ジェイドでの車中泊は可能?快適に過ごすための方法とおすすめグッズを解説

車中泊・アウトドア活用術

ミニバンのような使いやすさと、ワゴンのようなスタイリッシュなデザインを両立させたホンダ・ジェイド。 一見すると「この車で車中泊ってできるの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。しかし、ジェイドはシートアレンジを工夫し、いくつかのアイテムを揃えることで、快適な車中泊空間を作り出すことが可能です。

この記事では、ジェイドでの車中泊を検討している方に向けて、気になる室内の広さやフルフラット化の手順、あると便利な快適グッズ、そして車中泊をする上での注意点まで、わかりやすく解説していきます。2列シートモデルと3列シートモデル、それぞれの特徴にも触れながら、ジェイドでの車中泊の魅力を余すところなくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

ジェイドでの車中泊、気になる基本情報をチェック!

ジェイドでの車中泊を計画する前に、まずは「本当に快適に眠れるのか?」という基本的な疑問を解消しておきましょう。ここでは、ジェイドが車中泊に向いているかどうか、室内空間の具体的な広さ、そして2列シート車と3列シート車での違いについて詳しく見ていきます。

そもそもジェイドは車中泊に向いている?

結論から言うと、ジェイドは工夫次第で十分に車中泊が可能な車です。ミニバンとステーションワゴンの良いところを併せ持つジェイドは、その特徴的なパッケージングによって、車中泊にある程度の適性を持っています。

ジェイドが車中泊に使える理由

  • 低床設計による広めの室内空間: ホンダ独自の低床プラットフォームにより、全高を抑えつつも比較的広い室内空間を確保しています。
  • 多彩なシートアレンジ: 後部座席を倒すことで、就寝スペースを作り出すことが可能です。
  • ワゴンスタイルの長い荷室: ステーションワゴンの特徴である奥行きのある荷室は、足を伸ばして寝るためのスペースとして活用できます。

ただし、ミニバンのように室内高が高いわけではないため、車内で立って着替えるような広さはありません。 あくまで「寝る」ことを主体とした使い方になりますが、大人2人までであれば十分に快適な空間を作り出せます。

気になる室内空間の広さと寸法

車中泊で最も重要なのが、足を伸ばして眠れるだけのスペースが確保できるかどうかです。ジェイドの室内寸法は以下の通りです。

スペック ジェイド
室内長 2,850mm(6人乗り) / 2,200mm(5人乗り)
室内幅 1,505mm
室内高 1,230mm

室内長は3列シート(6人乗り)モデルの方が長くなっていますが、これは3列目シートまでの長さを含んでいるためです。 実際に就寝スペースとして利用する場合、シートアレンジ後のフラットな部分の長さが重要になります。

シートを倒してフルフラットにした際の就寝スペースの長さは、約170cm~180cm程度を確保することが可能です。 身長170cm程度の方であれば、少し工夫すれば足を伸ばして眠ることができます。

ただし、これはあくまで目安の数値です。シートの倒し方や使用するマットなどによって有効なスペースは変わってきます。また、荷室の幅は約1,000mm前後となっており、大人2人が横になるには十分な幅があります。

2列シートと3列シートでの違いは?

ジェイドには、3列シートの6人乗りモデルと、後に追加された2列シートの5人乗りモデルが存在します。 この2つのモデルでは、車中泊のしやすさや準備の方法が少し異なります。

  • 3列シート(6人乗り)モデル
    • 2列目シートが左右独立のキャプテンシートになっているのが特徴です。
    • 2列目と3列目を倒すことで、比較的フラットに近い空間を作りやすいです。
    • ただし、シート間の隙間やアームレストによる段差ができます。
  • 2列シート(5人乗り)モデル
    • 広いラゲッジスペースが魅力です。
    • 2列目シートを倒して荷室と繋げることで就寝スペースを作ります。
    • 3列シートモデルに比べて、倒したシートと荷室の間に段差ができやすい傾向があります。

どちらのモデルでも車中泊は可能ですが、よりフラットに近い状態を作りやすいのは3列シートモデルと言えるかもしれません。 しかし、2列シートモデルも段差解消の工夫をすれば、広い荷室を活かした快適な空間を作ることが可能です。

