ダイハツの人気軽自動車「ムーヴキャンバス」。そのおしゃれで可愛らしいデザインに惹かれる方も多いのではないでしょうか。しかし、日常の使い勝手を考えると「荷室の広さや寸法」はとても気になりますよね。特に、スーパーでのまとめ買い、家族とのお出かけ、趣味の道具を積むときなど、荷室のスペックは車選びの重要なポイントです。
この記事では、ムーヴキャンバスの荷室寸法について、後部座席を動かしたときの広さの変化や、便利な収納機能まで、詳しく解説していきます。「デザインは気に入ったけど、思ったより荷物が積めなかった…」なんて後悔をしないためにも、ぜひ最後までチェックして、あなたのカーライフに合うかどうかを確かめてみてください。
ムーヴキャンバスの荷室寸法を徹底チェック!

ムーヴキャンバスの荷室は、コンパクトな見た目以上に工夫が凝らされており、日常使いからレジャーまで幅広く対応できる可能性を秘めています。ここでは、基本的な寸法から、後部座席のシートアレンジによって荷室がどれだけ広くなるのかを、具体的な数値と共に見ていきましょう。
基本的な荷室の寸法(高さ・幅・奥行き)
まずは、後部座席を通常の位置で使っている状態の基本的な荷室寸法から見ていきましょう。
ムーヴキャンバスの基本的な荷室寸法(後部座席使用時)
- 荷室床面幅:約880mm
- 荷室高:約855mm
- 奥行き:約330mm
幅と高さは十分に確保されていますが、奥行きは約330mmと少しコンパクトです。これは、後部座席の足元スペースを広く取るための設計思想によるものです。そのため、日常の買い物でスーパーの買い物かご2〜3個分くらいの荷物であれば、問題なく積むことができます。
しかし、奥行きが少し短めなので、大きなスーツケースやベビーカーなどを積む際には、少し工夫が必要になるかもしれません。ですが、心配はいりません。ムーヴキャンバスには、この奥行きの短さをカバーするための便利な機能が備わっています。それが、後部座席のスライド機能です。
後部座席のスライドで奥行きはどう変わる?
ムーヴキャンバスの大きな魅力の一つが、左右独立で前後にスライドできる後部座席です。 この機能を使うことで、乗車人数や荷物の大きさに合わせて、荷室の奥行きを柔軟に変えることができます。
後部座席は、最大で240mmも前方にスライドさせることが可能です。 例えば、後部座席の片側だけ人を乗せて、もう片方は一番前にスライドさせれば、長さのある荷物を積みながら3人乗車するといった使い方ができます。
もし後部座席に誰も乗らない場合は、両方の座席を一番前にスライドさせることで、荷室の奥行きを大幅に拡大できます。基本的な奥行きが約330mmなので、単純計算で最大約570mm(330mm + 240mm)まで奥行きを広げられることになります。これにより、大きめの段ボールや複数の買い物かご、少し大きめのペットケージなども安定して積むことができるようになります。このシートスライド機能は、普段使いでの「あともう少しだけ荷室が広ければ…」という場面で、非常に役立つ機能と言えるでしょう。
最大限に広く使いたい!後部座席を倒したときの寸法
もっと大きな荷物や、たくさんの荷物を積みたいときには、後部座席の背もたれを前に倒すことで、荷室を最大限に活用できます。操作は簡単で、肩口にあるレバーを引きながら背もたれを倒すだけです。
後部座席を倒すと、広大でフラットに近い荷室空間が出現します。 完全なフルフラットではなく、少しだけ傾斜が残りますが、段差はほとんどないため、大きな荷物もスムーズに積み込むことが可能です。
この状態での荷室の奥行きは、約1,360mmにもなります。これだけの広さがあれば、例えば以下のような大きな荷物も積載可能です。
- 小型の自転車(前輪を外すなどの工夫が必要な場合もあります)
- ゴルフバッグ(横向きに積載可能)
- DIYの木材やカーペットなどの長尺物
- 大きめのスーツケースやキャンプ用品
また、片側の座席だけを倒すこともできるので、3人乗車しながらスキー板やスノーボード、釣り竿のような長いものを積むといった使い方もできます。 このように、ムーヴキャンバスはシートアレンジを駆使することで、見た目からは想像できないほどの積載能力を発揮してくれるのです。
ここがすごい!ムーヴキャンバスの便利な荷室機能

ムーヴキャンバスの魅力は、単に荷室が広いだけではありません。ユーザーの「あったらいいな」を形にした、ユニークで便利な収納機能が満載です。特に後部座席周りの収納は秀逸で、日常の使い勝手を格段に向上させてくれます。ここでは、ムーヴキャンバスならではの便利な荷室機能をご紹介します。
