日産の人気SUVとして今なお根強い支持を集める「エクストレイル T31型」。2007年から2013年まで販売されたこのモデルは、タフギアとしての無骨な魅力と高い実用性を兼ね備えています。中古車市場でも非常に人気が高い一台ですが、購入を検討する際に気になるのが「前期型」と「後期型」の違いではないでしょうか。
エクストレイル t31 前期/後期の違いは、見た目のデザインだけでなく、走行性能や内装の質感、さらには車中泊のしやすさなど、多岐にわたります。特に後期型で追加された機能やエンジンの改良は、実際の乗り心地や満足度に大きく影響するポイントです。
この記事では、T31型エクストレイルの購入を考えている方に向けて、前後期の違いをやさしく解説します。外観の見分け方から、アウトドア派に欠かせない車内装備の進化まで、後悔しない一台を選ぶための情報を詳しくお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
エクストレイル t31 前期/後期の大きな違いと見分け方

エクストレイル T31型は、2010年7月のマイナーチェンジを境に前期型と後期型に分かれます。まずは、一目で違いがわかる外装(エクステリア)の変更点や、年式の区切りについて見ていきましょう。
フロントマスクとヘッドライトのデザイン変更
最も分かりやすい違いはフロントマスクです。前期型は直線的でシンプルなグリルデザインを採用していましたが、後期型ではより立体的で力強い造形のグリルへと変更されました。日産のデザインアイコンである「Vモーション」の要素が少し強まり、都会的な雰囲気もプラスされています。
ヘッドライトの形状も大きく異なります。前期型はリフレクター式のシンプルな形状ですが、後期型はプロジェクター式ヘッドランプが採用され、下端に独特の「切り欠き(段差)」があるのが特徴です。このライトの形状を見るだけで、どちらのモデルかすぐに判別することができます。
さらに、フロントバンパーの形状もリファインされました。後期型ではフォグランプ周りの造形がより凝った作りになっており、全体的に「新しさ」を感じさせる洗練された表情に進化しています。無骨さを重視するなら前期、少し洗練された質感を求めるなら後期という選び方もアリでしょう。
テールランプのLED化と視認性の向上
リア周りにも決定的な違いがあります。それはテールランプの内部構造です。前期型のテールランプは全体的に赤みが強いシンプルなバルブ式でしたが、後期型ではLEDを採用したクリアなデザインへと進化しました。
後期型のテールランプは、ブレーキを踏んだ際の発光が鮮やかで視認性が高いだけでなく、消灯時も白いパーツが目立つため非常にモダンな印象を与えます。また、バックランプの位置や反射板の配置も微調整されており、夜間の安全走行にも寄与しています。
中古車を後ろから見た際に、テールランプに「白っぽく透明な部分」があれば、それは後期型の可能性が非常に高いです。逆に全体が赤く、昔ながらの電球の光り方をするのが前期型です。後ろ姿の印象がガラリと変わるため、こだわりたいポイントの一つと言えます。
アルミホイールのデザインとタイヤサイズ
足元の印象を左右するホイールデザインも、マイナーチェンジのタイミングで刷新されました。前期型の純正ホイールは質実剛健なデザインが中心でしたが、後期型ではよりスポーティーで複雑なスポーク形状を持つアルミホイールが設定されています。
特に上級グレードの「20X」やクリーンディーゼルの「20GT」では、ホイールのインチアップやデザイン変更が行われ、車体全体の高級感が高まっています。また、タイヤサイズ自体は大きく変わりませんが、新車時に装着されていた銘柄の見直しなどにより、静粛性も向上しています。
中古車の場合、社外品のホイールに交換されているケースも多いですが、純正ホイールが残っている車両であれば、そのデザインからも年式を推測することができます。よりスタイリッシュな外観を好むユーザーには、後期型のデザインが好まれる傾向にあります。
インテリアと居住性の進化ポイント

車内に乗り込むと、前期と後期での質感の差がさらに明確になります。特に運転席周りのディスプレイやシートの改良は、日々の運転での快適さを大きく左右する要素です。
