ホンダの人気コンパクトSUVであるヴェゼル。現行型も非常に高い人気を誇りますが、手頃な価格で購入できる旧型(初代)を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、中古車として検討する際には「ヴェゼル旧型の欠点」を正しく理解しておくことが、購入後の後悔を防ぐために非常に重要です。
ヴェゼル旧型は、スタイリッシュなデザインと広い室内空間が魅力の一方で、乗り心地や走行性能について特有の課題を抱えています。本記事では、オーナーの声や技術的な特徴から、旧型ヴェゼルの気になるポイントを詳しく掘り下げていきます。購入前にチェックすべきポイントを整理していきましょう。
ヴェゼル旧型の欠点として最も多く指摘される乗り心地の問題

ヴェゼル旧型を語る上で避けて通れないのが、足回りの設定に関する評価です。発売当初から「乗り心地が硬い」という声が多く、特に初期モデルにおいては路面からの突き上げがダイレクトに伝わる傾向があります。ここでは、具体的にどのようなシーンで不満が出やすいのかを解説します。
硬すぎると評価されがちな足回りと路面からの突き上げ
ヴェゼル旧型の初期モデルから中期モデルにかけて、多くのユーザーが指摘するのがサスペンションの硬さです。コンパクトSUVでありながら、スポーティーな走りを意識しすぎたせいか、路面の凸凹を通過した際のショックが角を立てて室内に伝わってきます。特に低速域での走行中、マンホールの段差や荒れたアスファルトを走る際にゴツゴツとした感触を不快に感じる人が多いようです。
この硬さは、空積載時や一人で運転している時に顕著に現れます。多人数乗車を想定した設定なのかもしれませんが、日常の買い物や通勤で使う際には、もう少ししなやかさが欲しいと感じる場面が多々あります。後部座席に乗っている同乗者からは「跳ねるような感覚がある」と不満が出ることも少なくありません。乗り心地を重視する方は、必ず試乗して確認すべきポイントと言えるでしょう。
ただし、この硬さは2018年のマイナーチェンジ以降の後期モデルでは、振幅感応型ダンパーの採用やブッシュ類の改良によって大幅に改善されています。もし予算が許すのであれば、乗り心地の欠点を克服した2018年以降のモデルを探すのが最も確実な対策となります。足回りの特性は年式によって大きく異なるため、年式ごとの違いを把握しておくことが大切です。
高速走行時に気になるロードノイズと風切り音の大きさ
静粛性に関しても、ヴェゼル旧型にはいくつかの課題が見受けられます。特に高速道路を走行している際、タイヤが路面を叩く「ロードノイズ」が車内に侵入しやすいという点です。コンパクトカーベースのプラットフォームであるため、上位車種と比較するとフロア下の遮音材や防音対策がやや手薄な印象を受けます。オーディオの音量を上げないと会話がしにくいと感じる場面もあるでしょう。
また、SUV特有の背の高さも影響し、時速80kmを超えたあたりからAピラー(フロントガラス横の柱)付近での風切り音が目立ち始めます。窓ガラスの厚みやドアシールの密閉性など、コストとの兼ね合いで設計された部分が、長距離ドライブでの疲労感につながる可能性があります。静かな車内空間を求めるユーザーにとっては、少し耳障りに感じてしまうかもしれません。
この欠点に対しては、タイヤを静粛性の高いプレミアムコンフォートタイプに交換する、あるいはドアの隙間に市販の静音テープを貼るなどの対策で一定の効果が得られます。中古車として購入後に自分である程度手を入れる余地はありますが、標準状態での静粛性は最新のSUVと比較すると一歩譲るのが現実です。購入前に高速域での音の聞こえ方をイメージしておくことをおすすめします。
加速時にエンジン音が室内に大きく響く透過音の課題
ヴェゼル旧型のハイブリッド車・ガソリン車共通の悩みとして、加速時のエンジン音が騒々しく感じられる点が挙げられます。特に1.5Lエンジンを搭載しているため、合流や登坂路などで深くアクセルを踏み込むと、エンジンの回転数が急激に上がり「ブォーン」という音が車内にダイレクトに響き渡ります。パワー不足を補うために高回転を多用する設定が、音の面ではデメリットとなっているのです。
