日産の最上級ミニバンとして君臨するエルグランド。 「キングオブミニバン」とも称されるその堂々とした佇まいと豪華な内装は、多くのファミリー層の憧れの的です。 しかし、実際に購入を検討する際、気になるのが「荷室の広さや使い勝手」ではないでしょうか。「家族での旅行やキャンプで荷物はしっかり積める?」「ライバル車と比べて広いの?」といった疑問は尽きません。
この記事では、そんなエルグランドの荷室に焦点を当て、具体的な寸法から便利な機能、ライバル車との比較まで、あらゆる角度から徹底的に解説します。この記事を読めば、エルグランドの荷室があなたのライフスタイルに合っているかどうか、きっと明確になるはずです。
エルグランドの荷室、その広さと寸法を徹底チェック!

高級ミニバンを選ぶ上で、室内の快適性はもちろんですが、荷物をどれだけ積めるかという積載能力は非常に重要なポイントです。特に家族での利用を考えると、荷室の広さや寸法は使い勝手に直結します。ここでは、エルグランド(現行E52型)の荷室の基本的なサイズについて詳しく見ていきましょう。
気になる荷室の基本寸法(幅・高さ・奥行き)
まず、エルグランドの荷室の基本的な寸法を確認しましょう。具体的な数値を知ることで、実際に荷物を積む際のイメージがしやすくなります。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| 荷室高 | 940mm |
| 荷室幅 | 990mm(タイヤハウス間)~1,200mm |
| 奥行き(3列目シート使用時) | 310mm ~ 550mm(シートスライドによる) |
| 奥行き(3列目シート格納時) | 1,210mm |
荷室の高さは940mmあり、ある程度の高さのある荷物も積むことができます。 幅はタイヤハウス間でも約1m確保されており、横幅のある荷物もスムーズに積載可能です。 これらの寸法から、エルグランドは日常の買い物からレジャーまで、幅広いシーンで活躍できる十分な荷室空間を備えていることがわかります。
3列目シート使用時の荷室スペース
7人や8人といった多人数で乗車する機会が多いファミリーにとって、3列目シートを使用した状態での荷室容量は特に気になるところです。エルグランドは、この点においても工夫が凝らされています。
前述の通り、エルグランドの3列目シートには最大240mmの前方スライド機能が備わっています(2014年のマイナーチェンジ以降)。 これにより、3列目に人が座ったままでも、荷室の奥行きを約310mmから最大550mmまで拡大することが可能です。
この550mmという奥行きは、日常の買い物カゴやベビーカー、小さなスーツケースなどを積むのに十分なスペースです。例えば、スーパーでたくさん買い物をした後でも、全員が乗車した状態で荷物をしっかり積むことができます。また、30リットルサイズのクーラーボックスなら2個、ベビーバギーも2台積載可能です。
ライバル車の中には、3列目使用時の荷室が非常に狭くなってしまうモデルもありますが、エルグランドはこのスライド機能のおかげで、乗員スペースと荷室スペースのバランスを取りやすいのが大きな強みです。
シートアレンジで広がる最大積載量
さらに多くの荷物を積みたい場合、シートアレンジが活躍します。エルグランドは多彩なシートアレンジが可能で、荷物の大きさや形に合わせて荷室を最適化できます。
最も荷室を広く使えるのが、3列目シートを格納する「ラゲッジモード」です。 エルグランドの3列目シートは、ライバル車に多い左右跳ね上げ式ではなく、前方に倒して格納する方式を採用しています。 これにより、荷室の左右にシートが張り出すことがなく、横幅を最大限に活用できるフラットで広大な空間が出現します。
3列目シートを格納した場合の荷室奥行きは約1,210mmにもなり、大きなスーツケースやキャンプ用品、ゴルフバッグなども余裕をもって積むことができます。
ライバル車と比較!エルグランドの荷室の実力は?

