「愛車のゴルフ8で、もっと自由に旅をしてみたい」「車中泊に挑戦してみたいけど、ゴルフ8で快適に過ごせるの?」そんな疑問やあこがれを抱いている方も多いのではないでしょうか。ゴルフ8は、そのスタイリッシュなデザインと卓越した走行性能で人気のCセグメントハッチバックですが、実は工夫次第で快適な車中泊も楽しむことができるポテンシャルを秘めています。
この記事では、ゴルフ8での車中泊を検討している方に向けて、気になる室内の広さから、フルフラットにする方法、快適性を格段にアップさせる必須アイテム、さらには注意点まで、わかりやすく解説していきます。この記事を読めば、ゴルフ8での車中泊の具体的なイメージが湧き、次の休日に向けての準備を始めたくなるはずです。
ゴルフ8で快適な車中泊はできる?

フォルクスワーゲンの世界戦略車であるゴルフは、その8代目となってもキビキビとした走りと扱いやすいサイズ感で人気を博しています。一見すると車中泊にはコンパクトに思えるかもしれませんが、結論から言うとゴルフ8でも十分に車中泊は可能です。もちろん、ミニバンのように広々とした空間ではありませんが、シートアレンジを工夫し、便利なアイテムを活用することで、大人でも足を伸ばして休むことができるスペースを生み出せます。ここでは、ゴルフ8で車中泊をする際の基本となる室内の広さや、快適に過ごすためのポイントについて詳しく見ていきましょう。
ゴルフ8の荷室サイズとフラット化のポイント
ゴルフ8で車中泊をする上で最も重要になるのが、後部座席を倒して作る就寝スペースです。
- 荷室容量: 通常時で380Lの容量を確保しており、Cセグメントのハッチバックとしては標準的な広さです。
- シートアレンジ: 後部座席は6:4の分割可倒式になっており、肩口のレバーを操作することで簡単に前に倒すことができます。
後部座席の背もたれを倒すと、荷室とつながった広い空間が出現します。 しかし、完全なフルフラットにはならず、多少の段差と傾斜が残ります。 この段差と傾斜が、快適な睡眠を妨げる最大の要因となります。
身長別の快適度レビュー
後部座席を倒し、助手席を一番前にスライドさせた場合、就寝スペースの奥行きは約170cmほど確保できます。
- 身長170cm以下の方:
体を真っ直ぐにして寝ることが可能です。 ただし、前述の通り段差があるため、マットなどでの調整は必須です。 - 身長170cm〜180cmの方:
体を真っ直ぐに伸ばすのは難しいかもしれません。その場合は、体を少し斜めにすることで、180cm弱の長さを確保でき、快適に寝ることができます。 - 身長180cm以上の方:
膝や首を曲げる必要があり、窮屈に感じてしまう可能性が高いです。長時間の睡眠にはあまり向いていないかもしれません。
室内幅は、後部座席部分で約1275mm、荷室の最も狭い部分でも約1000mm程度あります。 大人が2人で寝ることも不可能ではありませんが、かなり密着することになるため、1人での利用が快適でしょう。
ヴァリアントならさらに快適?通常モデルとの比較
もし、ゴルフでより快適な車中泊を求めるのであれば、ステーションワゴンモデルの「ゴルフ ヴァリアント」が非常に有力な選択肢となります。
| モデル | 全長 | ホイールベース | 荷室容量(後席使用時) | 荷室容量(後席格納時) |
|---|---|---|---|---|
| ゴルフ8 | 4,295mm | 2,620mm | 380L | 約1,237L |
| ゴルフ8 ヴァリアント | 4,640mm | 2,670mm | 611L | 1,642L |
後部座席を倒した際の荷室の奥行きは約1845mmにもなり、よりフラットに近い広大な空間が生まれます。 これにより、身長が高い方でも足を伸ばしてゆったりと休むことができ、車中泊の快適性は格段に向上します。 アウトドアレジャーを頻繁に楽しむ方や、2人での車中泊を考えている方には、ヴァリアントが断然おすすめです。
ゴルフ8の車中泊を快適にする必須アイテム

ゴルフ8での車中泊は可能ですが、快適に過ごすためにはいくつかのアイテムを揃えることが重要です。特に、ミニバンのように完全にフラットな空間を作りにくいゴルフ8では、寝心地を左右するマットや、プライバシーを確保するシェードが欠かせません。ここでは、ゴルフ8での車中泊を「ただ寝るだけ」から「快適な宿泊体験」へと変えるための必須アイテムを3つのカテゴリーに分けてご紹介します。