ハイブリッド車の場合、モーター走行時の静けさが際立っている分、エンジンが始動した瞬間のギャップに驚かされることもあります。急な加速が必要なシーンで、エンジン音が予想以上に大きく入り込んでくるため、質感の高さを期待していると少しがっかりしてしまうかもしれません。遮音性の高いバルクヘッド(エンジンルームと車内の隔壁)を備えた上位車種を知っている人ほど、この傾向を強く感じるでしょう。
一方で、一定速度で巡航している際や市街地での緩やかな走行時はそれほど気になりません。あくまで「強い負荷がかかった時の音」が欠点として語られることが多いようです。エンジンの唸り声をスポーティーなサウンドと捉えるか、不快な騒音と捉えるかは人それぞれですが、静かな走りを最優先にしたい場合は、試乗時にあえて強めに加速を試してみて、自分の許容範囲内かどうかを判断してください。
ハイブリッド車特有の走行フィールと操作性の違和感

旧型ヴェゼルのハイブリッドモデルには、ホンダ独自の「i-DCD」というシステムが採用されています。これは非常に効率が良く、ダイレクト感のある走りが特徴ですが、その独特な構造ゆえに欠点として指摘される挙動も存在します。ハイブリッドモデルを検討中の方は、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
i-DCD(デュアルクラッチトランスミッション)のギクシャク感
i-DCDは、マニュアル車のようなダイレクトな変速を自動で行うシステムです。しかし、特に初期型においては、低速域での加速や減速時に「ギクシャク」とした衝撃を感じることがあります。例えば、渋滞中のノロノロ運転で1速と2速の間を行き来するような場面では、クラッチの繋ぎがスムーズにいかず、不自然なショックが発生しやすいのが欠点です。
このシステムは複雑な制御を行っているため、発売初期にはリコールが複数回出された経緯もあります。現在の中古車市場に出回っている個体は対策済みがほとんどですが、それでも構造上のクセは残っています。スムーズな加速感を持つトヨタのハイブリッドシステムに慣れている人からすると、ヴェゼルの変速ショックは洗練されていないと感じるかもしれません。個体差もあるため、低速走行時の挙動確認は必須です。
一方で、速度が乗ってからの変速スピードは非常に速く、キビキビとした軽快な走りを楽しめるというメリットもあります。この「スポーティーな性格」と「低速での不器用さ」は表裏一体です。もし不快に感じるのであれば、CVT(無段変速機)を採用しているガソリン車の方が、低速域でもスムーズで扱いやすいと感じる可能性があります。ハイブリッドの燃費性能と走行フィールのどちらを取るかが悩みどころです。
回生ブレーキと油圧ブレーキの切り替わりによる不自然なタッチ
ハイブリッド車のブレーキは、減速エネルギーを電気に変える「回生ブレーキ」と、物理的にパッドを押し付ける「油圧ブレーキ」を併用しています。ヴェゼル旧型はこの2つの切り替わり制御がやや甘く、踏み込み量に対して効きが急激に変化する「カックンブレーキ」になりやすいのが欠点です。停止直前にブレーキを緩めても、最後まで一定の感触で止まるのが難しいと感じるオーナーもいます。
特にブレーキを踏み始めの段階で、思ったよりも減速力が強く出すぎてしまう傾向があります。滑らかに停車させようと神経を使うため、長時間の市街地走行では足に疲れを感じることもあります。この特性も年次改良ごとにブラッシュアップされていますが、旧型の初期から中期モデルまでは、ブレーキタッチの不自然さが目立つポイントとしてよく挙げられています。
この独特なブレーキのクセは、慣れの問題であることも多いのですが、初めて乗る際は戸惑うはずです。同乗者に酔いやすい人がいる場合、この不自然な減速が原因で不快感を与えてしまう可能性も否定できません。試乗の際には、時速20km程度からの緩やかな停止を数回試し、自分が思い描いた通りの位置でピタッと滑らかに止まれるかを確認してみてください。
