モータースポーツの世界から生まれた本格スポーツカー、トヨタ GRヤリス。その走りの性能もさることながら、ドライバーが常に情報を得るためのコックピット、特に「メーター」には多くのこだわりが詰まっています。GRヤリスのメーターは、単なる速度計や回転計にとどまらず、スポーツ走行を深く楽しむための多彩な情報を表示し、ドライバーとクルマを繋ぐ重要なインターフェースです。
この記事では、GRヤリスのメーターが持つ特徴から、表示される情報の詳しい見方、自分好みに設定するカスタマイズ方法、そして2024年の大幅改良で遂げた進化まで、あらゆる角度から分かりやすく解説していきます。GRヤリスのオーナーはもちろん、これから購入を検討している方も、この記事を読めばメーターの奥深い世界を知り、GRヤリスの魅力をさらに感じていただけることでしょう。
GRヤリスのメーターはここが凄い!その特徴を徹底解説

GRヤリスのメーターは、ドライバーが運転に集中し、走りを楽しむために考え抜かれた設計がされています。ただ情報を表示するだけでなく、視認性や高揚感を演出し、スポーツカーとしての体験をより豊かなものにしてくれます。ここでは、そんなGRヤリスのメーターが持つ、特筆すべき3つの特徴について詳しく見ていきましょう。
TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイの採用
初期モデルのGRヤリスのメーター中央には、4.2インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイが搭載されています。 TFTとは「Thin Film Transistor」の略で、高精細で鮮やかな表示が可能な液晶ディスプレイのことです。このディスプレイには、速度やエンジン回転数といった基本的な情報はもちろんのこと、スポーツ走行に欠かせない様々な車両情報を表示させることができます。
例えば、4WDモデル(RZ / RZ “High performance”)では、前後の駆動力配分を示す「4WD作動状態表示」や、ターボエンジンの性能を最大限に引き出すための「ブーストメーター」、コーナリング時などにかかるG(加速度)を可視化する「Gモニター」といった、本格的なスポーツ情報を映し出すことが可能です。 これらの情報はステアリングスイッチで簡単に切り替えることができ、ドライバーは走行状況に応じて必要な情報を瞬時に得られます。
アナログとデジタルの融合したデザイン
GRヤリスのメーターは、伝統的なスポーツカーが持つアナログメーターの視認性の良さと、デジタル表示の多彩な情報量を見事に融合させているのが特徴です。 左右に配置されたスピードメーターとタコメーター(エンジン回転計)は、針が動くアナログ式を採用しており、直感的に速度や回転数の変化を把握することができます。特にタコメーターは、スポーツ走行においてエンジンパワーを効率的に使うためのシフトチェンジのタイミングを計る上で非常に重要です。
その一方で、中央には前述のTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイが鎮座し、アナログメーターだけでは伝えきれない詳細な情報をデジタルで表示します。 このアナログとデジタルの組み合わせにより、ドライバーは一目で主要な情報を把握しつつ、必要に応じて詳細なデータも確認できるという、機能的で合理的なメーターデザインが実現されているのです。旧来のスポーツカーのような古き良き雰囲気と、現代のクルマならではの機能性を両立したデザインと言えるでしょう。
視認性とスポーティーなデザインの両立
GRヤリスのメーターは、何よりもドライバーの視認性を最優先に設計されています。文字盤のフォントや目盛りの配置、照明の色など、細部にわたって工夫が凝らされており、昼夜を問わず、またどのような走行条件下でも情報を瞬時に読み取ることが可能です。 メーター全体が比較的シンプルな表示で構成されているため、情報過多で混乱することなく、運転に集中することができます。
デザイン面では、GRのロゴがあしらわれたメーターパネルや、レッドの指針などがスポーティーな雰囲気を高めています。運転席に座り、このメーターを目にした瞬間から、ドライバーは「これから走るんだ」という高揚感を感じることでしょう。機能性を追求するだけでなく、ドライバーの感性にも訴えかけるデザインは、GRヤリスが単なる移動手段ではなく、走りを楽しむための特別なクルマであることを象徴しています。
GRヤリスのメーターに表示される多彩な情報

GRヤリスのメーターは、日常走行からサーキットでの限界走行まで、あらゆるシーンでドライバーをサポートする豊富な情報を表示します。特に中央のマルチインフォメーションディスプレイでは、好みに応じて様々な情報を呼び出すことが可能です。ここでは、具体的にどのような情報が表示されるのかを詳しく見ていきましょう。
