日産の人気ワンボックスカー「キャラバン」。仕事やレジャーで大活躍する一台ですが、いざガソリンスタンドに着いて「給油口ってどうやって開けるんだっけ?」と戸惑った経験はありませんか?特に、普段乗り慣れていない車だと、給油口のオープナースイッチの場所が分からなかったり、いざという時に「給-油口が開かない!」といったトラブルに見舞われることも。
この記事では、日産キャラバンの給油口について、基本的な開け方から、万が一開かなくなった場合の具体的な原因とご自身でできる対処法、さらには修理にかかる費用まで、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。この記事を読めば、キャラバンの給油口に関するあらゆる疑問や不安が解消されるはずです。
キャラバン給油口の基本的な知識

給油は車を運転する上で欠かせない作業ですが、いざという時に慌てないためにも、ご自身のキャラバンの給油口に関する基本をしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、給油口の「位置」、燃料キャップの「種類」、そしてディーゼル車には不可欠な「AdBlue®(アドブルー)」の補充口との違いについて、分かりやすく解説していきます。
給油口の位置はどこ?(左右どちらか)
日産キャラバンの給油口は、運転席側、つまり車両の右側後方にあります。 具体的には、右側のスライドドアの後ろ、リアタイヤとテールランプの間に四角いフタ(フューエルフィラーリッド)が見えるはずです。
「あれ、給油口どっちだっけ?」と迷った時は、運転席のメーターパネル内にあるガソリンスタンドのマーク(給油機マーク)を確認してみましょう。 このマークの横に「◀」や「▶」といった三角形の矢印が表示されています。 この矢印が指している方向が、給油口のある側になります。 キャラバンの場合は「▶」が表示されているので、右側にあることが一目で分かります。 これはキャラバンに限らず、多くの車種で共通の仕様なので覚えておくと便利です。
なぜ給油口の位置がメーカーや車種によって異なるのかというと、安全基準が関係しています。日本の保安基準では、マフラーの排気口から給油口を300mm以上離すことが定められています。 キャラバンのマフラーは車両左側にあるため、安全上の理由から給油口は右側に設置されているのです。
給油口の種類と特徴(キャップの鍵付き・なしなど)
昔の車では、給油口のフタやキャップに直接鍵を差し込んで開ける「鍵穴式」が一般的でした。 しかし、現行のキャラバン(E26型)をはじめ、近年の多くの車種では、運転席にあるスイッチやレバーで給油口のロックを解除する「室内操作式」が採用されています。
キャラバンの給油口キャップは、盗難防止や異物混入を防ぐ重要なパーツです。キャップ自体に鍵は付いていませんが、給油口リッドが施錠されることでセキュリティを確保しています。キャップは紛失しないように、本体とプラスチックの紐(テザー)で繋がっているタイプが主流です。給油中はこのキャップを給油口リッドの裏側にあるホルダーに引っ掛けておくことができます。
アドブルー(AdBlue®)補充口との違い
ディーゼルエンジンを搭載したキャラバンには、軽油を入れる給油口とは別に、「AdBlue®(アドブルー)」という高品位尿素水を補充するための口があります。 アドブルーは、ディーゼルエンジンが排出する有害な窒素酸化物(NOx)を無害な窒素と水に分解するための液体で、クリーンな排気を実現するために不可欠です。
このアドブルーの補充口は、燃料の給油口とは全く別の場所にあります。キャラバン(E26型)の場合、助手席側(左側)スライドドアのステップ部分に設けられています。 カバーを外すと青いキャップが見えますが、これがアドブルーの補充口です。
絶対に間違えてはいけないのが、燃料タンクにアドブルーを、アドブルーのタンクに軽油を補充してしまうことです。万が一入れ間違えると、噴射装置や浄化システム(SCRシステム)に深刻なダメージを与え、高額な修理費用が発生する原因となります。補充する際は、必ずキャップの色(軽油は黒や緑、アドブルーは青)と場所をしっかり確認しましょう。
キャラバン給油口の開け方【モデル別】

