40系プリウス(プリウスα)完全ガイド!中古車選びのポイントからカスタムまで解説

車種別インプレッション

「40系プリウス」という言葉を聞いたことがありますか?これは、実はトヨタの世界的なハイブリッドカー「プリウス」の派生モデルである「プリウスα(アルファ)」の車両形式名を指す言葉です。 2011年5月から2021年3月まで販売され、3代目プリウス(30系)をベースに、より広い室内空間と荷室を持つステーションワゴンとして開発されました。

そのため、燃費の良さはそのままに、家族での利用やたくさんの荷物を積む機会が多い方にぴったりの一台として、生産が終了した今でも中古車市場で根強い人気を誇っています。 この記事では、そんな40系プリウス(プリウスα)の基本的な情報から、グレードごとの違い、気になる燃費、中古車選びで失敗しないためのポイント、さらには購入後の楽しみであるカスタムまで、わかりやすく解説していきます。

40系プリウス(プリウスα)の基本情報

まずは、40系プリウスがどのような車なのか、基本的なところから見ていきましょう。プリウスの名前を冠していますが、通常のプリウスとは異なるユニークな特徴を持っています。

40系プリウスとはどんな車?

40系プリウス、正式名称「プリウスα」は、3代目プリウスのプラットフォームを延長し、ステーションワゴンのボディを持つハイブリッド専用車です。 プリウスが持つ圧倒的な燃費性能と先進性を継承しつつ、広々とした室内空間と大容量のラゲージスペースを実現したのが最大の特徴です。 5人乗り仕様と、いざという時に便利な3列シートの7人乗り仕様が用意されており、ファミリー層を中心に高い支持を集めました。 2021年3月に生産終了となりましたが、その使い勝手の良さと経済性から、現在も中古車市場で活発に取引されています。

プリウスとの違いは?

通常のプリウス(30系)とプリウスα(40系)の最も大きな違いは、そのボディ形状とサイズにあります。

プリウス(30系)とプリウスα(40系)の主な違い

項目 プリウス(30系) プリウスα(40系)
ボディタイプ 5ドアセダン ステーションワゴン
全長 4,460mm 4,615mm
全幅 1,745mm 1,775mm
全高 1,490mm 1,575mm
ホイールベース 2,700mm 2,780mm
乗車定員 5名 5名 / 7名
車両重量 1,310kg〜 1,450kg〜

このように、プリウスαは全長・全幅・全高すべてにおいて一回り大きく、特にホイールベース(前輪と後輪の間の距離)が80mm延長されたことで、後部座席の足元空間や荷室が格段に広くなっています。 また、

7人乗り仕様が選択できるのはプリウスαだけの大きなメリットです。

前期型と後期型の見分け方

プリウスαは、販売期間中に一度大きなマイナーチェンジを行っており、2014年11月を境に「前期型」と「後期型」に分けられます。 見分ける最も簡単なポイントはフロントマスクのデザインです。

  • 前期型(2011年5月~2014年10月)
    • 比較的おとなしく、シンプルなデザインのフロントバンパーとヘッドライトが特徴です。
  • 後期型(2014年11月~2021年3月)
    • 当時のトヨタのデザインテーマである「キーンルック」が採用され、ヘッドライトがシャープな形状になり、バンパー開口部が大きく強調された、よりスポーティでアグレッシブな印象になりました。

このほかにも、後期型ではBi-Beam(バイビーム)LEDヘッドランプの採用や、内装の質感向上、先進安全装備「Toyota Safety Sense P」が標準装備されるなどの進化を遂げています。

グレード別の特徴と違い

プリウスαは、装備の違いによっていくつかのグレードが設定されています。ここでは、乗車定員と主要なグレードである「S」と「G」の違いを中心に解説します。

乗車人数で選ぶ(5人乗り/7人乗り)

プリウスαを選ぶ上で最初の選択肢となるのが、5人乗りか7人乗りかです。 この2つは単にシートの数だけでなく、搭載されている駆動用バッテリーの種類が異なるという重要な違いがあります。

  • 5人乗り仕様
    • 従来のプリウスと同じく、比較的コストの安いニッケル水素バッテリーをラゲージスペースの床下に搭載しています。
    • そのため、ラゲージ容量が7人乗りよりも大きく、普段は荷物を多く積む方におすすめです。
  • 7人乗り仕様
    • 3列目シートを設置するスペースを確保するため、よりコンパクトなリチウムイオンバッテリーをセンターコンソールの位置に搭載しています。 これは、トヨタの量産ハイブリッド車としては初の採用でした。
    • 3列目シートは、大人が長時間乗るには少し窮屈ですが、小学生くらいまでのお子さんなら十分対応可能です。 いざという時に多人数で乗車できるのは大きな魅力と言えるでしょう。

