フーガY51前期・後期の違いを比較!購入前に知りたい変更点を分かりやすく解説

車種別インプレッション

日産の高級セダンとして、長い歴史を持つセドリックやグロリアの後継車として登場したフーガ。 その中でも2代目にあたるY51型は、2009年11月から2022年8月まで販売されたロングセラーモデルです。 流麗でダイナミックなデザインと、パワフルな走行性能で多くのファンを魅了しました。

そんなY51フーガですが、2015年2月に行われたビッグマイナーチェンジを境に「前期型」と「後期型」に分けられます。 このマイナーチェンジでは、特にエクステリアデザインが大きく変更され、まるで別の車のような印象を受けるほどです。 そのため、中古車で購入を検討している方にとって、前期と後期の違いは非常に重要なポイントになります。

この記事では、Y51フーガの前期型と後期型で、具体的にどこがどう違うのかを「外装」「内装・装備」「性能・燃費」の3つのポイントに分けて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。それぞれの特徴を理解して、あなたにぴったりの一台を見つけるための参考にしてください。

フーガY51の前期・後期モデルの基本的な違いとは?

Y51フーガは、2009年11月に登場してから2022年に生産終了となるまで、長い間日産のフラッグシップセダンとして君臨してきました。 その歴史の中で、最も大きな変更が加えられたのが2015年2月のマイナーチェンジです。 この変更を境に、以前のモデルを前期型、以降のモデルを後期型と呼びます。

前期型と後期型の最も大きな違いは、エクステリアデザインの大幅な刷新です。 特にフロントマスクの印象は大きく変わり、一目で見分けることが可能です。 また、見た目だけでなく、先進安全装備の充実化や乗り心地の向上など、中身も着実に進化しています。

まずは、前期型と後期型がそれぞれいつのモデルを指すのか、そして変更点の概要を把握しておきましょう。

前期型と後期型の販売期間

Y51フーガの前期型と後期型は、2015年2月のマイナーチェンジを基準に区別されます。それぞれの販売期間は以下の通りです。

モデル 販売期間
前期型 2009年11月 ~ 2015年1月
後期型 2015年2月 ~ 2022年8月

中古車を探す際には、この年式を一つの目安にすると良いでしょう。ただし、年式の境目の車両は登録時期によって前期・後期が混在する可能性もあるため、エクステリアなどの具体的な違いで判断するのが確実です。

マイナーチェンジによる主な変更点の概要

2015年2月のマイナーチェンジでは、多岐にわたる変更が実施されました。特にユーザーの関心が高い変更点は以下の通りです。

  • エクステリア(外装): フロントグリル、バンパー、ヘッドライト、テールランプのデザインを一新。
  • エンブレムの変更: 日産エンブレムから、海外で展開する高級車ブランド「インフィニティ」のエンブレムに変更(2019年12月に再び日産エンブレムに戻る)。
  • 安全装備の進化: 「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」や「PFCW(前方衝突予測警報)」など、先進の全方位運転支援システムを搭載。
  • 乗り心地の向上: ショックアブソーバーの改良により、細かな振動を抑え、より上質な乗り心地を実現。
  • 静粛性の向上: フロントガラスや前後ドアガラスに遮音ガラスを採用し、車内の静かさを高めました。

これらの変更点について、次の章からさらに詳しく掘り下げていきます。見た目の好みはもちろん、安全性能や快適性をどこまで求めるかによって、前期型と後期型のどちらが自分に合っているかが変わってきます。

グレード構成の違い

Y51フーガは、搭載されるエンジンによって大きく3つのパワートレインに分けられます。 グレード構成は前期・後期で基本的な考え方は共通していますが、装備内容などが異なります。

  • 2.5L V6ガソリンエンジン搭載車: 「250GT」「250VIP」
  • 3.7L V6ガソリンエンジン搭載車: 「370GT」「370GT Type S」「370VIP」(4WDモデルの「370GT FOUR」も設定)
  • 3.5L V6エンジン+モーターのハイブリッド車: 「HYBRID」「HYBRID VIP」
「Aパッケージ」という装備を簡略化したエントリーグレードや、スポーティな内外装と足回りを備えた「Type S」、後席の快適性を重視した豪華仕様の「VIP」など、多彩なグレードが設定されているのが特徴です。

