C26セレナで「急にエアコンが効かなくなった」「コンプレッサーの故障ならリコールで無料修理できるのでは?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。C26系セレナには、実際にエアコンコンプレッサーに関するメーカー対応があります。
ただし、正確には「リコール」ではなく、2016年4月15日に日産が発表したサービスキャンペーンです。対象となる型式・車台番号・製作期間が決められており、C26系セレナならすべて無料修理になるわけではありません。
この記事では、C26セレナのエアコンに関するリコールの有無、サービスキャンペーンの対象範囲、不具合の原因、自分の車を確認する方法、対象外だった場合に考えられる故障原因や修理費用までわかりやすく解説します。
C26セレナのエアコンはリコールではなくサービスキャンペーンの対象

C26セレナのエアコンについて最初に押さえておきたいのは、エアコンコンプレッサーに関するメーカー対応は存在しますが、制度上は「リコール」ではなく「サービスキャンペーン」であるという点です。
日産は2016年4月15日、セレナとエクストレイルの一部車両について、エアコンコンプレッサーの不具合に対するサービスキャンペーンを発表しています。対象車については、コンプレッサーのクラッチ締結用コイルを対策品へ交換する内容です。
エアコンが作動しなくなる不具合が対象
日産が公表している不具合内容によると、エアコンコンプレッサーにはクラッチを締結するためのコイルがあり、そのコイルに設けられているヒューズの接合状態が不適切な車両があります。
接合部分の内部抵抗が大きくなるとコイルの温度が上昇し、最終的にヒューズが溶断する可能性があります。ヒューズが切れることでコンプレッサーのクラッチが作動できなくなり、冷房が効かなくなるという仕組みです。
つまり、「風は出ているのに冷たい風にならない」という症状が出た場合には、このサービスキャンペーンと関係している可能性があります。ただし、同じ症状は冷媒ガス漏れやコンプレッサー本体の故障でも発生するため、症状だけでは対象かどうか判断できません。
サービスキャンペーンも対象なら無償で改善措置を受けられる
「リコールではないなら有料なのでは」と思うかもしれませんが、日産はサービスキャンペーンについて、商品性改善のため国土交通省へ通知し、対象となる自動車を無料で修理する制度と説明しています。
今回のC26系セレナについては、対象車のエアコンコンプレッサーにあるクラッチ締結用コイルを対策品へ交換します。対象かつ改善措置が未実施の場合は、まず日産販売店へ相談するのが適切です。
「リコール」と「サービスキャンペーン」は意味が違う
国土交通省によると、サービスキャンペーンは、リコールや改善対策には該当しない不具合について、商品性や品質を改善するためにメーカーが行う措置です。
そのため、インターネット上では便宜的に「C26セレナのエアコンリコール」と呼ばれていることがありますが、公式情報を確認すると2016年のエアコンコンプレッサー案件はサービスキャンペーンに分類されています。
| 区分 | 概要 |
|---|---|
| リコール | 保安基準に適合しなくなるおそれがあり、設計・製作上の原因がある場合に行われる改善措置 |
| 改善対策 | 保安基準違反ではないものの、安全や環境上放置できないおそれがある場合の改善措置 |
| サービスキャンペーン | リコール・改善対策には該当しない不具合について、商品性や品質を改善するために行う措置 |
C26セレナのエアコンサービスキャンペーン対象車

エアコンコンプレッサーのサービスキャンペーンは、C26系セレナのすべてが対象ではありません。日産が公表している対象範囲には、DAA-HFC26、DAA-HC26、DBA-C26、DBA-NC26、DBA-FNC26が含まれています。
対象車が含まれる製作期間はいずれも2012年8月31日から2013年3月28日です。ただし、同じ期間に製造された車両でも対象外の場合があるため、車台番号まで確認する必要があります。
対象となる型式と車台番号
日産が公表しているサービスキャンペーン対象車を整理すると、次のとおりです。
| 型式 | 対象車が含まれる車台番号 | 対象車が含まれる製作期間 |
|---|---|---|
| DAA-HFC26 | HFC26-113831~HFC26-148201 | 2012年8月31日~2013年3月28日 |
| DAA-HC26 | HC26-064854~HC26-079094 | 2012年8月31日~2013年3月28日 |
| DBA-C26 | C26-060653~C26-062535 | 2012年8月31日~2013年3月28日 |
| DBA-NC26 | NC26-010654~NC26-013154 | 2012年8月31日~2013年3月28日 |
| DBA-FNC26 | FNC26-021362~FNC26-023873 | 2012年8月31日~2013年3月28日 |
DBA-FC26はエアコンサービスキャンペーンの対象表にない
C26系セレナには「FC26」という型式もありますが、2016年4月15日に発表されたエアコンコンプレッサーのサービスキャンペーン対象表にはDBA-FC26の記載がありません。
そのため、FC26でエアコンが効かなくなったからといって、このサービスキャンペーンによる無償修理を前提に考えるのは適切ではありません。コンプレッサー本体、冷媒漏れ、電装系など、通常の故障診断が必要になります。
一方、C26系にはエアコンとは別に発電機やECOモーターなどを対象としたリコールもあります。型式だけを見て「対象」「対象外」と判断せず、自分の車台番号で現在残っている改善措置をまとめて確認するのが確実です。
初度登録年月だけでは正確に判断できない
車検証を見ると「初度登録年月」が記載されていますが、これは車両が製作された年月と同じとは限りません。日産も、サービスキャンペーン対象車の製作期間と購入時期は一致しない場合があると案内しています。
例えば2013年に初度登録されたC26セレナでも、サービスキャンペーン対象になる車とならない車があります。逆に中古車の場合、過去のオーナーがすでに対策作業を受けている可能性もあります。
C26セレナのエアコン不具合ではどんな症状が出る?

