高級コンパクトSUVとして人気のレクサスUX。洗練されたデザインと快適な乗り心地が魅力ですが、「この車で車中泊はできるのだろうか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、レクサスUXでの車中泊は、工夫次第で十分に可能です。
この記事では、レクサスUXの室内空間の特徴から、車中泊を快適にするための具体的な方法、あると便利なグッズ、そして安全に楽しむための注意点まで、詳しく解説していきます。コンパクトSUVならではのポイントを押さえることで、いつものドライブとは一味違った、自由で快適な車中泊の旅が実現できます。これからUXで車中泊に挑戦してみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
UXで車中泊はできる?気になる室内空間をチェック

レクサスUXはコンパクトSUVというカテゴリーのため、広々とした空間とは言えませんが、ポイントを押さえれば大人でも十分に車中泊が可能です。まずは、車中泊の基本となる室内サイズやシートアレンジについて詳しく見ていきましょう。
レクサスUXの室内サイズと荷室容量
レクサスUXのボディサイズは、全長4,495mm×全幅1,840mm×全高1,540mmとなっています。室内寸法は、室内長1,830mm×室内幅1,520mm×室内高1,170mmです。
車中泊で特に重要になるのが荷室(ラゲージスペース)の広さです。UXの荷室容量は、ガソリンモデル(UX200)とハイブリッドモデル(UX250h/UX300h)で異なります。
| モデル | 駆動方式 | デッキタイプ | 容量 |
|---|---|---|---|
| UX200 | 2WD | ローデッキ | 310L |
| UX250h | 2WD | アッパーデッキ | 266L |
| UX250h | AWD | アッパーデッキ | 266L |
| UX300h | 2WD/AWD | アッパーデッキ | 266L |
このように、ハイブリッドモデルはバッテリーを搭載している関係で、ガソリンモデルよりも荷室の床が高く、容量が少し小さくなっています。しかし、どちらのモデルでも後部座席を倒すことで、車中泊に必要なスペースを確保することが可能です。
シートを倒した時の広さと段差について
レクサスUXで車中泊をする場合、後部座席を前に倒して荷室と繋げ、就寝スペースを作ることになります。後部座席は6:4の分割可倒式です。
後部座席の背もたれを倒すと、荷室から続くフラットに近い空間が生まれます。 ただし、完全なフルフラットにはならず、荷室と倒した背もたれの間に若干の段差や隙間が生じます。
また、空間の長さは約160cm〜170cm程度となり、身長が高い方は斜めに寝るか、少し体を曲げる必要があります。 前席を一番前にスライドさせ、リクライニングを前に倒すことで、より広いスペースを確保できます。この時、前席と後席の間にできる隙間を荷物やクッションで埋めると、さらに空間を有効活用できます。
実際に車中泊をした人の口コミ・評判
実際にレクサスUXで車中泊を試みた人たちの声を見てみると、やはり「工夫次第で快適に過ごせる」という意見が多く見られます。
多くの方が指摘しているのは、やはりシートを倒した際の段差です。これを解消するために、厚さ10cm程度のインフレーターマットを使用したり、隙間にクッションやタオルを詰めたりといった工夫をされています。段差さえクリアできれば、一人での車中泊なら十分快適に眠れるとの声が多数です。
また、ハイブリッドモデルの静粛性の高さや、エンジンをかけずにエアコン(暖房・冷房)を使用できる点をメリットとして挙げる人もいます。これは、特に夏場や冬場の車中泊において大きなアドバンテージとなります。
一方で、「大人2人だと少し窮屈」「身長180cm以上だと厳しい」といった声もあり、やはりスペースの制約は考慮すべき点のようです。しかし、全体的には「コンパクトながらも快適なプライベート空間が作れる」と、ポジティブな評価が多い印象です。
UX車中泊を快適にするための準備
レクサスUXで快適な車中泊を実現するためには、事前の準備が欠かせません。特に、就寝スペースのフラット化とプライバシーの確保は重要なポイントです。ここでは、具体的な準備と対策について解説します。
フルフラット化のための段差解消法
前述の通り、UXの後部座席を倒しただけでは完全なフラットにはならず、段差と隙間が生じます。快適な睡眠のためには、この段差を解消し、体をまっすぐ伸ばせる平らなスペースを作ることが不可欠です。
最も手軽な方法は、厚手のマットを敷くことです。特に、空気で膨らむタイプのインフレーターマットは、クッション性が高く、多少の段差なら吸収してくれます。厚さが5cm〜10cm程度のものを選ぶと、寝心地が格段に向上します。
