N-WGN(エヌワゴン)を運転しているとき、メーターパネルに見慣れないランプが点灯して「これって何だろう?」と不安に感じた経験はありませんか。これらのランプは「警告灯」や「表示灯」と呼ばれ、愛車の状態をドライバーに知らせるための重要なサインです。しかし、たくさんの種類があり、それぞれの意味を正確に覚えている方は少ないかもしれません。
この記事では、ホンダN-WGNの警告灯・表示灯の一覧とそれぞれの意味、そして点灯・点滅した際の対処法を、車の専門知識がない方にも分かりやすく解説します。警告灯は色によって緊急度が異なり、赤色は特に危険なサインです。いざという時に落ち着いて対応できるよう、この記事でN-WGNの警告灯についての知識を深めておきましょう。
N-WGNの警告灯一覧!色でわかる緊急度

引用元:honda
N-WGNのメーターパネルに表示されるランプは、国際規格によって色が統一されており、その色を見るだけで緊急度を直感的に判断できます。まずは、この色の違いを理解することが大切です。
赤色の警告灯:すぐに運転を中止すべき危険なサイン
例えば、ブレーキシステムの異常やエンジンオイルの圧力低下、オーバーヒートなどが考えられます。走行中に赤色の警告灯が点灯したら、ただちに安全な場所に車を停車し、運転を中止してください。 その後、取扱説明書を確認するか、Honda販売店やロードサービスに連絡して指示を仰ぎましょう。そのまま走行を続けると、重大な事故につながったり、エンジンに深刻なダメージを与えたりする危険性があります。
黄色(オレンジ色)の警告灯:早めの点検が必要な注意のサイン
エンジン制御システムやABS(アンチロックブレーキシステム)の異常などが考えられます。 黄色い警告灯が点灯した場合は、慌てて車を停める必要はありませんが、できるだけ早くHonda販売店や整備工場で点検を受けるようにしてください。 放置すると、より大きなトラブルに発展する可能性があります。特にエンジン警告灯が点滅している場合は、失火の可能性があり、早急な対応が必要です。
緑色(青色)の表示灯:システムの作動状態を示す正常なサイン
例えば、ウインカーの点滅やハイビームの点灯、ECONモードがONになっていることなどを示します。 そのため、緑色や青色の表示灯が点灯していても、心配する必要は全くありません。車の機能が正常に働いている証拠なので、安心して運転を続けてください。
【赤色】N-WGNの危険な警告灯と対処法
赤色の警告灯は、重大なトラブルのサインです。走行中に点灯した場合は、パニックにならず、まずは安全な場所に車を停めることを最優先してください。
SRSエアバッグ/プリテンショナーシステム警告灯
この警告灯は、乗員保護装置であるSRSエアバッグシステムや、衝突時にシートベルトを瞬時に巻き取るプリテンショナーシステムに異常がある場合に点灯します。 通常はパワーモードをONにすると一度点灯し、数秒後に消えますが、消灯しない場合や走行中に点灯した場合はシステムが正常に作動しない可能性があります。
万が一の事故の際にエアバッグが開かなかったり、シートベルトの効果が十分に発揮されなかったりする危険性があるため、放置するのは非常に危険です。この警告灯が点灯した場合は、速やかにHonda販売店で点検を受けてください。 自分で解決しようとせず、プロに任せることが重要です。
充電警告灯(バッテリー警告灯)
バッテリーの形をしたこの警告灯は、バッテリーが正常に充電されていない場合に点灯します。 一般的に「バッテリー警告灯」と呼ばれますが、バッテリー本体の故障だけでなく、発電機(オルタネーター)やベルトの不具合など、充電システム全体の異常を示しています。
走行中に点灯した場合、そのまま走り続けるとバッテリーの電力がなくなり、最終的にはエンジンが停止してしまう恐れがあります。 点灯したら、エアコンやオーディオなど、電力消費の大きい電装品のスイッチを切り、ただちに安全な場所に停車してHonda販売店やロードサービスに連絡してください。 一時的に停車する場合でも、再始動できなくなる可能性があるためエンジンは切らない方が賢明です。
高水温警告灯(赤色)
温度計のようなマークのこの警告灯は、エンジンの冷却水の温度が異常に高くなっている、つまりオーバーヒート状態を示しています。 この警告灯が点灯または点滅した状態で走行を続けると、エンジンに深刻なダメージを与え、最悪の場合はエンジンが焼き付いて載せ替えが必要になることもあります。
