プジョー車を運転しているとき、インストルメントパネルに突然見慣れない警告灯やメッセージが表示されると、誰しも不安になるものです。プジョーの最新モデルでは、i-Cockpit(アイ・コクピット)と呼ばれるデジタルメーターにより、記号だけでなく具体的なメッセージが表示されるようになっています。
しかし、英語や直訳に近い日本語で表示されるメッセージの意味を正確に把握するのは容易ではありません。この記事では、プジョーの警告メッセージ一覧を整理し、それぞれの緊急度や対処法をわかりやすく解説します。愛車の異変に素早く気づき、適切に対応するための参考にしてください。
プジョーの警告灯は、色によってその緊急性が明確に区別されています。まずは、メッセージが表示された際に「今すぐ止めるべきか、後で点検すればよいのか」を判断するための色のルールを正しく理解しましょう。これが安全を守る第一歩となります。
プジョーの警告メッセージ一覧と色による緊急度の違い

プジョーのインジケーターやメッセージは、国際基準に基づいた色分けがなされています。警告の色は大きく分けて「赤・オレンジ・緑・青」の4種類があり、それぞれドライバーに伝える情報の重要度が異なります。まずはこの色の意味を覚えることが大切です。
赤色の警告メッセージは「直ちに停車」のサイン
メーターパネルに赤色のメッセージやアイコンが表示された場合は、重大な故障や危険を示しています。赤色は「STOP」を意味し、そのまま走行を続けるとエンジンが修復不可能なダメージを受けたり、重大な事故に繋がったりする恐れがあります。
もし走行中に赤色の警告が出た場合は、周囲の安全を確認した上で速やかに車を安全な場所に停車させてください。停車後はエンジンを切り、プジョー・アシスタンスや加入している任意保険のロードサービス、またはお近くの正規ディーラーへ連絡しましょう。
赤色の警告には、油圧の低下、エンジン冷却水の過熱、ブレーキシステムの異常、バッテリー充電不良などが含まれます。これらはドライバー自身で解決できる問題ではないことが多いため、プロの診断を受けるまで無理に動かさないのが鉄則です。
赤色の警告灯(STOPランプ)が点灯した際は、絶対に無視してはいけません。たとえ車の動きに違和感がなくても、内部で深刻な事態が起きている可能性が高いからです。
黄色(オレンジ)の警告メッセージは「早期点検」が必要
黄色やオレンジ色の警告メッセージは、緊急停車ほどではないものの、車両に何らかの不具合が発生していることを知らせるものです。これらは「SERVICE」やエンジンチェックランプとして表示されることが多く、早めにディーラーで点検を受けることを推奨しています。
例えば、バルブ切れ(ライトの故障)、排ガス浄化システムの異常、一部のセンサー故障などがこれに該当します。普通に走れるからといって放置しておくと、燃費の悪化やさらなる故障の原因となり、最終的に高額な修理費用がかかるケースも少なくありません。
また、オレンジ色の警告は一時的なシステムの誤作動で点灯することもありますが、自己判断は禁物です。一度エンジンを切り、再始動しても消えない場合は、テスター(診断機)によるエラーログの確認が必要になります。
緑色や青色のメッセージはシステムの動作状況
緑色や青色の表示は、警告ではなく「通知」に近い意味合いを持ちます。これらはシステムが正常に動作していることや、特定の機能がオンになっていることを示しています。例えば、ウィンカーの作動、ライトの点灯状態、アイドリングストップの稼働状況などです。
ハイビーム点灯時の青色アイコンや、エコモード走行時の表示などがこれに当たります。これらが点灯していても、故障を心配する必要はありません。むしろ、自分が意図した機能が正しく働いていることを確認するための目安として活用しましょう。
ただし、本来点灯すべき場面でこれらのランプがつかない場合は、スイッチの故障やバルブ切れの可能性があります。普段からどのランプがどのタイミングで点灯するのかを把握しておくと、小さな異変にも気づきやすくなります。
エンジン関連の警告メッセージとその原因

プジョーの警告メッセージの中で最も頻繁に、そして不安にさせるのがエンジン関連の表示です。「Engine fault: Repair needed」といったメッセージは、多くのプジョーオーナーが経験する可能性のある代表的な警告です。これらが発生する背景には、プジョー特有の理由があることも多いです。