エルグランドを検討する上で、やはり気になるのがライバル車との比較です。特に、ミニバン市場の王者であるトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」や、低床設計が魅力のホンダ「オデッセイ」と比べて、エルグランドの荷室はどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、それぞれの荷室を比較し、エルグランドならではの魅力を探ります。
アルファード/ヴェルファイアとの荷室比較
Lクラスミニバンの最大のライバルであるアルファード/ヴェルファイア(以下、アルファード)と比較してみましょう。
| 車種 | 荷室地上高 | 3列目シート格納方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| エルグランド | やや高め | 前方格納式 | 左右の壁がスッキリ、床下収納が広い |
| アルファード | 低め | 左右跳ね上げ式 | 荷室高が高い、積み下ろしが楽 |
まず大きな違いは3列目シートの格納方式です。アルファードが左右に跳ね上げて格納するのに対し、エルグランドは前方に倒して格納します。 これにより、エルグランドは荷室の横幅を最大限に使えるというメリットがあります。
一方で、アルファードはエルグランドよりも全高が高いため、荷室の高さ(室内高)に余裕があります。 また、荷室の床面地上高もアルファードの方が低く、重い荷物の積み下ろしがしやすいという利点があります。
オデッセイとの荷室比較
同じくFF(前輪駆動)プラットフォームを採用するホンダのオデッセイも比較対象となります。
| 車種 | 全高 | 荷室の特徴 | シートアレンジ |
|---|---|---|---|
| エルグランド | 1,815mm | 大容量の床下収納、横幅の広さ | 3列目シート前方格納 |
| オデッセイ | さらに低い | 超低床設計、3列目シート床下格納 | 3列目シートが床下に完全に格納可能 |
オデッセイの最大の特徴は、ホンダ独自の「超低床プラットフォーム」による圧倒的な床の低さです。これにより、乗り降りのしやすさや、背の低い荷物の積み下ろしのしやすさではオデッセイに軍配が上がります。3列目シートも床下に完全に収納できるため、非常にフラットで広大な荷室空間を作り出せます。
対してエルグランドは、オデッセイほどの低床設計ではありませんが、大容量のラゲッジアンダーボックス(床下収納)を備えている点が大きな違いです。 この床下収納があることで、荷室を立体的に使うことができ、結果として高い積載能力を発揮します。
室内空間の広さや高級感ではエルグランドが、低床設計による使い勝手や燃費性能ではオデッセイが、それぞれに強みを持っていると言えるでしょう。
エルグランドが持つ独自の魅力とは?
ライバル車と比較して見えてくるエルグランドの独自の魅力は、以下の2点に集約されます。
- 大容量ラゲッジアンダーボックスによる高い収納力
ゴルフバッグを立てて収納できるほどの深さを持つこの床下収納は、他のミニバンにはないエルグランドだけの大きな武器です。 荷物を隠して収納できるため、防犯面でも安心感があります。 - 3列目シート前方格納によるスクエアな荷室空間
左右跳ね上げ式のように、格納したシートが荷室の壁を圧迫することがありません。 これにより、横幅を気にすることなく、箱型の荷物などを効率よく積むことができます。
走行性能の高さと乗り心地の良さも見逃せません。低重心のFFプラットフォームを採用したことで、ミニバンとは思えない安定した走りを実現しています。 豪華な内装と相まって、長距離移動でも疲れにくい快適なドライブが可能です。 これらの要素が組み合わさることで、エルグランドはライバルとは一味違う独自の価値を提供しているのです。
もっと便利に!エルグランド荷室の使い勝手を向上させる機能
エルグランドの荷室は、ただ広いだけではありません。使う人のことを考えた便利な機能が随所に盛り込まれており、それらを活用することで使い勝手はさらに向上します。ここでは、特に注目したい3つの機能とアクセサリーについて詳しく解説します。