サービスキャンペーンの原因はコンプレッサーのクラッチ締結用コイルですが、運転している人が感じる症状は比較的シンプルです。代表的なのは、A/CをONにしてもコンプレッサーが正常に作動せず、冷房が効かなくなる状態です。
ただし、C26セレナは年数が経過している車両が多いため、現在発生するエアコン不調がすべてサービスキャンペーン由来とは考えないほうがよいでしょう。
風は出るのに冷たくならない
エアコンパネルを操作するとブロアファンから風は出るものの、設定温度を下げてもぬるい風しか出ない場合は、コンプレッサーが正常に働いていない可能性があります。
サービスキャンペーンで問題となったコイルのヒューズが溶断すると、コンプレッサーのクラッチを作動させられなくなります。そのため、「送風機は動いているのに冷房だけ効かない」という状態は内容と整合します。
ただし、冷媒ガスが不足した場合にも同じような症状になります。車台番号が対象範囲だからという理由だけで原因を決めつけず、点検で切り分ける必要があります。
最初は冷えていたのに途中から冷えなくなることもある
エアコンの電気系統やコンプレッサー周辺に問題がある場合、常にまったく冷えないとは限りません。温度や部品の状態によって、冷えるときと冷えないときが現れるケースも考えられます。
特に「朝は冷えるが暑くなると効かない」「一度エアコンを切ると再び冷えなくなる」などの症状は、整備工場に入庫した時点で正常になっている場合があります。発生時の外気温、走行時間、停車中か走行中かなどを記録しておくと診断に役立ちます。
異音があるなら別の故障も疑う
エアコンON時にエンジンルームからガラガラ音や金属音がする場合は、クラッチ用コイルだけでなく、コンプレッサー内部やプーリー、ベアリングなどの機械的な故障も考えられます。
異音が大きい状態で使用を続けると、故障範囲が広がる可能性があります。特にコンプレッサーが焼き付くような故障では、ベルトや周辺部品にも影響する可能性があるため、無理にA/Cを使用し続けず点検を受けるほうが安心です。
「冷えない」という症状だけではサービスキャンペーンの不具合と断定できません。車台番号の確認と、実車のエアコン診断を分けて考えるのがポイントです。
C26セレナがリコール・サービスキャンペーン対象か確認する方法

自分のC26セレナが対象かどうかは、インターネット上の年式情報だけで推測するより、日産公式サイトの検索システムを利用するのが確実です。車検証に記載された車台番号を用意して確認します。
車検証で型式と車台番号を確認する
まず車検証を確認し、「型式」と「車台番号」を探します。例えば型式が「DAA-HFC26」、車台番号が「HFC26-○○○○○○」という形で記載されています。
車名が単に「セレナ」となっていても、C26、NC26、HC26、HFC26などによって対象範囲は異なります。中古車情報などに記載された「平成25年式」という情報だけでは判断できません。
日産公式の車台番号検索を利用する
日産には、リコール・改善対策・サービスキャンペーンの対象車を車台番号から検索できる公式ページがあります。
日産「リコール・改善対策・サービスキャンペーン対象車の検索」で車台番号を入力すると、その車に該当する改善措置を確認できます。
日産によると、検索システムでは2001年3月30日以降のリコール・改善対策、2003年1月17日以降のサービスキャンペーン情報を確認できます。ただし、すべての対象車で作業実施済みとなった情報は表示されない場合があります。
販売店へ「エアコンのサービスキャンペーン」と伝える
公式検索で該当した場合や、検索結果だけでは判断できない場合は、日産販売店へ車台番号を伝えて確認してもらう方法があります。
その際は単に「エアコンが壊れた」と伝えるだけでなく、「2016年4月15日に発表されたエアコンコンプレッサーのサービスキャンペーンに該当するか確認したい」と伝えると話が明確になります。
対象であれば改善措置の実施状況も確認してもらいましょう。中古で購入したC26セレナでは、前オーナーがすでに対策済みという可能性もあります。
サービスキャンペーン対象外でもエアコンが効かない原因はある

