スタイリッシュなデザインと、スバルならではの走行性能で人気のステーションワゴン「レヴォーグ」。 購入を検討している方や、すでにオーナーの方の中には、「レヴォーグは故障が多い」という噂を耳にして、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切な愛車とは、できるだけ長く、安心して付き合っていきたいものです。
この記事では、インターネット上の口コミやリコール情報などを基に、「レヴォーグは故障が多い」という噂の真相を探ります。年式ごとの具体的な故障事例や、万が一の際の修理費用、そして故障を未然に防ぎ、レヴォーグの魅力を最大限に楽しむためのメンテナンスのコツまで、分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、レヴォーグとのカーライフをより一層楽しむためのヒントが見つかるはずです。
レヴォーグは故障が多いって本当?噂の真相を探る

「レヴォーグは故障が多い」という言葉だけを聞くと、購入をためらってしまうかもしれません。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。ここでは、オーナーの生の声や公表されているデータから、その真相に迫ります。
実際のオーナーの声や口コミの傾向
インターネットの口コミやSNSを見ると、レヴォーグの故障に関する投稿は確かに存在します。 特に、初代(VM系)の初期モデルでは、特定の部品に関する不具合の報告がいくつか見られます。 例えば、オプションパーツのLEDアクセサリーライナーに錆が発生する、トランスミッションであるCVTから不自然なショックを感じる、といった声が挙がっています。
ただし、これらの声が「レヴォーグ全体が故障だらけ」ということを示しているわけではありません。 どの車種にも、年式やモデルによって特有のウィークポイントは存在します。レヴォーグの場合、走行性能に関わる重要な部分の故障は少ない一方で、初期モデル特有の細かな不具合や、電装系のトラブルに関する声が比較的多い傾向にあるようです。
リコール情報から見る故障の傾向
自動車メーカーは、設計・製造段階に起因する不具合が発見された場合、リコール(回収・無償修理)を届け出ます。これは、安全性を確保するための重要な制度であり、リコールの内容を見ることで、その車種が抱える弱点を知る手がかりになります。
レヴォーグも過去にいくつかのリコールが届け出られています。
- 2代目(VN系)のリコール例:
- EGR圧力センサの不具合: 排気ガスの一部を再循環させる装置のセンサーに不具合があり、警告灯の点灯や加速不良、最悪の場合はエンジンが始動しない恐れがあるとしてリコールが届け出られました。
- インヒビタスイッチの不具合: シフトレンジの位置を検知するスイッチのシール性が不足し、内部に水分が浸入することで始動不良や後退灯が点灯しない恐れがありました。
- データコミュニケーションモジュールの不具合: 通信機能が停止し、事故自動緊急通報装置が作動しない恐れがあるとしてリコールが出されています。
- アイサイトのプログラム不具合: 衝突被害軽減ブレーキが意図しない場面で作動する可能性がありました。
これらの情報を見ると、特に2代目(VN系)では、エンジン制御や先進安全装備に関連する電子系のプログラムに起因するリコールが目立ちます。 これは、近年の自動車が高度な電子制御によって成り立っていることの裏返しとも言えるでしょう。重要なのは、こうしたリコールに対してメーカーがきちんと対応しているかという点です。リコール対象になった場合は、速やかに正規ディーラーで無償修理を受けることができます。
他の車種と比較して故障率は高いのか?