より完璧なフラットを求めるなら、DIYで段差解消ボードを作成するのも一つの手です。ホームセンターで手に入るコンパネや合板を車のサイズに合わせてカットし、脚を取り付けて高さを調整します。その上にマットを敷けば、まるでベッドのような快適な空間を作り出せます。
快眠に必須!マットの選び方とおすすめ商品
車中泊の快適性を大きく左右するのがマットです。段差を解消するだけでなく、地面からの冷気や熱を遮断し、体の負担を軽減する役割も果たします。マットにはいくつかの種類があるため、それぞれの特徴を理解して自分に合ったものを選びましょう。
- インフレーターマット: バルブを開くと自動である程度空気が入るマット。クッション性と断熱性が高く、寝心地が良いのが特徴です。厚みも様々で、5cm以上のものが快適性が高くおすすめです。収納時は空気を抜いて丸めるため、比較的コンパクトになります。
- エアマット: 空気入れで膨らませるタイプのマット。厚みを自由に変えられ、クッション性は抜群です。ただし、穴が開くと使えなくなるリスクや、空気を入れる手間がかかる点がデメリットです。
- 銀マット(キャンプマット): 銀色の面が特徴的な、昔ながらのキャンプ用マット。安価で軽く、断熱性に優れています。クッション性は他のマットに劣るため、メインとして使うよりは、他のマットの下に敷いて断熱性を高める補助的な使い方に向いています。
レクサスUXの場合、後部座席から荷室にかけてのスペースに合うサイズのマットを選ぶことが重要です。事前に寸法を測っておくと良いでしょう。一人で寝る場合はシングルサイズ、二人で寝る場合はスペースに合わせて複数枚組み合わせるなどの工夫が必要です。
プライバシー確保と断熱対策(シェード・カーテン)
車内で快適に過ごすためには、外からの視線を遮り、プライバシーを確保することが大切です。また、窓は外気の影響を最も受けやすい部分なので、断熱対策も欠かせません。
ここで役立つのが、車種専用のサンシェードです。レクサスUX専用に設計されたものであれば、窓にぴったりとフィットし、光や視線をほぼ完全にシャットアウトできます。吸盤で簡単に取り付けられるものが多く、断熱性の高い素材で作られているため、夏の暑さや冬の寒さを和らげる効果も期待できます。
専用品でなくても、汎用のカーテンや銀マットを窓の形にカットして自作する方法もあります。100円ショップなどで手に入る材料でも作れるため、コストを抑えたい方におすすめです。ただし、隙間ができやすいので、クリップやテープでしっかりと固定する工夫が必要です。
プライバシー確保と断熱は、安眠だけでなく防犯の観点からも非常に重要です。外から車内の様子が分からないようにすることで、車上荒らしなどのリスクを減らすことができます。
換気と虫対策のポイント
就寝中は車内の二酸化炭素濃度が上がり、息苦しさを感じることがあります。また、夏場は熱気がこもりやすいため、適度な換気が必要です。しかし、窓を大きく開けてしまうと、虫が侵入したり、防犯上の問題が生じたりします。
そこでおすすめなのが、ウィンドウネット(バグネット)です。ドアの窓枠に被せるだけで、窓を開けたまま虫の侵入を防ぐことができます。これを使えば、夜間でも安心して窓を少し開けて換気ができます。
少しだけ窓を開けておく場合でも、防犯のために窓の隙間に差し込むタイプのウインドウストッパーなどを併用するとより安心です。
冬場は、換気による冷気の侵入が気になるかもしれません。その場合は、寝る前に少し換気をして空気を入れ替えてから窓を閉める、あるいは天井にあるベンチレーター(もし装備されていれば)を少しだけ開けるなどの方法があります。結露対策としても換気は重要なので、状況に応じて工夫しましょう。
あると便利!UX車中泊のおすすめグッズ

基本的な準備が整ったら、次は車中泊をさらに快適で楽しいものにするための便利グッズを揃えましょう。ここでは、電源の確保から照明、収納の工夫まで、あると便利なアイテムを紹介します。
ポータブル電源と電化製品の活用
車中泊の快適性を格段に向上させてくれるのがポータブル電源です。スマートフォンの充電はもちろん、パソコン作業、電気毛布、小型の電気ケトル、ポータブル冷蔵庫など、様々な電化製品が車内で使えるようになります。
ポータブル電源を選ぶ際は、容量(Wh:ワットアワー)と出力(W:ワット)を確認しましょう。
- 容量(Wh): 数値が大きいほど、長時間電気を使えます。スマホの充電やLEDランタン程度なら200〜400Wh、電気毛布やPC作業もするなら500Wh以上あると安心です。
- 出力(W): 使いたい電化製品の消費電力よりも大きい出力のものを選ぶ必要があります。