エンジンマネジメントシステム異常(Engine fault)
「Engine fault: Repair needed(エンジン故障:修理が必要です)」というメッセージは、エンジンを制御するコンピューターが異常を検知した際に出されます。この警告が出る原因は多岐にわたり、点火プラグの劣化から燃料噴射システムの不具合まで様々です。
プジョーの1.2リッターPureTechエンジンを搭載したモデル(208や2008など)では、タイミングベルトの劣化が原因でオイルラインが詰まり、この警告が出るケースが報告されています。これはエンジンの健康状態に直結する重要なサインです。
メッセージが出た際に、エンジンの振動が大きくなったり加速が鈍くなったりした場合は、すぐに点検を受けてください。放置すると走行中にエンジンがストップするリスクがあるため、早急なプロの診断が求められます。
エンジン故障メッセージへの対処法
1. メッセージ内容を確認する(Repair needed か STOP か)
2. 車の挙動(振動、異音、パワーダウン)に変化がないか確認する
3. 可能な限り早くディーラーへ持ち込み、診断機でエラー内容を特定する
油圧異常(Oil pressure fault)の深刻さ
「Oil pressure fault(油圧異常)」のメッセージが赤色で表示された場合、これはエンジンオイルの圧力が規定値を下回っていることを意味します。オイルはエンジンの血液のような存在であり、圧力が足りないと金属パーツ同士が焼き付いてしまいます。
このメッセージが出た瞬間に、エンジンへのオイル供給が止まっている可能性があります。そのまま数分走り続けるだけで、エンジンそのものを載せ替えなければならないほどの致命的なダメージを受けることになりかねません。
原因としては、オイル量の不足、オイルポンプの故障、あるいはオイルフィルターの詰まりなどが考えられます。この警告が出たら、たとえ道路の途中であっても安全に配慮してすぐにエンジンを止め、絶対に再始動しないでください。
冷却水温度異常(Coolant temperature fault)とオーバーヒート
「Coolant temperature fault」や水温計の針がレッドゾーン付近を指している場合は、オーバーヒートの状態です。プジョーのエンジンは熱管理が緻密に行われていますが、冷却水漏れや電動ファンの故障により温度が急上昇することがあります。
オーバーヒート状態で走行を続けると、エンジンヘッドの歪みやガスケット抜けといった重症に繋がります。メッセージが表示されたら、すぐにエアコンをオフにして安全な場所に停車し、エンジンを止めて自然に冷えるのを待ちましょう。
注意点として、エンジンが熱い状態でラジエーターキャップを絶対に開けないでください。高圧の蒸気が噴き出し、大火傷を負う危険があります。冷却水の量はリザーバータンクの外側から確認し、不足している場合は漏れ箇所をプロに探してもらう必要があります。
足回りやブレーキに関する警告メッセージのポイント

プジョーは軽快なハンドリングが魅力ですが、その走りを支えるブレーキやタイヤ、電子制御システムに異常があると安全性が大きく損なわれます。足回りに関する警告は、自分だけでなく周囲を巻き込む事故を防ぐための重要な情報です。
ブレーキシステム異常(Braking system fault)の確認
「Braking system fault」やハンドブレーキのマークが消えない場合は、ブレーキシステムに重大な問題が発生しています。これにはブレーキフルードの不足、パッドの極端な摩耗、あるいはABS(アンチロックブレーキシステム)の不具合が含まれます。
ブレーキペダルを踏んだ時の感触がふわふわしていたり、奥まで踏み込まないと効かなかったりする場合は非常に危険です。制動力が低下している可能性が高いため、低速走行で確認しつつ、速やかに停車させてロードサービスを呼びましょう。
また、電動パーキングブレーキを採用しているモデルでは、パーキングブレーキが解除できない、あるいはかからないというトラブルでもこの警告が出ることがあります。システムの再起動で直ることもありますが、基本的には点検が必要です。
タイヤ空気圧低下(Tyre pressure sensor fault)への対応
