「レガシィB4で車中泊ってできるの?」そう思っている方も多いのではないでしょうか。スタイリッシュなセダンであるレガシィB4は、一見すると車中泊には向いていないように思えるかもしれません。しかし、実はいくつかの工夫と準備をすることで、驚くほど快適なプライベート空間に早変わりします。
この記事では、レガシィB4の車内空間の特徴から、快適な寝床を作るための具体的なシートアレンジ方法、段差解消のアイデア、そして車中泊をさらに充実させるための必須グッズまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、あなたもレガシィB4で気軽に車中泊の旅に出かけたくなるはずです。
レガシィB4の車中泊、気になる基本情報をチェック!

スバルが誇る人気セダン、レガシィB4。その洗練されたデザインと走行性能に惹かれる方は多いでしょう。しかし、いざ「車中泊」となると、セダンという形状から「本当に快適に眠れるの?」と疑問に思うかもしれません。ここでは、まずレガシィB4が車中泊に適しているのかどうか、その基本情報から探っていきましょう。
レガシィB4の室内サイズと特徴
レガシィB4は、大型セダンとしてゆとりのある室内空間を持っています。 例えば、最終モデル(BN9型)の室内寸法は、室内長2,030mm、室内幅1,545mm、室内高1,220mmとなっており、セダンとしては広々とした空間が確保されています。
これは、後部座席の背もたれを前に倒すことで、トランクルームと車内をつなげることができる機能です。 これにより、セダンでありながらも長尺の荷物を積めたり、車中泊のためのスペースを拡張したりすることが可能になります。 トランクスルーを活用することで、身長の高い方でも足を伸ばして眠れるスペースを作り出せるのが、レガシィB4の大きな強みと言えるでしょう。
車中泊の向き・不向き(メリット・デメリット)
セダンであるレガシィB4での車中泊には、ミニバンやSUVとは異なるメリットとデメリットがあります。これらを理解しておくことで、より快適な車中泊計画を立てることができます。
メリット
- 静粛性が高い: セダンは構造上、トランクルームとキャビンが分離しているため、外部の騒音を遮断しやすく、静かな環境で眠りやすいという利点があります。
- 走行安定性と燃費: 車高が低いため走行が安定しており、長距離の移動でも疲れにくいです。また、一般的にミニバンなどと比べて燃費が良い傾向にあるため、旅のコストを抑えることができます。
- プライバシーの確保: 外から車内が見えにくい構造のため、プライバシーを保ちやすいと言えます。
デメリット
- 室内高が低い: 天井が低いため、車内での着替えや移動に窮屈さを感じることがあります。
- 完全なフルフラットにはなりにくい: シートアレンジをしても、多少の段差や傾斜が残ることが多いです。 これをいかに解消するかが快適性のポイントになります。
- 荷物の置き場所に工夫が必要: 就寝スペースを確保すると、荷物の置き場所が限られてしまいます。
歴代モデルごとの違いと注意点
レガシィB4は長い歴史を持つモデルであり、世代によってシートアレンジやトランクスルーの仕様が異なります。
- BN系(2014年~2020年): 比較的新しいモデルで、トランクスルー機能を備えています。 後部座席を倒すことで、トランクルームとつながる広い空間を確保できます。
- BM系(2009年~2014年): この世代もトランクスルーが採用されており、車中泊への応用が可能です。
- BL系(2003年~2009年): モデルによっては、後部座席の中央部分しか倒れない(トランクスルーではない)場合があります。 しかし、DIYで後部座席をBP型(ツーリングワゴン)のものに交換し、フルフラット化を実現しているユーザーもいます。
- BE系(1998年~2003年): 古いモデルではトランクスルー機能がないこともあります。 この場合、後部座席の座面を取り外すなどの工夫でスペースを確保する必要があります。
レガシィB4で快適な寝床を作る方法

レガシィB4で快適な車中泊を実現するためには、「寝床作り」が最も重要なポイントです。セダン特有の形状を理解し、少しの工夫で驚くほど快適な就寝スペースを作り出すことができます。ここでは、その具体的な方法とアイデアを紹介します。
シートアレンジの基本!フルフラットは可能?