「レヴォーグの故障率が他の車種と比べて高いのか」を客観的に示す公式なデータは、残念ながら一般には公開されていません。 民間の調査会社によるメーカー別の耐久品質調査などは存在しますが、車種別の詳細なデータは含まれていないのが現状です。
しかし、口コミやリコール情報を見る限り、「レヴォーグが他の国産車に比べて突出して壊れやすい」と断定するのは難しいでしょう。 むしろ、スバル車特有の水平対向エンジンやAWDシステム、そして先進安全技術「アイサイト」など、独自の複雑な機構を多く採用しているため、メンテナンスを怠ったり、特有の弱点を理解していなかったりすると、トラブルにつながりやすい側面があると考えられます。正しい知識を持ち、適切なメンテナンスを行うことが、レヴォーグと長く付き合う上で非常に重要になります。
【年式別】レヴォーグで報告の多い故障・トラブル事例
レヴォーグは、2014年に登場した初代(VM系)と、2020年にフルモデルチェンジした2代目(VN系)に大別されます。 それぞれのモデルで、報告されている故障やトラブルの傾向には違いがあります。
初代VM系(2014年~2020年)で多い故障
発売から時間が経過し、中古車市場でも多く見かけるようになった初代VM系。 走行距離が増えた個体も多く、経年劣化によるトラブルが報告され始めています。
- エンジン・点火系の劣化:
走行距離が10万kmを超えた車両では、点火プラグやイグニッションコイルといった点火系の部品の劣化が報告されています。 これらが劣化すると、エンジンのかかりが悪くなったり、加速時にもたつくような症状が出ることがあります。 水平対向エンジンは構造上、プラグ交換などの作業が複雑で工賃が高くなる傾向があるため注意が必要です。 - CVT(リニアトロニック)の不具合:
レヴォーグのトランスミッションには、リニアトロニックと呼ばれるCVTが採用されています。 初期モデルの一部では、変速ショックや異音、加速不良などのトラブルが報告されています。 原因はCVTフルードの劣化や、内部の油圧を制御するコントロールバルブの不具合などが考えられます。 - 足回りからのオイル漏れ:
スポーツグレードに採用されているビルシュタイン製ダンパーからのオイル漏れも、時折報告されるトラブルの一つです。 - 電装系の細かな不具合:
パワーウィンドウやドアロックを制御するスイッチの接触不良や、オプションのLEDアクセサリーライナーの錆なども、初期モデルで見られることがある不具合です。
2代目VN系(2020年~)で多い故障
2代目VN系は、プラットフォームを一新し、より高度な電子制御技術が多数採用されています。 そのため、トラブルも電子制御システムに関するものが中心となっています。
- インフォテインメントシステムの不具合:
大型のセンターインフォメーションディスプレイが特徴ですが、画面がフリーズする、再起動を繰り返すといったソフトウェア関連の不具合が報告されています。 これらは多くの場合、ソフトウェアのアップデートで改善されます。 - アイサイトX関連のエラー:
高度な運転支援システム「アイサイトX」に関連するセンサーのエラーや、警告灯の点灯といった事例が報告されています。 - エンジン関連のリコール:
前述の通り、EGR圧力センサーの不具合によるリコールが発生しています。 リコール対応後、アイドリングが不安定になったり、加速が悪くなったと感じるケースも一部で報告されているようです。
部品別によくある故障(エンジン、CVT、電装系など)
年式を問わず、レヴォーグで注意しておきたい部品別の故障をまとめました。
| 部品分類 | よくある故障・トラブル内容 |
|---|---|
| エンジン | ・オイル漏れ(特にヘッドカバー周辺) ・点火系(イグニッションコイル、プラグ)の劣化による不調 ・O2センサーの故障によるエンジン警告灯の点灯 |
| CVT | ・変速ショック、異音、滑り ・AT油温警告灯の点灯 ・コントロールバルブの不具合による動作不良 |
| 電装系 | ・アイサイトのエラー、警告灯の点灯 ・インフォテインメントシステムのフリーズ ・パワーウィンドウスイッチなどの接触不良 |
| 足回り | ・ビルシュタイン製ダンパーのオイル漏れ ・ブレーキの異音 |
| その他 | ・エアコンコンプレッサーの故障 ・マフラーの錆や腐食 |
レヴォーグの故障原因と修理費用の目安

万が一、愛車のレヴォーグが故障してしまった場合、原因と修理費用は誰もが気になるところです。ここでは、主要なトラブルとその修理費用の目安について解説します。
エンジン関連のトラブルと修理費用
レヴォーグの心臓部である水平対向ターボエンジン。高性能な分、メンテナンスが重要になります。
- オイル漏れ:
原因: エンジン各部の継ぎ目にあるパッキンやシールの経年劣化が主な原因です。特にヘッドカバーやカムキャリアからのオイル漏れは、水平対向エンジンの定番トラブルとも言えます。