坂道発進や低速時の登坂でのトルク不足と挙動の不安定さ
急な坂道での発進時や、駐車場でのスロープ走行時など、極低速で大きなパワーが必要なシーンで、i-DCD特有のもたつきが発生することがあります。モーターのみで発進しようとする際と、エンジンが介入してくる瞬間の連携がスムーズにいかず、一瞬後ろに下がるような感覚(ヒルホールド機能が作動するまでの隙間)や、逆に急にトルクが立ち上がるような挙動を見せることがあります。
また、雪道や滑りやすい路面での微調整が難しいという点も、寒冷地にお住まいの方からは欠点として語られます。ダイレクトな駆動伝達が仇となり、アクセルワークに対して繊細な反応が返ってこない場面があるのです。最近のSUVであれば当たり前に備わっている洗練されたトラクションコントロールと比較すると、ひと世代前の制御であることを意識せざるを得ません。
もちろん、これらは日常の多くの場面で問題になるわけではありません。しかし、自宅周辺に急坂が多い場合や、細かな切り返しが必要な狭い駐車場を頻繁に利用する場合は、この「低速域での制御の甘さ」がストレスになる可能性があります。特定の条件下で発生する欠点だからこそ、自分のライフスタイルに照らし合わせて、この特性を許容できるかどうかを考える必要があります。
内装のデザインと実用面における細かな不満点

ヴェゼル旧型のインテリアは、発売当時は「クーペのような高級感」と絶賛されました。しかし、実際に長く使ってみると、実用性の面でいくつかの欠点が見えてきます。特に収納スペースの配置や、使用されている素材の耐久性については、中古車を選ぶ際に見逃せないチェックポイントとなります。
センターコンソールのドリンクホルダーとUSB端子の使いにくさ
ヴェゼル旧型の最大の特徴とも言えるのが、高い位置に配置されたハイデッキセンターコンソールです。デザイン性は高いのですが、ドリンクホルダーの設計には不満が集中しています。ホルダーが深く、可変式のリッドが付いているのですが、細い缶コーヒーや背の低いペットボトルを入れると取り出しにくいという欠点があります。また、カップを置いた状態だとシフト操作の際に手が干渉しやすく、実用性に欠ける面があります。
さらに、USB端子やHDMI端子がコンソールの「下段」にある隠れたスペースに配置されています。ここが非常にアクセスしづらく、運転席から身を乗り出さないとケーブルの抜き差しができません。夜間は暗くて手元が見えず、スマートフォンを充電するだけでも一苦労です。現代のようにスマホ連携が当たり前の時代においては、この配置はかなりストレスを感じるポイントになるでしょう。
収納スペース自体の容量もそれほど大きくないため、財布や鍵などの小物を置く場所にも困ります。デザインを優先した代償として、SUVらしい実用的な使い勝手が犠牲になっている部分は否めません。中古車を購入した後に、市販のスマホホルダーや追加のドリンクホルダーを設置するなどの工夫が必要になることを覚悟しておくべきです。
【ヴェゼル旧型の内装チェックリスト】
・ドリンクホルダーに普段使うサイズの容器が入るか確認
・コンソール下段のUSB端子の位置と接続しやすさをチェック
・小物を置くスペースが自分の用途に足りているかシミュレーション
ピアノブラック調パネルに傷や指紋が目立ちやすく質感が落ちる
センターコンソール周辺には、高級感を演出するために「ピアノブラック」という光沢のある黒い樹脂パネルが多用されています。納車直後は非常に美しいのですが、このパネルは指紋やホコリが非常に目立ちやすく、さらに拭き掃除を繰り返すだけで細かい傷がつきやすいという欠点があります。中古車市場に出回っている個体の多くも、このパネル部分がくすんでいたり傷だらけだったりすることが多いです。
また、シフトレバー周辺などは頻繁に手が触れる場所であるため、皮脂による汚れも気になります。常にクロスで拭いていないと清潔感を保つのが難しく、几帳面な方にとっては悩みの種となるでしょう。さらに、直射日光が当たると反射が眩しく感じられることもあり、デザイン重視の設定が仇となっている面があります。