レガシィB4で寝床を作る基本的な方法は、「トランクスルー」機能を活用することです。 多くのモデルでは、トランクルーム内にあるレバーや、後部座席の肩口にあるボタンを操作することで、背もたれを前方に倒すことができます。
これにより、後部座席からトランクルームまでが繋がり、長さ約180cm~190cm程度のスペースが生まれます。 これだけの長さがあれば、ほとんどの方が足を伸ばして横になることが可能です。
ただし、この状態は「ほぼフラット」であり、完全なフルフラットではありません。 倒した背もたれとトランクルームの間に若干の段差が生じることがほとんどです。 この段差をいかに解消するかが、快適な睡眠を得るための次のステップとなります。
段差を解消するアイテムとアイデア
シートを倒した際に生じる気になる段差。これを解消するためのアイテムやアイデアはたくさんあります。自分のスタイルや予算に合わせて最適な方法を見つけましょう。
手軽なアイテムを活用する
- 毛布やタオルケット、クッション: 最も手軽な方法です。段差が気になる部分に、家にある毛布やクッションを詰めて高さを調整します。荷物にはなりますが、特別なものを購入する必要がないのがメリットです。
- 市販の段差解消マット・クッション: 車中泊専用に設計されたアイテムも販売されています。空気で膨らませるタイプなら、使わないときはコンパクトに収納できます。 後部座席の足元空間(ギャップ)を埋めるための専用クッションなどもあります。
DIYでジャストフィットを目指す
- 自作ボード(通称:すのこ): ホームセンターで手に入る木材やプラスチックダンボール(プラダン)を使って、段差を覆うボードを自作する方法です。車内のサイズに合わせて作れるため、完璧なフラット空間を実現できます。上にマットを敷けば、快適性は格段に向上します。
- コンテナボックスの活用: 段差部分に高さが合うコンテナボックスを置くというアイデアもあります。収納も兼ねることができるため、荷物の整理にも役立ちます。
快眠のためのマット選び
段差を解消し、フラットなベースを作ったら、次はその上に敷くマットを選びます。マット一枚で寝心地は劇的に変わるため、慎重に選びたいところです。
| マットの種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| インフレーターマット | バルブを開くと自動である程度空気が入るマット。ウレタンフォームが入っている。 | ・クッション性が高い ・寝心地が良い ・地面の凹凸や冷気を感じにくい |
・収納サイズがやや大きい ・価格が高め |
| エアマット | 空気を注入して使用するマット。電動ポンプ付きのものもある。 | ・収納サイズが非常にコンパクト ・厚みがありクッション性が高い |
・空気の注入・排出に手間がかかる ・穴が開くと使えない |
| キャンプ用マット | 銀マットや折りたたみ式のウレタンマットなど。 | ・安価で手に入りやすい ・軽量で取り扱いが楽 |
・クッション性は低め ・薄いものは地面の凹凸を感じやすい |
| 高反発マットレス | 家庭用のマットレスを車中泊用に使う。 | ・自宅のような最高の寝心地 | ・大きくかさばる ・車内に収まるサイズを探す必要がある |
厚みは5cm~10cm程度のものを選ぶと、底付き感なく快適に眠れるでしょう。自分の体格や寝心地の好みに合わせて、最適なマットを選んでください。
車中泊を格上げする必須&便利グッズ
快適な寝床が完成したら、次は車中泊全体の質を向上させるグッズを揃えましょう。プライバシーの確保から快適な室内環境の維持まで、これらのアイテムがあるかないかで、車中泊の満足度は大きく変わります。ここでは「必須グッズ」と「あると便利なグッズ」に分けてご紹介します。
プライバシー確保と断熱に!シェード・カーテン
車中泊において、外からの視線を遮ることは安心して眠るための絶対条件です。また、窓からの冷気や熱気を遮断する役割も果たし、車内温度を快適に保つためにも欠かせません。
車種専用サンシェード: レガシィB4の窓にぴったりフィットするように作られたサンシェードが最もおすすめです。 隙間なく窓を覆うことができるため、プライバシー保護と断熱効果が非常に高いのが特徴です。吸盤で簡単に取り付けられるものが多く、手間もかかりません。