快眠のためのマット選び
ゴルフ8で車中泊をする際、最も重要なアイテムと言っても過言ではないのがマットです。 後部座席を倒した際に生じる段差と傾斜を解消し、硬い床面から体を守るために必須となります。
マットにはいくつかの種類がありますが、それぞれに特徴があります。
- インフレーターマット:
バルブを開くと自動である程度空気が入るタイプのマットです。クッション性が高く、寝心地が良いのが特徴です。収納時は空気を抜いてコンパクトに丸めることができます。厚みも様々なものがあるので、ゴルフ8の段差をしっかりと吸収できる5cm以上の厚さのものを選ぶと良いでしょう。 - エアマット:
空気入れで膨らませるタイプのマットです。インフレーターマットよりもさらに厚みを持たせることができ、寝心地を追求したい方におすすめです。ただし、空気を入れる手間がかかる点と、穴が開くと使えなくなるというデメリットもあります。 - 折りたたみ式マット:
銀マットやウレタン製のマットを折りたたんで使用するタイプです。設営が簡単で、比較的安価なのが魅力です。ただし、クッション性は他のタイプに劣るため、ゴルフ8の段差を完全に解消するのは難しいかもしれません。他のマットと組み合わせて使うなどの工夫が必要です。
プライバシーと断熱性を確保するシェード
快適な睡眠のためには、プライバシーの確保と外気温からの影響を和らげることが大切です。そこで活躍するのが、窓に取り付けるサンシェードです。
- プライバシーの確保:
駐車場など、人目のある場所で車中泊をする際に、外からの視線を遮ることができます。着替えや就寝時に安心して過ごすために必須のアイテムです。 - 断熱・遮光効果:
夏は強い日差しを遮り、車内の温度上昇を抑えます。冬は外の冷気が車内に入るのを防ぎ、車内の熱が逃げるのを防ぐ効果があります。 これにより、エアコンの使用を抑え、燃費の節約にも繋がります。また、街灯や朝日などの光を遮ることで、ぐっすりと眠ることができます。
シェードも、ゴルフ8やゴルフヴァリアントの各窓に合わせて設計された車種専用品が販売されています。 汎用品よりも高価ですが、吸盤などで窓にぴったりとフィットするため、遮光性や断熱性が高く、取り付けも簡単でおすすめです。
あると便利な小物類(ランタン、ポータブル電源など)
マットとシェードに加えて、以下のような小物があると、車中泊の快適性がさらに向上します。
- LEDランタン:
夜間の車内を照らすために必要です。火を使わないLEDタイプなら、一酸化炭素中毒の心配もなく安全に使用できます。明るさの調節ができるものや、暖色系の光のものを選ぶと、リラックスした雰囲気で過ごせます。 - ポータブル電源:
スマートフォンやタブレットの充電、電気毛布の使用など、車内で電化製品を使いたい場合に非常に便利です。容量によって価格は様々ですが、一泊程度の利用であれば、スマートフォンの充電が数回できる程度の小型のものでも十分役立ちます。 - 寝袋(シュラフ):
季節に応じた寝袋を用意しましょう。 夏場でも、標高の高い場所では夜間に冷え込むことがあります。温度調節がしやすいように、薄手のものと重ねて使えるものなど、いくつか種類があると便利です。 - テーブルや小物入れ:
車内で食事をしたり、小物を整理したりするのに小さなテーブルがあると便利です。また、ゴルフ8にはアームレスト部分にはめ込むタイプの収納トレイなどのアクセサリーもあり、小物を整理するのに役立ちます。
実践!ゴルフ8で車中泊をする手順とコツ

必要なアイテムが揃ったら、いよいよ車中泊の実践です。ゴルフ8の限られたスペースを最大限に活用し、快適な寝床を作るためには、いくつかの手順とコツがあります。ここでは、実際に車中泊を行う際の準備から、より快適に過ごすための工夫、そして見落としがちな換気の重要性までを具体的に解説していきます。これらのポイントを押さえることで、初めての方でもスムーズに準備を進め、安心して夜を過ごすことができるでしょう。
フルフラットにするための準備と手順
快適な寝床作りの第一歩は、後部座席を倒してフラットな空間を作ることです。 手順自体は簡単ですが、いくつかのポイントを押さえることで、よりスムーズに、そしてより広く空間を使うことができます。