対策として、中古で購入した後にカーボン調のシートを貼ったり、専用のインテリアパネルを被せたりするオーナーも多いです。内装の劣化具合がそのまま「中古車としての程度」に見えてしまうため、内装コンディションを重視する方は、パネルの傷の状態を細かく確認することをおすすめします。もし傷が気になる場合は、リペアのコストも考慮しておきましょう。
スタイリッシュな外観の代償としての後方視界の狭さ
ヴェゼル旧型は、SUVとクーペを融合させたデザインが売りですが、そのためにリアウィンドウが小さく設計されています。また、後部座席のドアハンドルをCピラー(後方の柱)に隠すデザインを採用したことで、Cピラーそのものが非常に太くなっています。これにより、斜め後方の死角が非常に広く、バック駐車や車線変更の際の視界が悪いという欠点が生じています。
特に雨の日や夜間は、後方の状況をサイドミラーとルームミラーだけで把握するのが難しく感じることがあります。リアガラスの傾斜が強いため、雨粒が残りやすく、ワイパーを動かしても視界が十分に確保できないシーンもあります。最近の車のように全周囲カメラが付いていない個体も多いため、運転に自信がない人にとっては駐車時に気を使う車と言えます。
後部座席のヘッドレストを上げた状態にしていると、さらに中央の視界も遮られます。購入を検討する際は、実際に運転席に座ってミラー越しにどの程度後ろが見えるか、また目視で死角がどのくらいあるかを確認することが大切です。バックカメラが装着されていることは必須条件と言っても過言ではありませんが、それでも目視確認のしづらさは意識しておく必要があります。
中古車選びで後悔しないための年式とグレードの選び方

ヴェゼル旧型には多くの欠点があるように見えますが、それらの多くはモデルライフの中での改良によって解消されてきました。つまり、どの年式・どのグレードを選ぶかによって、満足度が180度変わる可能性があります。ここでは、欠点を最小限に抑えるための賢い選び方を具体的に解説します。
2018年2月のマイナーチェンジ以降の「後期型」を狙う
ヴェゼル旧型を中古で購入する際、最も重要な基準となるのが「2018年2月」のマイナーチェンジです。この改良を境に、前期型と後期型に分かれます。前述した「乗り心地の悪さ」や「i-DCDのギクシャク感」の多くが、このマイナーチェンジによって劇的に改善されました。サスペンションのチューニングが見直され、ようやくしなやかな乗り心地を手に入れたと言えます。
また、外観もLEDヘッドライトの形状変更やバンパーデザインの刷新により、より洗練された印象になっています。安全装備の「Honda SENSING」も全タイプに標準装備(一部除く)となり、機能自体も歩行者事故低減ステアリングなどが追加されて強化されました。予算が多少上がったとしても、後期型を選ぶ価値は十分にあります。
前期モデルが100万円を切る価格で並んでいるのに対し、後期モデルはまだ高値で推移していることが多いですが、長く乗ることを考えれば後期型の方が圧倒的にコストパフォーマンスは高いです。初期型の安い個体に飛びついて「こんなに乗り心地が悪いのか」と後悔するよりも、熟成された後期型で快適なカーライフを送ることを強く推奨します。
走りの質感を高めた「RS」グレードの意外なメリット
スポーティーな最上位グレードとしてラインナップされた「RS」は、単なる見た目だけの違いではありません。RS専用にチューニングされた「パフォーマンスダンパー」が装着されており、これが乗り心地に良い影響を与えています。一般的なRSグレードというと「さらに硬い足回り」を想像しがちですが、ヴェゼルの場合は「不快な微振動を吸収しつつ、しっかりと踏ん張る」という質の高い乗り味を実現しています。
内装にもアルカンターラ(スエード調の素材)が使用されており、通常のファブリックや合成皮革よりも滑りにくく、高級感があります。ピアノブラックのパネルの欠点であった「指紋の目立ちやすさ」も、素材の組み合わせによってうまく軽減されている部分があります。走りを楽しみつつ、車内の質感も妥協したくない方にとって、RSは非常にバランスの良い選択肢となります。
