小さなお子様がいるご家庭で、ダイハツのアトレーをファミリーカーとして利用しようと考えたとき、「チャイルドシートはちゃんと取り付けられるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。特に、アトレーは商用バンとしての側面も持つため、乗用車とは勝手が違う部分があるかもしれません。
この記事では、そんなアトレーへのチャイルドシート取り付けに関する情報を、わかりやすく解説していきます。適合するチャイルドシートの選び方から、正しい取り付け方法、さらには気になる疑問まで、この記事を読めばアトレーとチャイルドシートに関するあらゆる悩みが解決するはずです。大切なお子様の安全を守るために、ぜひ最後までご覧ください。
アトレーにチャイルドシートは装着できる?適合性をチェック

アトレーにチャイルドシートを取り付けたいと考えたとき、まず気になるのが「そもそも装着できるのか?」「自分の持っているチャイルドシートは適合するのか?」という点でしょう。結論から言うと、アトレーにはチャイルドシートを装着することが可能です。 しかし、モデルの年式やチャイルドシートの固定方法によって注意が必要です。
新型アトレー(S700V/S710V)のチャイルドシート適合情報
2021年12月にフルモデルチェンジされた新型アトレー(S700系)は、商用車でありながら後部座席にも3点式シートベルトが標準装備されています。 これにより、シートベルト固定タイプのチャイルドシートであれば、後部座席の左右どちらにも取り付けることが可能です。
試乗の際に、実際にチャイルドシートを持ち込んで装着してみたという口コミもあり、問題なく乗車できたとのことです。 ただし、後部座席のスペースには限りがあるため、チャイルドシートのサイズによっては前の席を蹴ってしまう可能性も考慮しておきましょう。
旧型アトレーのチャイルドシート適合情報
旧型のアトレー(アトレーワゴンなど)に関しても、基本的には3点式シートベルトが装備されている座席であればチャイルドシートの取り付けが可能です。 しかし、年式やグレードによっては後部座席のシートベルトが2点式の場合や、特殊な形状のシートである可能性も考えられます。
お持ちのアトレーの年式やグレードを確認し、必ず車両の取扱説明書でシートベルトの仕様を確認することが重要です。不明な点があれば、ディーラーに問い合わせてみるのが最も確実な方法と言えるでしょう。
ISOFIX(アイソフィックス)対応状況
近年主流となっているISOFIXという固定方法ですが、残念ながら現行のアトレーにはISOFIXの取り付け金具が装備されていません。 そのため、ISOFIX専用のチャイルドシートはアトレーに取り付けることができませんので注意が必要です。
ダイハツの純正アクセサリーとしてISOFIX対応のチャイルドシートが販売されていますが、これは他の車種向けのものであり、アトレーには適合しません。 アトレーでチャイルドシートを使用する場合は、
を選びましょう。
アトレーにおすすめのチャイルドシートの選び方

アトレーにチャイルドシートを取り付ける際、どのような基準で選べばよいのでしょうか。お子様の安全を確保し、かつ快適なドライブを楽しむためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、アトレーに最適なチャイルドシートを選ぶための具体的な方法を解説します。
年齢や体格に合わせたチャイルドシートの種類
チャイルドシートは、お子様の成長段階に合わせて大きく3つのタイプに分けられます。
| 種類 | 対象年齢(目安) | 対象身長・体重(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ベビーシート | 新生児~1歳ごろ | 身長70cm以下、体重13kg未満 | 後ろ向きで使用。寝かせた姿勢に近い状態で乗せられる。 |
