トヨタの上級セダンとして人気のカムリ。スポーティで洗練されたエクステリアデザインに惹かれる方も多いですが、大切な人をもてなす機会や、家族での長距離ドライブを考えると、後部座席の広さや乗り心地は非常に気になるところですよね。見た目のスタイリッシュさから、「後部座席は少し狭いのでは?」と心配される声も聞かれます。
この記事では、そんなカムリの後部座席について、気になる広さの具体的な寸法から、長距離移動でも疲れにくい乗り心地の秘密、そしてあると嬉しい便利な機能まで、詳しく解説していきます。シートアレンジやグレードによる違いにも触れていきますので、カムリの購入を検討している方はもちろん、セダン選びで後部座席の快適性を重視する方も、ぜひ参考にしてください。
カムリ後部座席の広さは十分?寸法と空間をチェック

カムリはその流麗なフォルムから、室内の広さ、特に後部座席の居住性が気になるポイントです。ここでは具体的な寸法を交えながら、足元、頭上、横幅のスペースについて詳しく見ていきましょう。
足元(ニースペース)の広さ
カムリの後部座席の大きな魅力の一つが、ゆとりのある足元スペースです。 FF(フロントエンジン・フロントドライブ)レイアウトの利点を活かし、後席の足元中央の盛り上がりが少なく、広々とした空間を確保しています。
実際に身長172cmの人が運転席で適切なドライビングポジションを取った状態で後部座席に座っても、膝の前にはこぶし2個以上の余裕があります。 これだけのスペースがあれば、足を組んで座ることも可能で、長時間のドライブでも窮屈さを感じることは少ないでしょう。 前席との間に十分な距離が確保されているため、膝が前のシートに当たる心配もありません。 この広々とした足元空間は、同乗者にリラックスした時間を提供するための重要な要素と言えます。
頭上(ヘッドクリアランス)の余裕
スポーティな低重心デザインを採用しているため、頭上のスペースに不安を感じる方もいるかもしれません。 確かに、ルーフラインがなだらかに傾斜しているため、ミニバンのように天井が高いわけではありません。
しかし、
身長によっては少しタイトに感じる可能性はありますが、一般的な体格の大人であれば、頭が天井に触れてしまうようなことはなく、快適に過ごせる空間が確保されています。
横幅と定員乗車時の快適性
カムリの全幅は1,840mmと、国産セダンの中では比較的ワイドなボディサイズを誇ります。 この恩恵は後部座席の横幅にも表れており、大人3人が並んで座っても十分なゆとりが感じられるように設計されています。
隣の人との肩の距離にも余裕があり、窮屈さを感じにくいのが特徴です。 また、後部座席のシートベルトは中央席も含めて全て3点式が採用されており、安全性もしっかりと確保されています。 家族や友人を乗せて3人で移動するシーンでも、全員が快適に過ごせるだけの横幅が確保されている点は、カムリの大きなメリットです。
カムリ後部座席の乗り心地と快適性を高める装備

カムリの後部座席は、ただ広いだけでなく、乗る人すべてが快適に過ごせるための工夫が随所に凝らされています。ここでは、シートの座り心地から静粛性、そして便利な快適装備まで、その魅力を深掘りしていきます。
シートの座り心地とホールド性
カムリの後部座席は、高級セダンにふさわしい上質な座り心地を追求して作られています。 シートは体をやさしく包み込むような適度な柔らかさを持ちながら、しっかりと体を支えるホールド性も両立。 長時間の移動でも疲れにくい設計となっています。
シートの表皮は、グレードによって手触りの良いファブリックから高級感あふれる本革まで設定されており、見た目の質感も高いです。 また、背もたれの角度も絶妙で、どっしりと腰を下ろしてリラックスできる姿勢を保てます。 ミニバンのような椅子に近い感覚とは異なり、ソファに座るようなゆったりとした感覚を味わえるでしょう。
静粛性と乗り心地
カムリは、TNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームの採用により、低重心で安定感のある走りを実現しています。 これにより、走行中の横揺れが少なく、同乗者も快適に過ごすことができます。
サスペンションは、路面の凹凸による衝撃や突き上げを巧みに吸収し、しなやかで上質な乗り心地を提供。 硬すぎず柔らかすぎない絶妙なセッティングは、多くの人に好まれるでしょう。 さらに、風切り音を低減する空力設計や、遮音材の効果的な配置により、車内は非常に静かです。 高速道路での走行中でも、後部座席の同乗者とクリアな会話を楽しむことができます。
アームレストとドリンクホルダー
後部座席の快適性をさらに高めるアイテムとして、センターアームレストが装備されています。 中央の背もたれを倒すことで展開でき、左右の乗員が腕を置いてリラックスするのに役立ちます。
このアームレストには、ドリンクホルダーも内蔵されています。 手元に飲み物を安定して置いておけるため、ドライブ中の休憩時などに非常に便利です。2名で後部座席を利用する際には、このアームレストを活用することで、まるでラウンジにいるかのような、より一層くつろいだ時間を過ごすことができるでしょう。
空調と充電設備
カムリの後部座席には、快適な室内環境を保つための装備も充実しています。セダンでは珍しく、リアエアコンの吹き出し口がセンターコンソール後部に設置されているグレードもあり、後席にも直接快適な風を送ることができます。
さらに、グレードやオプションによっては、その下部に充電用のUSBポートが備わっています。 スマートフォンやタブレットが手放せない現代において、後部座席で手軽に充電できるのは非常に嬉しいポイントです。 AC100Vのアクセサリーコンセントが選択できる場合もあり、より多様な電子機器の利用に対応できます。
カムリ後部座席の使い勝手とシートアレンジ
カムリの後部座席は、人を快適に乗せるだけでなく、荷物を積む際の使い勝手も考慮されています。ここでは、シートを倒して荷室を広げる機能や、チャイルドシートの取り付けについて解説します。
6:4分割可倒式シートとトランクスルー機能
カムリの後部座席には、「6:4分割可倒式リアシート」が採用されています。 これは、後部座席の背もたれを、左右6:4の割合で別々に前に倒すことができる機能です。
この機能と連動しているのが「トランクスルー」です。 背もたれを倒すことで、後部座席とトランクルームが繋がり、長さのある荷物も積載できるようになります。 例えば、スキー板やスノーボード、釣り竿といった趣味の道具や、カーペットのような長尺物を運ぶ際に非常に役立ちます。
操作は、トランクルーム内に設置されたロック解除レバーを引くだけで簡単に行えます。 左右どちらか一方だけを倒せば、乗車人数と荷物の量に応じて柔軟にスペースを活用することが可能です。
後部座席の倒し方
カムリの後部座席を倒してトランクスルー機能を使う手順は非常にシンプルです。
- トランクルームを開ける
- トランクルーム内の上部にある、左右それぞれのロック解除レバーを引く
- 後部座席側に回り、背もたれを前に倒す
この操作により、後部座席の背もたれが前方に倒れ、トランクルームとの間に大きな開口部が生まれます。 これで、普段はトランクルームに収まらない長い荷物も、スムーズに積み込むことができます。元に戻す際は、倒した背もたれを起こして、しっかりとロックされるまで押し込むだけです。
チャイルドシートの対応
ファミリーカーとしてカムリを検討している方にとって、チャイルドシートの取り付けやすさは重要なポイントです。カムリの後部座席は、汎用のISOFIX(アイソフィックス)対応チャイルドシートの取り付けに対応しています。
ISOFIXとは、シートベルトを使わずに、車体側に備え付けられた専用の金具にチャイルドシートを連結する固定方式のことです。これにより、誰でも簡単かつ確実に取り付けることができ、安全性が向上します。
広々とした後部座席スペースは、チャイルドシートの取り付け作業自体もしやすく、また、お子様を乗せ降ろしする際にも余裕を持って行うことができるでしょう。
グレードによる後部座席の仕様の違い