大型メーターと車両情報ディスプレイの採用
運転中に最も目に付くメーター周りは、後期型で大幅にアップデートされました。前期型はオレンジ色の液晶を使ったシンプルな表示でしたが、後期型では大径メーターの中央にカラーの「車両情報ディスプレイ」が新設されました。
このディスプレイには、平均燃費や航続可能距離、外気温、メンテナンス時期など、多彩な情報が表示されるようになり、利便性が格段にアップしています。表示の解像度も向上しており、現代の車に近い感覚で情報を把握できるのが大きなメリットです。
また、メーター全体のフォントや目盛りのデザインも見直され、視認性が向上しました。前期型はどこか懐かしい雰囲気がありますが、後期型は高級感のある機能的なコクピットを実現しています。長距離ドライブを頻繁にする方にとって、この進化は見逃せないポイントです。
後席中央のヘッドレストと安全性の向上
意外と重要な違いが、後部座席中央の装備です。前期型ではグレードによって後席中央にヘッドレストがないものがありましたが、後期型では全車に中央ヘッドレストと3点式シートベルトが標準装備となりました。
これにより、5人で乗車する際の安全性と快適性が大幅に改善されています。さらに、リラックスヘッドレストと呼ばれる大型のタイプが採用されるなど、同乗者への配慮が強化されているのも後期型の特徴です。
家族での移動や友人を乗せてのキャンプを想定している場合、後席の安全装備が充実している後期型は非常に安心感があります。シート地の質感自体も、防水機能は維持しつつ、より手触りの良い素材へと改良されており、車内全体のクオリティが底上げされています。
内装色とピラーのカラー変更による統一感
内装の細かな演出についても変更が行われています。例えば、車内の天井を支える支柱である「ピラー」の色です。前期型ではグレー系の色が使われることが多かったのですが、後期型ではブラック系のカラーに統一されました。
ピラーが黒くなることで、ダッシュボードやシートの色との統一感が生まれ、車内がより引き締まった印象になります。これは視覚的に室内を落ち着いた空間に見せる効果があり、上級SUVらしい落ち着きを感じさせてくれます。
また、インパネ周りのスイッチ類の感触や、エアコンの吹き出し口の装飾などにも微細な変更が加えられています。一見すると気づきにくい部分ですが、実際に座ってみると「何となく後期型の方が新しい感じがする」と思わせる工夫が散りばめられています。
走行性能とエンジンのラインナップを徹底比較

エクストレイル T31型の走りを語る上で欠かせないのが、エンジンのバリエーションと4WDシステムです。特に後期型での「クリーンディーゼル車」の進化は、中古車選びの要となります。
待望のクリーンディーゼル×6速ATの登場
T31型の最大のトピックの一つは、2.0Lクリーンディーゼルエンジンを搭載した「20GT」の存在です。前期型では、このディーゼル車には6速マニュアル(6MT)しか設定されていませんでした。しかし、後期型へのマイナーチェンジにより、待望の「6速オートマチック(6AT)」モデルが追加されました。
ディーゼル特有の強力なトルク(加速力)を、クラッチ操作なしで誰でも手軽に味わえるようになったこの改良は、販売台数を大きく伸ばす要因となりました。渋滞路の走行や、免許の関係でATしか運転できない方でもディーゼルの恩恵を受けられるようになったのは画期的です。
また、この6ATはディーゼルエンジンの特性に最適化されており、スムーズな加速と高い静粛性を実現しています。長距離移動が多いアウトドアユーザーにとって、燃費効率が良く燃料代も安いクリーンディーゼルのATモデルは、今でも非常に高い人気を誇る選択肢です。
ガソリンエンジンの改良と燃費性能
ガソリンエンジン車(2.0Lおよび2.5L)についても、細かなリファインが行われています。後期型ではトランスミッションである「CVT」の制御が見直され、より効率的なパワー伝達が可能になりました。
これにより、加速時のレスポンスが改善されるとともに、実用燃費もわずかに向上しています。数値上の大きな変化はありませんが、ストップ&ゴーの多い街中での扱いやすさは後期型に分があります。また、エンジンの振動や騒音対策も強化されており、静かな車内空間を実現しています。
