愛車のドレスアップの第一歩として人気が高いエアロパーツ。その多くは、DIYでも比較的簡単に取り付けられる両面テープで固定されています。 しかし、「両面テープだけで本当に大丈夫?」「走行中に剥がれたりしない?」といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、エアロパーツ用の両面テープは、正しく選び、適切な手順で貼り付けることで、専門業者に依頼したような強固な固定が可能です。
この記事では、エアロパーツの取り付けに最適な両面テープの選び方から、失敗しないための正しい貼り付け手順、さらにはきれいに剥がす方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。この記事を読めば、あなたも自信を持ってエアロパーツの取り付けに挑戦できるはずです。
エアロパーツの両面テープ選び!種類と特徴を知ろう

エアロパーツを確実に取り付けるためには、まず適切な両面テープを選ぶことが重要です。市販されている両面テープには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、エアロパーツに適した両面テープの選び方について、素材や厚み、接着力などの観点から詳しく見ていきましょう。
基材(ベースの素材)の種類と特徴
自動車の外装パーツに使われる両面テープの基材には、主に「アクリルフォーム」が使用されています。
- アクリルフォーム基材: 柔軟性が高く、接着面の凹凸やカーブによくなじむのが特徴です。 また、耐候性や耐熱性にも優れており、温度変化の激しい屋外環境でも安定した接着力を長期間維持します。 エアロパーツのように、常に風雨や紫外線にさらされるパーツには、このアクリルフォーム基材のテープが最適です。 自動車メーカーのラインでも使用されるなど、その信頼性は非常に高いと言えるでしょう。
- ブチルゴム系基材: 非常に粘着力が高く、防水性に優れていますが、熱に弱いという側面もあります。主に防水処理や隙間を埋める用途で使われることが多く、エアロパーツの固定にはアクリルフォーム系が一般的です。
テープの厚みと選び方
両面テープには様々な厚みのラインナップがあります。一般的に0.4mm、0.8mm、1.2mmといった厚さが主流です。
- 比較的平坦な面: 0.8mm程度の標準的な厚みで十分な接着力が得られます。
- 凹凸やカーブのある面: 1.2mm以上の厚手のテープを選ぶと、凹凸への追従性が高まり、より確実に密着させることができます。
エアロパーツとボディの間に隙間ができてしまう場合は、厚手のテープを選ぶことで隙間を埋め、しっかりと固定することが可能になります。
接着力の強さと耐候性
エアロパーツ用の両面テープを選ぶ上で、「強力」や「超強力」といった表示は重要な指標となります。 特に、走行中の風圧や振動に耐える必要があるため、最終的な接着強度が高い製品を選びましょう。
また、屋外で使用するため、以下の性能は必須条件です。
- 耐候性: 紫外線や雨風による劣化に強いこと。
- 耐熱性: 夏場の高温やエンジン熱による接着力の低下を防ぐこと。
- 防水性: 雨水などが侵入して接着力が弱まるのを防ぐこと。
これらの性能を備えた、自動車外装用(車外用)と明記された製品を選ぶことが失敗しないためのポイントです。 有名なメーカーとしては、3M(スリーエム)やエーモンなどが、信頼性の高い製品を多数ラインナップしています。
これで完璧!エアロパーツ両面テープの正しい貼り付け手順
最適な両面テープを選んだら、次はいよいよ貼り付け作業です。両面テープの性能を100%引き出すためには、正しい手順で丁寧に作業することが何よりも大切です。ここでは、失敗しないための貼り付け手順を4つのステップに分けて詳しく解説します。
STEP1:最重要工程!「洗浄」と「脱脂」
両面テープを貼り付ける上で、最も重要なのが「脱脂」です。 ボディの塗装面には、目に見えない油分やワックス、ホコリなどが付着しています。これらが残っていると、両面テープの粘着剤がうまく密着せず、接着力が大幅に低下してしまいます。
- 洗浄: まずはカーシャンプーなどで貼り付け面の汚れや砂ボコリをきれいに洗い流し、水分を完全に拭き取ります。
- 脱脂: 次に、「シリコンオフ」や「パーツクリーナー」といった専用の脱脂剤をきれいな布に含ませ、貼り付け面を丁寧に拭き上げます。 この時、ゴシゴシ擦るのではなく、油分を拭き取るように優しく作業するのがコツです。
STEP2:ズレを防ぐ「位置決め」と「マスキング」
両面テープは非常に強力なため、一度貼り付けると貼り直しが困難です。 そのため、貼り付け前に正確な位置を決めておくことが成功の鍵となります。
- 仮合わせ: まず、両面テープを貼る前にエアロパーツをボディに仮合わせします。
- 位置決め: 全体のバランスを見ながら、最適な取り付け位置を慎重に決定します。 少し離れた場所から確認すると、全体のバランスが掴みやすいです。