標準グレード「S」シリーズ

「S」はプリウスαのスタンダードなグレードです。 日常使いに必要な装備は一通り揃っており、価格と装備のバランスが取れています。主な特徴は以下の通りです。

  • S Lセレクション:装備を簡略化し、価格を抑えた廉価グレードです。
  • S:基本的な快適装備が充実した中心的なグレードです。ハロゲンヘッドランプ(後期型ではLED)、16インチアルミホイールなどが標準装備されます。
  • S ツーリングセレクション:Sをベースに、17インチの大径アルミホイールや専用の前後バンパー、LEDヘッドランプ(前期型でも標準)などを装備し、スポーティな内外装としたグレードです。
初めてプリウスαを選ぶ方や、コストを抑えたい方には、まず「S」グレードがおすすめです。

上級グレード「G」シリーズ

「G」は、Sシリーズに比べて内外装の質感や快適装備を向上させた上級グレードです。 より快適で上質なドライブを求める方におすすめです。

  • G:Sの装備に加えて、運転席パワーシート、クルーズコントロール、上級ファブリックシート表皮などが標準装備され、高級感が高められています。
  • G ツーリングセレクション:Gをベースに、ツーリングセレクションのスポーティな装備を加えた最上級グレードです。 見た目にも走りにもこだわりたい方に最適です。

特に後期モデルの中古車を狙うなら、上級装備に加えてスポーティな外観を持つ「Gツーリングセレクション」が人気です。

特別仕様車・コンプリートカー

プリウスαには、販売期間中に様々な特別仕様車も登場しました。

  • S“tune BLACK II”:内外装にブラック加飾を施し、スタイリッシュな印象を高めたモデルです。
  • G’s / GR SPORT:トヨタのスポーツコンバージョン車シリーズで、専用の足回りやエアロパーツ、補強パーツなどを装着し、走行性能を大幅に向上させたモデルです。 スポーティな走りを追求したい方から絶大な人気を誇ります。

これらのモデルは中古車市場でも人気が高く、特徴的な装備に魅力を感じるなら積極的に検討する価値があるでしょう。

気になる燃費と走行性能

ハイブリッドカーであるプリウスαにとって、燃費性能は最も重要な要素の一つです。ここではカタログ燃費と実燃費、そして走行性能について詳しく見ていきます。

カタログ燃費と実燃費の目安

プリウスαのカタログ燃費(JC08モード)は26.2km/Lです。 これは、3代目プリウス(30.4~32.6km/L)と比較すると、ボディの大型化による重量増のため少し劣りますが、同クラスのステーションワゴンやミニバンと比べれば圧倒的に優れた数値です。

ただし、これはあくまでカタログ上の数値であり、実際の燃費は運転スタイルや道路状況によって変動します。オーナーからの燃費報告などを参考にすると、実燃費はおおよそ18km/L~22km/Lあたりに落ち着くことが多いようです。特に市街地でのストップ&ゴーが多い場面でハイブリッドシステムの恩恵を大きく受けられ、高速道路を一定速度で走り続ける場面ではやや燃費が落ちる傾向があります。それでも、このクラスの車としては非常に経済的と言えるでしょう。

搭載されているエンジンとモーター

プリウスαに搭載されているハイブリッドシステムは、3代目プリウスと同じ「リダクション機構付THS II」です。

  • エンジン:1.8L 直列4気筒の「2ZR-FXE」型エンジンを搭載。 最高出力99馬力、最大トルク14.5kg・mを発生します。
  • モーター:最高出力82馬力、最大トルク21.1kg・mを発生する交流同期電動機を組み合わせています。
  • システム最高出力:エンジンとモーターを合わせたシステム全体での最高出力は136馬力となります。

このシステムは、発進時や低速走行時はモーターのみで静かに走行し、加速時などパワーが必要な場面ではエンジンが始動してモーターをアシストします。この絶妙な連携により、スムーズな加速と低燃費を両立させています。

走行モードの使い分け

プリウスαには、走行状況や気分に合わせて選べる3つのドライブモードが備わっています。

  • エコドライブモード
    • アクセル操作に対する反応を穏やかにし、エアコンの効きも抑制することで、燃費を最優先するモードです。穏やかな運転を心がけたい時や、少しでもガソリンを節約したい時に有効です。
  • パワーモード
    • アクセル操作に対するレスポンスが鋭敏になり、より力強い加速感が得られます。坂道や高速道路での合流など、俊敏な走りが必要な場面で活躍します。
  • EVドライブモード
    • モーターのみを使用して、エンジンを始動させずに走行するモードです。早朝や深夜の住宅街など、騒音に気を使いたい場面で役立ちます。ただし、バッテリー残量が少ない時や車速が高い時は使用できません。
これらのモードをうまく使い分けることで、プリウスαのドライブをより快適で経済的なものにすることができます。

中古車選びで失敗しないためのチェックポイント

生産終了から数年が経過し、中古車市場での流通量も豊富なプリウスα。 ここでは、購入後に後悔しないためのチェックポイントを解説します。

中古車市場での価格相場

プリウスαの中古車価格は、年式、走行距離、グレード、車両の状態で大きく変動します。

  • 前期型(2011年~2014年):比較的価格がこなれており、走行距離が多めの車両であれば50万円前後から探すことも可能です。
  • 後期型(2015年~2021年):デザインが新しく、安全装備も充実しているため人気が高く、100万円以上の価格帯が中心となります。