後部座席下の隠れた収納「置きラクボックス」
ムーヴキャンバスの代名詞とも言えるのが、後部座席のシート下に設けられた引き出し式の収納「置きラクボックス」です。 これは、デッドスペースになりがちな後部座席の下を有効活用した、画期的な収納スペースです。
「置きラクボックス」には、2つのモードがあります。
ケースモード
引き出しを閉じた状態で、普段は使わないけれど車に積んでおきたい洗車グッズや子どもの着替え、ブランケットなどをすっきりと収納できます。外から荷物が見えないので、車内をきれいに保ちたい方や、防犯面で気になる方にも安心です。
バスケットモード
引き出しを開けて、中からボード(ついたて)を立ち上げると、買い物かごのように早変わりします。スーパーで買った卵や、倒れやすいお豆腐のパック、ケーキの箱などをこのバスケットモードで固定すれば、運転中に荷物が転がってしまう心配がありません。2022年のフルモデルチェンジで、このバスケットモードへの切り替えが片手で簡単にできるようになったのも嬉しいポイントです。
この「置きラクボックス」は、後部座席の足元に直接買い物袋を置くよりも安定感があり、ブレーキのたびに荷物が倒れるストレスから解放してくれます。
充実のポケッテリアで小物をすっきり収納
ムーヴキャンバスは、大きな荷室だけでなく、車内のいたるところに設けられた「ポケッテリア」(小物収納)も非常に充実しています。運転席や助手席周りはもちろん、後部座席の乗員にとっても使いやすい工夫が凝らされています。
運転席・助手席周り
インパネセンタートレイ:スマートフォンを置くのに最適なスペース。オプションでワイヤレス充電機能「Qi」を追加することも可能です。
ホッとカップホルダー(G・Gターボグレード):保温機能が付いており、飲み物を温かいままキープできます。
グローブボックス:車検証や取扱説明書のほか、メイクポーチなども収納できる一般的なサイズ感です。
助手席シートアンダートレイ:助手席の下にも収納スペースがあり、替えの靴や掃除道具など、少し汚れる可能性があるものを収納するのに便利です。
後部座席周り
シートバックポケット(G・Gターボグレード):助手席の背面にあり、雑誌やタブレットなどを収納できます。
これらの細やかな収納スペースが、車内を常に整理整頓された快適な空間に保つのに役立ちます。
床下にも収納スペースが!アンダートランクの活用法
荷室の床下にも、まだ収納スペースが隠されています。それが*「ラゲージアンダーボックス」(アンダートランク)です。
この床下収納は、デッキボードを開けると現れるスペースで、観葉植物のような高さのある荷物を積むときに非常に便利です。デッキボードを外してアンダートランクの深さを利用すれば、荷室の高さをさらに有効活用でき、背の高い荷物も安定して積むことができます。
また、濡れた傘や長靴、汚れたアウトドア用品など、他の荷物とは分けて収納したいものを入れるのにも最適です。 こうしたものをアンダートランクに入れておけば、車内を汚す心配がありません。
新型と旧型で荷室はどう違う?寸法と使い勝手を比較

ムーヴキャンバスは2022年7月に初のフルモデルチェンジを行いました。 見た目のデザインは初代のイメージを色濃く残していますが、室内空間や使い勝手はどのように進化したのでしょうか。ここでは、新型と旧型の荷室や内装の違いを比較してみましょう。
新型(LA850S/LA860S系)の荷室寸法と特徴
2022年7月から販売されている現行モデル(2代目)は、キープコンセプトのデザインながら、中身は大きく進化しています。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| 室内長 | 2,180mm |
| 室内幅 | 1,345mm |
| 室内高 | 1,275mm |
旧型と比較して、室内長が65mm長くなっているのが最大のポイントです。これにより、後部座席の足元空間や荷室の使い勝手がさらに向上しました。
また、内装デザインも大きく変更され、旧型のセンターメーターから運転席の前にメーターが配置される一般的なレイアウトになりました。 これにより、視線移動が少なくなり、より運転に集中しやすくなっています。水平基調のデザインで、すっきりと開放感のあるインテリアも特徴です。
さらに、ユーザーからの要望が多かったターボエンジン搭載グレードが追加されたのも大きなトピックです。 高速道路や坂道での走行が多い方にとって、より快適なドライブが可能になりました。
旧型(LA800S/LA810S系)の荷室寸法と特徴