| チャイルドシート | 1歳~4歳ごろ | 身長65~100cm、体重9~18kg | 前向きまたは後ろ向きで使用。リクライニング機能付きが多い。 |
| ジュニアシート | 4歳~10歳ごろ | 身長135cm以下、体重15~36kg | 前向きで使用。座面を高くして、大人用のシートベルトを正しく使えるようにする。 |
これらのタイプを、お子様の年齢や体格に合わせて選ぶことが基本です。新生児から長期間使える兼用タイプもありますが、軽自動車であるアトレーの車内スペースを考慮すると、成長に合わせて買い替える方が、それぞれの時期に最適なサイズの製品を選べるというメリットもあります。
取り付け方法(ISOFIXかシートベルトか)
前述の通り、アトレーはISOFIXに対応していません。 そのため、チャイルドシートを選ぶ際は必ずシートベルト固定式のものを選んでください。シートベルト固定式は、ISOFIX式に比べて取り付けに少し手間がかかるものの、正しく装着すれば安全性に問題はありません。
多くの車種に対応できる汎用性の高さがシートベルト固定式のメリットです。 アトレーだけでなく、他の車(例えば実家の車など)に乗せ換える機会がある場合にも便利でしょう。購入前には、必ずチャイルドシートメーカーのウェブサイトなどで、アトレーへの適合情報を確認することをおすすめします。
安全基準(R129やECE R44/04)
お子様の命を守るチャイルドシートですから、安全基準を満たしているかどうかは非常に重要です。 現在、日本で販売されているチャイルドシートは、国の定めた安全基準に適合していることを示す「Eマーク」が付いています。 このマークがあることを必ず確認しましょう。
安全基準には主に2つの種類があります。
- ECE R44/04: 従来の安全基準で、体重を基準にチャイルドシートを分類します。前面衝突と後面衝突の試験が行われています。
- R129 (i-Size): より新しい安全基準で、身長を基準に分類します。 これまでの試験に加えて側面衝突試験も義務付けられており、安全性がさらに向上しています。
機能性(回転式・リクライニングなど)
安全性に加えて、使い勝手の良さもチャイルドシート選びの重要なポイントです。特に軽自動車のアトレーでは、車内空間が限られているため、便利な機能が役立つ場面が多くあります。
- 回転式: シート部分が360度回転するタイプは、ドア側に向けてお子様を乗せ降ろしできるため、非常に便利です。特に狭い場所での乗せ降ろしが多い場合に重宝します。
- リクライニング機能: お子様が眠ってしまったときに、シートを倒して楽な姿勢を保つことができます。アトレーの後部座席はリクライニング角度が限られている場合があるため、チャイルドシート自体にしっかりとしたリクライニング機能があると安心です。
- コンパクト設計: 軽自動車向けのコンパクトなモデルを選ぶと、車内を圧迫せず、他の乗員や荷物のスペースを確保しやすくなります。 購入前に製品のサイズ(特に幅)を確認し、アトレーの車内に収まるかシミュレーションしておくと良いでしょう。
これらの機能を考慮しながら、ご自身のライフスタイルや予算に合ったチャイルドシートを選んでみてください。
アトレーへのチャイルドシート取り付け方法と注意点
アトレーに適合するチャイルドシートを選んだら、次は正しく取り付けることが最も重要です。せっかくの安全装置も、取り付けが間違っていては本来の性能を発揮できません。ここでは、アトレーにチャイルドシートを取り付ける際の具体的な手順と、見落としがちな注意点について詳しく解説します。
取り付け位置はどこがベスト?
