「ちょうどいい」のキャッチコピーで長年愛されてきたホンダ・フリード。新型の登場により、現在は中古車市場で「旧型」となったモデルへの注目が集まっています。特にファミリー層やアウトドア派の方にとって、最も気になるのは荷室の広さではないでしょうか。
コンパクトなボディサイズながら、驚くほどの収納力を誇るフリードですが、世代やグレードによってその寸法は微妙に異なります。この記事では、旧型フリードの荷室寸法を詳しく解説し、日常の買い物からキャンプ、車中泊まで、どのようなシーンで活躍するのかを具体的に紹介します。
旧型となったことで手が届きやすくなったこの名車を、荷室という視点から深掘りしていきましょう。これから購入を検討している方はもちろん、現在所有していて活用法を広げたい方もぜひ参考にしてください。あなたのライフスタイルに最適な一台が見つかるはずです。
旧型フリードの荷室寸法と世代別の特徴

旧型フリードと一口に言っても、大きく分けて2つの世代が存在します。2008年から2016年まで販売された初代(GB3/4/GP3型)と、2016年から2024年まで販売された2代目(GB5/6/7/8型)です。中古車市場で「旧型」として探す場合、このどちらかが候補になります。
それぞれの世代で荷室の設計思想が異なり、使い勝手にも差があります。ここでは、それぞれのモデルの基本的な荷室寸法や、どのような進化を遂げたのかについて触れていきます。自分の用途にはどちらの世代が合っているのかをイメージしながら読み進めてみてください。
初代フリード(GB3/4/GP3型)の荷室サイズと魅力
初代フリードは、5ナンバーサイズのコンパクトなボディに3列シートを詰め込んだ画期的なパッケージングで登場しました。荷室の広さは、3列目シートを使用している状態では最小限ですが、3列目を左右に跳ね上げることで広大なスペースが出現します。
荷室の最大幅は約1,000mm、3列目を格納した際の奥行きは約1,200mm程度確保されており、日常の大きな買い物には十分すぎる広さです。特筆すべきは地上開口高が約480mmと非常に低い点です。重い荷物や自転車を載せる際、腰への負担が少なくスムーズに積み込めるのが初代の大きな強みです。
また、初代には「フリードスパイク」という2列シートの派生モデルも存在しました。こちらはさらに荷室の使い勝手に特化しており、反転フロアボードなどの仕掛けが満載です。趣味の道具をたくさん積みたい方には、初代フリードスパイクも有力な選択肢となるでしょう。
2代目(先代)フリード(GB5/6/7/8型)の荷室の進化
2代目の旧型フリードは、初代の美点を引き継ぎつつ、さらに細かな使い勝手が向上しました。荷室寸法そのものに劇的な変化はありませんが、開口部の形状がより四角くなり、四隅まで有効に活用できる設計になっています。荷室高も約1,250mm程度確保されており、背の高い荷物も安心して積載可能です。
この世代でも3列目シートは跳ね上げ式を採用していますが、収納時の厚みが抑えられたことで、荷室の左右幅が初代よりも広く感じられるよう工夫されています。ベビーカーを立てたまま積んだり、キャンプ道具を隙間なく詰め込んだりする際に、この数センチの差が大きなメリットをもたらします。
さらにハイブリッドモデルであっても、バッテリーの配置を工夫することでガソリン車と遜色ない荷室容量を実現しているのも2代目の特徴です。燃費性能と積載性を両立したいユーザーにとって、2代目の旧型フリードは非常にバランスの良い一台といえるでしょう。
フリード+(プラス)ならではの2段構造荷室
2代目フリードには、従来のスパイクに代わるモデルとして「フリード+(プラス)」が登場しました。こちらは5人乗り専用の2列シートモデルで、荷室の構造が3列シートモデルとは根本的に異なります。最大の特徴は、荷室が上下2段に分かれる「ウッドボード」の採用です。
このボードを利用することで、下段には汚れ物や小物を、上段にはメインの荷物をといった具合に整理整頓がしやすくなります。ボードを耐荷重200kgの頑丈な設計にすることで、上段を寝床として使用することも可能です。荷室の奥行きは、後席を倒すと最大で約1,800mmを超え、大人が足を伸ばして寝られる空間が広がります。
フリード+は「荷室を使い倒す」という目的において、コンパクトカーの枠を超えた実力を持っています。キャンプ、釣り、車中泊といったアウトドア趣味を持つ方にとって、この圧倒的なフラット空間と収納の自由度は、他のモデルにはない唯一無二の魅力と言えるでしょう。
荷室の使い勝手を左右するシートアレンジの具体例

旧型フリードの荷室を語る上で欠かせないのが、多彩なシートアレンジです。単に広いだけでなく、用途に合わせて形を変えられる柔軟性が、この車の真骨頂と言えます。乗車人数や積む物の形に合わせて、どのように空間が変化するのかを見ていきましょう。