C26セレナの車台番号を確認してサービスキャンペーン対象外だったとしても、「メーカー対応ではないから故障していない」という意味ではありません。C26は2010年代前半に販売された世代であり、現在では経年劣化によるエアコン故障も十分考えられます。
エアコンが効かない場合は、コンプレッサーだけに絞らず、冷媒系統や前後のエアコンユニット、電装系まで確認することが重要です。
冷媒ガス漏れ
カーエアコンは密閉された配管内を冷媒が循環しているため、正常であれば短期間で冷媒が大きく減るものではありません。「ガスを入れたら冷えるようになったが、数週間から数カ月でまた冷えなくなった」という場合は、どこかから漏れている可能性を考える必要があります。
漏れの原因にはコンデンサー、配管、接続部、エバポレーターなどがあります。セレナでは後席用エアコンもあるため、リア側のエバポレーターや配管も診断対象になります。
ガス補充だけを繰り返すと原因そのものは残ります。短期間で再び冷えなくなる場合は、漏れ箇所を特定したうえで修理するほうが結果的に無駄な出費を減らしやすいでしょう。
コンプレッサー本体の故障
サービスキャンペーンで交換するのはクラッチ締結用コイルですが、年数や走行距離によってはコンプレッサー本体が摩耗・故障していることもあります。
コンプレッサーから異音がする、作動していても冷媒圧力が十分に上がらない、内部が焼き付いているといった場合は、コイル交換だけでは解決しません。新品またはリビルトコンプレッサーへの交換が必要になるケースがあります。
ここは費用面でも大きな違いが出ます。サービスキャンペーン由来なら対象部品の改善措置ですが、通常の経年故障でコンプレッサー交換となれば基本的にはユーザー負担です。
リアエバポレーターやリア側配管の不具合
C26セレナのようなミニバンでは前席と後席の冷房状態を分けて確認することも大切です。「前席は冷えるのに後席が冷えにくい」「ガス補充後しばらくすると全体が冷えなくなる」といった場合、リア側の冷媒漏れが関係するケースがあります。
2026年に掲載された整備情報でも、C26・C27系セレナではリアエバポレーターのガス漏れ事例が紹介されています。ただし、これは2016年のサービスキャンペーンとは別の一般故障です。
サービスキャンペーン対象車であっても、実際の故障原因がリアエバポレーターの漏れなら、その部分まで無条件に無料修理になるわけではありません。無料修理の対象範囲と現在発生している故障箇所を分けて考える必要があります。
走行中だけ冷える場合は冷却ファンなども確認
停車中はぬるいのに、速度を上げて走行すると冷える場合は、コンデンサーに十分な風が当たっていない可能性があります。ラジエーターファンなどの作動状態も確認対象です。
サービスキャンペーンのコイル不具合では「コンプレッサーが作動しなくなる」という内容ですが、走行風の有無によって冷え方が大きく変わる場合は別系統の故障も考えたほうがよいでしょう。
| 症状 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| 風は出るがまったく冷えない | コンプレッサー、クラッチ用コイル、冷媒不足、電装系 |
| ガス補充後に再び冷えなくなる | 配管、コンデンサー、エバポレーターなどからの冷媒漏れ |
| 前席は冷えるが後席が冷えにくい | リアエアコン側のエバポレーターや配管 |
| 停車中は冷えず走行すると冷える | 冷却ファン、コンデンサー周辺など |
| A/C使用時に異音がする | コンプレッサー、プーリー、ベアリングなど |
C26セレナのエアコン修理費用は対象かどうかで大きく変わる