レクサスUXにはアクセサリーソケット(DC12V)やUSB端子がありますが、エンジンを停止した状態で長時間使用すると、補機バッテリーが上がってしまう危険性があります。 そのため、独立した電源としてポータブル電源を用意しておくことを強くおすすめします。これにより、バッテリー上がりの心配なく、安心して電気を使うことができます。
照明(ランタンなど)の選び方
夜間の車内では、室内灯だけだと明るすぎたり、バッテリー消費が気になったりすることがあります。そこで、別に照明を用意しておくと非常に便利です。
おすすめはLEDランタンです。火を使わないため安全で、明るさの調節ができるものが多く、ムード作りにも役立ちます。暖色系の光はリラックス効果があると言われており、就寝前の時間に適しています。
- 充電式: ポータブル電源やUSBで充電できるタイプ。電池が不要で経済的です。
- 電池式: 予備の電池さえあればどこでも使える安心感があります。
- 吊り下げタイプ: 車内のアシストグリップなどに引っ掛けて、上から照らすことができます。
- マグネット付き: 車の金属部分にくっつけて固定でき、便利です。
ヘッドライトも両手が自由になるため、夜間の荷物整理や探し物をする際に重宝します。一つ持っておくと、車内だけでなく、夜にトイレに行く際などにも役立ちます。
収納スペースを有効活用するアイデア
レクサスUXはコンパクトなため、収納スペースが限られています。車内で快適に過ごすためには、荷物を整理整頓し、空間を有効に使う工夫が必要です。
- ルーフキャリア・ルーフボックス: 車内に収まりきらない大きな荷物や、寝袋、マットなどを収納するのに非常に便利です。車内空間を広く使えるようになり、快適性が大幅にアップします。
- シートバックポケット: 運転席や助手席の背もたれに取り付ける収納ポケットです。スマートフォンやタブレット、本、飲み物などの小物を整理しておくのに役立ちます。
- コンテナボックス・収納ケース: 荷物をカテゴリー別に分けて収納ケースに入れておくと、必要なものをすぐに取り出せます。スタッキング(積み重ね)できるタイプを選べば、縦の空間を有効活用できます。
- 隙間収納: シートの隙間などを活用した収納グッズも市販されています。デッドスペースを減らし、小物の置き場所を確保できます。
就寝スペースを確保するためにも、不要な荷物はラゲッジボードの下や助手席などにまとめて移動させ、整理整頓を心がけましょう。
快適な時間を過ごすための小物類
必須ではありませんが、あると車中泊の時間がより豊かになる小物類もたくさんあります。
- 小型テーブル: 車内で食事をしたり、パソコン作業をしたりする際に便利です。折りたたみ式のコンパクトなものを選びましょう。
- クッション・ブランケット: 寝心地を向上させるだけでなく、くつろぎの時間にも活躍します。お気に入りのものを持っていけば、リラックス効果も高まります。
- ポータブルスピーカー: 好きな音楽を聴きながら過ごす時間は格別です。
- 耳栓・アイマスク: 周囲の音や光が気になる場合に役立ちます。特に、サービスエリアなど人の出入りがある場所で寝る際には重宝します。
- 歯磨きシート・ドライシャンプー: 水が使えない場所でも身だしなみを整えることができます。
これらのアイテムを自分のスタイルに合わせて組み合わせることで、車内を快適なマイルームのようにカスタマイズできます。
UXでの車中泊、注意点とマナー
手軽に楽しめる車中泊ですが、場所の選定や安全管理、周囲への配慮など、守るべき注意点とマナーがあります。特にレクサスUXのような乗用車で車中泊を行う場合は、キャンピングカーとは異なる注意も必要です。
車中泊が許可されている場所の選び方
まず大前提として、どこでも車中泊をして良いわけではありません。公共の駐車場や私有地で無断で車中泊を行うことはトラブルの原因となります。
車中泊が公認されている、あるいは黙認されている主な場所には以下のようなところがあります。
- RVパーク: 日本RV協会が認定する車中泊施設です。有料ですが、電源設備やトイレ、ゴミ処理施設などが整っており、安心して利用できます。
- オートキャンプ場: 車を乗り入れてテントを張るのが基本ですが、車中泊を許可している場所も多くあります。予約が必要な場合がほとんどです。
- 湯YOUパーク(温泉施設など): 温泉施設などが提供する車中泊スペース。入浴施設が利用でき、旅の疲れを癒すのに最適です。
- 高速道路のSA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア): 本来は休憩(仮眠)のための施設ですが、長時間の滞在や連泊は避け、あくまで「仮眠」の範囲で利用するのがマナーです。
- 道の駅: SA・PAと同様、休憩が目的の施設です。一部の道の駅では車中泊を歓迎している場合もありますが、多くの場所では禁止またはグレーゾーンです。利用する際は、必ず現地のルールを確認しましょう。
