立ちます。スマートフォンやタブレットの充電はもちろん、小型の電気毛布などを使いたい時にも活躍します。
  • 収納ボックス・コンテナ
    調理器具や衣類、洗面用具などをまとめて収納しておくと、車内が散らからずすっきりとします。使わない時はベッドスペースの下に収納できる高さのものを選ぶのがポイントです。

これらのグッズを揃えることで、プリウスαの車内はただ寝るだけの場所から、快適で機能的な「移動する秘密基地」へと進化します。

プリウスα車中泊の注意点と快適性を高める工夫

プリウスαでの車中泊は非常に快適ですが、安全で楽しい時間を過ごすためには、いくつか知っておくべき注意点があります。ここでは、健康面でのリスクを避けるための対策や、季節に応じた工夫、そして安心して休むための場所選びについて解説します。

エコノミークラス症候群を防ぐために

車中泊で最も注意したい健康リスクの一つが「エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)」です。 これは、長時間同じ姿勢でいることで足の血流が悪くなり、血の塊(血栓)ができてしまう病気です。この血栓が肺に飛ぶと、呼吸困難などを引き起こす危険性があります。

これを防ぐためには、以下の点を心がけましょう。

エコノミークラス症候群の予防策

  • できるだけフラットな状態で寝る:マットなどを活用し、足が不自然に曲がった状態にならないように工夫することが最も重要です。
  • こまめな水分補給:血液がドロドロになるのを防ぐため、就寝前や起床後にしっかりと水分を摂りましょう。
  • 適度な運動:長時間車を運転した後や、寝る前、起きた後などに、車外に出て軽いストレッチや散歩を行い、血行を促進させましょう。
  • ゆったりとした服装:体を締め付けるような服装は避け、リラックスできるジャージやスウェットなどで過ごしましょう。

プリウスαは比較的足を伸ばして寝やすい車種ですが、油断せず、これらの対策を徹底することが大切です。

季節ごとの暑さ・寒さ対策

季節によって車内の環境は大きく変わります。それぞれの季節に合わせた対策をすることで、一年中快適な車中泊が可能になります。

  • 夏の暑さ対策
    夏の車内は熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まります。

    • シェードの活用:窓からの直射日光を遮ることで、車内温度の上昇を大幅に抑えることができます。
    • 換気:窓を少し開けておく、小型の扇風機やサーキュレーターを使って車内の空気を循環させるといった工夫が有効です。 防犯・虫よけのために、窓に取り付ける網戸(バグネット)があると非常に便利です。
    • 駐車場所:日中は木陰など、直射日光が当たらない場所に駐車するよう心がけましょう。
  • 冬の寒さ対策
    冬は車内の温度が急激に下がり、底冷えします。

    • 断熱の徹底:シェードは外の冷気を遮断するのにも役立ちます。 また、窓に断熱シートを貼るのも効果的です。マットの下に銀マットを一枚敷くだけでも、地面からの冷気をかなり防ぐことができます。
    • 寝具の工夫:冬用の寝袋や電気毛布、湯たんぽなどを活用して、体を直接温めましょう。
    • 一酸化炭素中毒への注意:雪が降る地域では、マフラーが雪で埋もれてしまうと排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を引き起こす危険性があります。 エンジンをかけて暖房を使用する際は、車の周りの除雪を忘れずに行い、絶対にマフラーを塞がないようにしてください。

安全な場所選びと防犯対策

安心して眠るためには、どこで車中泊をするかという場所選びが非常に重要です。

  • 許可された場所を選ぶ
    道の駅やサービスエリア、オートキャンプ場など、公式に車中泊が認められている、あるいは黙認されている場所を選びましょう。スーパーの駐車場や私有地での無断駐車は絶対にやめましょう。
  • 安全と利便性を確認する
    • トイレの有無:24時間利用できる清潔なトイレが近くにあると安心です。
    • 治安:照明が適度にあって、周りにも車中泊をしている車がいるような場所の方が、比較的安全と言えます。
    • 平坦な場所:車が傾いていると寝心地が悪くなるだけでなく、エコノミークラス症候群のリスクも高まります。できるだけ平らな駐車スペースを探しましょう。
  • 防犯対策を徹底する
    • ドアロック:就寝中は必ず全てのドアをロックしましょう。
    • シェードやカーテン:車内の様子を外から見えないようにすることは、車上荒らしなどの犯罪を防ぐ上で非常に効果的です。
    • 貴重品の管理:貴重品は外から見えない場所に隠し、できれば体の近くに置いておきましょう。

これらの注意点をしっかりと守り、周りの利用者への配慮を忘れずに、マナーの良い車中泊を楽しみましょう。

まとめ:プリウスαで快適な車中泊を実現!フラット化のポイント

プリウスαは、その優れた燃費性能と広々とした室内空間を活かせば、最高の車中泊カーになり得ます。この記事では、プリウスαで快適な車中泊を実現するためのフラット空間の作り方を中心に、様々な情報をお届けしました。

要点を振り返ってみましょう。

  • プリウスαは、静かなハイブリッドシステムやアクセサリーコンセントにより車中泊に適している。
  • 5人乗りと7人乗りで荷室の構造は異なるが、どちらもシートアレンジで大人が寝られるスペースを確保可能。
  • 快適な睡眠の鍵は、リアシートを倒した際にできる段差や隙間を、マットなどを使って完全にフラットにすること。
  • 専用のマットシェード、寝袋などのグッズを活用することで、寝心地とプライバシーが格段に向上する。
  • 安全のため、エコノミークラス症候群の予防や、季節ごとの温度対策、そして許可された安全な場所選びを徹底することが重要。

少しの工夫と準備で、プリウスαはあなたをどこへでも連れて行ってくれる快適な「走る部屋」に変わります。この記事を参考に、あなただけのオリジナルな車中泊仕様を完成させ、自由気ままな旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。

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