C26セレナでエアコンが効かない場合、最初にサービスキャンペーン対象かを確認する意味は費用面でも大きいです。対象となる不具合ならメーカーの改善措置を利用できますが、対象外の一般故障では故障箇所に応じた修理費が必要になります。
サービスキャンペーン対象なら先に日産へ相談する
対象範囲に入り、未実施のサービスキャンペーンが残っている可能性がある車を、先に一般の整備工場で有料修理してしまうのはおすすめできません。
まず日産販売店で車台番号を確認し、サービスキャンペーン対象か、対策済みか、現在の故障症状が対象となる不具合と関係しているかを診断してもらうとよいでしょう。
特にコンプレッサー周辺を交換する見積もりが出ている場合は、修理を確定する前にメーカー対応の有無を確認しておくことが重要です。
対象外の場合の修理費用目安
エアコン修理費は故障箇所や新品・リビルト部品の選択によって大きく変わります。2026年時点の一般的な整備情報では、C26を含むセレナのコンプレッサー交換はリビルト品で6万~12万円程度、新品では10万~20万円程度が目安として紹介されています。
そのほか、冷媒ガス補充は5,000~1万5,000円程度、コンデンサー交換は5万~10万円程度、リアエバポレーター交換は作業内容によって8万~15万円程度がひとつの目安です。
| 修理・作業 | 費用の参考目安 |
|---|---|
| エアコン診断・ガス圧点検 | 無料~5,000円程度 |
| R134a冷媒ガス補充 | 5,000~1万5,000円程度 |
| コンプレッサー交換・リビルト品 | 6万~12万円程度 |
| コンプレッサー交換・新品 | 10万~20万円程度 |
| コンデンサー交換 | 5万~10万円程度 |
| リアエバポレーター交換 | 8万~15万円程度 |
| 冷却ファン交換 | 2万~6万円程度 |
これらはあくまで参考価格です。実際には故障箇所、交換方法、使用する部品、工賃、同時交換部品などによって金額が変わります。
「とりあえずガス補充」だけで終わらせない
冷房が弱くなったとき、比較的安価なガス補充だけを依頼したくなります。しかし、短期間で冷媒が減っている場合には漏れの原因を直さない限り再発します。
特にC26セレナは年数が経過しているため、最初から「ガス不足だけ」と決めつけないほうがよいでしょう。漏れの有無、コンプレッサーの作動、圧力、電装系を確認したうえで修理内容を決めることが重要です。
中古のC26セレナを購入した場合も確認しておきたい
C26セレナを中古で購入したばかりの場合、前オーナーがサービスキャンペーンを実施したか分からないことがあります。購入店から特に説明がなかった場合でも、自分で車台番号を使って日産へ確認しておくと安心です。
エアコンが正常でも、リコールやサービスキャンペーンは故障してから初めて確認するものとは限りません。C26系にはエアコン以外のリコールも存在するため、中古車購入後は一度まとめて確認するのが実用的です。
日産の最新のリコール関連情報は日産公式「リコール情報」から確認できます。
C26セレナのエアコンリコールで迷ったときの判断ポイント

C26セレナのエアコン不調では、「リコールなのか」「普通の故障なのか」を最初から症状だけで決める必要はありません。順序を整理して確認すると、不要な修理費を支払うリスクを減らせます。
まず車台番号を確認する
最優先は車検証の車台番号です。2012年8月31日から2013年3月28日ごろに製作されたC26系で、対象車台番号の範囲に含まれる場合は、エアコンコンプレッサーのサービスキャンペーンについて確認しましょう。
ただし、範囲内でも対象外車両があるため、「番号が範囲内=無料修理確定」ではありません。日産の検索システムまたは販売店での確認まで行う必要があります。
対象なら実施済みかを確認する
サービスキャンペーンは2016年に発表されているため、中古車ではすでに対策済みの可能性があります。対策済みなら、現在のエアコン不調について別の原因を探す必要があります。
逆に未実施で対象車であれば、一般修理を進める前に日産販売店へ相談するのが合理的です。
対象外なら通常のエアコン診断へ進む
対象外だった場合は、コンプレッサー、冷媒ガス漏れ、コンデンサー、フロント・リアのエバポレーター、ファン、電装系などを点検して原因を特定します。
「C26のエアコンが壊れた=必ずサービスキャンペーン」と考えるのではなく、メーカー対象確認と故障診断を二段階で行うことが最も確実です。
判断の順番は「車検証を見る → 日産公式で対象確認 → 未実施なら日産へ相談 → 対象外・対策済みなら通常の故障診断」と考えると分かりやすいでしょう。
C26セレナのエアコンリコールは車台番号を確認するのが確実
C26セレナには、エアコンコンプレッサーが作動しなくなるおそれがあるとして、2016年4月15日に日産がサービスキャンペーンを実施しています。一般的に「エアコンのリコール」と検索されることがありますが、正確な区分はリコールではなくサービスキャンペーンです。
対象にはHFC26、HC26、C26、NC26、FNC26の一部が含まれ、対象車が含まれる製作期間は2012年8月31日から2013年3月28日です。ただし、同じ型式や車台番号の範囲でも対象外となる車両があるため、年式だけで判断してはいけません。
エアコンが効かないC26セレナに乗っているなら、まず車検証の車台番号を使って日産公式サイトまたは販売店で対象状況を確認してください。対象外またはすでに対策済みなら、冷媒漏れ、コンプレッサー本体、リアエバポレーターなど別の原因を診断する必要があります。
特に高額なコンプレッサー交換を行う前には、未実施のサービスキャンペーンが残っていないか確認しておくことが、余計な出費を避けるうえで重要です。