エンジンのかけっぱなしはOK?ハイブリッド車の活用法
夏や冬の車中泊では、エアコンのためにエンジンをかけっぱなしにしたくなりますが、これは原則としてNGです。騒音や排気ガスが周囲の迷惑になるだけでなく、環境にもよくありません。また、場所によってはアイドリングが条例で禁止されています。
しかし、レクサスUXのハイブリッドモデル(UX250h/UX300h)の場合、この問題をスマートに解決できます。ハイブリッド車は、メインバッテリーの残量に応じて自動でエンジンを始動・停止させながら、エアコンや電装品に電力を供給できます。
READY ONの状態にしておけば、エンジンは必要最低限しか作動しないため、ガソリン車のように常時アイドリングする必要がなく、非常に静かで低燃費です。 これにより、夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごすことができます。ただし、燃料がなくなれば当然止まってしまうので、ガソリンの残量には注意が必要です。また、マフラーが雪で埋もれてしまうと排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒の危険があるため、降雪時の利用には細心の注意を払いましょう。
防犯対策と安全確保
車中泊では、防犯対策も非常に重要です。以下の点を必ず心がけましょう。
- 必ずドアをロックする: 基本中の基本ですが、短時間車を離れる際も必ず施錠しましょう。
- 外から車内を見えなくする: サンシェードやカーテンで窓を完全に目隠しすることで、車内に人がいることや荷物の状況を悟られにくくし、車上荒らしのリスクを低減します。
- 貴重品を外から見える場所に置かない: スマートフォンや財布、カバンなどは外から見えない場所にしまいましょう。
- 人けのない場所は避ける: 安全のため、できるだけ明るく、適度に人の目がある場所を選びましょう。ただし、繁華街の近くなど騒がしい場所は睡眠の妨げになる可能性もあります。
- エコノミークラス症候群の予防: 長時間同じ姿勢でいると血行が悪くなり、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)のリスクが高まります。就寝スペースはできるだけフラットにして足を伸ばせるようにし、定期的に水分補給をしたり、軽いストレッチをしたりすることが大切です。
冬の寒さ・夏の暑さ対策
エンジンをかけずに快適に過ごすためには、季節に応じた対策が必要です。
冬の寒さ対策
- 寝袋(シュラフ): 冬用の高機能な寝袋は必須アイテムです。自分の体温を効率的に保温してくれます。「快適使用温度」を参考に、訪れる場所の気温に適したものを選びましょう。
- 断熱対策: 車種専用のシェードや銀マットで窓を覆うことで、外からの冷気を遮断し、車内の熱が逃げるのを防ぎます。
- 服装: ヒートテックなどの保温性が高いインナーや、フリース、ダウンジャケットなどを重ね着して体温調節ができるようにしましょう。
- 電気毛布・湯たんぽ: ポータブル電源があれば電気毛布が使え、非常に快適です。湯たんぽも手軽で効果的な暖房器具です。
夏の暑さ対策
- 標高の高い場所を選ぶ: 標高が100m上がると気温は約0.6℃下がると言われています。夏場は涼しい高原などで車中泊をするのがおすすめです。
- 日中の駐車場所: 日中は日陰になる場所に駐車し、車内温度の上昇を抑えましょう。
- 換気: ウィンドウネットを活用して、夜間は窓を開けて風通しを良くしましょう。
- 小型扇風機: ポータブル電源やUSBで使える小型扇風機があると、空気が循環して体感温度が下がります。
- 冷却グッズ: 冷感タオルや冷却シートなども併用すると効果的です。
まとめ:レクサスUXで工夫を凝らした快適な車中泊を

レクサスUXは、コンパクトなボディサイズながら、工夫次第で十分に車中泊を楽しむことができる魅力的な車です。完全なフルフラットにはならないものの、マットや自作アイテムで段差を解消すれば、大人一人でも快適な就寝スペースを確保できます。
特にハイブリッドモデルであれば、静かにエアコンを使用できるため、季節を問わず快適な車内環境を保ちやすいという大きなメリットがあります。ポータブル電源やサンシェード、LEDランタンなどの便利グッズを揃えれば、その快適性はさらに向上するでしょう。
もちろん、車中泊を行う際は、場所のルールやマナーを守り、防犯・安全対策を怠らないことが大前提です。事前の準備をしっかりと行い、レクサスUXと共に、自由で新しい旅のスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。



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