修理費用: 漏れている箇所や作業の難易度によって大きく異なりますが、数万円から、エンジンを降ろす必要がある場合は20万円以上になることもあります。 - 点火系の不具合(失火、アイドリング不調):
原因: イグニッションコイルやスパークプラグが寿命を迎えると、正常に点火できなくなり、エンジンの不調に繋がります。
修理費用: 部品代と工賃を合わせて、1気筒あたり1.5万円~3万円程度が目安です。水平対向エンジンは作業スペースが狭いため、工賃がやや高めになる傾向があります。 - O2センサーの故障:
原因: 排気ガス中の酸素濃度を測るセンサーで、これが故障すると燃費の悪化やエンジン警告灯の点灯に繋がります。
修理費用: 部品代と工賃で3万円~5万円程度が目安です。
トランスミッション(リニアトロニックCVT)の不具合と費用
滑らかな走りを実現するCVTですが、一度故障すると修理費用が高額になりがちです。
- 変速ショックや異音:
原因: CVT内部の金属ベルトやプーリーの摩耗、油圧を制御するバルブボディの不具合、CVTフルードの劣化などが考えられます。
修理費用:- バルブボディの交換: 15万円~25万円程度。
- CVT本体の交換(リビルト品※): 40万円~60万円程度。
- CVT本体の交換(新品): 80万円~100万円に達することもあります。※リビルト品:中古部品を分解・洗浄し、消耗部品を新品に交換して再生したパーツのこと。新品より安価なのが特徴です。
電装系(アイサイト、インフォテインメント)の故障と費用
現代の車は電子機器の塊です。特にレヴォーグは先進機能が多いため、電装系のトラブルも念頭に置く必要があります。
- アイサイトの不具合:
原因: フロントガラスの汚れや悪天候による一時的な機能停止から、ステレオカメラ本体の故障まで様々です。 センサー類の故障も考えられます。
修理費用: 制御プログラムの書き換えなどで済む場合は数千円~1万円程度ですが、カメラユニットやセンサーの交換が必要になると10万円を超えることもあります。 - インフォテインメントシステムのフリーズ:
原因: ほとんどがソフトウェアのバグに起因します。
修理費用: ディーラーでのプログラム更新で対応することが多く、保証期間内であれば無償、保証期間外でも数千円程度で済む場合がほとんどです。
足回りやブレーキ関連のトラブルと費用
走行性能を支える重要な部分であり、定期的なチェックが欠かせません。
- ダンパーのオイル漏れ:
原因: 内部のシールの劣化により、オイルが漏れ出してしまいます。
修理費用: 純正品で1本あたり3万円~5万円程度、ビルシュタイン製などの高性能品はさらに高額になります。交換は左右セット、あるいは4本同時の交換が推奨されるため、総額では10万円~20万円以上になることもあります。 - ブレーキの異音・固着:
原因: ブレーキパッドの摩耗や、ブレーキキャリパーのピストンの錆などが原因です。
修理費用: ブレーキパッドの交換であれば1.5万円~3万円程度。キャリパーのオーバーホール(分解清掃)や交換が必要になると5万円以上かかることもあります。
故障を未然に防ぎ、レヴォーグに長く乗るためのメンテナンス術

レヴォーグの性能を維持し、故障のリスクを減らすためには、日頃のメンテナンスが何よりも大切です。ここでは、特に重要なポイントをいくつかご紹介します。
定期的なオイル交換の重要性
車の血液とも言われるオイル類は、定期的な交換が不可欠です。特にレヴォーグのようなターボエンジン搭載車は、オイルへの負荷が大きいため管理がより重要になります。
- エンジンオイル:
スバルの水平対向ターボエンジンは、オイル管理が性能と寿命を大きく左右します。 メーカーの推奨交換サイクルはありますが、走行状況によっては早めの交換がおすすめです。一般的には5,000km~7,000km、または半年に一度の交換が理想的です。 オイルフィルターもオイル交換2回に1回は交換しましょう。 - CVTフルード:
メーカーは「無交換」をうたっている場合もありますが、CVTを長持ちさせるためには定期的な交換が推奨されます。 走行距離が増えるとフルードは確実に劣化し、内部部品の摩耗や故障の原因となります。 走行距離が5万kmを超えたら、一度ディーラーや専門の工場で点検・相談し、交換を検討するのが安心です。
スバル車特有のメンテナンスポイント
レヴォーグならではの構造を理解し、ポイントを押さえたメンテナンスを行いましょう。
- 水平対向エンジンのチェック:
構造上、エンジン上部からのオイル漏れが確認しづらいことがあります。定期点検の際には、リフトアップしてエンジン下回りからのオイル滲みや漏れがないか、プロの目でしっかりとチェックしてもらうことが大切です。 - AWD(四輪駆動)システムのメンテナンス:
前後輪のタイヤサイズや摩耗度が大きく異なると、駆動系に負担がかかり、故障の原因となることがあります。タイヤ交換の際は4本同時に行い、定期的にタイヤのローテーション(位置交換)を行うことを心がけましょう。 - アイサイトの注意点:
アイサイトのステレオカメラが設置されているフロントガラス周辺には、ステッカーを貼ったり、物を置いたりしないようにしましょう。また、ガラスの汚れや油膜も誤作動の原因になるため、常にクリーンな状態を保つことが重要です。
信頼できる整備工場の選び方
レヴォーグのメンテナンスを任せる工場選びも重要なポイントです。
- スバル正規ディーラー:
メーカーの専門知識と専用診断機を備えており、リコール情報やサービスキャンペーン(無償修理)の情報にも詳しいため、最も安心できる選択肢です。特に新しいモデルや電子制御系の不具合については、ディーラーでなければ対応が難しいケースもあります。 - スバル車専門の整備工場:
ディーラー以外にも、スバル車を専門的に扱っている整備工場があります。豊富な経験と知識を持ち、ディーラーよりも柔軟でリーズナブルな対応が期待できる場合があります。中古部品やリビルト品を使った修理の相談もしやすいでしょう。 - 一般の整備工場:
もちろん、信頼できる一般の整備工場でも基本的なメンテナンスは可能です。しかし、レヴォーグの複雑なシステムを正確に診断・整備できるかは工場の技術力によります。「スバル車の整備経験が豊富か」「診断機などの設備は整っているか」などを事前に確認すると良いでしょう。
中古のレヴォーグを購入する際の注意点
中古車は新車に比べて価格が魅力ですが、故障のリスクも考慮する必要があります。 特に初代VM系は、年式や走行距離が進んだ車両も増えているため、購入前のチェックが非常に重要です。
チェックすべきポイント(試乗、整備記録など)
中古のレヴォーグを選ぶ際は、以下のポイントを重点的に確認しましょう。
- 整備記録簿の確認:
これまでの点検・整備の履歴がわかる整備記録簿は、中古車の状態を知る上で最も重要な書類です。 特に、エンジンオイルやCVTフルードが定期的に交換されているか、過去に大きな修理歴はないかなどを必ず確認しましょう。記録簿がない車両は、メンテナンス状況が不明瞭なため、避けた方が賢明です。 - 試乗でのフィーリングチェック:
可能な限り試乗させてもらい、車の状態を肌で感じることが大切です。- エンジン: スムーズに始動するか、アイドリングは安定しているか、異音や白煙は出ていないか。
- CVT: 加速はスムーズか、変速ショックや不快な振動はないか。
- 足回り・ブレーキ: 直進安定性はどうか、段差を乗り越えた際に異音はしないか、ブレーキはしっかりと効くか。
- 電装系: エアコン、パワーウィンドウ、ナビゲーションシステムなどが正常に作動するか。
- 車両状態の確認:
- 外装: 大きな傷や凹み、塗装の状態、修復歴の有無をチェックします。
- 下回り: リフトアップして見ることができればベストですが、難しい場合は覗き込んでオイル漏れや錆がないか確認しましょう。
- エンジンルーム: オイル漏れや滲み、冷却水の漏れた跡がないかなどを確認します。
保証の有無と内容を確認する
中古車販売店が提供する保証は、購入後の万が一のトラブルに備えるために非常に重要です。
認定中古車のメリット
予算に余裕があれば、スバルディーラーが販売する「SUBARU認定中古車」もおすすめです。
- 厳しい基準をクリアした品質: スバルの専門スタッフによる徹底した点検・整備が行われており、品質が高いのが特徴です。
- 充実した保証: 全国SUBARUディーラーで対応可能な保証が付いており、遠方でのトラブルでも安心です。
- 第三者機関による評価: 車両状態評価書が添付されており、車の状態を客観的に把握できます。
価格は一般的な中古車よりも高めですが、その分、購入後の安心感は大きいと言えるでしょう。
まとめ:レヴォーグの故障は多い?正しく理解して快適なカーライフを

「レヴォーグは故障が多い」という噂について、様々な角度から見てきました。結論として、「レヴォーグが他の車種に比べて極端に故障が多い」と断言することはできません。 しかし、初代VM系の初期モデルや、走行距離の多い中古車では、CVTやエンジン関連のトラブルが報告されているのも事実です。 また、2代目VN系では、先進的な電子制御システムに起因する初期不良やリコールが見られます。
重要なのは、これらの情報を正しく理解し、レヴォーグの特性や弱点を把握することです。特に、水平対向ターボエンジンとCVTは、定期的なオイル管理が性能維持の鍵となります。 日頃から愛車の状態に気を配り、適切なメンテナンスを施すことで、故障のリスクは大幅に減らすことができます。
これからレヴォーグの購入を検討する方は、年式ごとの特徴を理解し、特に中古車の場合は整備記録の確認や試乗を徹底することが大切です。 すでにオーナーの方は、信頼できる整備工場を見つけ、定期的なメンテナンスを心がけることで、レヴォーグが持つ本来の素晴らしい走行性能と機能性を長く楽しむことができるでしょう。



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