「Tyre pressure fault」やタイヤの断面図のようなマークが表示されたら、いずれかのタイヤの空気圧が規定値を下回っています。プジョーはABSセンサーを利用してタイヤの回転数の差から空気圧低下を検知するシステムを多く採用しています。
パンクしている場合はもちろんですが、気温の変化により空気圧が少し下がっただけでも警告が出ることがあります。まずはガソリンスタンド等で全てのタイヤの空気圧を確認し、ドア付近に記載されている指定値まで補充してください。
空気を補充した後は、タッチパネル等の設定画面から「タイヤ空気圧の初期化(リセット)」を行う必要があります。リセットしてもすぐにまた警告が出る場合は、目に見えない小さな釘などが刺さっているスローパンクチャーの疑いがあります。
ESP/ASR異常と走行への影響
ESP(横滑り防止装置)やASR(トラクションコントロール)の異常メッセージは、滑りやすい路面での走行をサポートする機能が停止していることを示します。通常走行は可能ですが、急ハンドルや急ブレーキ時の安全性が低下します。
これらの警告は、ホイールにある速度センサーの汚れや故障、ステアリングアングルセンサーのズレなどが原因で発生することが多いです。特に雨の日や雪道では、車両の挙動を安定させる機能が働かないため、慎重な運転が求められます。
一時的なセンサーの読み取りミスであれば、エンジンをかけ直すと消えることがありますが、頻発する場合は注意が必要です。安全デバイスが無効化されている状態ですので、早めにディーラーでセンサーの清掃や交換を相談してください。
ディーゼル車特有の警告と最新システム

プジョーのクリーンディーゼル「BlueHDi」モデルは非常に人気がありますが、特有の維持管理が必要です。尿素水(AdBlue)や排ガスフィルターに関する警告は、ディーゼル車オーナーなら必ず知っておくべき項目です。
アドブルー(AdBlue/UREA)残量警告の注意点
ディーゼル車を運転していると「Top up AdBlue: Starting prevented in 2400 km」といったメッセージが出ることがあります。これは排出ガスを浄化するための尿素水(アドブルー)が減っていることを知らせる警告です。
プジョーの場合、走行可能距離がカウントダウン形式で表示されるのが特徴です。このカウントが「0」になると、法律の規定によりエンジンの再始動ができなくなります。これは故障ではなく仕様ですので、早急に補充が必要です。
最近のプジョー車ではアドブルーのタンク内にあるポンプやセンサーの故障により、液があるのに「UREA(ウレア)」警告が点灯するトラブルも知られています。補充しても警告が消えない場合は、タンクユニットの交換が必要になることがあります。
アドブルーの補充メッセージが出たら、余裕を持って早めに補充しましょう。カウントダウンが少なくなると精神的なストレスにもなりますし、出先でエンジンがかからなくなるリスクを避けるためです。
排ガス浄化装置(DPF)の詰まりと対処法
ディーゼル車には、排気ガス中の微粒子(PM)を捕集するDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)が備わっています。短距離走行やアイドリングが多いと、フィルターにススが溜まり「Particle filter cleaning needed」といったメッセージが出ます。
このメッセージが出た場合は、フィルターを焼く(再生する)ために、一定時間(20分程度)時速60km以上で走行を続けることが推奨されます。これにより排気温度が上がり、溜まったススを燃やし尽くすことができます。
警告を無視して低速走行を続けると、フィルターが完全に詰まってしまい、強制再生モードでも対応できなくなります。その場合は高額なフィルター交換が必要になるため、車が「掃除したい」と言っているサインは見逃さないようにしましょう。
ハイブリッド車固有のシステムメッセージ
プジョーの「PHEV(プラグインハイブリッド)」モデルでは、電気駆動システムに関連する独自のメッセージが表示されます。「Electric mode currently unavailable」などは、駆動用バッテリーの温度や残量の関係で電気走行ができない時に出ます。
また、ハイブリッドシステム自体の故障を示す「Hybrid system fault」が赤色で出た場合は、高電圧バッテリーを扱う必要があるため、絶対に個人で触ってはいけません。オレンジ色であれば、ガソリンエンジンでの走行は可能なケースが多いです。