初心者でも簡単!ジェイドをフルフラットにする方法

ジェイドで快適に眠るためには、シートを倒してできるだけ平らな「フルフラット」空間を作ることが重要です。しかし、ジェイドのシートアレンジは完全なフラットにはならず、どうしても多少の段差や隙間ができてしまいます。 ここでは、その段差を解消し、快適な寝床を作るための具体的な手順とコツをご紹介します。

フロントシートを含めたフルフラット化の手順

より長い就寝スペースを確保したい場合は、フロントシート(運転席・助手席)まで活用する方法があります。大人でも足を伸ばしてゆったりと眠りたい方におすすめの手順です。

  1. フロントシートを一番前にスライドさせる
    まず、運転席と助手席を可能な限り前方にスライドさせ、背もたれも前に倒しておきます。
  2. ヘッドレストを外す
    フロントシートと、倒す予定のリアシート(2列目)のヘッドレストを全て取り外します。 これにより、シートを倒した際の干渉を防ぎ、よりフラットな状態に近づけることができます。
  3. リアシート(2列目)を倒す
    次に、2列目シートを前方に倒します。
  4. フロントシートを後ろに倒す
    最後に、前にスライドさせておいたフロントシートの背もたれを、倒したリアシートの座面に繋がるようにゆっくりと後ろに倒していきます。 これで、フロントシートからリアシートまで繋がった長い空間が生まれます。

この方法でもシート間の隙間や段差は残るため、後述するマットやクッションでの調整が必須です。

リアシートのみを使ったお手軽ベッドモード

「フロントシートまで使うのは少し面倒…」という方には、リアシートと荷室だけで就寝スペースを作るお手軽な方法もあります。荷物をフロントシートに移動させるだけで済むので、準備が簡単なのがメリットです。

  • 3列シートモデルの場合
    1. 2列目シートを一番前にスライドさせます。
    2. 3列目シートを格納します。
    3. 2列目シートの背もたれを後ろに倒します。
    4. これで2列目と3列目があったスペースが繋がり、寝床が完成します。
  • 2列シートモデルの場合
    1. 2列目シートの背もたれを前に倒します。
    2. ラゲッジスペースと繋がり、広い空間が生まれます。

この方法は手軽ですが、特に2列シートモデルではシートを倒した部分と荷室の床面に significant な段差が生じやすいです。 この段差をいかに解消するかが快適な睡眠のポイントになります。

段差を解消して寝心地をアップさせるコツ

ジェイドの車中泊で最も重要なのが段差解消です。シートの凹凸や隙間が体に当たると、熟睡できずに疲れが残ってしまいます。以下のようなアイテムを活用して、寝心地を格段に向上させましょう。

  • クッションやタオル、毛布を詰める
    シートを倒したときにできる隙間や、シートベルトのバックル部分などの凹みには、丸めたタオルやクッション、衣類などを詰めて平らにします。 これは最も手軽にできる段差解消法です。
  • 自作の台や箱を置く
    2列目シートと荷室の間にできる大きな段差には、その高さに合わせた自作の箱や、発泡スチロールのブロックなどを置くと効果的です。 これにより、寝床全体の安定感が増します。
  • 市販の段差解消マット(スペースクッション)を利用する
    車種専用、あるいは汎用の段差解消マットも市販されています。 ウレタン製で、シート間の隙間や足元の空間にぴったりフィットするように設計されており、手軽にフラットな土台を作ることができます。
特に、DIYが得意な方はコンパネ(合板)を加工してフラットなベッドキットを自作する方法もあります。 コンパネを使えば、完全に平らで安定した寝床を作ることができ、車中泊の快適性が飛躍的に向上します。

ジェイド車中泊を格段に快適にする必須アイテム

シートアレンジで寝るスペースを確保したら、次はその空間をいかに快適にするかが重要です。ここでは、ジェイドでの車中泊を「ただ寝るだけ」から「快適な宿泊体験」へとレベルアップさせるための必須アイテムを3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

快眠の要!マットの選び方とおすすめ商品

段差を解消した床面に直接寝袋で寝ることもできますが、より快適な睡眠を求めるならマットの使用は必須です。マットは地面からの冷気を遮断し、体の凹凸を吸収して寝心地を格段に向上させてくれます。