汎用カーテン: レールを取り付けて使用するタイプのカーテンです。開け閉めが楽で、車内の雰囲気を落ち着かせることができます。ただし、取り付けに少し手間がかかる点と、窓との間に隙間ができやすいのがデメリットです。
自作シェード: 100円ショップなどで手に入る銀マットや厚手の布を使って自作する方法もあります。 コストを抑えられるのが最大のメリットですが、窓のサイズに合わせて正確にカットする手間が必要です。
どのタイプを選ぶにしても、全ての窓をしっかりと覆えるように準備しておくことが大切です。特に、人目につきやすいサービスエリアや道の駅で車中泊をする際には必須のアイテムと言えるでしょう。
快適な室内環境を作る!換気扇・ポータブル電源
締め切った車内では、空気がこもりやすく、夏は熱気、冬は結露の原因になります。また、現代の車中泊ではスマートフォンの充電など、電源の確保も重要です。
換気扇(ベンチレーター): 車の窓枠に取り付けられる小型の換気扇があると、車内の空気を効率的に入れ替えることができます。特に夏場の熱帯夜には、車内の熱気を外に排出し、快適な睡眠をサポートしてくれます。USBで給電できるタイプが主流です。
ポータブル電源: スマートフォンやパソコンの充電、小型の電気毛布、扇風機、ポータブル冷蔵庫など、様々な電化製品を使えるようにするためのアイテムです。容量によって価格やサイズは様々ですが、一つあるだけで車中泊の快適性が飛躍的に向上します。自分の使いたい電化製品の消費電力を確認し、それに合った容量のものを選びましょう。
一酸化炭素チェッカー: 安全のために、特に冬場に暖房器具を使用する可能性がある場合は必ず携帯しましょう。車内での酸欠や一酸化炭素中毒を防ぐための重要なアイテムです。
あると便利な小物類
必須ではありませんが、これらがあると車中泊がさらに便利で楽しくなります。
| アイテム | 用途・メリット |
|---|---|
| LEDランタン | 車内を優しく照らす必需品。暖色系の光を選ぶとリラックスできます。磁石付きや吊り下げ可能なタイプが便利です。 |
| 寝袋(シュラフ) | 季節に応じた温度対応のものを用意しましょう。夏でも標高の高い場所は冷え込むため、薄手のものがあると安心です。 |
| テーブル | 小型の折りたたみテーブルがあると、車内での食事や小物の整理に役立ちます。 |
| 収納ボックス・ネット | 限られた空間を有効活用するために重要です。天井部分に取り付けるストレージネットや、シートの背面にかけられるオーガナイザーなどが便利です。 |
| ポータブル冷蔵庫 | 夏場の車中泊で冷たい飲み物を楽しんだり、食材を保管したりするのに非常に役立ちます。ポータブル電源とセットで使うのが一般的です。 |
| モバイルバッテリー | ポータブル電源までは必要ないという場合でも、スマートフォンの充電用に大容量のモバイルバッテリーは持っておくと安心です。 |
これらのグッズを上手に活用し、自分だけの快適な移動基地を作り上げてみてください。
レガシィB4車中泊の注意点と対策

レガシィB4で楽しく安全に車中泊を行うためには、いくつか知っておくべき注意点があります。特に、セダンならではの注意点や、季節ごとの対策は重要です。ここでは、事前に知っておくべきポイントとその対策を詳しく解説します。
エコノミークラス症候群の予防
エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)は、長時間同じ姿勢でいることで足の血流が悪くなり、血栓(血の塊)ができてしまう病気です。この血栓が肺に飛ぶと、命に関わることもあります。車内空間が限られるセダンでの車中泊では、特に注意が必要です。
足を伸ばして寝る: 窮屈な姿勢で眠るのは避け、シートアレンジを工夫してできるだけ足を伸ばせるスペースを確保してください。 レガシィB4のトランクスルーは、この点で非常に有効です。
こまめな水分補給: 体内の水分が不足すると血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。就寝前や起床後には、意識して水分を摂りましょう。
