コンパクトな見た目からは想像できないほどの広い室内空間と、多彩なシートアレンジが魅力のトヨタ・ポルテ。「ポルテで車中泊ってできるのかな?」「どうすれば快適に過ごせるんだろう?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
実はポルテ、シートアレンジを工夫し、便利なグッズを活用することで、快適な車中泊空間に早変わりします。この記事では、ポルテのシートアレンジを最大限に活かして、快適な車中泊を実現するための具体的な方法や、あると便利なグッズなどを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。あなたもポルテで、自由気ままな車中泊の旅に出かけてみませんか?
ポルテのシートアレンジで実現する車中泊の魅力
トヨタ・ポルテは、コンパクトなトールワゴンでありながら、その設計思想の中心には「使いやすさ」と「広い室内空間」があります。 特に、助手席側の大きな電動スライドドアと低床フロアは、乗り降りのしやすさだけでなく、車内での過ごしやすさにも大きく貢献しています。 このポルテならではの特徴が、シートアレンジと組み合わせることで、車中泊という特別なシーンにおいても大きな魅力を発揮するのです。
ポルテの基本スペックと室内空間の広さ
ポルテの室内寸法は、2代目(140系)で室内長2,160mm、室内幅1,420mm、室内高1,380mmとなっており、コンパクトカークラスの中でもトップクラスの広さを誇ります。 この広さが、車中泊をする上での基本的なポテンシャルとなります。特に室内高が1,380mmあるため、車内での着替えや移動の際に圧迫感が少ないのが嬉しいポイントです。
| スペック | 数値 |
|---|---|
| 室内長 | 2,160mm |
| 室内幅 | 1,420mm |
| 室内高 | 1,380mm |
多彩なシートアレンジのバリエーション
ポルテの真骨頂は、なんといってもその多彩なシートアレンジにあります。 助手席が大きく前後にスライドする機能や、後部座席の分割可倒式シートなどを組み合わせることで、様々なモードに変更可能です。
- ロングラゲージモード: 助手席を一番前にスライドさせ、後席を倒すことで、長尺物も積載可能なスペースを作り出します。車中泊の際には、このモードをベースに寝床を作ることになります。
- フリースペースモード: 助手席を一番前にスライドさせることで、後席の足元に広大なスペースが生まれます。休憩時に足を伸ばしてリラックスするのに最適です。
- テーブルモード: 助手席の背もたれを倒してテーブルとして利用できるモードです。車内で食事をとる際に非常に便利です。
これらのアレンジは、車中泊だけでなく、日常の買い物からアウトドアレジャーまで、幅広いシーンで活躍してくれるでしょう。
車中泊にポルテが選ばれる理由
ポルテが車中泊に選ばれる理由は、単に「広いから」だけではありません。完全なフルフラットにはならないものの、工夫次第で快適な就寝スペースを作り出せる点が多くのユーザーに支持されています。
シートを倒しただけではどうしても段差ができてしまいますが、これは市販のマットやクッション、DIYで作成したベッドキットなどで解消することが可能です。 また、大きなスライドドアは荷物の出し入れを容易にし、車内からの見晴らしも良く、開放感のある車中泊を楽しめます。
初代(10系)ポルテのシートアレンジと車中泊

2004年から2012年まで販売された初代ポルテ(10系)も、そのユニークなコンセプトと使い勝手の良さで人気を博しました。現行モデルとは少し異なりますが、初代ならではのシートアレンジを活かせば、十分に車中泊を楽しむことが可能です。
初代ポルテの特徴的なシート機能
初代ポルテの最大の特徴も、やはり助手席側の大開口スライドドアと低いフロアです。これに加えて、助手席のタンブル機構(座面を跳ね上げて前方に格納する機能)や、一体可倒式または分割可倒式のリヤシートが備わっています。
これらの機能を組み合わせることで、荷室を大きく広げることができ、車中泊のためのスペースを生み出す基本となります。特に、助手席をタンブルさせて格納することで、後部座席から助手席足元まで続く広大な空間を作り出せるのがポイントです。