2016年9月から2022年7月まで販売されていた初代モデルも、非常に完成度の高い車です。中古車市場でも人気が高く、魅力的な選択肢の一つです。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| 室内長 | 2,115mm |
| 室内幅 | 1,345mm |
| 室内高 | 1,285mm |
新型と比較すると室内長は短いものの、室内高は10mm高い設計になっています。基本的な荷室の使い勝手や、「置きラクボックス」などの便利な機能は初代から備わっており、日常使いで不便を感じることは少ないでしょう。
旧型の特徴は、インパネの中央に配置されたセンターメーターです。 これにより、運転席周りがすっきりとし、助手席からの視認性も良いというメリットがありました。内装のデザインも、丸みを帯びた可愛らしいモチーフが多く採用されており、現行モデルとはまた違った魅力があります。中古車で探す場合は、価格がこなれている点も大きなメリットと言えるでしょう。
乗り換えるなら?新型の進化したポイント
旧型から新型への乗り換えを検討している方や、どちらを購入するか迷っている方のために、新型の進化したポイントをまとめました。
進化したポイント
- より広くなった室内空間:室内長が拡大し、居住性と積載性が向上。
- 運転しやすいメーター配置:視線移動の少ない運転席前のメーターに変更。
- パワフルなターボモデルの追加:走行性能を重視する方に新たな選択肢。
- 最新の安全装備:進化した「スマートアシスト」を搭載し、安全性能が向上。
- 便利な新機能:電動パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能、保温機能付きのカップホルダーなど、快適装備が充実。
デザインの好みは分かれるかもしれませんが、走行性能や快適性、安全性を重視するなら新型がおすすめです。一方で、コストを抑えたい方や、旧型のデザインが気に入っている方にとっては、状態の良い中古の旧型モデルも十分に満足できる選択肢となるでしょう。
ライバル車と荷室を比較!ムーヴキャンバスの広さは?
軽自動車には魅力的なモデルがたくさんあり、どの車が自分に合っているのか迷ってしまいますよね。特に、ムーヴキャンバスと同じように「スライドドア」を持つ軽ハイトワゴンは強力なライバルです。ここでは、代表的なライバル車と荷室や室内の広さを比較してみましょう。
スズキ「ワゴンRスマイル」との荷室比較
ムーヴキャンバスの最大のライバルと言えるのが、スズキの「ワゴンRスマイル」です。 どちらも可愛らしいデザインとスライドドアが特徴で、コンセプトが非常に似ています。
| 車種 | 室内長 | 室内幅 | 室内高 |
|---|---|---|---|
| ムーヴキャンバス | 2,180mm | 1,345mm | 1,275mm |
| ワゴンRスマイル | 2,150mm | 1,330mm | 1,300mm |
数値を比較すると、ムーヴキャンバスの方が室内長で30mm長く、室内幅も若干広くなっています。一方で、ワゴンRスマイルは室内高が25mm高い設計です。荷室の広さや後席の足元スペースではムーヴキャンバスがやや有利、頭上の開放感ではワゴンRスマイルが勝ると言えるでしょう。デザインの好みや、後部座席下の収納(置きラクボックス)の有無などが、選択の決め手になりそうです。
スズキ「スペーシア」との荷室比較
次に、軽スーパーハイトワゴンの人気モデル、スズキ「スペーシア」と比較してみましょう。「スーパーハイトワゴン」とは、ムーヴキャンバスのような「ハイトワゴン」よりもさらに全高が高いタイプの軽自動車です。
| 車種 | 室内長 | 室内幅 | 室内高 |
|---|---|---|---|
| ムーヴキャンバス | 2,180mm | 1,345mm | 1,275mm |
| スペーシア | 2,155mm | 1,345mm | 1,410mm |
室内長ではムーヴキャンバスが上回っていますが、スペーシアの室内高は1,410mmと圧倒的です。 この高さは、荷室の使い勝手に大きく影響します。背の高い荷物を積む機会が多い方や、小さなお子さんが車内で着替えることがあるようなファミリーには、スペーシアの広大な室内空間は非常に魅力的です。ただし、全高が高くなる分、重心が高くなり、横風の影響を受けやすくなるなどのデメリットも考慮する必要があります。
ホンダ「N-BOX」との荷室比較
軽自動車の絶対王者、ホンダ「N-BOX」とも比較してみましょう。N-BOXもスペーシアと同様にスーパーハイトワゴンに分類されます。
| 車種 | 室内長 | 室内幅 | 室内高 |