床下収納「ラゲッジアンダーボックス」の活用法
エルグランドの荷室を語る上で欠かせないのが、大容量のラゲッジアンダーボックスです。 これは、荷室の床下に設けられた巨大な収納スペースで、その使い勝手の良さは特筆に値します。
このアンダーボックスの最大の魅力は、その深さです。なんと、9インチのゴルフバッグを立てたまま4本も収納できるほどの深さを誇ります。 これにより、4人でゴルフに行く際も、荷室空間をスッキリさせたまま、全員分のゴルフバッグをスマートに積載できます。
さらに、このスペースは防水性があるため、濡れたものや汚れたものを収納するのにも最適です。 例えば、キャンプで使ったテントやタープ、子供のサッカーの試合で汚れたユニフォームやスパイクなどを、他の荷物と分けて収納することができます。
このように、ラゲッジアンダーボックスをうまく活用することで、見せたくないものを隠したり、荷物を上下に整理したりと、荷室の使い方の幅が大きく広がります。
3列目シートの簡単操作「ワンタッチ格納機能」
荷室を広げるために行う3列目シートの格納操作が面倒だと、せっかくの機能も使わなくなってしまいがちです。その点、エルグランドは操作性にも配慮されています。
一部グレードには「サードシートワンタッチ電動格納&復帰機構」が設定されています。 これは、荷室の側面にあるスイッチを押すだけで、3列目シートの背もたれが自動で倒れ、格納されるという非常に便利な機能です。 力の弱い方でも、指一本で簡単にシートアレンジが完了します。復帰させるときも同様にスイッチひとつで操作可能です。
電動機能がないグレードでも、操作は比較的簡単です。シート背面にあるレバーを引くことで、軽い力でシートを倒し、格納することができます。 この手軽さが、日常的にシートアレンジを活用する上で重要なポイントとなります。
あると便利な純正アクセサリーオプション
エルグランドには、荷室の使い勝手をさらに高めるための純正アクセサリーが豊富に用意されています。
- ラゲッジカーペット:荷室の床面を傷や汚れから守るカーペットです。高級感のある素材で、見た目の質感も向上します。
- ラゲッジネット:走行中に荷物が動いてしまうのを防ぐネットです。ボールのように転がりやすいものや、壊れやすいものを固定するのに役立ちます。
- アクセサリーソケット(DC12V):荷室の左側には、オプションで電源ソケットを設置できます。 これがあれば、キャンプやアウトドアでポータブル冷蔵庫を使ったり、電動エアポンプを使ったりする際に非常に便利です。
- リモコンオートバックドア:スイッチやリモコンキー操作でバックドアを自動開閉できる機能です。 両手が荷物でふさがっている時に特に重宝します。
これらのアクセサリーを組み合わせることで、自分のライフスタイルに合わせて荷室をより機能的で便利な空間にカスタマイズすることが可能です。
シーン別!エルグランド荷室の積載能力をシミュレーション

エルグランドの荷室の寸法や機能がわかったところで、次は具体的な利用シーンを想定して、どれくらいの荷物が積めるのかをシミュレーションしてみましょう。家族旅行から趣味のゴルフ、アウトドアまで、様々な場面でエルグランドの積載能力がどのように活かされるのかを見ていきます。
家族旅行のスーツケースは何個積める?
4人家族での2泊3日の旅行を想定してみましょう。この場合、2列目シートまでは乗員が座り、3列目シートを格納して荷室を広く使うのが一般的です。
3列目シートを格納した状態の荷室奥行きは約1,210mm、幅は約1,200mm(最も広い部分)です。 この広大なスペースがあれば、大型のスーツケースを2つ、中型のスーツケースを2つ積んでも、まだお土産などを置くスペースが残ります。
さらに、ラゲッジアンダーボックスを活用すれば、靴や洗面用具など、すぐに使わないものを分けて収納しておくことができます。これにより、荷室がスッキリと整理され、必要なものをすぐに取り出せるようになります。全員が快適に過ごしながら、大量の荷物を運べるのは、Lクラスミニバンであるエルグランドならではの大きなメリットです。
ゴルフバッグはいくつ積める?横積みは可能?