点灯に気づいたら、すぐに安全な場所に停車し、エンジンを停止してください。 ただし、すぐにエンジンを切ると急激な温度変化でエンジンを傷める可能性があるため、アイドリング状態で数分間様子を見るのが良いでしょう。その後、エンジンを停止し、十分に冷えてから冷却水の量を確認します。自分で対処が難しい場合は、無理せずJAFや販売店に連絡しましょう。
油圧警告灯(エンジンオイルランプ)
魔法のランプのような形をしたこの警告灯は、エンジンオイルの圧力に異常があることを示します。 エンジンオイルが不足していたり、オイルポンプが故障していたりすると、エンジン内部の潤滑が正常に行われなくなり、この警告灯が点灯します。
点灯したまま走行を続けると、エンジン内部の金属部品が摩擦で焼き付き、エンジンに致命的なダメージを与える危険性が非常に高いです。 表示されたら、ただちに車を水平で安全な場所に停車し、エンジンを停止してください。 3分ほど待ってからエンジンオイルの量を確認し、規定量より少ない場合は補充が必要です。オイルを補充しても警告灯が消えない場合は、重大な故障の可能性があるため、すぐにHonda販売店に連絡してください。
ブレーキ警告灯
この警告灯は、主に以下の3つの状況で点灯します。
- パーキングブレーキがかかっている
- ブレーキフルード(ブレーキオイル)が不足している
- ブレーキシステムに異常がある
まずはパーキングブレーキが完全に解除されているか確認してください。解除しても消灯しない場合は、ブレーキフルードが漏れているなど、ブレーキの効きに影響する深刻なトラブルの可能性があります。走行中に点灯した場合は、ブレーキの効きを確認しながら慎重に減速し、安全な場所に停車してください。 ABS警告灯と同時に点灯した場合は、さらに危険な状態である可能性があるため、ただちにHonda販売店で点検を受ける必要があります。
【黄色・オレンジ色】N-WGNの注意が必要な警告灯と対処法

黄色(オレンジ色)の警告灯は、すぐの走行停止は必要ないものの、車が「要点検」の状態であることを示しています。無視せず、早めに対処しましょう。
PGM-FI警告灯(エンジン警告灯)
エンジンの形をしたこのランプは、通称「エンジン警告灯」として知られています。正式名称はPGM-FI警告灯といい、エンジンを電子制御するシステム(PGM-FI)や排気ガス制御システムに異常を検知したときに点灯します。
点灯する原因は多岐にわたり、O2センサーやエアフローセンサーといった各種センサーの故障や、点火系の不具合などが考えられます。 点灯した場合は、高速走行を避けて速やかにHonda販売店で点検を受けてください。 特に、この警告灯が「点滅」している場合は、エンジン失火の可能性があり、触媒装置を損傷する恐れがあるため、より緊急性が高くなります。 その際は、可燃物のない安全な場所に停車し、10分以上エンジンを冷ましてから、50km/h以下の速度で最寄りの販売店に向かいましょう。
ABS警告灯
ABS(アンチロックブレーキシステム)は、急ブレーキ時にタイヤがロックするのを防ぎ、ハンドル操作で危険を回避しやすくするための安全装置です。このABSに異常があると、警告灯が点灯します。
点灯しても、通常のブレーキ性能は確保されている場合がほとんどですが、急ブレーキ時にはABSが作動せず、タイヤがロックしやすくなります。 特に雨の日や滑りやすい路面ではスリップしやすくなるため、注意が必要です。ブレーキ警告灯と同時に点灯した場合は、ブレーキシステム自体に重大な問題がある可能性も考えられます。いずれの場合も、できるだけ早くHonda販売店で点検を受けてください。
VSA警告灯
VSA(ビークルスタビリティアシスト)は、急なハンドル操作や滑りやすい路面で車が不安定な挙動になった際に、車の姿勢を安定させるためのシステムです。この警告灯は、VSAシステムや坂道発進補助機能に異常があると点灯します。
また、タイヤがスリップするなどしてVSAが作動しているときには点滅します。これは異常ではありません。しかし、警告灯が点灯し続ける場合は、システムに何らかの異常が発生しているサインです。 VSAが作動しないと、カーブや滑りやすい路面での安定性が低下するため、早めにHonda販売店で点検を受けましょう。VSAをOFFにしている場合は、VSA OFF警告灯が点灯します。
電動パワーステアリング(EPS)システム警告灯
ステアリング(ハンドル)の形をしたこの警告灯は、ハンドルの操作をモーターの力で補助する電動パワーステアリング(EPS)システムに異常がある場合に点灯します。