ただし、RSは18インチのアルミホイールを装着しているため、タイヤの交換費用が16インチや17インチの他グレードよりも高額になるという点には注意が必要です。中古車を選ぶ際は、タイヤの溝がどの程度残っているかもチェックしておきましょう。維持費は多少かさみますが、それに見合うだけの走行安定性と所有満足度を味わえるのがRSグレードの魅力です。
| 項目 | 標準グレード(前期) | 後期型モデル | RSグレード |
|---|---|---|---|
| 乗り心地 | 硬め(突き上げあり) | 改善(しなやか) | 良好(安定感あり) |
| 安全装備 | オプション設定あり | 標準装備 | 標準装備 |
| 走行フィール | ギクシャク感あり | スムーズに改良 | ダイレクトで快活 |
4WDモデルとガソリン車の意外な相性の良さ
ヴェゼル=ハイブリッドというイメージが強いですが、あえてガソリン車(1.5L i-VTEC)を選ぶという選択肢もあります。ガソリン車はトランスミッションにCVTを採用しているため、ハイブリッドのi-DCDのような変速ショックが一切ありません。極低速から高速域までシームレスに加速するため、「運転のしやすさ」という点ではガソリン車の方が優れているという声もあります。
また、雪国の方やアウトドアレジャーを楽しむ方にとって重要な「4WD」モデルも注目です。ホンダのリアルタイムAWDは、センサーが状況を検知して瞬時に後輪に駆動力を配分します。ヴェゼルの4WDはリアサスペンションの構造が2WD(FF)と異なり、ド・ディオン式という形式を採用しています。この構造のおかげで、実は2WDモデルよりも4WDモデルの方が、リアの突き上げが穏やかで乗り心地が良いという逆転現象が起きています。
燃費はハイブリッドに劣りますが、車両価格の安さとメンテナンスの容易さを考えれば、ガソリン車の4WDは「隠れた名車」と言えるかもしれません。特に旧型の中古市場では、ハイブリッドとの価格差が大きいため、浮いた予算でナビを新調したり、タイヤを新品に交換したりすることも可能です。欠点とされる「乗り心地」と「ギクシャク感」を両方回避できる選択肢として検討してみてください。
車中泊やアウトドア派が直面する積載と構造の課題

ヴェゼルはその広い室内から、車中泊やキャンプなどの用途でも人気があります。しかし、実際に寝泊まりしたり、大量の荷物を積んだりしようとすると、いくつか注意すべき「欠点」が見つかります。アウトドアシーンでの利用を検討している方は、以下のポイントを把握しておきましょう。
シートを倒した際の完全フラットにならない段差と傾斜
ヴェゼルのリアシートを倒すと広い空間が生まれますが、完全な水平(フルフラット)にはなりません。シートバックを倒した際、荷室のフロアと背もたれの間に数センチの段差が生じ、さらに前方のシートに向かって緩やかな傾斜がつくのが欠点です。このままの状態で車中泊をしようとすると、腰や背中に違和感を感じてぐっすり眠ることができません。
特にハイブリッド車の場合、荷室下にバッテリーを搭載している影響で、ガソリン車よりも床面がわずかに高くなっている個体もあります。この「わずかな段差」が、寝袋一枚で寝る際には大きな障害となります。本格的に車中泊を楽しむのであれば、専用のマットを敷く、あるいはクッションや板を使って段差を埋めるなどの工夫が必須となります。
ただし、メリットもあります。ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」のおかげで、荷室の床面そのものは他社のSUVよりも圧倒的に低いです。これにより、車内での頭上空間が確保されており、座って過ごす分には圧迫感が少ないのが救いです。段差対策さえしっかりと行えば、コンパクトSUVの中では非常に優秀な車中泊カーに変身させることができます。