ここでは、実際にキャラバンの給油口を開ける手順を、現行モデルと旧型モデルに分けて具体的に解説します。給油は頻繁に行う操作だからこそ、正しい手順を覚えてスムーズに済ませたいものですね。給油キャップの扱い方についてもポイントを押さえておきましょう。
【現行E26型】基本的な開け方
現行モデルであるNV350キャラバン(E26型)の給油口は、運転席にあるオープナースイッチで開ける電気式が採用されています。
開け方の手順
- エンジンを停止する: 安全のため、給油前には必ずエンジンを停止してください。
- オープナースイッチを押す: 運転席に座り、ステアリング(ハンドル)の右下あたりにある給油機マークが描かれたスイッチ(フューエルフィラーリッドオープナースイッチ)を押します。 このスイッチは少し分かりにくい位置にあり、手探りで見つけるような場所にあるのが特徴です。
- 給油口リッドが開く: スイッチを押すと「カチッ」という音と共に、車両右側後方の給油口リッド(フタ)が少し浮き上がります。
- キャップを開ける: リッドを手で完全に開き、中の黒い給油キャップを左方向(反時計回り)にゆっくりと回して外します。
- 給油する: キャップをリッド裏のホルダーにかけ、指定された油種(軽油またはガソリン)を給油します。
あまりにもスイッチが押しにくいと感じる方の中には、DIYで操作しやすい場所(スイッチの空きスペースなど)に移設するカスタムを行うユーザーもいるようです。
【旧型E25型】の開け方と注意点
E25型のキャラバンも、基本的には運転席周りのスイッチやレバーで操作する室内操作式です。ただし、E26型がボタンスイッチ式であるのに対し、E25型ではレバーを引いて開けるタイプが主流です。
開け方の手順
- エンジンを停止する。
- オープナーレバーを引く: 運転席の右下、床に近いあたりに設置されている給油機マークのレバーを探し、手前に引きます。
- 給油口リッドが開くのを確認: レバーを引くと、ワイヤーを通じて給油口リッドのロックが外れ、リッドが開きます。
- キャップを開けて給油する: 手順はE26型と同様に、キャップを反時計回りに回して外し、給油します。
E25型の場合、オープナースイッチが経年劣化で破損しやすく、操作不能になるケースが報告されています。 もしスイッチがグラグラしたり、取れてしまったりした場合は、部品の交換や修理が必要になります。
給油口キャップの開け閉めのポイント
給油キャップの操作は単純ですが、いくつかのポイントを押さえることで、より安全かつスムーズに行えます。
- ゆっくり開ける: 特に夏場や長距離走行後は、燃料タンク内の圧力が上がっていることがあります。キャップを勢いよく開けると、ガソリンが気化したガス(蒸気)が噴き出したり、燃料が吹きこぼれたりする危険性があるため、ゆっくりと圧力を逃がすように開けてください。
- キャップの置き場所: 給油キャップは、リッド裏側に設けられた専用のホルダーにしっかりとかけておきましょう。 これにより、キャップの置き忘れや、ボディに当たって傷が付くのを防げます。
- 確実に閉める: 給油後は、キャップを右方向(時計回り)に回し、「カチッ」と音が1〜2回鳴るまでしっかりと閉めてください。閉め方が不十分だと、走行中に燃料が漏れたり、警告灯が点灯したりする原因になります。
- 静電気に注意: 給油前には、車体の金属部分に触れて身体の静電気を除去しましょう。 静電気の火花が気化したガソリンに引火するのを防ぐための重要な安全対策です。
【緊急】キャラバンの給油口が開かない!原因と対処法
ガソリンスタンドで給油しようとしたら、「スイッチを押しても給油口が開かない!」こんなトラブルに見舞われたら誰でも焦ってしまいますよね。給油口が開かない原因はいくつか考えられますが、落ち着いて原因を探り、正しく対処することが重要です。ここでは、考えられる主な原因と、ご自身でできる応急処置について解説します。
原因①:給油口オープナー(レバー)の不具合
運転席にあるオープナースイッチやレバー自体の故障が原因で、給油口が開かなくなることがあります。
- 電気式のスイッチの場合(E26型など):