  • マットの種類と特徴
    • インフレーターマット: バルブを開けると自動で空気が入るタイプ。クッション性と断熱性が高く、寝心地が良いのが特徴です。厚みは5cm~10cm程度のものがおすすめです。
    • エアマット: 電動ポンプや呼気で空気を入れるタイプ。コンパクトに収納できるのがメリットですが、穴が開くと使えなくなるリスクがあります。
    • ウレタンマット: 銀マットのような折りたたみ式や、家庭用のマットレスに近い高反発・低反発ウレタンのものがあります。広げるだけですぐに使え、耐久性が高いのが特徴です。
ジェイドの荷室幅は約100cmなので、幅が100cm以内のセミダブルサイズのマットが比較的フィットしやすいでしょう。 購入前には、実際に確保できる就寝スペースのサイズをメジャーで測っておくことをおすすめします。

市販品では、ジェイド専用に設計された車中泊マットや、段差解消とマットが一体になった「くるマット」のような商品も販売されています。 これらはフィット感が高いですが、汎用品に比べて価格が高くなる傾向があります。

プライバシーと断熱性を確保するシェード

車内で快適に過ごすためには、外からの視線を遮り、プライバシーを確保することが不可欠です。また、窓は車内で最も熱の出入りが激しい場所なので、断熱対策も重要になります。そこで活躍するのがサンシェードです。

  • シェードの役割
    • プライバシー確保: 外からの視線を遮断し、安心して着替えたりくつろいだりできます。
    • 断熱効果: 夏は日差しを遮って車内温度の上昇を抑え、冬は車内の熱が逃げるのを防ぎます。結露の防止にも繋がります。
    • 遮光効果: 街灯や朝日を遮り、安眠をサポートします。

シェードには、吸盤で取り付ける車種専用設計のものと、汎用のカーテンタイプがあります。車種専用品は窓にぴったりフィットして隙間ができにくいため、遮光性や断熱性を重視するならこちらがおすすめです。

あると便利な小物・快適グッズ(ランタン、ポータブル電源など)

マットとシェードに加えて、以下のようなアイテムがあると車中泊の快適性がさらに向上します。

  • LEDランタン: 車内の照明として必須です。火を使わないLEDタイプなら安全で、明るさ調節機能や吊り下げフックが付いているものが便利です。
  • ポータブル電源: スマートフォンやタブレットの充電はもちろん、小型の電気毛布や扇風機などを使いたい場合に重宝します。ジェイドにはAC100Vのコンセントが標準装備されていないため、家電を使いたい場合は用意しておくと良いでしょう。
  • 寝袋(シュラフ): 季節に応じた温度対応のものを選びましょう。夏でも標高の高い場所は冷え込むことがあるため、薄手のものがあると安心です。
  • 網戸(ウィンドウネット): 夏場の車中泊で換気をする際に、虫の侵入を防いでくれます。窓にかぶせるだけの簡単なタイプが人気です。
  • ポータブルファン(扇風機): エンジンを停止している状態でも使える充電式やUSB式の小型扇風機があると、夏の夜の寝苦しさを和らげることができます。

これらのグッズを揃えることで、より安全で快適な車中泊を楽しむことができます。

ジェイドで車中泊をする際の注意点とマナー

ジェイドで車中泊を楽しむためには、快適な空間作りだけでなく、安全への配慮と周囲へのマナーを守ることが非常に重要です。ここでは、場所選びのポイントから季節ごとの対策、そして守るべきマナーについて解説します。