適度な運動: 時々車から出てストレッチをしたり、軽く歩いたりして体を動かしましょう。寝ている間も、足首を回したり、ふくらはぎを軽く揉んだりするだけでも効果があります。
体を締め付けない服装: ゆったりとしたリラックスできる服装で眠ることも大切です。
防犯対策とマナー
安心して車中泊をするためには、防犯対策と周囲への配慮が欠かせません。
駐車場所の選定: RVパークやオートキャンプ場、公認されている「道の駅」や「サービスエリア」など、安全で車中泊が許可されている場所を選びましょう。 真っ暗で人の気配がない場所や、治安に不安がある場所は避けるべきです。
施錠の徹底: 車から離れる時はもちろん、就寝中も必ず全てのドアをロックしましょう。
窓を隠す: サンシェードやカーテンで車内が見えないようにすることは、プライバシー保護だけでなく、車内に人がいることを悟らせない防犯対策にもなります。
アイドリングストップ: 就寝中の長時間のアイドリングは、騒音や排気ガスで周囲の迷惑になるだけでなく、環境にもよくありません。エンジンは必ず停止させましょう。
ゴミの処理: ゴミは必ず持ち帰りましょう。車中泊をさせてもらっている場所を汚さないのは、最低限のマナーです。
車外での活動: 駐車場はあくまで車を停める場所です。車外にテーブルや椅子を出してくつろいだり、調理をしたりするのはマナー違反となる場合がほとんどですので、控えましょう。
夏と冬の暑さ・寒さ対策
季節に合わせた対策は、車中泊の快適性を左右する重要な要素です。
夏の暑さ対策
駐車場所: できるだけ日陰になる場所や、標高が高く涼しい場所を選びましょう。
換気: 窓を少し開けて空気の通り道を作ることが重要です。防犯・防虫のために、窓に取り付ける網戸(ウィンドウネット)があると非常に便利です。
暑さ対策グッズ: USB扇風機や冷感マット、ポータブルクーラーなどを活用しましょう。ポータブル電源があれば、これらの電化製品を気兼ねなく使えます。
日中の過ごし方: 日中の最も暑い時間帯は、車内にいるのを避け、涼しい施設などで過ごす計画を立てるのが賢明です。
冬の寒さ対策
断熱: 窓からの冷気を防ぐために、断熱性の高いサンシェードは必須です。銀マットなどを重ねるのも効果的です。
寝具: 冬用の寝袋(シュラフ)や、保温性の高い毛布、電気毛布などを用意しましょう。
服装: 体温調節がしやすいように、重ね着できる服装が基本です。
暖房器具: FFヒーター(エンジンを停止した状態で使える暖房器具)が理想ですが、高価なため、まずは電気毛布や湯たんぽなど、安全に使えるものから試してみましょう。
まとめ:レガシィB4での車中泊を成功させるポイント

これまで見てきたように、スタイリッシュなセダンであるレガシィB4でも、ポイントを押さえれば十分に快適な車中泊を楽しむことが可能です。最後に、この記事の要点を振り返ってみましょう。
- トランクスルーが鍵: レガシィB4の多くは後部座席を倒してトランクルームと繋がる「トランクスルー」機能を備えており、これを活用することで大人でも足を伸ばせる就寝スペースを確保できます。
- フラット化が快適性の決め手: シートを倒した際にできる段差は、毛布や専用クッション、自作ボードなどで解消することが重要です。その上に寝心地の良いマットを敷けば、快適なベッドが完成します。
- グッズを賢く活用する: プライバシーと断熱を確保するサンシェードは必須アイテムです。 さらに、ポータブル電源や換気扇、季節に合わせた寝具などを用意することで、車中泊の質は格段に向上します。
- 安全とマナーを最優先に: エコノミークラス症候群の予防、施錠の徹底といった安全対策、そして駐車場所の選定やゴミの処理などのマナーを守ることが、楽しい車中泊の大前提です。
レガシィB4は、ミニバンやSUVのような広さはありませんが、そのぶん静粛性の高さや走行性能の良さといったセダンならではのメリットがあります。 しっかりと準備と工夫をこらし、レガシィB4と共に、自由で気ままな車中泊の旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。



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