- マーキング: 位置が決まったら、マスキングテープなどを使って、エアロパーツの輪郭や端の位置がわかるようにボディ側に印を付けます。 このひと手間で、本番の貼り付け時にズレるのを防ぐことができます。
STEP3:テープの貼り付けと確実な「圧着」
いよいよ両面テープを貼り付けていきます。ここでもいくつかのコツがあります。
- エアロパーツ側への貼り付け: まずは、エアロパーツの接着面に両面テープを貼り付けます。この時、空気が入らないように端からゆっくりと貼り、ローラーなどでしっかりと圧着しておくと良いでしょう。
- 剥離紙の工夫: 剥離紙(テープの保護フィルム)を全部剥がさずに、端の部分だけを少し剥がして外側に折り返しておきます。
- ボディへの取り付け: マスキングテープの印に合わせてエアロパーツを慎重に位置合わせし、軽い力で仮止めします。
- 剥離紙を剥がす: 位置に問題がなければ、外側に折り返しておいた剥離紙をゆっくりと引き抜いていきます。
- 圧着: 最後に、パーツ全体を均等な力で強く押し付けて圧着します。特にテープの端は念入りに圧着してください。メーカーによっては、一定の力(例:49N)での圧着を推奨している場合もあります。
STEP4:接着力を高める「プライマー」と「養生」
より強固な接着力を得るために、「プライマー」の使用と、貼り付け後の「養生」が非常に効果的です。
- プライマー(接着促進剤): プライマーは、両面テープを貼る前に接着面に塗布することで、粘着剤の密着性を格段に向上させる液体です。 特に、樹脂(PP素材など)でできたエアロパーツやバンパーへの接着には絶大な効果を発揮します。 貼り付けたい部分に薄く塗り、十分に乾燥させてから両面テープを貼ります。
- 養生: 両面テープは、貼り付けた直後が最も接着力が弱く、約24時間かけて本来の接着強度に達します。 そのため、貼り付け後すぐの走行や洗車は避けるべきです。 特に気温が低い日(15℃以下)は接着力が安定しにくいため、作業を避けるか、ドライヤーなどで接着面を人肌程度に温めながら作業すると効果的です。
エアロパーツを両面テープだけで固定するのは大丈夫?

DIYでエアロパーツを取り付ける際、多くの人が抱くのが「両面テープだけで本当に剥がれないのか?」という疑問でしょう。ここでは、両面テープ固定のメリット・デメリットから、ビス止めとの併用、そして車検の問題まで、気になる強度と安全性について解説します。
両面テープ固定のメリット・デメリット
エアロパーツの固定に両面テープを使うことには、多くのメリットがありますが、同時に知っておくべきデメリットも存在します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ボディに穴を開けずに済む | 接着前の下地処理(脱脂)が非常に重要 |
| DIYでも手軽に取り付けが可能 | 一度貼ると位置の微調整が難しい |
| 取り外した際に元の状態に戻しやすい | 時間の経過とともに接着力が劣化する可能性がある |
| 比較的コストが低い | 重量のあるパーツや大きな風圧を受けるパーツには不向きな場合がある |
最大のメリットは、車体に穴を開ける必要がない点です。これにより、車体の価値を損なうことなく、気軽にドレスアップを楽しむことができます。
ビス(ネジ)止めとの併用が推奨されるケース
すべてのエアロパーツが両面テープだけで固定できるわけではありません。以下のようなケースでは、安全性を確保するためにビスやボルトでの固定を併用することが強く推奨されます。
- 大型・重量のあるエアロパーツ: フロントバンパー、サイドステップ、GTウイングなど、パーツ自体の重量が大きいもの。
- 大きな風圧を受けるパーツ: 高速走行時に大きなダウンフォース(車体を地面に押し付ける力)が発生するリアウイングなど。
- メーカーがビス止めを推奨しているパーツ: 取り付け説明書でビス止めが指定されている場合は、必ず従ってください。
両面テープだけでも十分なエアロパーツの種類
一方で、以下のような比較的軽量で、大きな力がかからないエアロパーツであれば、適切な両面テープと正しい施工方法を守ることで、両面テープのみでも十分な強度を確保することが可能です。
- リップスポイラー
- アイライン
- ルーフスポイラー(小型のもの)
- ドアミラーカバー
- エンブレムなどの小物アクセサリー
これらのパーツは、主にドレスアップ目的であり、走行性能に大きく影響するほどの力はかかりにくいのが特徴です。
車検は通る?保安基準について
正しく取り付けられたエアロパーツは、基本的に車検に通ります。 エアロパーツは「指定部品」に分類されており、溶接などの恒久的な方法で取り付けない限り、一定の範囲内での変更は軽微なものと見なされるためです。
ただし、車検をクリアするためには、以下の保安基準を満たす必要があります。
- 最低地上高: 車体の最も低い部分が地面から9cm以上離れていること。