フルフラットにする具体的な手順
初代ポルテで車中泊用のスペースを作るには、いくつかのステップが必要です。完全なフルフラットにはなりませんが、工夫次第で快適な寝床を作ることができます。
- 助手席のタンブル格納: まず、助手席のヘッドレストを外し、座面を跳ね上げて前方にスライドさせ、背もたれを倒して格納します。
- 後部座席を倒す: 次に、後部座席の背もたれを前に倒します。
- 段差の解消: この状態だと、助手席を格納した部分と倒したリヤシート、そして荷室との間に大きな段差ができてしまいます。この段差を解消するために、厚手のマットやエアマット、クーラーボックスや収納ボックスなどを上手く配置する必要があります。
初代ポルテで車中泊する際の注意点
初代ポルテで車中泊を行う際には、いくつかの注意点があります。まず、シートアレンジによって生まれる段差が2代目よりも大きい傾向にあるため、段差解消の工夫がより重要になります。寝心地に直結する部分なので、事前にしっかりと対策をしておきましょう。
また、後部座席を撤去して完全なフラットスペースを作るDIYも見られますが、座席を外した状態での走行は定員乗車の違反になったり、車検に通らなかったりする可能性があるため注意が必要です。 安全性や法律の観点からも、基本的にはシートは装着したままで工夫することをおすすめします。もし取り外す場合は、車検時には元に戻す、任意保険の契約内容を確認するなど、自己責任で慎重に行ってください。
2代目(140系)ポルテのシートアレンジと車中泊
2012年から販売されている2代目ポルテ(140系)は、初代のコンセプトを受け継ぎつつ、さらに使い勝手と快適性が向上しています。シートアレンジもより多彩になり、車中泊への対応力もアップしました。
2代目ポルテの進化したシートアレンジ
2代目ポルテのシートアレンジで特筆すべきは、助手席の700mmという広大なスライド量です。 これにより、「フリースペースモード」や「ロングラゲージモード」など、初代以上に多彩な空間アレンジが可能になりました。
さらに、多くのグレードで「クッションチップアップ機構付6:4分割可倒式リヤシート」が採用されています。 これは、リヤシートの座面を跳ね上げてから背もたれを倒すことで、より低い位置でフラットな空間を作り出すことができる機能です。これにより、初代モデルと比較して荷室との段差が少なくなり、車中泊の際のベッドメイキングがしやすくなりました。
より簡単になったフルフラット化の方法
2代目ポルテでは、完全なフラットにはなりませんが、比較的簡単な手順で就寝スペースを作ることができます。
- 助手席を一番前にスライド: まず、助手席を一番前までスライドさせます。
- 後部座席を倒す: 次に、後部座席(6:4分割)のヘッドレストを外し、座面をチップアップ(跳ね上げ)させてから、背もたれを前に倒します。
- 運転席を倒す: 運転席のヘッドレストを外し、リクライニングさせて後部座席と繋げます。
- 段差を埋める: これでかなりフラットに近い空間ができますが、シートの隙間や多少の段差は残ります。この隙間をクッションや衣類で埋め、その上に厚手のマットを敷くことで、快適な寝床が完成します。
2代目ポルテでの車中泊を快適にするポイント
2代目ポルテでの車中泊をより快適にするためには、いくつかのポイントがあります。まず、エントリーグレードの「X」は後席が一体可倒式シートのため、分割してアレンジすることができません。 そのため、車中泊を主な目的とする場合は「G」「F」「Y」といった6:4分割可倒式シートのグレードを選ぶのがおすすめです。
また、グレード「F」には、標準で撥水タイプのシート表皮が採用されています。 これは飲み物をこぼしてしまった時や、濡れた荷物を置いた時にも安心で、アウトドアや車中泊のシーンで非常に重宝する装備です。
最後に、ポルテは車内空間が広い分、冬場は冷えやすく夏場は熱がこもりやすいという側面もあります。断熱効果のあるサンシェードや、季節に合った寝袋を用意するなど、温度対策をしっかり行うことが快適な車中泊の秘訣です。