チャイルドシートの取り付け位置として最も安全性が高いとされているのは、後部座席です。 特に、運転席の後ろの席(後部座席左側)が推奨されています。これは、万が一の側面衝突の際に運転者が本能的にハンドルを切り、運転席側を守ろうとする傾向があるため、相対的に助手席側後方が危険に晒されやすいという考え方や、歩道側から安全に乗せ降ろしができるという利点からです。
アトレーは後部座席が2人乗りなので、基本的には後部座席の左右どちらかに設置することになります。 状況に応じて、乗せ降ろしのしやすさなどを考慮して設置場所を決めると良いでしょう。
ISOFIXでの取り付け手順
繰り返しになりますが、アトレーにはISOFIXの固定金具が装備されていないため、ISOFIXでの取り付けはできません。 必ずシートベルトを使用して固定するタイプのチャイルドシートを選び、次のシートベルトでの取り付け手順を参考にしてください。
シートベルトでの取り付け手順
シートベルトでの固定は、少し手順が多く感じられるかもしれませんが、ポイントを押さえれば誰でも確実に取り付けられます。必ずチャイルドシートの取扱説明書を確認しながら作業を行ってください。
- チャイルドシートを座席に置く: まず、取り付ける後部座席にチャイルドシートをしっかりと置きます。座面にガタつきがないか確認しましょう。
- シートベルトを通す: チャイルドシート本体に示されているベルト通し口に、車両のシートベルトを通します。後ろ向きに取り付ける場合と前向きに取り付ける場合で、ベルトの通し方が異なるため、説明書をよく確認してください。
- バックルを差し込む: シートベルトをねじれないように注意しながら、バックルに「カチッ」と音がするまでしっかりと差し込みます。
- ベルトを強く引いて固定する: ここが最も重要なポイントです。チャイルドシートに体重をかけ、車両のシートベルトを力いっぱい引っ張り、たるみを完全になくします。
- ロック機構を使う: チャイルドシートによっては、ベルトを挟んで固定するロック機構が付いています。これを使うことで、より確実に固定することができます。
- 最終確認: 最後に、チャイルドシートの上部を両手でつかみ、前後左右に揺さぶってみます。このとき、
大きくグラグラしなければ(目安として3cm以上の揺れがなければ)
正しく取り付けられています。
取り付け時のよくある間違いと確認ポイント
警察庁の調査によると、チャイルドシートの取り付けには多くの誤りが見られます。特に以下の点に注意してください。
- ベルトの締め付け不足: 最も多い間違いが、シートベルトの締め付けが緩いことです。取り付け後は必ず揺さぶって固定具合を確認しましょう。
- シートベルトのねじれ: ベルトがねじれていると、万が一の際に適切な力がかからず危険です。通す際には必ずねじれがないか確認してください。
- ベルトを通す位置の間違い: チャイルドシートには、腰ベルトと肩ベルトをそれぞれ通す場所が指定されています。説明書の図をよく見て、正しい位置に通しましょう。
定期的に取り付け状態をチェックする習慣をつけることも、安全のために非常に大切です。
アトレーにチャイルドシートを3台設置できる?

お子様が3人いるご家庭や、双子と上のお子様を乗せる場合など、「アトレーにチャイルドシートを3台乗せられるの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。ここでは、アトレーへのチャイルドシート複数台設置の可能性について解説します。
2列目シートへの3台設置の可能性
アトレーの乗車定員は4名で、後部座席は2人掛けです。 そのため、物理的に後部座席へチャイルドシートを3台設置することはできません。
基本的には、後部座席の左右に1台ずつ、合計2台までが設置可能な台数となります。
3台設置におすすめのチャイルドシート
アトレーに3人のお子様を乗せる必要がある場合、現実的な選択肢は限られます。法律上、やむを得ない場合は助手席への設置も認められていますが、安全性から推奨はされていません。 どうしても3人乗せる必要がある場合は、車の買い替えを検討するのが最も安全な選択と言えるでしょう。
もし、2台を後部座席に並べて設置する場合は、できるだけコンパクトな設計のチャイルドシートを選ぶことが重要です。製品によっては幅がスリムなモデルも販売されているため、そういった製品を選ぶことで、車内空間を少しでも広く使うことができます。
安全性を確保するための注意点
後部座席に2台のチャイルドシートを設置する場合も、1台の時と同様に、それぞれが確実に固定されていることが大前提です。
- 確実な固定: 2台設置すると作業スペースが狭くなりますが、1台ずつ丁寧に、シートベルトをしっかりと締め付けて固定してください。
- 干渉しないか確認: 取り付けた後、2台のチャイルドシートが互いに干渉して、どちらかが不安定になっていないかを確認しましょう。
- バックルの位置: シートベルトのバックルが、チャイルドシート本体の下敷きになったり、変な角度で圧迫されたりしないように注意が必要です。
アトレーは室内高が高く、空間にゆとりがあるように感じられますが、横幅は軽自動車の規格に準じています。 チャイルドシートを複数台設置する際は、寸法をよく確認し、安全最優先で検討することが大切です。
アトレーのチャイルドシートに関するQ&A
ここでは、アトレーのチャイルドシートに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。細かい疑問点を解消して、安心してチャイルドシートを使用しましょう。
助手席にチャイルドシートは取り付けられる?