ガソリン車はディーゼル車に比べて車両重量が軽く、軽快なハンドリングが特徴です。メンテナンスのしやすさや車両価格の手頃さを重視するならガソリン車、パワーと長距離での経済性を求めるならディーゼル車という住み分けができます。
「オールモード4×4-i」による高い悪路走破性
T31型は、日産独自の高度な4WDシステム「オールモード4×4-i」を搭載しています。これは走行状況に応じて前後輪のトルク配分を自動で行うだけでなく、ステアリングを切った方向へ車を曲げやすくする制御も含まれています。
後期型では、このシステムに加えて「アドバンスドヒルディセントコントロール」などがさらに洗練されました。これは雪道や急な下り坂で、ブレーキ操作を車に任せて一定の低速で下りることができる機能です。
前期・後期ともにこの優れた4WDシステムをベースにしていますが、後期型では制御の熟成が進んでおり、より自然で安心感のある挙動を見せてくれます。スキーやキャンプなど、未舗装路や雪道を走る機会が多い人にとって、この信頼性の高さは大きな武器になります。
車中泊やアウトドアで役立つT31型独自の魅力

エクストレイル T31型が中古車市場で「指名買い」される大きな理由が、圧倒的な使い勝手の良さです。特に車中泊ファンにとっては、後のモデル(T32型)よりも高く評価される点が多くあります。
完全なフルフラットになるラゲッジスペース
車中泊において最も重要なのは「寝床が平らかどうか」です。T31型は、後部座席の座面を跳ね上げて背もたれを倒す「ダブルフォールディング」という方式を採用しており、広大で完全に水平なフルフラット空間を作ることができます。
現行モデルや3代目(T32)では、段差や傾斜がわずかに残ることが多いのですが、T31型はまさに「板の間」のように真っ平らになります。これにより、厚手のマットを敷かなくても快適に眠ることができ、安眠の質が格段に向上します。
荷室の長さも十分で、身長180cmクラスの人でも足を伸ばして寝ることが可能です。この「完璧なフラットさ」を求めて、あえて古いT31型を探し続けるファンがいるほど、車中泊適性は歴代トップクラスと言っても過言ではありません。
丸洗いできる防水シートとラゲッジボード
エクストレイルの代名詞とも言えるのが「フル防水インテリア」です。シートだけでなく、フロアやラゲッジスペースのボードまで防水加工が施されており、濡れたウェットスーツや泥だらけのスノーボードをそのまま積み込むことができます。
後期型ではこの防水素材の質感がさらに進化し、汚れを落としやすくなると同時に、座り心地も改善されています。飲み物をこぼしてしまってもサッと拭き取れるため、小さなお子様がいる家庭でも非常に重宝される装備です。
また、ラゲッジボード自体が取り外して水洗いできるため、常に清潔な状態を保てるのも嬉しいポイントです。キャンプ後の掃除が楽になるだけでなく、車内の臭い対策にもつながります。まさに「使い倒せる道具」としての魅力が詰まっています。
大容量の引き出し収納「ウォッシャブルダブルラゲッジ」
ラゲッジスペースの下には、隠れた人気装備である「パレット式の引き出し収納」が備わっています。前期・後期ともに採用されていますが、小物の整理整頓に非常に便利です。
釣り具やキャンプの設営道具、予備の着替えなど、かさばる小物を床下に収納しておくことで、上のメインスペースを広く使うことができます。車中泊の際は、荷物を床下に逃がすことで、寝る場所を確保しやすくなるという利点もあります。
この引き出し自体もプラスチック製で洗えるため、濡れたものや汚れたものを入れても安心です。こうした「現場での使い勝手」を徹底的に考え抜かれた設計が、長年愛され続けている理由でしょう。道具にこだわるアウトドアマンにとって、これほど頼もしい装備はありません。
【車中泊に役立つT31のポイント】
・後席を倒すと「完全に水平」なベッドスペースが出現
・シートからフロアまで全身防水でメンテナンスが楽
・床下の引き出し収納で居住スペースを広々確保できる
