アトレーの給油口はどっち？開け方からトラブル対処法まで解説

ダイハツの人気軽商用バン、アトレー。広い荷室とキビキビとした走りで、お仕事からアウトドアレジャーまで、幅広いシーンで活躍してくれる頼もしい一台です。しかし、日常的に使う車だからこそ、ふとした瞬間に「あれ？」と疑問に思うこともありますよね。

特に多いのがガソリンスタンドでの戸惑いです。「アトレーの給油口って、左右どっち側だっけ？」「給油口を開けるレバーが見つからない…」なんて経験、ありませんか？普段乗り慣れていない車だと、なおさら焦ってしまうものです。

この記事では、そんなアトレーの給油口の位置や正しい開け方といった基本的な操作方法から、使用する燃料の種類、さらには「給油口が開かなくなってしまった！」という緊急時のトラブル対処法まで、アトレーの給油口に関するあらゆる情報をわかりやすくまとめました。この記事を最後まで読めば、もうガソリンスタンドで迷うことはありません。スマートに給油を済ませて、快適なアトレーライフを送りましょう。

アトレーの給油口の基本的な知識

アトレーをスムーズに乗りこなすために、まずは給油口に関する基本的な知識をしっかりと押さえておきましょう。いざという時に慌てないよう、普段から位置や開け方を確認しておくことが大切です。特にアトレーの給油口は、一般的な乗用車とは少し異なる特徴があります。

アトレーの給油口はどっち？位置の確認方法

アトレーの給油口は、運転席側（車両右側）にあります。 具体的な場所は、運転席ドアと後部スライドドアの間にあるボディの柱（Bピラー）の下あたりです。 多くの乗用車が車体の後方にあるのに対し、アトレーは車体の中央寄りに配置されているのが特徴です。 このレイアウトは、ハイゼットカーゴなどの他の軽商用バンでも見られるもので、荷室スペースを最大限に確保するための設計上の工夫とも言われています。

これは国産車の多くに共通する仕様なので、レンタカーや友人の車を運転する際にも役立つ知識です。ガソリンスタンドに入る前に、どちら側に停車すればよいかスマートに判断できますね。

給油口の開け方をモデル別に解説（現行S700V/S710V型、旧型S321G/S331G型）

アトレーの給油口（フューエルリッド）を開けるには、車内にある専用のレバーを操作します。このレバーの位置が少し分かりにくい場所にあるため、初めて乗る方は戸惑うかもしれません。

現行モデル（S700V/S710V型）：
現行のアトレーでは、給油口を開けるためのフューエルリッドオープナーレバーは、運転席シートの右横、シートベルトの付け根近くの床に設置されています。 シートとボディの隙間にあり、シートベルトで隠れてしまいがちなので、少し屈んで探してみてください。 小さなレバーで、給油機のマークが描かれています。このレバーを手前に引くと、「カチャ」という音とともに給油口のロックが外れ、少しだけ蓋が浮き上がります。あとは車から降りて、手で蓋を完全に開けるだけです。

このレバーは、給油口のすぐ近くにあるため、ワイヤーを使わずに直接ロックを解除するシンプルな構造になっています。 そのため故障が少なく信頼性が高いのがメリットですが、場所を知らないと見つけにくいかもしれません。

旧型モデル（S321G/S331G型など）：
アトレーワゴンなどの旧型モデルでも、基本的な開け方は現行モデルと大きくは変わりません。多くのモデルで、運転席周りにレバーが設置されています。S321G型などでも、運転席の右側ピラー下部にレバーがあります。 さらに古いS220型などでは、運転席足元の右下あたりにレバーがある場合もあります。 年式によって若干位置が異なる可能性があるため、ご自身の車の取扱説明書を確認するか、運転席の右側周辺を探してみてください。

給油口の閉め方と注意点

給油が終わったら、給油口の閉め忘れにも注意が必要です。閉め方はとても簡単です。

1. フューエルキャップ（内側のキャップ）を閉める
   給油ノズルを抜いたら、まずタンクの内側のキャップを閉めます。キャップは「カチッ」と音が1〜2回するまでしっかりと回してください。この音が、キャップが確実に閉まった合図です。閉め方が緩いと、走行中にガソリンが漏れる原因になったり、警告灯が点灯したりすることがあるため、必ず音を確認する習慣をつけましょう。
2. フューエルリッド（外側の蓋）を閉める
   キャップを閉めたら、外側の蓋（フューエルリッド）を手で押して閉めます。こちらも「カチッ」とロックがかかる音がするまで、しっかりと押し込みましょう。

アトレーには、給油中にフューエルキャップを置くための専用ホルダーがありません。 キャップには本体と繋がった紐（テザー）が付いているので紛失の心配は少ないですが、給油中はキャップがボディに当たって傷をつけたり、塗装面にガソリンが付着したりしないよう、ぶら下げる際には少し注意が必要です。気になる方は、カー用品店などで後付けのキャップホルダーを購入して取り付けるのも良いでしょう。