この警告灯が点灯すると、ハンドルのアシスト機能が停止し、ハンドル操作が急に重くなります。 特に、駐車時や交差点での右左折など、低速でハンドルを大きく切る際にかなりの力が必要になり、運転が困難になることがあります。走行中に点灯した場合は、慌てずにしっかりとハンドルを握り、安全な場所に停車してHonda販売店に連絡してください。無理に運転を続けるのは危険です。
燃料残量警告灯
給油機の形をしたこの警告灯は、多くのドライバーにとって最も馴染み深いものでしょう。これは、燃料タンクのガソリン残量が少なくなったことを知らせるサインです。
点灯してもすぐにガス欠になるわけではなく、車種にもよりますが一般的にはまだ数十キロは走行可能です。しかし、これはあくまで目安であり、渋滞や坂道など走行状況によって変わります。点灯したら、慌てずに早めに最寄りのガソリンスタンドで給油してください。 燃料計に異常がある場合は、この警告灯が点滅することがあります。点滅した場合は、ただちにHonda販売店で点検を受けましょう。
ブレーキシステム警告灯
これは前述の赤色の「ブレーキ警告灯」とは異なり、黄色(オレンジ色)で点灯します。ブレーキに関連するシステム、例えば電子制御パーキングブレーキやオートマチックブレーキホールドシステムなどに異常がある場合に点灯します。
赤色の警告灯ほど緊急性は高くないものの、ブレーキに関わる重要なシステムの異常であることに変わりはありません。点灯した場合でも通常のブレーキ機能は確保されていることが多いですが、パーキングブレーキが作動しなくなるなどの不具合が起こる可能性があります。 安全のため、点灯した際はパーキングブレーキを使用せず、速やかにHonda販売店で点検を受けてください。
【緑色・青色】N-WGNの作動表示灯の意味
緑色や青色の表示灯は、車の異常を知らせるものではなく、機能が正常に作動していることを示すサインです。見慣れないランプが点灯しても、これらの色であれば心配無用です。
方向指示表示灯(ウインカー)/ 非常点滅表示灯
左右の矢印の形をしたこの表示灯は、ウインカー(方向指示器)やハザードランプ(非常点滅表示灯)が作動しているときに点滅します。 右に曲がる際は右側の矢印が、左に曲がる際は左側の矢印が点滅します。ハザードランプを使用した場合は、左右両方の矢印が同時に点滅します。
これは最も基本的な表示灯の一つで、周囲の車や歩行者に自車の動きを知らせる重要な役割を担っています。もしウインカーレバーを操作しても点滅しない、または点滅が異常に速い(ハイフラッシャー現象)場合は、電球切れやシステムの故障が考えられるため、点検が必要です。
ハイビーム表示灯
青色で点灯する、前方を照らすライトのような形のこの表示灯は、ヘッドライトがハイビーム(走行用前照灯)になっていることを示します。 ハイビームは、遠くまで照らすことができるため、夜間の視界が悪い道路などで役立ちます。
ただし、対向車や前方を走る車がいる状況でハイビームを使用すると、相手のドライバーを眩惑させてしまい大変危険です。交通量の多い場所や市街地では、基本的にロービームを使用し、ハイビームは周囲の状況をよく確認してから使うようにしましょう。オートハイビーム機能が搭載されている車種では、システムが自動でハイビームとロービームを切り替えた際に点灯・消灯します。
ECON表示灯
葉っぱのようなマークが特徴的なこの緑色の表示灯は、低燃費な運転をサポートする「ECONモード」がONになっていることを示します。 ECONスイッチを押してこのモードをONにすると、エンジンやエアコンの作動が燃費を優先するように自動で制御されます。
N-WGNでは、ECONモードで運転することで、より環境に優しく、ガソリン代の節約にもつながります。特に意識せずとも燃費の良い走りをしやすくなる便利な機能です。表示灯が点灯しているのは、システムが正常に作動している証拠なので、安心して運転してください。もし、より力強い加速が必要な場面では、ECONスイッチをOFFにすることもできます。
オートマチックブレーキホールド表示灯
この緑色の表示灯は、オートマチックブレーキホールドシステムが作動し、停車中にブレーキペダルから足を離しても車両が停止状態を保持していることを示します。 信号待ちや渋滞などで、ドライバーの足の負担を軽減してくれる便利な機能です。
この機能がONの状態で停車し、ブレーキペダルを踏み込んで車を完全に停止させると、この表示灯が点灯します。表示灯が点灯すれば、ブレーキペダルから足を離しても車は動き出しません。アクセルペダルを踏むとブレーキは自動的に解除され、スムーズに発進できます。 表示灯はシステムが正常に機能していることを示しているため、何も心配する必要はありません。