3列シート車の場合、3列目を「使うか」「跳ね上げるか」の2択だけでなく、2列目の形状によっても荷室とのつながりが変わります。ここでは、日常生活でよくあるシチュエーションを想定したアレンジ方法と、その際の注意点を詳しく解説します。
3列目シート跳ね上げ時の積載能力
フリードの3列目シートは左右の壁側に持ち上げて固定する「跳ね上げ式」です。この状態にすると、荷室の奥行きがぐんと広がり、自転車や大型のスーツケースも楽に積み込めるようになります。跳ね上げたシートが窓を一部塞ぐ形にはなりますが、サイドの視界はそれほど大きく損なわれません。
このアレンジの際に便利なのが、2列目シートを一番前までスライドさせることです。これにより、荷室の最大奥行きをさらに数10cm広げることができ、長さのある家具や観葉植物なども無理なく収まります。ただし、3列目シートは片側だけ跳ね上げることも可能なので、5人乗車+長い荷物といった使い方も柔軟に対応できます。
一点注意したいのは、跳ね上げたシートの厚みです。荷室の幅いっぱいのものを載せようとすると、シートの出っ張りが干渉することがあります。事前に積みたいものの幅と、シート収納時の実質的な幅を計測しておくと、いざという時に困りません。
6人乗りと7人乗りで異なる荷室の活用方法
旧型フリードには、2列目が独立した「キャプテンシート」の6人乗りと、ベンチシートの7人乗りがあります。この違いは荷室の使い勝手にも影響します。6人乗りの場合、1列目から3列目までの中央に通り道(ウォークスルー)があるため、長い釣竿やスキー板などを中央に突き出して積むことができます。
一方、7人乗りのベンチシート車は、2列目を倒した際により隙間の少ない平らな面を作りやすいというメリットがあります。また、最大乗車人数が多い分、家族全員で移動しながら最小限の荷物を載せるというシーンで頼りになります。どちらが良いかは、普段の乗車人数と積載物のバランスで決めるのが良いでしょう。
6人乗り(キャプテンシート):車内ウォークスルーが便利。長いものを中央に置ける。
7人乗り(ベンチシート):2列目を倒した時の平らな面積が広く、荷物の安定感が良い。
長尺物や背の高い荷物を積むコツ
コンパクトミニバンであるフリードは、見た目以上に背の高いものが載せられます。例えば、26インチ程度の自転車であれば、3列目を跳ね上げて2列目を前に出すことで、前輪を外さずにそのまま積載できるケースが多いです。これは低いフロア設計のおかげで、室内高が十分に確保されているからです。
また、ホームセンターで購入した1.8m程度の木材などの長尺物も、助手席をフラットに倒すことで収めることが可能です。旧型フリードはシートの可動範囲が広いため、工夫次第で驚くような大きなものを運ぶことができます。ただし、荷物を積む際は運転の視界を妨げないよう、しっかりと固定することを忘れないでください。
低い位置から重いものをスライドさせて入れられるため、力が弱い方でも比較的楽に作業ができるのもフリードの隠れた魅力です。開口部が低く設計されていることは、単なる数字以上の恩恵をユーザーに与えてくれます。
旧型フリードの荷室で行う車中泊の適性と工夫

最近のブームもあり、旧型フリードを車中泊仕様として検討している方も多いはずです。結論から言うと、フリードはコンパクトなサイズながら非常に車中泊に適した車です。特にフリード+であれば、特別な改造なしでも快適な寝床を確保できます。
しかし、3列シートモデルでも工夫次第で十分に車中泊は可能です。ここでは、荷室寸法を最大限に活かして、快適な睡眠スペースを作るための具体的なアイデアをご紹介します。車を単なる移動手段ではなく、「泊まれる場所」に変えるためのポイントをチェックしてみましょう。
フルフラット化の手順と段差の解消法
3列シートの旧型フリードで寝る場合、1列目と2列目を倒すパターンか、2列目と3列目を倒すパターンのいずれかになります。どちらの場合も、どうしてもシートの凹凸による段差が生じてしまいます。この段差をいかに埋めるかが、車中泊の質を左右する重要なポイントです。
最も手軽な方法は、厚手の車中泊専用マットを敷くことです。10cm程度の厚みがあるマットを選べば、シートの凹凸をほとんど感じることなく眠ることができます。また、段差が激しい場所にはクッションや丸めたタオルをあらかじめ詰めておくと、より平らな状態に近づけることができます。
完璧なフラットを目指すなら、DIYでコンパネやプラダンを使って床面を底上げする方法もありますが、まずは市販のマットを活用するのが初心者にはおすすめです。フリードの室内幅は約1,200mm程度あるため、セミダブルサイズのマットがちょうど収まるサイズ感になっています。