中古車市場では、パワフルな走りが楽しめる370GTや、燃費と走行性能を両立したハイブリッドモデルが人気です。 自分の運転スタイルや求める装備に合わせてグレードを選ぶことが、満足のいくフーガ選びにつながります。

【外装編】一目でわかる!フーガY51前期・後期のデザインの違い

Y51フーガの前期型と後期型を比較する上で、最も分かりやすいのがエクステリア(外装)デザインの違いです。 2015年のビッグマイナーチェンジは、車の骨格はそのままに、外観のパーツを大幅に変更することで、全く新しいモデルのような印象を与えました。 ここでは、フロント、リア、サイドの各部分に分けて、具体的な変更点を詳しく見ていきましょう。

フロントフェイス:エンブレムとグリルの大胆な変更

後期型の最大の特徴は、フロントグリルとエンブレムの変更です。

  • 前期型: 日産のエンブレムと、水平基調のフィンが特徴的なメッキグリルを採用しています。落ち着きがあり、上品でオーソドックスな高級セダンの風格を持っています。
  • 後期型: 当時、海外では「インフィニティ Q70」として販売されていたデザインが取り入れられ、インフィニティのエンブレムが装着されました。 グリルは立体的なウェーブメッシュパターンとなり、よりダイナミックでスポーティーな印象を強めています。

この変更により、後期型は一気に欧州車のような洗練された雰囲気になりました。ただし、2019年12月以降の最終モデルでは、再び日産のエンブレムに戻されています。

ヘッドライトとフロントバンパー:よりシャープで近代的な顔つきへ

フロントフェイスの印象を大きく左右するヘッドライトとバンパーも、前期と後期でデザインが異なります。

  • 前期型: 滑らかな曲線を描くデザインのヘッドライトが特徴です。バンパーも丸みを帯びた形状で、全体的に優雅で落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
  • 後期型: ヘッドライトにはLEDポジショニングランプが内蔵され、コの字型に光るシグネチャーデザインが採用されました。 これにより、夜間の視認性向上はもちろん、昼間でも存在感のある近代的な表情になりました。バンパーもエッジの効いた立体的な造形となり、フォグランプ周りのデザインも変更され、よりシャープでアグレッシブな印象を与えます。

リアデザイン:テールランプとトランクリッドの変更点

フロントだけでなく、リアデザインも後期型で大きく変更されています。

  • 前期型: テールランプは比較的シンプルなデザインで、トランクリッドもすっきりとした形状です。
  • 後期型: テールランプもヘッドライトと同様に、特徴的なシグネチャーデザインのLEDリアコンビネーションランプが採用されました。 トランクリッド下部にはメッキガーニッシュが追加され、バンパーの形状も変更されたことで、よりワイドで安定感のあるリアビューとなっています。

フロントマスクほどの劇的な変化ではありませんが、リアデザインもより現代的で高級感のあるスタイルに進化しています。

【内装・装備編】快適性は?フーガY51前期・後期のインテリア比較

Y51フーガのインテリアは、前期型からすでに非常に高い質感を誇っており、高級セダンにふさわしい快適な空間が広がっています。 後期型では、デザインの基本的な骨格は維持しつつも、快適性や静粛性をさらに高める改良が加えられています。ここでは、内装デザインや装備の進化、そして安全装備の充実に焦点を当てて違いを見ていきましょう。

インテリアデザインと質感:基本デザインは継承しつつ熟成

Y51フーガの内装は、人の手の触れる部分の心地よさにまでこだわって作られており、前期型でもその評価は非常に高いものでした。

  • 前期型: 曲線的なデザインのインパネに、手触りの良い素材や銀粉本木目パネル(グレード別設定)などを採用し、ラグジュアリーな空間を演出しています。アナログ時計が高級感を一層引き立てます。
  • 後期型: 基本的なデザインレイアウトは前期型を継承しています。 インフィニティエンブレムが採用されたモデルでは、ステアリング中央のエンブレムも変更されています。 目に見える大きな変更点は少ないですが、細部の質感をさらに高めるなど、熟成が図られています。

内装デザインに関しては、前期型でも十分に満足できるクオリティを持っていると言えるでしょう。

快適装備と静粛性の向上

後期型では、乗員がより快適に過ごすための改良が施されています。

特に大きな進化点が静粛性の向上です。後期モデルでは、フロントガラス、フロントドアガラス、リアドアガラスに遮音ガラスが採用されました。 これにより、エンジン音やロードノイズの車内への侵入が低減され、高速走行中でも静かで快適な会話が楽しめる空間となっています。