ハイブリッド車は電子機器の塊ですので、12Vの補機バッテリーが弱っているだけでも複雑なエラーメッセージを出すことがあります。ハイブリッド特有の複雑な警告が出た際は、専門のトレーニングを受けたメカニックがいるディーラーへ即座に連絡しましょう。
警告メッセージが出たときにオーナーが取るべき行動

実際に警告メッセージが表示された際、慌ててパニックになるのが一番危険です。プジョー車にはドライバーを助けるための安全策が備わっていますので、落ち着いて以下のステップで対応してください。
セーフモード(Limp Mode)に入った時の運転
エンジン系の警告が出た際、プジョー車は「Limp Mode(リンプモード)」と呼ばれる退避走行モードに入ることがあります。これはエンジン出力をあえて制限し、それ以上のダメージを防ぎつつ、自力で安全な場所まで走れるようにする機能です。
急に加速しなくなったり、変速がギクシャクしたりしますが、これは故障が進行しているのではなく、車が自分自身を守っている状態です。アクセルを強く踏んでも速度は出ませんので、落ち着いてハザードを出し、路肩や駐車場へ移動しましょう。
リンプモードになったからといって、そのまま何十キロも走り続けるのは避けてください。あくまで「今すぐ安全に止まるため」のモードであると認識し、停車後はプロの助けを呼ぶのが最も賢明な判断です。
正規ディーラーや整備工場への相談タイミング
「Service」の文字とともにオレンジ色の警告が出た場合、その日のうちにディーラーへ電話を入れ、状況を説明しましょう。具体的なメッセージ内容(英語のスペルやアイコンの形)を伝えると、アドバイザーも状況を判断しやすくなります。
また、最近のプジョー車には、SOSボタンやライオンマークのボタンが天井付近についているモデルがあります。これらを押すことで、コールセンターと直接通話ができ、故障時のアドバイスやレッカー手配を受けられるサービスもあります。
警告が出たり消えたりする場合でも、コンピューターには「履歴」が残っています。診断機に繋げば過去に何が起きたか正確にわかりますので、「今は消えているから大丈夫」と思わず、一度しっかり診てもらうことが長期的な維持費の節約になります。
スマートフォンのカメラでメーターパネルに表示された警告メッセージを撮影しておくと、ディーラーで説明する際に非常に役立ちます。一瞬しか表示されないメッセージもあるため有効な手段です。
日常点検で警告灯の点灯を未然に防ぐコツ
警告メッセージが出る回数を減らすには、日頃のメンテナンスが欠かせません。プジョー車、特に輸入車はセンサーが敏感であるため、定期的な油脂類の交換やバッテリーの状態確認が、エラーの予防に直結します。
特にバッテリーの電圧低下は、システム全体に偽のエラー信号を送る原因になります。3年以上交換していない場合は、冬場や夏場のエアコン使用時期の前に電圧チェックを行い、早めに交換を検討するのがおすすめです。
また、エンジンオイルの量や冷却水の量を定期的に目視で確認することも大切です。プジョーのエンジンは高性能ですが、繊細な面も持ち合わせています。愛車の状態を五感で感じ取り、警告灯に頼りすぎない管理が、プジョーとの長い旅を楽しむ秘訣です。
プジョーの警告メッセージ一覧を確認して安心なドライブを
プジョーの警告メッセージは、決してドライバーを怖がらせるためのものではありません。むしろ、愛車が自身の状態を言葉で伝えてくれる「コミュニケーションツール」だと捉えることができます。メッセージの意味を正しく理解していれば、突然の表示にも冷静に対処できるはずです。
赤色のメッセージは「即停車」、オレンジ色のメッセージは「早期点検」という基本ルールを忘れないでください。特に、エンジンオイルや冷却水、ブレーキといった基本機能に関する警告は、安全に直結するため最優先で対応が必要です。一方で、アドブルーの補充やタイヤ空気圧のリセットなど、自分自身で解決できるメッセージもあります。
プジョーの美しいデザインや独自の乗り心地を長く楽しむためには、こうした警告のサインを無視せず、プロの診断を仰ぐことが重要です。この記事で紹介した一覧を参考に、警告が出た際も慌てず、適切なメンテナンスを行うことで、より安心で豊かなカーライフを送ってください。





コメント