基本的な表示項目(速度、回転数など)
まず、メーターの最も基本的な機能として、速度とエンジン回転数が表示されます。
中央のマルチインフォメーションディスプレイには、これらの情報に加えて以下の基本的な項目が表示されます。
| 表示項目 | 内容 |
|---|---|
| オドメーター | 総走行距離 |
| トリップメーター | 区間走行距離(AとBの2種類を計測可能) |
| 水温計 | エンジン冷却水の温度 |
| 燃料計 | ガソリンの残量 |
| 外気温 | 車外の温度 |
| 時計 | 現在時刻 |
これらの情報は、一般的な乗用車にも搭載されている基本的なものですが、GRヤリスではスポーツ走行を意識した見やすいレイアウトになっています。
ドライブモードごとの表示変化
GRヤリスには、走行シーンに合わせて車両の特性を変更できる「ドライブモードセレクト」が搭載されています。 このドライブモードを切り替えると、メーターの表示も一部連動して変化します。
NORMALモード: 前後の駆動力配分が60:40となり、日常的な走行に適したモードです。メーター表示も標準的な見やすい表示となります。
SPORTモード: 駆動力配分が30:70となり、よりFR(後輪駆動)に近い、俊敏なハンドリングを楽しめるモードです。タコメーターの背景が変化するなど、スポーティーな演出が加わります。
TRACKモード: 駆動力配分が50:50に固定され、サーキットなどでの限界走行時に最も安定したトラクション性能を発揮するモードです。このモードを選択すると、マルチインフォメーションディスプレイにラップタイマー機能を表示させることも可能になります。
このように、選択したドライブモードに応じてメーターの表情が変わり、視覚的にも走りのモードを認識しやすくなっています。
スポーツ走行に特化した多彩な情報
GRヤリスのメーターの真骨頂は、やはりスポーツ走行に特化した情報表示にあります。 これらは主にマルチインフォメーションディスプレイで確認することができます。
ブーストメーター: ターボチャージャーによる過給圧を表示します。エンジンのパワーがどれだけ引き出されているかを視覚的に確認でき、アクセルワークの参考になります。
Gモニター: 車両にかかる前後左右の加速度(G)をリアルタイムで表示します。 コーナリング時や加減速時のGを把握することで、よりスムーズで効率的な運転技術の向上に役立ちます。
4WD作動状態表示: 前後輪へのトルク配分をリアルタイムで表示します。 ドライブモードや走行状況によって刻々と変化するトルク配分を見ることで、GR-FOURシステムの緻密な制御を体感できます。
タイヤ空気圧警告システム: 各タイヤの空気圧を監視し、異常があれば警告灯とディスプレイ表示で知らせます。 適正な空気圧は、安全な走行と車両本来の性能発揮に不可欠です。
これらの情報を活用することで、ドライバーは車両の状態をより深く理解し、GRヤリスのポテンシャルを最大限に引き出す走りに繋げることができます。
GRヤリスのメーターを自分好みにカスタマイズする方法

GRヤリスのメーターは、ただ情報を見るだけでなく、ドライバーの好みや用途に合わせて表示内容をカスタマイズできる機能も備わっています。 これにより、自分にとって最も使いやすく、見やすいメーターに設定することが可能です。ここでは、その具体的なカスタマイズ方法について解説します。
表示項目の変更手順
マルチインフォメーションディスプレイに表示される項目は、ステアリングスイッチを使って簡単に変更できます。
1. ステアリングスイッチの操作: ステアリングホイールの右側にある十字キー(メーター操作スイッチ)を使用します。
2. ページの切り替え: 十字キーの上下ボタンを押すことで、大まかな表示ページ(燃費情報、走行支援システム情報、スポーツゲージなど)を切り替えることができます。
3. コンテンツの選択: 各ページ内には複数の表示コンテンツが含まれています。十字キーの左右ボタンでカーソルを動かし、表示したいコンテンツ(例:ブーストメーター、Gモニターなど)を選択します。
4. 決定: 中央の「OK」ボタンを押すと、選択したコンテンツが表示されます。
また、一部の表示項目は、設定画面から表示/非表示を選択することも可能です。 例えば、普段使わない項目を非表示にしておくことで、よりスムーズに必要な情報へアクセスできるようになります。
REVインジケーターの設定
GRヤリスには、設定したエンジン回転数に到達するとタコメーターの表示で知らせてくれる「REVインジケーター」という機能があります。 これを活用することで、エンジン性能を効率よく引き出すシフトアップのタイミングを逃さなくなります。