フリード+が車中泊に最強と言われる理由
車中泊をメインで考えているなら、旧型の中でも「フリード+」を強くおすすめします。先述したウッドボードにより、後席を倒すだけで全長約1,800mm以上の真っ平らな空間が出現します。これは3列シート車では到底真似できない、寝心地の良さを提供してくれます。
さらに素晴らしいのが、寝るスペースの下(ボードの下)に巨大な収納空間が残る点です。通常の車だと荷物を外に出したり、寝るスペースの端に寄せたりしなければなりませんが、フリード+なら「寝る場所」と「荷物置き場」を完全に分離できます。これにより、寝る前に荷物を整理する手間が省け、車内を広く使い続けることが可能です。
純正アクセサリーのプライバシーシェードなどを組み合わせれば、外からの視線を遮り、キャンプ場や道の駅でも安心して休むことができます。コンパクトカーでありながら、本格的なキャンピングカーに近い使い勝手を実現できるのが、フリード+のすごさと言えるでしょう。
収納力をさらに高めるカスタム術
荷室の壁面をよく見ると、旧型フリードにはユーティリティナット(ネジ穴)が備わっている箇所があります。ここに市販のアイボルトやステーを取り付けることで、壁面にネットを張ったり、棚を作ったりといったカスタムが簡単に行えます。天井付近の空間も活用すれば、着替えやランタンなどの軽い荷物を効率よく収納できます。
また、窓枠に合わせて自作の棚を設置したり、マグネット式のフックを活用したりするのも良いアイデアです。車中泊では限られたスペースをいかに立体的に使うかが重要になります。旧型フリードはスクエアなボディ形状をしているため、こうした棚作りやDIYとの相性が非常に良いのです。
自分だけの秘密基地を作るような感覚で、荷室をカスタマイズしていくのも旧型フリード所有の大きな楽しみの一つです。まずは100円ショップのアイテムなどを使って、手軽な整理整頓から始めてみてはいかがでしょうか。
中古車で購入する際の荷室チェックポイント

旧型フリードを中古車で探す際、荷室の状態は必ず確認しておくべきポイントです。前のオーナーがどのように使っていたかによって、荷室の痛み具合は大きく異なります。写真だけでは伝わりにくい部分もあるため、実車を確認する際の注目すべき点をまとめました。
また、駆動方式やパワーユニットの違いが荷室寸法に影響を与える場合もあります。「思っていたより狭かった」という失敗を防ぐために、スペック表には載っていないリアルなチェック項目を見ていきましょう。
内装の傷や汚れから推測する使用環境
荷室のサイドパネルやプラスチック部分に深い引っかき傷が多い場合、自転車やキャンプ道具など硬いものを頻繁に載せていたことがわかります。これ自体は大きな問題ではありませんが、あまりに傷がひどい場合は、前オーナーの扱いが雑だった可能性も考慮し、車両全体のコンディションをより慎重に確認すべきです。
また、床面のカーペットをめくって、シミやカビがないかもチェックしましょう。灯油をこぼした跡や、ペットを乗せていた形跡がある場合、独特の臭いが染み付いていることがあります。荷室の臭いは一度付くとなかなか取れないため、鼻を近づけて確認することをおすすめします。
さらに、3列目シートを跳ね上げる際の動作がスムーズか、固定用のストラップが伸びきっていないかも確認ポイントです。頻繁に跳ね上げを行っていた車両は、このあたりの機構が消耗していることがありますが、交換や修理が可能か販売店に相談してみるのが良いでしょう。
ハイブリッド車とガソリン車の荷室の差
旧型フリードの2代目モデルでは、ハイブリッド車とガソリン車で荷室寸法に大きな差はありません。しかし、初代モデルの場合はハイブリッド用のバッテリーが荷室付近に配置されている影響で、床の高さや収納スペースが若干異なる場合があります。
特に初代フリードハイブリッドは、3列目シート下のスペースがバッテリーによって制限されているため、ガソリン車で可能だった「シート下への長物の差し込み」ができないことがあります。わずかな差ですが、特定の大きな荷物を載せる予定がある場合は、実際にその場所が空いているか確認が必要です。
一方、2代目の旧型であれば、バッテリーは1列目シートの下あたりに収められているため、荷室への影響はほぼゼロです。2代目を選ぶ場合は、パワーユニットによる荷室の広さの違いをそれほど気にしなくても大丈夫でしょう。
4WD車特有の床面の盛り上がり
旧型フリードには4WDモデルも設定されています。4WD車は後輪を駆動するためのプロペラシャフトやデフといった部品が車体の下に通っているため、FF(前輪駆動)車に比べて荷室のフロア高が数センチ高くなっていることがあります。