・後期型なら燃費の良いディーゼルATで遠征費を節約可能
後悔しないための中古車選びと注意点

魅力たっぷりのT31型ですが、生産終了から年数が経過しているため、選ぶ際にはいくつかの注意点があります。前期・後期の違いを踏まえた上で、賢い選び方を確認しましょう。
価格重視なら前期型、機能重視なら後期型
中古車相場で見ると、前期型は非常に手頃な価格帯になってきています。100万円を大きく下回る個体も多く、予算を抑えてカスタムにお金をかけたい人には魅力的です。ただし、年式相応の傷みや、内装ディスプレイの古さは覚悟する必要があります。
一方、後期型は高年式の個体であればまだ100万円以上の価格がつくことも珍しくありません。しかし、メーターの視認性向上やATディーゼルの設定など、価格差に見合うだけの進化を遂げています。長く快適に乗りたいのであれば、予算を少し上乗せしてでも後期型を狙うのがおすすめです。
特にディーゼル車の場合、前期型のMTは操る楽しさがありますが、日常の使い勝手では後期型のATが圧倒的に有利です。自分のライフスタイルと運転のしやすさを天秤にかけて選ぶことが大切です。
クリーンディーゼル特有のメンテナンス履歴を確認
「20GT」を検討している場合に必ずチェックしたいのが、整備記録です。クリーンディーゼルは燃費やトルクに優れる反面、定期的なオイル交換や「DPF(すす取り装置)」の状態が重要になります。
特に短距離走行ばかりを繰り返している車両は、DPFにすすが溜まりやすく、トラブルの原因になることがあります。アイドリングの安定性や、加速時に引っかかりがないかなどを試乗で確認するようにしましょう。
メンテナンスがしっかり行われている個体であれば、ディーゼルエンジンは20万キロを超える走行にも耐えうる頑丈さを持っています。走行距離だけでなく、これまでのオーナーがどれだけ丁寧に乗っていたかが、購入後の維持費を左右します。
CVTの動作確認とリコール情報のチェック
ガソリン車で採用されているCVTは、走行距離が伸びてくると滑りや異音が発生するケースがあります。試乗時に加速がギクシャクしないか、変な唸り音が聞こえないかを注意深く確認してください。
また、T31型にはいくつかのリコール(無償修理)情報が出されている場合があります。日産の公式サイトなどで車台番号を入力すれば確認できますが、中古車販売店で「リコール対応済みか」を直接聞くのが最も確実です。
信頼できるショップであれば、こうした履歴も隠さず教えてくれます。購入後のトラブルを避けるためにも、安さだけで選ぶのではなく、保証内容が充実しているお店を選ぶことも重要です。しっかりとした個体を選べば、T31型はまだまだ現役で活躍してくれます。
メモ:T31型はカスタムパーツが豊富なのも魅力です。前期型を買って後期型のテールランプを移植する「後期化カスタム」を楽しむオーナーも多く、自分だけの一台を作る楽しみもあります。
エクストレイル t31 前期/後期の違いを考慮したまとめ
エクストレイル T31型の前期と後期の違いを振り返ると、単なる外見の変更にとどまらない、本質的な使い勝手の進化が見えてきます。最後に、それぞれの特徴を簡潔にまとめます。
前期型(2007〜2010年)は、中古車としての安さが最大の武器です。無骨なデザインを好み、安く手に入れた分をキャンプ道具やカスタムに回したい人に向いています。ただし、ディーゼルはMTのみという点や、内装の情報表示が古い点には注意が必要です。
後期型(2010〜2013年)は、洗練されたデザインと充実の機能面が魅力です。カラーディスプレイ搭載のメーターや、後席の安全性向上、そして何より「ディーゼルのAT車」が選べるようになったことが最大のメリットです。最新の車に負けない快適性を求めるなら、間違いなく後期型がおすすめです。
特に車中泊やハードなアウトドアを楽しみたい方にとって、T31型が持つ「完全に平らな床」と「全身防水の内装」は、現行モデルにも引けを取らない最高のアドバンテージになります。この記事を参考に、あなたのライフスタイルに最適な一台を見つけ出してください。





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