スイッチ内部の接触不良や、関連するヒューズが切れている可能性があります。 何度かスイッチを押してみて、作動音(カチッという音)が全くしない場合は、電気系統のトラブルが疑われます。 スイッチは消耗品であり、長年使用していると内部の接点が摩耗して反応しなくなることがあります。 - 機械式のレバーの場合(E25型など):
レバーのプラスチック部分が経年劣化で割れたり、破損したりすることがあります。 レバーを引いても手応えがスカスカで、ワイヤーを引いている感覚がない場合は、レバー自体の破損が考えられます。
原因②:ワイヤーの固着や断裂
室内操作式の給油口は、オープナー(スイッチやレバー)と給油口リッドのロック部分が、金属製のワイヤーで繋がっています。 このワイヤーに問題が生じると、給油口が開かなくなります。
- ワイヤーの固着: 長期間の使用により、ワイヤー内部にゴミやサビが発生し、動きが渋くなる「固着」という現象が起こることがあります。特に、融雪剤が撒かれる地域や沿岸部などでは、サビによる固着が起こりやすい傾向にあります。
- ワイヤーの伸びや断裂: レバーを強く引きすぎたり、経年劣化で金属が疲労したりすると、ワイヤーが伸びてしまい、ロックを解除するのに必要なストローク(引きしろ)が足りなくなることがあります。 最悪の場合、ワイヤーが断裂してしまうと、レバーを引いても全く反応しなくなります。
原因③:給油口リッド(フタ)周辺のトラブル
オープナーやワイヤーに問題がなくても、給油口リッド(フタ)のロック機構や周辺の物理的な問題で開かなくなるケースもあります。
- ロック機構(アクチュエーター)の故障:
電気式の場合、スイッチからの信号を受けてロックを解除する「アクチュエーター」という小型モーターが故障することがあります。 スイッチを押したときに作動音がするもののロックが外れない場合、この部品の故障が疑われます。 - 異物の挟み込みや凍結:
洗車後の水滴が凍結したり、泥や小石などがリッドの隙間に挟まったりして、物理的に開かなくなることがあります。特に冬場は、リッド周りが凍りついていないか確認が必要です。 - スライドドアとの干渉:
キャラバンのようなワンボックスカーでは、安全のためにスライドドアが開いていると給油口が開かない構造になっている車種があります。 一度、すべてのドアが完全に閉まっていることを確認してから、再度オープナースイッチを操作してみてください。
自分ですぐできる応急処置の方法
給油口が開かないと、最悪の場合ガス欠で走行不能になってしまいます。ディーラーや修理工場に持ち込む前に、試せる応急処置がいくつかあります。
1. 二人で協力する: 一人が運転席でオープナーを繰り返し操作し、もう一人が給油口リッドを外から軽く押したり引いたり、叩いたりしてみます。固着している場合、この振動でロックが外れることがあります。
2. リッド周辺の確認: 凍結が疑われる場合は、ぬるま湯をかけるなどして氷を溶かします。ただし、熱湯は塗装を傷める可能性があるので避けてください。また、隙間に異物が挟まっていないか、薄いカードなどを差し込んで確認してみるのも一つの方法です。
3. 緊急用の解除レバーを探す: 車種によっては、荷室の内張りの中に緊急用の解除レバーやワイヤーが隠されている場合があります。 キャラバンの場合、公式な緊急解除機構は設けられていないようですが、荷室の給油口側の内張りを剥がすと、ロック機構に直接アクセスできる可能性があります。ただし、内張りの脱着には知識と工具が必要なため、無理に行うと破損の原因になります。
これらの方法を試しても開かない場合は、無理にこじ開けようとせず、JAFやロードサービス、または日産のディーラーに連絡して指示を仰ぎましょう。
給油口周りの部品交換と費用

給油口のトラブルが応急処置で解決しない場合、部品の交換や修理が必要になります。ここでは、代表的な部品の交換方法と、その際にかかる費用の目安について解説します。費用はあくまで一般的な相場であり、車種や依頼する工場によって変動する点にご留意ください。
給油口リッド(フタ)の交換方法と費用目安
給油口リッド(フューエルリッド)は、ぶつけて変形したり、ヒンジ部分が破損したりすることがあります。また、ドレスアップ目的で社外品のガラス製リッドなどに交換するカスタムも人気です。