ゴルフ好きにとって、ゴルフバッグが何個積めるかは車選びの重要な基準になります。エルグランドはこの点で非常に優れた性能を発揮します。
前述の通り、エルグランドは3列目シートを使った状態(7人または8人乗車時)でも、シートを前方にスライドさせることでゴルフバッグを最大6個積載可能です。
具体的な積み方としては、まずラゲッジアンダーボックスに4本のゴルフバッグを立てて収納します。 そして、残りの2本をその上の荷室スペースに横向きに積むことで、スマートな積載が実現します。後方視界を妨げることなく、多人数でゴルフ場へ向かうことができるのは、エルグランドの大きな強みです。
もちろん、3列目シートを格納すれば、さらに余裕をもって横積みが可能です。 この高い積載能力は、ライバルのアルファードと比較しても優位な点であり、ゴルフ愛好家から高く評価されています。
キャンプやアウトドアでの実力は?
キャンプやバーベキューなど、荷物が多くなりがちなアウトドアレジャーでもエルグランドの荷室は大活躍します。
3列目シートを格納した広大な荷室には、テント、タープ、テーブル、チェア、クーラーボックス、コンロといった一通りのキャンプ道具を余裕で積み込むことができます。 横幅が広いため、長さのあるテーブルやポールなどもスムーズに積載できます。
ここでも活躍するのがラゲッジアンダーボックスです。炭や薪、濡れたレインウェアや長靴などを床下に収納すれば、メインの荷室を汚す心配がありません。 また、オプションのアクセサリーソケットを付けておけば、ポータブル電源を充電したり、小型の電気製品を使ったりするのに役立ちます。
高い積載能力と工夫された収納機能により、エルグランドはファミリーでのアウトドア活動を力強くサポートしてくれるでしょう。
車中泊は快適にできる?
エルグランドは、シートアレンジを工夫することで車中泊も可能です。 2列目と3列目のシートバックを倒してフラットにすれば、大人が横になれるスペースを作り出すことができます。
2-3列目をフラットにした場合、長さ約2,000mm近い空間が生まれるため、身長が高い方でも足を伸ばして休むことが可能です。
また、車中泊をする際は、プライバシー確保と断熱のために目隠し用のカーテンやシェード、換気のための網戸などを用意すると、より快適に過ごせます。 広大な室内空間を持つエルグランドは、工夫次第で快適な移動式プライベートルームにもなり得るのです。
まとめ:広さと工夫が光るエルグランドの荷室空間

ここまで、日産エルグランドの荷室について、寸法、シートアレンジ、ライバル車との比較、そして具体的な利用シーンまで詳しく解説してきました。
エルグランドの荷室は、単に広いだけでなく、使う人のことを考えた多くの工夫が凝らされていることがお分かりいただけたと思います。
- 3列目シートのスライド機能により、乗車人数と荷物量に応じて柔軟にスペースを調整可能。
- 前方に格納する3列目シートは、左右の出っ張りがなくスクエアで使いやすい大空間を実現。
- 大容量ラゲッジアンダーボックスは、ゴルフバッグを立てて収納できるほどの深さを持ち、荷物の整理や汚れた物の収納に絶大な効果を発揮。
- これらの特徴により、7人フル乗車でもゴルフバッグ6個を積載できるなど、ライバルを凌ぐほどの高い積載能力を誇ります。
もちろん、荷室の床がやや高い点など、ライバル車に比べて一長一短な部分もあります。 しかし、豪華な内装と安定した走行性能に加え、これだけ実用的な荷室を備えたエルグランドは、ファミリーユースから趣味まで、幅広いニーズに応えてくれる魅力的な一台であることは間違いありません。
この記事が、あなたのカーライフに最適な一台を見つけるための一助となれば幸いです。


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