アトレーの給油の種類と容量

愛車に長く乗り続けるためには、正しい種類の燃料を給油することが不可欠です。間違った燃料を入れてしまうと、エンジンに深刻なダメージを与え、高額な修理費用が必要になることもあります。ここでは、アトレーの燃料の種類やタンク容量について詳しく見ていきましょう。

アトレーの燃料はレギュラー？ハイオク？軽油？

アトレーの使用燃料は、無鉛レギュラーガソリンです。 これは、パワフルなターボエンジンを搭載しているグレードであっても同様です。現行モデル（S700V/S710V型）も、旧型のアトレーワゴン（S321G/S331G型）も、全グレードでレギュラーガソリン仕様となっています。

ガソリンスタンドでは、給油ノズルの色が赤色のものがレギュラーガソリンです。セルフスタンドで給油する際は、絶対に間違えないように注意してください。

誤って軽油（ディーゼル燃料）やハイオクガソリンを入れてしまうと、エンジン不調や故障の原因となります。特に軽油を入れてしまうと、エンジンが始動しなくなったり、走行中に停止したりする可能性があります。もし間違えて給油してしまった場合は、絶対にエンジンをかけずに、すぐにガソリンスタンドのスタッフやロードサービスに連絡してください。

アトレーの燃料タンク容量はどれくらい？

アトレーの燃料タンク容量は、モデルチェンジによって若干異なります。

現行モデルは旧型に比べて2リットル少なくなっていますが、燃費性能が向上しているため、航続距離に大きな差はありません。ガソリン残量警告灯が点灯した時点での残量は、おおよそ5〜7リットル程度が一般的です。警告灯が点灯したら、慌てずに最寄りのガソリンスタンドを探しましょう。

満タンでどれくらい走れる？航続距離の目安

満タンにした場合、アトレーは一体どれくらいの距離を走ることができるのでしょうか。カタログ燃費を参考に、航続距離の目安を計算してみましょう。

現行アトレーRS（2WD/CVT）のカタログ燃費（JC08モード）は19.7km/Lです。
燃料タンク容量は38リットルなので、単純計算すると以下のようになります。

19.7km/L × 38L = 748.6km

これはあくまで理論値であり、実際の燃費は運転の仕方（急発進・急ブレーキの多さなど）や使用状況（エアコンの使用、乗車人数、積載量）、道路状況（渋滞や坂道など）によって大きく変動します。一般的に、実燃費はカタログ燃費の7〜8割程度になることが多いと言われています。

仮に実燃費をカタログ値の75%と仮定すると、
748.6km × 0.75 = 約561km
となります。

長距離ドライブの計画を立てる際には、この数値を一つの目安として、余裕を持った給油計画を立てることをおすすめします。

アトレーの給油口が開かない！主な原因と対処法

「ガソリンスタンドに着いたのに、給油口のレバーを引いても蓋が開かない！」そんなトラブルに見舞われたら、誰でも焦ってしまいますよね。給油口が開かない原因はいくつか考えられます。ここでは、主な原因とその対処法について解説します。

原因1：給油口オープナー（レバー・ボタン）の不具合

最も考えられる原因の一つが、車内にあるフューエルリッドオープナーレバー自体の故障です。アトレーのレバーはワイヤーを介さない直接的な構造のため、比較的故障は少ないですが、長年の使用による摩耗や破損で動かなくなることがあります。

対処法：
レバーを何度かゆっくりと、しかし確実な力で引いてみてください。それでも開かない場合は、レバーの付け根部分が破損していないか、何か異物が挟まっていないかを確認してみましょう。ただし、無理に力を加えると完全に壊れてしまう可能性があるため注意が必要です。もしレバー周りに異常が見られる場合は、ディーラーや整備工場での点検・修理が必要になります。

原因2：フューエルリッド（外側の蓋）の固着や凍結

洗車後や雨の後、気温が低い日などに給油口の蓋がボディに張り付いてしまうことがあります。特に冬場の寒冷地では、蓋の隙間に入り込んだ水分が凍結し、レバーを引いてもロックが外れない（または、ロックは外れても蓋が開かない）というケースがよく起こります。

対処法：
まず、車内のレバーを誰かに引いてもらった状態で、給油口の蓋のあたりを外から軽く叩いたり、蓋の縁を優しくこじ開けるように動かしたりしてみてください。固着が原因であれば、これで開くことがあります。
凍結している場合は、ぬるま湯をかけるのが効果的です。ただし、熱湯をかけると塗装を傷めたり、急激な温度変化で部品が破損したりする恐れがあるため、必ず人肌程度のぬるま湯を使用してください。また、お湯をかけた後は、再凍結を防ぐために水分をしっかりと拭き取っておきましょう。