- 交換方法:
リッドは通常、数本のボルトやクリップでボディに固定されています。純正品との交換であれば、比較的簡単な作業で済みます。- 給油口を開け、リッドを固定しているボルトやヒンジ部分のカバーを外します。
- 古いリッドを取り外し、新しいリッドを逆の手順で取り付けます。
- 開閉がスムーズにできるか、ボディとの間に適切な隙間があるかを確認して完了です。
- 費用目安:
部品名 部品代(目安) 工賃(目安) 合計(目安) 給油口リッド(純正・未塗装) 5,000円~10,000円 3,000円~8,000円 8,000円~18,000円 ガラスリッド(社外品) 7,000円~15,000円 3,000円~8,000円 10,000円~23,000円 純正部品の場合、通常は未塗装の状態で供給されるため、別途ボディカラーに合わせた塗装費用(10,000円~)が必要になることがほとんどです。
給油口キャップの交換方法と費用目安
給油口キャップは、パッキンの劣化による燃料漏れや、紛失防止の紐(テザー)が切れた際に交換します。
- 交換方法:
交換は非常に簡単で、古いキャップを反時計回りに回して外し、新しいキャップを「カチッ」と音がするまで閉めるだけです。工具も不要で、誰でも簡単に行えます。 - 費用目安:
部品名 部品代(目安) 工賃(目安) 合計(目安) 給油口キャップ(純正) 2,000円~4,000円 0円~1,000円 2,000円~5,000円 部品さえあれば自分で交換できるため、工賃はかからない場合が多いです。ディーラーやカー用品店で購入し、その場で交換してもらうことも可能です。
給油口オープナー・ワイヤーの修理費用
給油口が開かなくなる原因として多い、オープナー(スイッチやレバー)やワイヤーの不具合。これらの修理は内装部品を取り外す必要があるため、専門的な知識と技術が求められます。
- 修理・交換方法:
ワイヤー交換の場合、運転席のオープナーから車両後方の給油口まで、フロアカーペットや内張りの下を通っているワイヤーをすべて引き直す大掛かりな作業になります。 スイッチの交換も、ステアリングコラム周辺のパネルを分解する必要があります。 - 費用目安:
修理・交換内容 部品代(目安) 工賃(目安) 合計(目安) オープナースイッチ交換 3,000円~7,000円 5,000円~15,000円 8,000円~22,000円 オープナーワイヤー交換 4,000円~8,000円 15,000円~30,000円 19,000円~38,000円 ロックアクチュエーター交換 5,000円~10,000円 8,000円~20,000円 13,000円~30,000円 特にワイヤー交換は、内装の脱着範囲が広いため工賃が高額になる傾向があります。 複数の部品が関連して故障している場合は、さらに費用が加算される可能性があります。正確な費用については、必ず事前にディーラーや修理工場で見積もりを取るようにしましょう。
まとめ:キャラバンの給油口トラブルは慌てず対処しよう

この記事では、日産キャラバンの給油口について、位置や開け方といった基本的な情報から、開かなくなった際の具体的な原因と対処法、さらには修理費用に至るまで詳しく解説しました。
- 給油口の位置: 車両右側後方。メーター内の矢印でも確認可能。
- 開け方(E26型): 運転席ステアリング右下のボタンスイッチを押す。
- 開かない原因: スイッチの故障、ワイヤーの固着・断裂、ロック機構の不具合などが考えられる。
- 対処法: 二人での操作やリッド周辺の確認を試し、ダメなら専門家に相談する。
- ディーゼル車注意点: アドブルー補充口(助手席側ステップ)と間違えないこと。
ガソリンスタンドで給油口が開かないと焦ってしまいますが、原因の多くは経年劣化によるものです。 まずは落ち着いて本記事で紹介した応急処置を試し、それでも解決しない場合は無理をせず、ディーラーや信頼できる整備工場に相談することが大切です。日頃からスムーズな給油を心がけ、快適なキャラバンライフを送りましょう。



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