わずかな差ではありますが、自転車を載せる際の天井までの余裕や、荷物を積み上げる際の総容量に影響します。また、フリード+の4WDモデルでは、床下の収納スペースの形状がFFモデルと異なる場合があるため注意が必要です。地上から荷室までの高さ(掃き出しの高さ)も少し上がるため、積載のしやすさを重視するならFFと4WDの差を実車で比較しておくと安心です。
雪国での使用など4WDが必須でない限り、荷室の低さと広さを最優先するならFFモデルの方がスペック上は有利になります。
旧型フリードとライバル車の荷室比較

フリードを検討する際、必ずと言っていいほど比較対象に挙がるのがトヨタのシエンタです。また、最近では軽スーパーハイトワゴンからのステップアップを考えている方も多いでしょう。ここでは、旧型フリードの荷室がライバルと比べてどのような立ち位置にあるのかを解説します。
数値上の広さだけでなく、「どちらが使いやすいか」という観点は非常に重要です。他車と比較することで、フリードの荷室が持つ本当の強みが見えてきます。あなたの優先順位と照らし合わせて考えてみてください。
トヨタ・シエンタとの荷室設計の違い
最大のライバルであるシエンタ(特に旧型となる170系)とフリードの最大の違いは、3列目シートの収納方法です。フリードが左右への「跳ね上げ式」なのに対し、シエンタは2列目シートの下へ潜り込ませる「ダイブイン格納」を採用しています。
シエンタの方式は、収納後の荷室幅を広く使えるというメリットがあります。一方、フリードは3列目を片側だけ跳ね上げるなど、状況に応じた柔軟な使い分けが得意です。また、フリードの方が荷室の地上高がより低く設計されており、自転車などの重いものを持ち上げる動作についてはフリードに軍配が上がることが多いです。
「横幅の広さを重視するならシエンタ、積載のしやすさと高さを重視するならフリード」というのが、よく言われる比較のポイントです。実際に荷物を出し入れする動作をイメージして選ぶのが正解です。
軽スーパーハイトワゴンからの乗り換えメリット
N-BOXやタントといった軽スーパーハイトワゴンは驚くほど広い室内を持っていますが、フリードに乗り換えると「荷室の奥行き」の違いに驚くはずです。軽自動車の場合、4人乗車してしまうと荷室はほとんど残りません。しかしフリードなら、3列目を使っても多少の荷物が載り、3列目を畳めば軽自動車とは比較にならない広大な奥行きが手に入ります。
また、車体の幅もフリードの方が広いため、キャンプ道具のようなかさばるものを横に並べて置けるようになります。軽自動車では天井の高さに頼った積み方になりがちですが、フリードなら前後の長さを活かした効率的なパッキングが可能です。家族が増えたり、アウトドアの趣味が本格化したりした際に、この「奥行きの余裕」は大きな安心感に繋がります。
上位クラスのミニバンと比較したサイズ感
ステップワゴンやセレナといったMクラスミニバンと比較すると、当然ながらフリードの荷室はひと回り小さくなります。しかし、全ての人が常に巨大な荷室を必要としているわけではありません。フリードの良さは、「大きすぎないボディで最大限の荷室を確保している」という凝縮感にあります。
住宅街の狭い道での取り回しや、スーパーの駐車場での停めやすさを維持しつつ、いざという時には引っ越しレベルの荷物が運べる。この絶妙なサイズバランスこそが、フリードが旧型になっても支持され続ける理由です。上位クラスの車では持て余してしまうようなスペースも、フリードなら日常使いの中で使い切ることができる満足感があります。
「大は小を兼ねる」と言いますが、自分の生活圏に合ったサイズの中で、最も使い勝手の良い荷室を選ぶという視点で見れば、旧型フリードは今なおトップクラスの選択肢と言えるでしょう。
まとめ:旧型フリードの荷室寸法を知って賢く選ぼう
旧型フリードの荷室寸法について、世代別の特徴や具体的な活用方法、ライバル車との比較まで詳しく見てきました。フリードは単にコンパクトなだけでなく、低いフロア設計と多彩なシートアレンジにより、クラスを超えた積載能力を持っていることがお分かりいただけたかと思います。
日常の買い物や送り迎えがメインなら、小回りの利く3列シートモデルが最適です。一方で、キャンプや車中泊など、荷室をリビングのように使いたいのであれば、2段構造の荷室を持つフリード+が非常に強力な味方になります。どちらのモデルも、低い開口部によって荷物の出し入れがしやすいという共通のメリットを持っています。
中古車として旧型フリードを選ぶ際は、今回ご紹介した内装の傷やパワーユニットによる微細な寸法の違いをチェックし、納得の一台を見つけてください。あなたのライフスタイルに寄り添い、どんな荷物も「ちょうどよく」運んでくれる旧型フリードは、きっと最高のパートナーになってくれるはずです。





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