低水温表示灯(青色)
赤色の高水温警告灯と同じ温度計のマークですが、色が青色(または緑色)で点灯します。これは故障ではなく、エンジンの冷却水の温度がまだ低いことを示しています。 特に冬場の寒い時期など、エンジンを始動した直後に点灯することが多いです。
冷却水温が低い状態では、エンジンは暖機運転を行っている段階です。この表示灯が点灯している間は、エンジンに負担をかけるような急発進や急加速は避けて、優しく運転することを心がけましょう。エンジンの暖機が完了し、適温に達すると、この表示灯は自動的に消灯します。いつまでも消えない場合は、センサーの異常なども考えられるため、販売店に相談してみましょう。
警告灯が消えないときの原因と対処法

警告灯の意味を理解し、対処してもランプが消えない場合があります。そんなときは、どのように対応すればよいのでしょうか。
警告灯がリセットされない主な原因
一度点灯した警告灯が消えない場合、その原因はいくつか考えられます。
- 異常が解消されていない: 最も多いのが、警告灯が示す異常の原因がまだ解決されていないケースです。例えば、エンジン警告灯であれば、原因となっているセンサーの故障が修理されない限り点灯し続けます。
- センサー自体の故障: 車の状態は正常でも、異常を検知するセンサーそのものが故障して、誤った信号を送り続けている場合があります。
- ECU(コンピュータ)のエラー履歴: 修理が完了しても、車のコンピュータ(ECU)に過去のエラー履歴が記録されたままで、警告灯が点灯し続けることがあります。この場合、専用の診断機を使ってエラーコードをリセットする必要があります。
自分でできる簡単な確認方法
専門的な知識がなくても、いくつか自分で確認できることがあります。
- 燃料キャップの確認: エンジン警告灯が点灯する意外な原因として、燃料キャップの締め忘れや緩みがあります。一度車を停めて、キャップが「カチッ」と音がするまでしっかりと閉まっているか確認してみましょう。
- エンジンオイルや冷却水の量の再確認: 油圧警告灯や高水温警告灯の場合、オイルや冷却水を補充しても、漏れによって再び量が減っている可能性があります。少し時間をおいてから、再度規定量が入っているか確認してください。
- バッテリー端子の確認: 充電警告灯の場合、バッテリーのターミナル(端子)が緩んでいることが原因の場合もあります。安全に注意しながら、端子がしっかり固定されているか確認するのも一つの方法です。
ディーラーや整備工場に相談する際のポイント
自分で確認しても警告灯が消えない場合は、専門家であるディーラーや整備工場に相談するのが最も確実で安全です。相談する際は、以下の情報をできるだけ詳しく伝えると、原因の特定がスムーズになります。
- いつから点灯したか: (例:「昨日の夜から」「高速道路を走行中に」)
- どの警告灯が点灯(または点滅)しているか: (例:「エンジンの形をしたオレンジ色のランプが点滅している」)
- 点灯したときの状況: (例:「坂道を登っているとき」「エンジンをかけた直後から」)
- 車に何か異常な症状はあるか: (例:「変な音がする」「加速が悪い」「ハンドルが重い」)
これらの情報をメモしておくと、整備士が的確に状況を把握し、迅速な診断と修理につながります。
まとめ:N-WGNの警告灯を正しく理解して安全運転を

N-WGNの警告灯は、車の健康状態を知らせてくれる大切なバロメーターです。この記事で解説したように、警告灯は色によって緊急度が異なり、赤色は「危険」、黄色は「注意」、緑色は「正常」を示します。
走行中に警告灯が点灯すると焦ってしまいがちですが、それぞれの意味と対処法を知っておくことで、落ち着いて適切な行動をとることができます。
- 赤色の警告灯が点灯したら、ただちに安全な場所に停車し、必要であればロードサービスや販売店に連絡してください。
- 黄色の警告灯の場合は、慌てる必要はありませんが、早めに点検を受けることが重要です。
- 緑色の表示灯は機能が正常に作動しているサインなので、心配いりません。
警告灯の知識は、ご自身の安全を守るだけでなく、車の寿命を延ばすことにも繋がります。この記事を参考に、N-WGNの警告灯一覧を正しく理解し、日々の安全で快適なカーライフにお役立てください。



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