この機能は、マルチインフォメーションディスプレイの設定画面からカスタマイズできます。
表示のON/OFF: REVインジケーター機能自体の作動・非作動を選択できます。
REVセッティング: インジケーターが橙色に点灯するエンジン回転数を任意で設定できます。例えば、サーキット走行でパワーバンドを維持したい場合、少し高めの回転数に設定する、といった使い方が可能です。
REVピーク: レッドゾーンに到達した際に赤色で表示される機能です。
自分の走りのスタイルや走行シーンに合わせて設定することで、より直感的なシフト操作が可能になり、スポーツ走行の楽しさが一層深まります。
アフターパーツによるさらなるカスタマイズ
標準のメーター機能だけでも十分に多機能ですが、さらにオリジナリティを追求したい方向けに、アフターパーツも存在します。例えば、サイバーストーク社からは、純正のメーターパネル(文字盤)と交換するタイプの「カスタマイズメーターパネル」が販売されています。
この製品は、メーターのデザインをよりスポーティーなものに変更できるドレスアップパーツです。 デザインの変更だけでなく、夜間の照明色が変わるモデルもあり、コックピットの雰囲気をガラリと変えることができます。取り付けにはメーター本体の分解が必要になりますが、DIYでの取り付け解説動画なども公開されています。
警告灯などのインジケーターは純正と同じ配置・マークなので、車検にも対応しており安心です。 このようなアフターパーツを活用することで、自分だけの特別なGRヤリスを作り上げる楽しみも広がります。
年次改良によるメーターの変化とグレードごとの違い
GRヤリスは2020年の登場以来、モータースポーツの現場からのフィードバックを元に進化を続けています。特に2024年3月に行われた大幅な一部改良では、内外装だけでなくメーターにも大きな変化がありました。また、設定されているグレードによってもメーターの仕様は異なります。ここでは、その進化と違いについて詳しく見ていきましょう。
初期モデルと進化した2024年モデルのメーター比較
初期モデル(2020年〜2024年)のメーターは、アナログ2眼メーターの中央に4.2インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを配置した、オーソドックスかつ機能的なデザインでした。
これに対して、2024年3月以降の進化したGRヤリスでは、新たに12.3インチのフルカラーTFTメーターが採用されました。 これは、物理的な針を持たない完全な液晶ディスプレイで、レーシングカーの研究やプロドライバーの意見を取り入れて開発されています。 スポーツ走行時に必要な車両情報とその視認性を徹底的に追求し、エンジン回転数などが画面上部に配置されるなど、よりドライバーが情報を把握しやすいレイアウトへと進化しました。
12.3インチフルカラーTFTメーターの登場
新採用された12.3インチのフル液晶メーターは、単に画面が大きくなっただけではありません。 表示できる情報量が格段に増え、表現の自由度も向上しました。
スポーツ走行に特化した表示: プロドライバーの意見を反映し、スポーツ走行時に必要な情報を優先的に表示するレイアウトになっています。
ATF温度表示: 新たに追加設定された8速AT「GR-DAT」搭載車では、ATフルードの温度表示が可能になりました。 これは、スポーツ走行時のATのコンディションを把握する上で非常に重要な情報です。
視認性の向上: メーター自体がディスプレイオーディオと共に低い位置へ移動し、インパネ上部がフラット化されました。 これにより、前方視界が広がり、より運転に集中できる環境が作られています。
デザイン: 装飾は最小限に抑えられ、機能性を突き詰めたデザインとなっています。
この新しいメーターは、GRヤリスが「ドライバーファースト」の思想で進化し続けていることを象
徴する装備と言えるでしょう。
グレードによるメーターの違い
GRヤリスには、主に「RZ “High performance”」「RZ」「RC」という3つのグレードが設定されていますが、メーターの基本的なハードウェアは共通です。 しかし、表示できる内容に一部違いがあります。
| グレード | メーターの主な特徴 |
|---|---|
| RZ “High performance” | 最上位グレード。トルセンLSDを装備するなど走行性能を追求したモデル。メーター表示機能もフルで搭載されています。 |
| RZ | 標準的なスポーツグレード。RZ “High performance”と基本的なメーターは共通で、ブースト圧や4WD作動状態など、スポーツ走行に必要な情報を表示できます。 |
| RC | モータースポーツへの参戦を前提とした競技ベース車両。内装が簡素化されており、ディスプレイオーディオやエアコンが標準では装備されていません。 メーター自体はRZ系と共通のものが搭載されていますが、一部の快適装備に関連する表示はされません。 |