また、乗り心地に関しても、ショックアブソーバーの改良が行われ、路面の細かな凹凸による振動をより効果的に吸収するようになりました。 これにより、前期型よりもさらにフラットで上質な乗り心地を実現しています。

先進安全装備の大きな進化

前期型と後期型で最も大きな違いの一つが、先進安全装備の充実度です。

  • 前期型: 発売当初のモデルには、現在のような高度な運転支援システムは標準装備されていませんでした。
  • 後期型: 2015年のマイナーチェンジで、「ニッサン インテリジェント モビリティ」の考え方に基づき、全方位の運転支援システムが大幅に強化されました。

具体的には、以下のような先進安全装備が搭載されています(一部グレードを除く)。

安全装備 機能概要
エマージェンシーブレーキ 前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険があると判断した場合に自動でブレーキを作動させ、衝突回避または被害軽減を図ります。
PFCW(前方衝突予測警報) 2台前を走る車両を検知し、急な減速などで自車からは見えない危険を予測してドライバーに注意を促します。
BSW/BSI(後側方車両検知警報/衝突防止支援) 隣の車線を走行する車両を検知し、車線変更時の接触リスクを低減します。
BCI(後退時衝突防止支援システム) 後退時に接近してくる車両を検知し、衝突の危険があると判断した場合に自動でブレーキを作動させます。
MOD(移動物検知)機能付きアラウンドビューモニター 車両の周囲にいる歩行者などを検知し、駐車時などの安全確認をサポートします。

これらの装備により、後期型は格段に安全性能が向上しています。安全性を重視する方にとっては、後期型が非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

【性能・燃費編】走りはどう違う?フーガY51前期・後期のスペック

Y51フーガは、日産の高級セダンとして、卓越した走行性能も魅力の一つです。前期型と後期型では、パワートレインのラインナップ自体に大きな変更はありませんが、乗り心地や燃費性能の面で改良が加えられています。ここでは、エンジン性能や燃費、そして乗り心地に焦点を当てて比較していきます。

パワートレインのラインナップ

Y51フーガに搭載されているエンジンは、前期・後期で共通です。

エンジン種類 排気量 最高出力 最大トルク 主な搭載グレード
VQ25HR (V6ガソリン) 2,495cc 225ps 26.3kgf・m 250GT, 250VIP
VQ37VHR (V6ガソリン) 3,696cc 333ps 37.0kgf・m 370GT, 370GT Type S, 370VIP
VQ35HR (V6) + モーター 3,498cc 306ps + 68ps 35.7kgf・m + 29.6kgf・m HYBRID, HYBRID VIP

どのエンジンもパワフルで、滑らかな加速感が特徴です。特に3.7Lエンジンは、大排気量NA(自然吸気)エンジンならではの爽快な走りを体感できます。 また、ハイブリッドモデルは、モーターによる力強いアシストと低燃費を両立しており、ギネス世界記録に認定されたこともあるほどの加速性能を誇ります。

燃費性能の比較

Y51フーガの燃費は、年式の改良によって若干の変動があります。以下はカタログ燃費(JC08モード)の一例です。

グレード 前期型 (一例) 後期型 (一例)
250GT (2.5L) 11.2 km/L 11.2 km/L
370GT (3.7L) 9.4 km/L 9.4 km/L
HYBRID 18.0 km/L 18.0 km/L

基本的に同じエンジンを搭載しているため、カタログ燃費に大きな差はありません。しかし、後期型ではハイブリッドシステムの制御改良などが行われており、実用燃費の面では向上が見られる可能性があります。 いずれにせよ、車重のある高級セダンとしては、特にハイブリッドモデルの燃費性能は優秀と言えるでしょう。

乗り心地と走行フィールの進化

後期型では、走行性能、特に乗り心地の質感が向上しています。

前述の通り、後期型ではショックアブソーバーの改良が行われました。 これにより、路面からの細かな振動を吸収する性能が高まり、より滑らかで快適な乗り心地を実現しています。