原因3：ワイヤーやアクチュエーターの故障

一般的な乗用車の多くは、車内のレバーと給油口のロック部分が長いワイヤーで繋がっています。このワイヤーが経年劣化で伸びたり切れたりすると、レバーを引いても力が伝わらず、給油口が開かなくなります。
アトレーの場合は、前述の通り給油口とレバーの位置が近いため、ワイヤーを介さないシンプルな構造が採用されています。 そのため、ワイヤー切れの心配はほとんどありません。しかし、ロック機構内部のバネやラッチといった部品が故障する可能性はゼロではありません。

対処法：
この部分の故障は、外から見ただけでは原因の特定が困難です。個人での修理は難しいため、ディーラーや専門の整備工場に相談するのが最も確実な方法です。

緊急時の給油口の開け方

「どうしても今すぐ給油しないとガス欠になってしまう！」という緊急時には、車種によって内張りなどを剥がして内部から直接ロックを解除する緊急用の開け方が用意されている場合があります。
しかし、アトレーに関しては、取扱説明書にも緊急時の開け方についての明確な記載は少ないのが現状です。これは構造がシンプルなため、逆に内部からアプローチしにくい設計になっている可能性も考えられます。
もし上記の方法を試しても給油口が開かない場合は、無理にこじ開けようとせず、JAFなどのロードサービスを呼ぶか、最寄りのダイハツディーラーに連絡して指示を仰ぐのが賢明です。プロに任せることで、車に余計なダメージを与えることなく問題を解決できます。

アトレーの給油口に関するQ&A

ここでは、アトレーの給油口に関してよくある質問や、知っておくと便利な豆知識をQ&A形式でまとめました。日頃の疑問を解消して、より快適なカーライフにお役立てください。

フューエルキャップ（内側のキャップ）をなくしたら？

「給油した後、キャップを閉め忘れてどこかへ行ってしまった…」という経験がある方もいるかもしれません。フューエルキャップがない状態で走行するのは、ガソリン漏れや気化したガソリンによる火災の危険があり、非常に危険です。また、タンク内にゴミや水分が侵入し、エンジン不調の原因にもなります。
もしフューエルキャップを紛失してしまった場合は、速やかに新しいものと交換してください。純正部品はダイハツディーラーや部品共販店で購入できます。また、カー用品店やインターネット通販でも、アトレーに対応した互換品が販売されています。 購入する際は、必ずご自身の車の年式や型式に適合するものかを確認しましょう。テザー（脱落防止のひも）が付いているタイプを選ぶと、次回の閉め忘れ防止に繋がります。

給油口からガソリンが漏れる場合はどうすればいい？

給油口周辺からガソリンが漏れているのを発見した場合、それは非常に危険な状態です。主な原因としては、フューエルキャップのパッキンの劣化が考えられます。キャップについているゴム製のパッキンは、経年劣化で硬化したりひび割れたりすることがあります。これにより密閉性が損なわれ、隙間からガソリンが滲み出てしまうのです。
この場合、フューエルキャップを新しいものに交換するだけで解決することがほとんどです。しかし、キャップを交換しても漏れが収まらない場合は、燃料タンク本体や給油口につながるパイプに亀裂や破損が生じている可能性も考えられます。
ガソリン漏れは火災に直結する重大なトラブルです。絶対に放置せず、ただちにディーラーや整備工場で点検・修理を受けてください。

セルフスタンドでの給油のコツ

アトレーでセルフスタンドを利用する際に、少しだけ知っておくと便利なコツがあります。
それは、給油口の位置が低いということです。 アトレーの給油口は、一般的な乗用車に比べてかなり低い位置に設置されています。そのため、給油ノズルを差し込む際に、少し中腰の姿勢になる必要があります。 人によってはこの姿勢が少し辛いと感じるかもしれません。給油する際は、無理のない楽な体勢を見つけて作業するように心がけましょう。
また、給油がオートストップで止まった後の「継ぎ足し給油」は厳禁です。吹きこぼれの原因になるだけでなく、気化したガソリンが車体内部に入り込み、トラブルを引き起こす可能性もあります。オートストップが作動したら、それ以上の給油はしないようにしましょう。

まとめ：アトレーの給油口について正しく理解して快適なカーライフを

今回は、ダイハツ・アトレーの給油口について、位置や開け方、燃料の種類、そしてトラブル時の対処法まで幅広く解説しました。

• アトレーの給油口は運転席側（右側）のBピラー下部にあります。
• 開ける際は、運転席シート右脇の床にあるレバーを引きます。
• 燃料は無鉛レギュラーガソリンで、タンク容量は現行モデルで38Lです。
• 給油口が開かない時は、まずレバー周りの確認や、冬場であれば凍結を疑ってみましょう。
• 個人での対処が難しいトラブルの場合は、無理せずディーラーやロードサービスに相談することが重要です。

アトレーの給油口は少し特徴的な位置にありますが、一度場所と開け方を覚えてしまえば何も難しいことはありません。この記事で得た知識を活かして、日々の給油をスムーズに行い、安全で快適なアトレーとの毎日をお楽しみください。