法律上、助手席にチャイルドシートを取り付けること自体は違反ではありません。 しかし、安全上の理由から、ほとんどの自動車メーカーや関連機関は助手席への設置を推奨していません。
その最大の理由はエアバッグです。万が一の事故で助手席のエアバッグが作動すると、その膨張の衝撃でチャイルドシートが弾き飛ばされたり、お子様が圧迫されたりして、重大な傷害につながる危険性が非常に高いのです。
やむを得ず助手席に取り付ける場合は、以下の点を必ず守ってください。
- 座席を一番後ろまで下げる。
- チャイルドシートは必ず前向きで設置する(後ろ向きは絶対に不可)。
- 車両の取扱説明書で、助手席への設置に関する注意点を必ず確認する。
リコール情報はどこで確認できる?
購入した、あるいはこれから購入しようとしているチャイルドシートがリコールの対象になっていないかを確認することも、安全のために重要です。リコール情報は、各チャイルドシートメーカーのウェブサイトや、以下の公的機関のサイトで確認できます。
- 国土交通省 自動車のリコール・不具合情報
- 消費者庁 リコール情報サイト
特に中古品を検討している場合は、購入前に必ずリコール対象製品でないかを確認する習慣をつけましょう。
中古のチャイルドシートは使っても大丈夫?
費用を抑えるために、中古のチャイルドシートを検討する方もいるかもしれません。しかし、中古品には新品にはないリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
中古チャイルドシートの注意点
- 事故歴が不明: 一度でも事故に遭ったチャイルドシートは、内部に目に見えない損傷を負っている可能性があり、安全性が著しく低下しています。
- 経年劣化: プラスチック部品やベルトなどは、長年の使用や保管状況によって劣化します。 製品には耐用年数(多くは製造から6~10年程度)が設定されていることが多く、それを超えたものは安全性が保証されません。
- 部品や取扱説明書の欠品: 必要な部品が揃っていなかったり、正しい取り付け方がわかる取扱説明書がなかったりすると、安全に使用できません。
- 衛生面の問題: シートに染み込んだ汚れやカビなど、衛生面での懸念もあります。
信頼できる知人から譲り受けるなど、使用状況が明確にわかる場合を除き、基本的には新品の購入をおすすめします。 もし中古品を選ぶ場合は、製造年月日や部品の有無、本体の状態などを入念にチェックし、自己責任で使用するという覚悟が必要です。
まとめ:アトレーに最適なチャイルドシートで安全なドライブを

今回は、ダイハツ・アトレーへのチャイルドシートの取り付けについて、適合性から選び方、注意点まで詳しく解説しました。
アトレーはISOFIXには対応していませんが、後部座席に3点式シートベルトが装備されているため、シートベルト固定式のチャイルドシートであれば問題なく取り付けることができます。 チャイルドシートを選ぶ際は、お子様の年齢や体格に合ったもの、そしてR129などの新しい安全基準を満たした製品を選ぶと、より安心です。
取り付けの際は、取扱説明書をよく読み、シートベルトをしっかりと締め付けて固定することが何よりも重要です。特に助手席への設置は危険が伴うため、できる限り後部座席で使用するようにしましょう。
この記事を参考に、あなたのアトレーとお子様にぴったりのチャイルドシートを見つけ、正しく装着して、安全で楽しいカーライフを送ってください。



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