ポルテの車中泊をさらに快適にする工夫と便利グッズ
ポルテのシートアレンジで基本的な寝床を確保したら、次はいかに快適な空間を作り出すかが重要になります。ここでは、ポルテでの車中泊を格段に快適にするための工夫と、おすすめの便利グッズを紹介します。
段差解消!快適な寝心地を実現するマットの選び方
ポルテで車中泊をする上で最も重要なのが「段差の解消」です。 シートを倒しただけでは、どうしても体の当たる部分に凹凸ができてしまい、快適な睡眠の妨げになります。
そこでおすすめなのが、厚みのある車中泊マットです。特に、空気で膨らませるインフレーターマットやエアマットは、使用しないときはコンパクトに収納でき、使用時には10cm程度の厚みで段差を吸収してくれる優れものです。ポルテ専用設計のマットも販売されていますが、汎用品でもサイズが合えば問題なく使用できます。
マットを敷く前に、タオルやクッション、衣類などを隙間に詰めておくと、よりフラットな状態を作りやすくなります。
プライバシー確保と断熱に役立つシェードやカーテン
車内で快適に過ごすためには、プライバシーの確保と外気温対策が欠かせません。そこでおすすめなのが、車種専用設計のサンシェードです。
専用設計のものは窓にぴったりフィットするため、光漏れが少なく、外からの視線を完全にシャットアウトできます。また、銀マットのような素材でできているものが多く、夏は日差しを反射して車内温度の上昇を抑え、冬は冷気の侵入を防ぐ断熱効果も期待できます。
カーテンを取り付けるのも良い方法ですが、サンシェードの方が手軽で隙間なく目隠しできるため、車中泊にはより適していると言えるでしょう。
あると便利なポータブル電源やランタンなどの小物類
車中泊をより豊かにするためには、電気製品が使えると非常に便利です。スマートフォンやカメラの充電はもちろん、小型の電気毛布や扇風機、車載用の炊飯器などを使いたい場合は、ポータブル電源の導入を検討しましょう。容量によって価格は様々ですが、一泊程度の車中泊であれば比較的小型のモデルでも十分対応可能です。
また、夜間の車内を照らすLEDランタンも必須アイテムです。車のルームランプはバッテリー上がりの原因になる可能性があるため、別途照明を用意するのが安心です。暖色系の光を選ぶと、リラックスできる空間を演出できます。
収納スペースを有効活用するアイデア
車中泊では、寝るスペース以外にも荷物を置く場所の確保が重要になります。ポルテは収納スペースも豊富ですが、工夫次第でさらに有効活用できます。
例えば、天井部分に収納ネットを取り付ければ、衣類やタオルなどの軽いものを収納しておくことができます。また、シートの隙間や足元空間にぴったり収まる収納ボックスを活用するのも良いでしょう。
これらのグッズを上手に活用することで、ポルテの車内をまるで自分の部屋のような快適な空間に変えることができます。
まとめ:ポルテのシートアレンジをマスターして快適な車中泊を楽しもう

この記事では、トヨタ・ポルテの多彩なシートアレンジを活かした車中泊の方法について詳しく解説しました。
ポルテは、コンパクトなボディに広大な室内空間と、考え抜かれたシートアレンジ機能を持つ、非常にポテンシャルの高い車です。 完全なフルフラットにはならないという点はありますが、それを補って余りある魅力があります。
- 基本はシートアレンジ: 助手席のロングスライドやリヤシートの格納機能を使い、寝るための基本スペースを作り出します。
- 段差解消が最重要: 快適な睡眠のためには、市販のマットやクッションを使い、シートの段差をなくす工夫が不可欠です。
- 便利グッズで快適性アップ: サンシェードやポータブル電源、ランタンなどのグッズを活用することで、プライバシーを守り、車内での過ごしやすさを格段に向上させることができます。
初代(10系)、2代目(140系)ともに、それぞれの特徴を理解し、少しの工夫と準備をすることで、ポルテは快適な移動基地へと変身します。この記事を参考に、あなただけのオリジナル車中泊仕様を完成させ、自由で気ままな旅に出かけてみてはいかがでしょうか。



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