安全に過ごすための場所選びのポイント

どこでも車中泊をして良いわけではありません。安全かつ安心して眠るためには、場所選びが最も重要です。

  • 公認の車中泊スポットを利用する
    • RVパーク: 電源設備やトイレ、ゴミ処理施設などが整っている有料の車中泊専用スペースです。安心して利用できるので初心者の方に特におすすめです。
    • オートキャンプ場: テントサイトで車中泊が可能な場所も多くあります。予約が必要ですが、設備が整っており安心して過ごせます。
  • 「道の駅」や「サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)」での注意点
    これらの場所はあくまで休憩(仮眠)を目的とした施設であり、長期滞在やキャンプ行為(車外にテーブルや椅子を出すなど)はマナー違反です。車中泊を禁止している場所もあるため、事前にルールを確認しましょう。夜間でも人の出入りや車のエンジン音がするため、静かに過ごしたい方には不向きな場合もあります。
  • 避けるべき場所
    • コンビニやスーパーの駐車場(許可なく利用するのは不法侵入にあたります)
    • 公園の駐車場(夜間は閉鎖されることが多いです)
    • 交通量の多い道路脇(騒音や安全上の問題があります)
    • 河川敷(天候の急変による増水のリスクがあります)
必ず、車中泊が許可されている場所を選び、安全を最優先に行動してください。

夏と冬、季節ごとの対策と注意点

季節によって車中泊の注意点は大きく異なります。特に対策が必要な夏と冬のポイントをまとめました。

  • 夏の対策
    • 熱中症対策が最優先です。窓を締め切った車内は非常に高温になり、命の危険があります。
    • 換気の確保: 虫の侵入を防ぐ網戸(ウィンドウネット)を活用し、必ず2か所以上の窓を開けて空気の通り道を作りましょう。
    • 涼しい場所を選ぶ: 標高の高い場所は平地に比べて気温が低いため、夏の車中泊に適しています。
    • 冷却グッズの活用: 充電式のポータブルファンや、冷却シート、ポータブルクーラーなどを用意すると快適度が上がります。
  • 冬の対策
    • 寒さ対策と一酸化炭素中毒への注意が必要です。
    • 防寒対策: 冬用の寝袋(シュラフ)や断熱性の高いマット、電気毛布(ポータブル電源が必要)などを活用して体を冷やさないようにしましょう。窓にシェードをすることも車内の保温に繋がります。
    • 一酸化炭素中毒の危険性: 寒くてもエンジンをかけたまま寝るのは絶対にやめましょう。マフラーが雪で埋もれると排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を引き起こす危険があります。暖房はエンジンを切った状態で使えるFFヒーターなどを利用するのが理想ですが、無い場合は服装や寝具で工夫してください。
    • 結露対策: 車内外の温度差で窓が結露します。こまめに拭き取るか、吸水性の高いタオルなどを窓際に置いておくと良いでしょう。

周囲に配慮した車中泊のマナー

車中泊は、公共の場所を利用させてもらうという意識を持つことが大切です。以下のマナーを守り、誰もが気持ちよく過ごせるように心がけましょう。

  • アイドリングストップ: 就寝時や長時間の停車中はエンジンを切りましょう。騒音や排気ガスは周囲の迷惑になります。
  • ゴミは必ず持ち帰る: 施設にゴミ箱があっても、家庭ゴミや車中泊で出たゴミを捨てるのはマナー違反です。ゴミは全て自宅まで持ち帰りましょう。
  • ドアの開閉は静かに: 深夜や早朝のドアの開閉音は意外と響きます。できるだけ静かに行いましょう。
  • 車外での活動は慎む: 駐車場でテーブルや椅子を広げて宴会をするなどのキャンプ行為は厳禁です。
  • グレータンクの排水はしない: 食器を洗った水などを駐車場に流すのは絶対にやめましょう。

これらのマナーを守ることで、車中泊文化全体のイメージを守り、今後も利用できる場所を維持していくことに繋がります。

まとめ:ジェイドで工夫を凝らした快適な車中泊を楽しもう

スタイリッシュな見た目からは想像しにくいかもしれませんが、ホンダ・ジェイドはシートアレンジと少しの工夫、そして便利なアイテムを組み合わせることで、十分に車中泊が楽しめるポテンシャルを秘めた車です。

完全なフルフラットにはならないものの、段差解消のコツさえ掴めば、大人2人でも快適に眠れるプライベート空間を作り出すことができます。 2列シートモデルの広大な荷室を活かすもよし、3列シートモデルのシートアレンジのしやすさを活用するもよし、自分のスタイルに合った車中泊仕様を見つけるのもジェイドの楽しみ方の一つです。

この記事で紹介した方法やグッズ、注意点を参考にして、安全とマナーを第一に、ジェイドでの特別な車中泊の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

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