- 前席(運転席・助手席)を最大限前にスライドさせる:
まず、運転席と助手席のシートをできるだけ前方にスライドさせます。 これにより、後部座席を倒した際に生まれるスペースを最大限に広くすることができます。背もたれも少し前に倒しておくと良いでしょう。 - 後部座席のヘッドレストを外す:
次に、後部座席のヘッドレストをすべて取り外します。 ヘッドレストを付けたままだと、背もたれを倒した際に前席のシートに干渉してしまい、うまく倒せないことがあります。外したヘッドレストは、前席の足元やアンダーラゲッジスペースに収納しておくと邪魔になりません。 - 後部座席の背もたれを倒す:
後部座席の肩口にあるレバーを引きながら、背もたれを前方に倒します。 これで、荷室から続く長大なスペースが完成します。 - 段差の確認と調整:
背もたれを倒すと、荷室との間に段差が、そして全体的に少し傾斜ができます。このままでは寝心地が悪いため、次のステップでこの段差と傾斜を解消していきます。
快適な寝床作りの工夫
フラットな空間ができたら、次は快適な寝床作りです。ここでの工夫が、睡眠の質を大きく左右します。
- 段差の解消:
最も重要なのが、荷室と倒した背もたれの間にできる段差を埋めることです。 ここには、使わない衣類やタオルケット、クッションなどを詰めて平らにします。また、前席を前にスライドさせたことで、倒した後席との間に隙間ができます。この隙間にも、荷物やクーラーボックスなどを置いて埋めると、スペースを有効活用できる上に、寝ている間に物が落ちるのを防げます。 - マットの設置:
段差の調整が終わったら、その上にインフレーターマットなどの厚手のマットを敷きます。マットを敷くことで、細かな凹凸や傾斜が吸収され、寝心地が格段に向上します。マットの上に、季節に合わせた寝袋やブランケットを広げれば、快適なベッドの完成です。 - 荷物の整理:
車中泊では、就寝スペース以外に荷物を置く場所が限られます。荷物はできるだけコンパクトにまとめ、前席の足元や、ラゲッジスペースの下にあるアンダーラゲッジ(スペアタイヤ周りのスペース)などを有効活用しましょう。
結露対策と換気の重要性
車中泊で見落としがちですが、非常に重要なのが結露対策と換気です。
- 結露の原因:
締め切った車内で人が寝ていると、呼気に含まれる水分で車内の湿度が上がり、外気温との差で窓ガラスが結露します。結露を放置すると、カビの原因になったり、翌朝視界が悪くなったりします。 - 換気の方法:
これを防ぐためには、就寝中に少しだけ窓を開けておくことが有効です。 両側の窓を少し開けると、空気の通り道ができて効率的に換気ができます。防犯や虫の侵入が心配な場合は、窓に取り付けるタイプの網戸(ウインドーネット)などを使用すると安心です。 - 一酸化炭素中毒への注意:
特に冬場、寒さ対策でエンジンをかけたままで寝るのは非常に危険です。マフラーが雪で埋まったりすると、排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を引き起こす恐れがあります。暖房はエンジンを切った状態で使える電気毛布などを使用し、就寝時は必ずエンジンを停止してください。
ゴルフ8で車中泊をするメリットとデメリット
ゴルフ8での車中泊は、自由気ままな旅を可能にする魅力的な選択肢ですが、メリットだけでなく、事前に知っておくべきデメリットや注意点も存在します。ここでは、ゴルフ8ならではの利点を活かした楽しみ方から、実際に車中泊を行う上で直面する可能性のある課題、そしてすべての車中泊に共通する基本的なマナーまで、幅広く解説します。これらの点を理解することで、より安全で快適な車中泊の旅を計画することができるでしょう。
ゴルフ8ならではのメリット
ゴルフ8で車中泊をすることには、他の車種にはない、このクルマならではのメリットがあります。
- 優れた走行性能と燃費:
ゴルフ8は、その卓越した走行性能で、長距離の移動も快適にこなします。目的地までのドライブそのものを楽しむことができるのは大きな魅力です。また、特にeTSIモデルなどは燃費性能にも優れており、燃料費を抑えながら旅を続けられるという経済的なメリットもあります。 - 扱いやすいボディサイズ:
全長4,295mm、全幅1,790mmというCセグメントの標準的なサイズは、日本の道路事情にもマッチしています。 観光地の細い道や、駐車スペースが限られた場所でも、取り回しに困ることが少ないため、行動範囲が広がります。 - ステルス性の高さ:
いかにも「キャンピングカー」という見た目ではないため、道の駅やサービスエリアなどで駐車していても目立ちにくいというメリットがあります。これにより、場所を選ばず気軽に車中泊を行いやすいと言えるでしょう。
注意しておきたいデメリットと対策
一方で、ゴルフ8での車中泊にはいくつかのデメリットも存在します。しかし、これらは事前に対策を講じることで、ある程度はカバーすることが可能です。
- スペースの制約:
最大のデメリットは、やはり室内空間の広さです。 大人数での利用には向かず、大人1人、もしくは小柄な方2人が限界でしょう。車内で調理をしたり、広々とくつろいだりするのは難しいため、「寝る」ことに特化した使い方になります。 食事は外で済ませる、調理はカセットコンロなどで車外で行う、といった割り切りが必要です。 - 完全なフラットにはならない:
前述の通り、後部座席を倒しても完全なフルフラットにはなりません。 この段差と傾斜を解消するためのマットやクッションが必須となり、その分荷物が増えることになります。快適な睡眠環境を整えるためには、寝具選びに工夫が求められます。 - 収納スペースの少なさ:
就寝スペースを確保すると、残りの収納スペースは前席周りとアンダーラゲッジに限られます。 荷物は必要最低限に絞り、ルーフボックスなどを活用するのも一つの手です。
安全に車中泊を楽しむためのマナー
最後に、ゴルフ8に限らず、車中泊を行うすべての人が守るべき基本的なマナーと注意点についてです。
- 場所選び:
車中泊が公に認められている「RVパーク」や「オートキャンプ場」を利用するのが最も安全で確実です。道の駅やサービスエリアは、あくまで休憩のための施設であり、長期滞在やキャンプ行為(車外にテーブルや椅子を出すなど)はマナー違反となります。 利用する場合は、仮眠程度にとどめ、施設のルールを必ず守りましょう。 - 騒音と光:
夜間は、ドアの開閉音や話し声、アイドリング音などが周囲の迷惑になることがあります。できるだけ静かに過ごし、エンジンは必ず停止しましょう。また、ランタンなどの光が他の利用者の迷惑にならないよう、シェードなどでしっかりと遮光することが大切です。 - ゴミの処理:
車中泊で出たゴミは、必ず自分で持ち帰るのが鉄則です。道の駅などのゴミ箱に捨てるのは絶対にやめましょう。
- 防犯対策:
就寝時は必ずドアをロックし、貴重品は外から見えない場所に保管しましょう。カーテンやシェードで車内を隠すことも、防犯対策として有効です。
まとめ:ゴルフ8での車中泊は工夫次第で最高の旅になる

この記事では、ゴルフ8で車中泊が可能かどうか、そして快適に過ごすための具体的な方法やアイテムについて解説してきました。
ゴルフ8は、後部座席を倒すことで大人でも横になれるスペースを確保できますが、完全なフルフラットにはならないため、厚手のマットなどで段差を解消することが快適な睡眠の鍵となります。身長によっては少し窮屈に感じる場合もありますが、体を斜めにするなどの工夫で対応可能です。より快適性を求めるなら、荷室が広くフラットな空間を作りやすいゴルフ ヴァリアントが最適な選択肢と言えるでしょう。
車中泊を成功させるためには、寝心地を左右するマット、プライバシーと断熱性を確保するシェードは必須アイテムです。 これらに加え、LEDランタンやポータブル電源などがあると、さらに快適性が増します。
もちろん、スペースの制約などのデメリットはありますが、優れた走行性能と扱いやすいサイズ感というゴルフ8ならではのメリットを活かせば、これまでにない自由な旅が実現できます。この記事で紹介したポイントを参考に、しっかりと準備と計画を立て、安全とマナーを守って、あなただけのゴルフ8での車中泊の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。



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