- 車体の寸法: 車検証に記載されている全長±3cm、全幅±2cm、全高±4cmの範囲内に収まっていること。
- 鋭い突起がないこと: 歩行者などに危害を及ぼすような鋭利な形状でないこと。エッジ部分は半径5mm以上の丸みが必要です。
- 灯火類を妨げない: ヘッドライトやウインカー、テールランプなどの視認性を妨げないこと。
両面テープでしっかりと固定され、走行中に脱落する危険性がなく、上記の保安基準を満たしていれば、車検で問題になることはありません。
困ったときの対処法!両面テープのトラブル解決
丁寧に作業しても、時間が経つと「パーツの端が浮いてきた」「仕様変更で取り外したくなった」といったトラブルが発生することがあります。ここでは、そんな「困ったとき」の対処法を、補修方法からきれいな剥がし方まで、具体的に解説します。
エアロパーツが浮いてきた場合の補修方法
エアロパーツの端が少し浮いてきた程度であれば、簡単な補修で対応できる場合があります。
- 清掃と脱脂: まず、浮いている部分の隙間に入り込んだ汚れをきれいに取り除き、パーツクリーナーなどで脱脂します。
- 両面テープの追加: 隙間に新しい強力両面テープを差し込み、貼り付けます。この時、厚みのあるテープを使うと隙間を埋めやすいです。
- 圧着: ヘラのようなもので奥までしっかりと押し込み、圧着します。
- コーキング: 接着力を補強し、水の侵入を防ぐために、パーツの縁を黒やクリアのシリコンコーキング剤で埋めるのも効果的です。
ただし、広範囲にわたって浮きや剥がれが見られる場合は、中途半端な補修は危険です。 一度完全にエアロパーツを取り外し、古い両面テープをすべて除去してから、新しいテープで貼り直すことを強くおすすめします。
きれいに剥がす方法とコツ
エアロパーツを取り外す際、力まかせに剥がそうとすると、パーツやボディの塗装を傷める原因になります。以下の道具と手順で、安全かつきれいに剥がしましょう。
- 準備するもの:
- ヒートガンまたはドライヤー: 両面テープの粘着剤を温めて柔らかくします。
- 釣り糸またはタコ糸: パーツとボディの隙間に入れ、テープを切断します。
- プラスチック製のヘラ(スクレーパー): 塗装を傷つけにくい素材のもの。
- 剥がし方の手順:
- 温める: ヒートガンやドライヤーで、エアロパーツの縁をゆっくりと温めます。塗装を傷めないよう、一点に集中させず、全体を均一に温めるのがコツです。
- 隙間を作る: パーツの端が少し浮いてきたら、プラスチック製のヘラを慎重に差し込み、隙間を広げます。
- 糸で切る: できた隙間に釣り糸を通し、両端を持って左右に動かしながら、のこぎりのように両面テープを切断していきます。
- ゆっくり剥がす: 全体のテープが切れたら、ゆっくりとエアロパーツをボディから取り外します。
剥がした後の糊(のり)残りの除去方法
エアロパーツを剥がした後は、ボディ側に両面テープの糊が残ってしまいます。この糊残りも、正しい方法で除去しないと塗装を傷つける可能性があります。
- 指やヘラで大まかに除去: まずは指でこすったり、プラスチック製のヘラで優しく削ぎ落としたりして、大きな塊を取り除きます。
- 専用の除去剤を使用: 次に、「ステッカー剥がし剤」や「両面テープはがし剤」といった専用の溶剤を使います。 糊残りにスプレーまたは塗布し、成分が浸透するまで数分待ちます。
- 拭き取る: 糊がふやけてきたら、きれいなウエス(布)で拭き取ります。 頑固な場合は、この作業を数回繰り返します。
- 仕上げ: 最後に、コンパウンド(磨き剤)で軽く磨くと、糊の跡や細かい傷が消え、元のきれいな塗装面に戻ります。
まとめ:エアロパーツと両面テープを理解して安全なカスタムを楽しもう

この記事では、エアロパーツの取り付けに欠かせない両面テープについて、選び方から貼り付け、剥がし方までを詳しく解説しました。
- テープ選びの基本: エアロパーツには、耐候性・耐熱性に優れたアクリルフォーム基材の自動車外装用「超強力」両面テープを選びましょう。
- 成功の鍵は下準備: 貼り付け作業で最も重要なのは「脱脂」です。 事前の洗浄と脱脂を徹底することで、テープの性能を最大限に引き出せます。
- 正しい手順で確実に: 「位置決め」「圧着」「養生」といった基本的な手順を一つひとつ丁寧に行うことが、走行中の脱落を防ぎ、安全なカーライフにつながります。
- 強度と安全性: 軽量なパーツは両面テープだけでも十分ですが、重量のあるパーツや大きな風圧を受けるパーツはビス止めとの併用が安全です。
- トラブルも怖くない: 万が一、浮きや剥がれが発生しても、正しい知識があれば補修やきれいな取り外しが可能です。
両面テープは、手軽に愛車のドレスアップを実現できる便利なアイテムです。 しかし、その手軽さゆえに、使い方を誤ると大きな事故につながる危険性もはらんでいます。本記事で紹介したポイントをしっかりと押さえ、あなたの愛車をより安全に、そしてよりスタイリッシュにカスタマイズしてください。



コメント