さらに、後期型はボディ剛性の向上も図られており、高速走行時の安定性やコーナリング時のしっかり感が増しています。 スポーティグレードである「370GT Type S」では、大径20インチホイールを装着しながらも、不快な突き上げ感を抑え、スポーティーさと快適性を高い次元で両立させています。

前期型も十分に高い走行性能を持っていますが、後期型はさらに熟成が進み、より上質で洗練された走りを提供してくれます。

中古車選びのポイント!フーガY51前期・後期の賢い選び方

ここまでY51フーガの前期型と後期型の違いを詳しく見てきました。それぞれの特徴を理解した上で、どちらが自分にとって最適な選択なのか、中古車選びのポイントをまとめました。予算や何を重視するかによって、おすすめのモデルは変わってきます。

価格重視なら前期型が狙い目

とにかく初期費用を抑えたい、という方には前期型がおすすめです。 後期型が登場したことで、前期型の中古車価格はかなり手頃になってきています。

  • メリット:
    • 購入価格が安い。
    • 後期型にはない日産エンブレムのデザインが好みの方に。
    • 基本的な走行性能や内装の質感は高く、コストパフォーマンスに優れる。
  • 注意点:
    • 後期型に比べて先進安全装備が充実していない。
    • 年式が古くなるため、走行距離や車両の状態をしっかり確認する必要がある。

特に2012年以降の一部改良モデルであれば、燃費性能の改善なども行われているため、年式を意識して探してみるのも良いでしょう。

安全性と現代的なデザインを求めるなら後期型

最新の安全装備や、洗練されたエクステリアデザインを重視するなら、後期型が断然おすすめです。

  • メリット:
    • 自動ブレーキなどの先進安全装備が充実しており、安心して運転できる。
    • インフィニティエンブレム(一部除く)によるダイナミックで現代的なエクステリアデザイン。
    • 遮音ガラスの採用や足回りの改良により、静粛性や乗り心地が向上している。
  • 注意点:
    • 前期型に比べて中古車価格は高めになる。
    • インフィニティエンブレムのデザインが、スカイライン(V37型)と似ていると感じる場合がある。

予算に余裕があり、より高い安全性と快適性を求めるのであれば、後期型を選ぶことで得られる満足度は非常に高いでしょう。特に長距離運転が多い方や、家族を乗せる機会が多い方には後期型を強く推奨します。

グレード選びのポイント

前期・後期どちらを選ぶにしても、グレード選びは重要です。

  • バランス重視なら「GT」系: 2.5L、3.7Lともに基本となるグレードで、フーガの魅力を十分に味わえます。
  • スポーティーな走りを求めるなら「370GT Type S」: 専用の足回りや20インチアルミホイール、4輪アクティブステア(4WAS)などを装備し、高い走行性能を誇ります。
  • 燃費とパワーを両立したいなら「HYBRID」: 力強い加速と優れた燃費性能が魅力です。高速道路を多用する方にもおすすめです。
  • 最上級の快適性を求めるなら「VIP」: 後席電動リクライニングシートやセミアニリン本革シートなど、豪華装備が満載。後席に乗る人のことを考えるなら最高の選択肢です。

中古車市場の流通量や価格帯も考慮しながら、自分のカーライフに合ったグレードを探してみてください。

まとめ:フーガY51前期・後期の違いを理解して最適な一台を選ぼう

今回は、日産の高級セダン「フーガ Y51」の前期型と後期型の違いについて、多角的に解説しました。

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 前期型(2009年11月〜2015年1月): 落ち着いた日産デザインで、中古車価格がリーズナブルなのが最大の魅力。コストパフォーマンスを重視する方におすすめ。
  • 後期型(2015年2月〜2022年8月): 大胆なエクステリアの刷新、自動ブレーキなど先進安全装備の大幅な進化、静粛性・乗り心地の向上が特徴。安全性と現代的なスタイルを求める方に最適。

最も大きな違いは、見た目のデザイン先進安全装備の有無です。 前期型も高級セダンとしての魅力は十分に備えていますが、後期型は安全性と快適性が格段に向上しており、より現代の車に求められる性能を満たしています。

中古車でフーガY51の購入を検討する際は、まずご自身の予算を明確にし、その上で「デザインの好み」「安全装備の必要性」「求める走行性能」といった優先順位を決めることが大切です。この記事を参考に、前期型と後期型、それぞれの長所と特徴をしっかりと比較検討し、あなたにとって最高のフーガを見つけてください。

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