カムリは複数のグレードが設定されており、それぞれで内装の質感や装備が異なります。後部座席の快適性もグレードによって変わるため、ここではその違いを詳しく見ていきましょう。
シート素材の違い(ファブリック/本革)
カムリのシート素材は、グレードによって大きく2種類に分けられます。
- ファブリックシート: スタンダードな「X」グレードや、スポーティな「WS」、「G」グレードに標準装備されています。 シンプルで手触りの良い生地が特徴です。
- 本革シート: 上級グレードである「G“レザーパッケージ”」と「WS“レザーパッケージ”」に標準装備されます。 高級感あふれる見た目と、しっとりとした肌触りが魅力で、車内の質感を一層高めてくれます。
特に「G“レザーパッケージ”」では、定番のブラックに加えて、華やかで明るい印象のオーカー(黄土色)やベージュといった内装色を選択できる場合もあり、よりパーソナルな空間を演出できます。
快適装備の有無
後部座席の快適性を高める装備の一部は、上級グレードに標準装備、またはオプション設定となっています。
- シートヒーター: 「G“レザーパッケージ”」と「WS“レザーパッケージ”」には、運転席・助手席だけでなく、後席左右にもシートヒーターが備わる場合があります。寒い日のドライブでも、後部座席の同乗者が快適に過ごせる嬉しい機能です。
- 充電用USBポート: センターコンソール後部の充電用USBポートも、グレードやナビゲーションシステムの選択によって装備の有無が変わります。 後部座席での充電を頻繁に行う場合は、購入前に装備の有無を確認することをおすすめします。
これらの装備は、後部座席の快適性に直接影響します。同乗者のことを考えるなら、レザーパッケージ系のグレードを選択すると、より高い満足度が得られるでしょう。
加飾パネルの違い
内装の質感を左右する加飾パネルも、グレードによってデザインが異なります。
- Xグレード: チタン調のフィルム加飾が施され、シンプルでモダンな印象です。
- Gグレード: ブラックアートウッド調のフィルム加飾が用いられ、落ち着いた上質感を演出します。
- WSグレード: シルバージオメタル調のフィルム加飾が採用され、スポーティで先進的なイメージを強調します。
インパネやコンソール周りの加飾は、運転席からの眺めだけでなく、後部座席から見た車内の雰囲気にも影響を与えます。どのデザインが自分の好みに合うか、実際に見て比較検討するのが良いでしょう。
カムリ後部座席のまとめ

今回は、トヨタ カムリの後部座席について、広さ、乗り心地、使い勝手などを詳しく解説しました。
カムリの後部座席は、スタイリッシュな外観からは想像する以上に、広々とした足元空間とゆとりのある横幅を確保しています。 上質なシートと静粛性の高い室内空間が相まって、長距離ドライブでも疲れにくい快適な乗り心地を実現しています。
また、6:4分割可倒式シートとトランクスルー機能により、乗車人数や荷物に合わせて柔軟なシートアレンジが可能です。 グレードによっては本革シートやシートヒーターといった豪華な装備も選択でき、同乗者へのおもてなしにも応えてくれます。
見た目の美しさだけでなく、実用性と快適性を高いレベルで両立させているのが、カムリの後部座席の大きな魅力と言えるでしょう。



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