|---|---|---|---|
| ムーヴキャンバス | 2,180mm | 1,345mm | 1,275mm |
| N-BOX | 2,245mm | 1,350mm | 1,400mm |
N-BOXは、室内長、室内幅、室内高のすべての項目でムーヴキャンバスを上回っています。特に室内長は65mmも長く、後部座席の足元空間は軽自動車とは思えないほどの広さです。荷室の広さや積載能力を最優先するなら、N-BOXは非常に強力な選択肢となります。
しかし、ムーヴキャンバスには、N-BOXにはない「置きラクボックス」のような独自の収納機能や、唯一無二のデザイン性があります。単純な広さだけでなく、自分のライフスタイルに合った使い勝手やデザインで選ぶことが大切です。
こんなものまで積める!ムーヴキャンバス荷室の積載例

カタログの寸法だけでは、実際にどれくらいのものが積めるのかイメージしにくいですよね。ここでは、具体的なシーンを想定して、ムーヴキャンバスの荷室にどのようなものが積めるのかを見ていきましょう。
日常の買い物での積載イメージ
普段のスーパーでの買い物では、ムーヴキャンバスの荷室は全く問題なく活躍してくれます。後部座席を一番後ろに下げた状態でも、スーパーの買い物かご2〜3個分の荷物は余裕で積むことができます。
そして、ここでも活躍するのが「置きラクボックス」です。卵や牛乳、お惣菜など、倒したくないものは後部座席下のバスケットモードに入れ、重たいお米やペットボトル飲料などを荷室に積む、といった使い分けが可能です。後部座席のスライド機能を使えば、週末のまとめ買いで荷物が増えても安心。荷室の奥行きを広げれば、大きな段ボールやトイレットペーパー、ティッシュペーパーのまとめ買いストックなども楽々積むことができます。
ベビーカーは積める?子育て世代の活用術
子育て世代にとって、ベビーカーが積めるかどうかは死活問題です。ムーヴキャンバスの荷室は、後部座席を前にスライドさせるなどの工夫をすれば、一般的なA型やB型のベビーカーを積むことが可能です。ただし、大型のベビーカーや、3輪タイプの特殊なベビーカーの場合は、後部座席の片側を倒す必要があるかもしれません。
ベビーカーを積む際は、後部座席を一番前にスライドさせて荷室の奥行きを確保し、ベビーカーを横向き、あるいは斜めにして積むのが一般的です。購入前に、実際に使っているベビーカーが積めるかどうかをディーラーの試乗車で試させてもらうのが最も確実でしょう。
また、両側スライドドアは、子どもを抱っこしながらでも乗り降りしやすく、狭い駐車場で隣の車にドアをぶつける心配がないため、子育て世代には非常に嬉しい装備です。
趣味の道具(ゴルフバッグ・釣り具など)は積める?
趣味の時間を楽しむ方にとっても、ムーヴキャンバスは頼れる相棒になります。
ゴルフバッグ
後部座席を倒せば、ゴルフバッグも問題なく積載できます。フラットな空間になるため、横向きに安定して置くことが可能です。人数や荷物の量に応じて、後部座席の片側だけを倒して2名乗車+ゴルフバッグ2つ、といった積み方もできるでしょう。
釣り具
長さのある釣り竿(ロッド)も、後部座席の片側を倒せば余裕で積むことができます。助手席まで倒せば、さらに長いものでも積載可能です。クーラーボックスやタックルボックス、バッカンなどは、後部座席を倒した広いスペースにまとめて置くことができます。ラゲージアンダーボックスに汚れた長靴などを収納できるのも、釣り好きには嬉しいポイントです。
まとめ:ムーヴキャンバスの荷室寸法と使い勝手の総評

今回は、ダイハツ・ムーヴキャンバスの荷室寸法と使い勝手について、詳しく解説しました。
ムーヴキャンバスの荷室は、単に広いだけでなく、使う人のことを第一に考えた工夫がたくさん詰まっています。後部座席を一番後ろにした状態での奥行きは少しコンパクトですが、左右独立で大きくスライドする後部座席や、背もたれを倒すことで、日常の買い物から大きな荷物の積載まで柔軟に対応できます。
特に、後部座席下の「置きラクボックス」や荷室床下の「ラゲージアンダーボックス」といったユニークな収納機能は、ムーヴキャンバスならではの大きな魅力です。これらの機能を使いこなすことで、車内をすっきりと保ちながら、賢く荷物を収納することができます。
可愛らしいデザインに目が行きがちですが、その中身は実用性に優れた非常に使い勝手の良い一台です。この記事を参考に、ぜひ一度、実車に触れてその広さと便利さを体感してみてください。



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