車中泊を検討中なら、市販されている「ヴェゼル専用ベッドキット」や、厚さ10cm以上のインフレーターマットをセットで購入することを強く推奨します。これにより、フラットにならない欠点をほぼ完全にカバーできます。
リアゲートの開口部が高く重い荷物の積み降ろしが大変
ヴェゼルの荷室床面は低いのですが、リアバンパーの上端から荷室の入り口までの「段差」があるため、重い荷物を持ち上げて載せる必要があります。特にキャンプ道具のように重量のあるコンテナを積み込む際、腰を痛めやすい姿勢になりがちなのが欠点です。また、リアゲートそのものが大型であるため、開閉時に後ろにある程度のスペースを必要とします。
スーパーの買い物袋程度なら気になりませんが、大型犬を乗せたり、重いベビーカーを毎日載せ下ろししたりする場合は、この「開口部の縁の高さ」が地味に効いてきます。デザインを優先してリアバンパーを厚く、スタイリッシュにした結果ですが、実用一辺倒の車と比較すると、使い勝手の面で一歩譲るポイントと言えるでしょう。
さらに、リアゲートを開けた時の高さもかなりあります。小柄な方だと、全開になったゲートのハンドルに手が届きにくいという声もあります。中古車を確認する際は、荷室に実際に触れてみて、自分の身長で無理なく荷物の出し入れができるか、ゲートの開閉に苦労しないかをチェックしてみてください。特に雨の日は、ゲートが庇(ひさし)になってくれるというメリットもありますが、その分だけ大きく重いということも覚えておきましょう。
後部座席の足元は広いが頭上空間には余裕が少ない
ヴェゼルの後部座席は、足元のスペースが驚くほど広いです。これは燃料タンクを前席の下に置く構造の恩恵ですが、一方で頭上空間については注意が必要です。後ろに向かって屋根が低くなるクーペスタイルのため、身長の高い大人が後部座席に座ると、頭が天井に近づき、少し圧迫感を感じることがあります。
特にサンルーフ(パノラマルーフ)装着車の場合、さらに天井が低くなる傾向があります。足元が広いために「ゆったり座れる」と期待しすぎると、実際に座った時の頭上のゆとりのなさにギャップを感じるかもしれません。子供や小柄な大人であれば全く問題ありませんが、体格の良い男性を後部座席に乗せる機会が多い場合は、事前に座ってもらって確認するのが無難です。
とはいえ、後部座席には背もたれを少しだけ倒せる「リクライニング機構」も備わっています。これを活用することで、頭上の窮屈さを多少なりとも緩和することは可能です。足元の広さと頭上の低さのバランスをどう評価するかが、後部座席を多用するユーザーにとっての大きな分かれ道となります。車中泊時に「車内で着替える」といった動作をする際にも、この天井の高さは影響してくるので要注意です。
ヴェゼル旧型の欠点を理解して納得の一台を見つけるためのまとめ
ヴェゼル旧型の欠点について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。これまで挙げてきたデメリットをまとめると、主に「初期〜中期型の乗り心地の硬さ」「i-DCD特有の挙動のクセ」「内装の細かな実用性の不備」に集約されます。これらは当時の技術的な限界や、デザインと機能のトレードオフによるものです。
しかし、これらの欠点の多くは、2018年以降の「後期型」を選ぶことで解消可能です。また、ガソリン車を選んだり、4WDモデルを選択したりすることで回避できる不満点もあります。旧型ヴェゼルは、今なお色褪せない魅力的なデザインと、クラスを超えた室内空間の広さを持つ優れたSUVであることに変わりはありません。
大切なのは、ネット上の評判だけでなく、実際に現車に触れて、自分の感覚で確かめることです。試乗の際は、低速域でのギクシャク感、段差を乗り越えた時のショック、そしてバック時の視認性を必ずチェックしましょう。自分のライフスタイルに照らし合わせて、許容できる欠点と譲れない条件を整理することで、あなたにとって最高の一台が見つかるはずです。




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