どのグレードを選んでも、GRヤリスのスポーツマインドを体現するメーターがドライバーを迎えてくれますが、表示される情報の完全な機能を享受するにはRZ以上のグレードが前提となります。
もっと知りたい!GRヤリスメーターの便利な機能と知識

GRヤリスのメーターは、これまで解説してきた機能以外にも、ドライバーをサポートする様々な表示や便利な機能が備わっています。安全運転に役立つ警告灯の意味から、アフターパーツでの発展性まで、知っておくとさらにGRヤリスとのカーライフが充実する知識をご紹介します。
シフトタイミングインジケーターの活用法
前述の「REVインジケーター」は、エンジン回転数が設定値に達したことを知らせてくれる機能ですが、これとは別に「シフトタイミングインジケーター」も搭載されています。これは、燃費の良い運転をサポートするための機能で、走行状況に応じて「▲(シフトアップ)」または「▼(シフトダウン)」の矢印をディスプレイに表示し、最適なシフトチェンジのタイミングを促してくれます。
スポーツ走行時にはREVインジケーターが役立ちますが、街乗りや高速道路での巡航など、燃費を意識して走りたいシーンでは、このシフトタイミングインジケーターに従って運転することで、効率的な走りを実現できます。状況に応じてこれらのインジケーターを使い分けることで、GRヤリスの持つ「スポーツ性能」と「経済性」の両方を引き出すことが可能になります。
警告灯・表示灯の種類と意味
メーター内には、車両の異常やシステムの作動状況を知らせるための警告灯や表示灯が多数配置されています。 これらが点灯・点滅した際には、その意味を正しく理解し、適切に対処することが重要です。
赤色の警告灯: 重大な異常を示します。点灯した場合は、直ちに安全な場所に停車し、取扱説明書を確認するか、販売店に連絡する必要があります。例としては、ブレーキ警告灯や充電警告灯などがあります。
黄(橙)色の警告灯: 注意やシステムの異常を示します。走行は可能ですが、早めに点検を受ける必要があります。例としては、エンジン警告灯やABS警告灯などがあります。
緑(青)色の表示灯: *システムの作動状況を示します。異常ではありません。例としては、方向指示器の表示灯やハイビーム表示灯などがあります。
アフターパーツでメーターを追加する選択肢
標準メーターでも非常に多くの情報を得られますが、より本格的なモータースポーツを楽しむユーザーの中には、追加メーターを装着する方もいます。社外品の追加メーターを装着することで、標準メーターでは表示されない、あるいはより詳細な情報をリアルタイムで把握することが可能になります。
例えば、以下のような追加メーターが人気です。
- 水温計・油温計・油圧計: エンジンのコンディションをよりシビアに管理するために装着されます。特にサーキット走行など、エンジンに高負荷がかかる場面では必須のアイテムと言えます。
- ブースト計: 標準メーターにも表示されますが、より高精度でレスポンスの良い社外品に交換することで、細かなブースト圧の変化を捉えることができます。
これらのメーターは、ダッシュボードの上やAピラー(フロントガラス横の柱)などに追加で設置するのが一般的です。コックピットの見た目がよりレーシーになるというドレスアップ効果もあります。ただし、後付けする際は視界を妨げない位置に設置するなど、安全面に十分配慮する必要があります。
まとめ:GRヤリスのメーターを理解し、走りをさらに楽しもう

この記事では、GRヤリスのメーターについて、その特徴から表示される多彩な情報、カスタマイズ方法、そして年次改良による進化まで、詳しく解説してきました。
GRヤリスのメーターは、単に速度や回転数を表示するだけの装置ではありません。
- アナログとデジタルを融合させた、視認性とデザイン性に優れた設計
- ブースト圧やGモニターなど、スポーツ走行を深く楽しむための豊富な情報表示
- ステアリングスイッチによる簡単な表示切り替えや、REVインジケーターなどのカスタマイズ機能
- 2024年モデルで採用された、プロドライバーの知見が活かされた12.3インチフル液晶メーターへの進化
これらの要素すべてが、ドライバーがクルマと一体となり、運転に集中して走りを楽しむというGRヤリスのコンセプトを支えています。メーターに表示される情報を正しく理解し、機能を最大限に活用することで、GRヤリスが持つポテンシャルをさらに引き出し、日常のドライブからサーキット走行まで、あらゆるシーンでの走りの体験をより豊かで安全なものにしてくれるでしょう。



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