一般的に、走行距離が少なく、修復歴がない車両、そして人気の「G」グレードや「ツーリングセレクション」は価格が高くなる傾向にあります。予算と希望条件のバランスを考えながら、複数の販売店で比較検討することが大切です。

ハイブリッドバッテリーの状態確認

ハイブリッドカーの中古車で最も気になるのが、駆動用バッテリーの寿命です。 プリウスαのバッテリーは非常に耐久性が高いことで知られていますが、永久に使えるわけではありません。交換となると高額な費用がかかるため、購入前に状態を確認しておくことが重要です。

多くの販売店では、ハイブリッドシステムの保証を付けている場合があります。保証の有無や期間、内容を必ず確認しましょう。

また、整備記録簿を確認し、過去にバッテリー交換の履歴があるか、定期的に点検を受けていたかなどもチェックすると安心です。走行距離が10万kmを超えている車両は特に注意深く確認することをおすすめします。

よくある故障事例と注意点

プリウスαは信頼性の高い車ですが、中古車で購入する際には注意しておきたい特有の弱点や故障事例も存在します。

  • インバーターの故障:ハイブリッドシステムの中核部品であるインバーターが故障すると、走行不能になる可能性があります。 警告灯が点灯していないか確認しましょう。
  • ウォーターポンプのトラブル:ハイブリッドシステムを冷却するための電動ウォーターポンプに不具合が出ることがあります。
  • EGRバルブの詰まり:排気ガス再循環装置であるEGRバルブにカーボンが溜まり、エンジンの不調を引き起こすことがあります。

これらのトラブルは、購入前の試乗や整備記録の確認である程度見抜くことが可能です。走行中に異音がないか、エンジンチェックランプなどの警告灯が点灯していないか、アクセルを踏んだ際の加速はスムーズかなどを重点的にチェックしましょう。信頼できる販売店で、しっかりと整備された車両を選ぶことが何よりも大切です。

40系プリウスのカスタムとドレスアップ

プリウスαはファミリーカーとしてだけでなく、カスタムのベース車両としても人気があります。エアロパーツやホイールなど、豊富なカスタムパーツが各メーカーから販売されており、自分だけの一台を作り上げる楽しみがあります。

定番のエアロパーツカスタム

外観の印象を大きく変えるエアロパーツは、カスタムの定番です。

  • フロントスポイラー:フロントバンパー下部に装着し、より低く構えたスポーティな印象を与えます。
  • サイドステップ:ボディサイドに装着し、車全体のボリューム感をアップさせます。
  • リアアンダースポイラー/リアスカート:リアバンパー下部に装着し、後ろ姿を引き締めます。

トヨタ純正アクセサリーの「モデリスタ」や「TRD」といったブランドから、様々な社外メーカーまで、デザインも価格も多種多様なエアロパーツがリリースされています。自分の好みに合ったデザインを探すのも楽しみの一つです。

ホイール交換で足元をおしゃれに

ホイールを交換するだけでも、車の印象は劇的に変わります。 プリウスαの純正ホイールは16インチまたは17インチですが、18インチや19インチへのインチアップも人気です。スポーティなメッシュデザインや、高級感のあるフィンデザインなど、ホイールのデザインによって車のキャラクターを大きく変えることができます。

ただし、インチアップをすると乗り心地が硬くなったり、タイヤの値段が高くなったりするデメリットもあります。見た目と実用性のバランスを考えて、自分に合ったホイールサイズを選ぶことが大切です。

内装のカスタムで快適性アップ

毎日触れる内装も、カスタムすることでより快適で愛着のわく空間になります。

  • LEDルームランプ:純正の電球を明るいLEDに交換するだけで、夜間の室内が明るくモダンな雰囲気になります。
  • シートカバー:純正シートを汚れから守るだけでなく、レザー調やスエード調など素材や色を変えることで、インテリアの質感を大きく向上させることができます。
  • インテリアパネル:シフトノブ周りやドアスイッチパネルなどに装着するパネルで、木目調やピアノブラックなどに変更することで、手軽に高級感を演出できます。

これらのパーツは比較的安価で、自分で取り付けが可能なものも多いので、DIYでカスタムを楽しんでみるのもおすすめです。

まとめ:40系プリウスは今でも魅力的な選択肢

今回は、40系プリウスこと「プリウスα」について、その基本情報から中古車選びのポイント、カスタムの楽しみまでを解説しました。

3代目プリウス譲りの優れた燃費性能と、ステーションワゴンならではの広い室内空間・荷室を両立したプリウスαは、生産が終了した現在でも非常に実用性が高く、経済的な一台です。特に、5人乗りと7人乗りを選べる柔軟性や、前期型・後期型、豊富なグレード展開により、自分のライフスタイルに合った一台を見つけやすいのが魅力です。

中古車市場では価格も手頃になってきており、信頼性の高さから長く付き合えるパートナーとなり得ます。この記事で紹介したチェックポイントを押さえ、ハイブリッドシステムの特性を理解すれば、きっと満足のいくプリウスαに出会えるはずです。燃費が良くて、広くて、使いやすい。そんな欲張りな願いを叶えてくれる40系プリウスを、ぜひあなたの愛車候補に加えてみてはいかがでしょうか。

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