トヨタの人気コンパクトSUV「ライズ」。運転席に座ってまず目に入るのが、カラフルで情報豊富なメーターパネルではないでしょうか。特に上級グレードに搭載されている「TFTカラーマルチインフォ-メーションディスプレイ」は、様々な情報を表示してくれる一方で、「表示の種類が多くて、どの情報を見ればいいのか分からない」「突然見慣れないマークが点灯して焦ってしまった」という声も聞かれます。
この記事では、そんなライズのメーターパネル表示について、基本的な見方から、いざという時に慌てないための警告灯の意味と対処法、そしてドライブがもっと楽しくなるカスタマイズ方法まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読めば、あなたのライズが発する情報を正確に理解し、より安心で快適なカーライフを送ることができるようになるはずです。
ライズのメーターパネル表示の基本的な見方

ライズのメーターパネルは、グレードによってデザインが異なりますが、基本的な情報の配置は共通しています。 まずは、どのメーターが何を示しているのか、基本的な見方から確認していきましょう。
メーターの種類と配置
ライズのメーターパネルは、主に速度を示すスピードメーター、エンジンの回転数を示すタコメーター、燃料の残量を示す燃料計、エンジンの冷却水の温度を示す水温計で構成されています。
上級グレードの「Z」や「G」には、「LEDデジタルスピードメーター+7インチTFTカラー液晶ディスプレイ」が標準装備されており、メーターの大部分がデジタル表示となっています。 この中央の大きなディスプレイは「マルチインフォメーションディスプレイ」と呼ばれ、走行距離や燃費情報、各種設定画面などを表示することができます。 アナログメーターが主体となるグレードでも、中央には情報を表示するディスプレイが配置されています。
スピードメーターとタコメーター
スピードメーターは、現在走行している車の速度を示します。ライズの上級グレードでは、中央のディスプレイ内に大きくデジタルで表示されるため、非常に見やすいのが特徴です。
タコメーターは、エンジンの回転数を1分間あたりで示す計器です。「×1000r/min」と表示されている場合、目盛りの「1」は1000回転、「2」は2000回転を意味します。急なアクセル操作でタコメーターの針が急激に上がると、エンジンに負荷がかかり燃費が悪化する傾向があります。普段からタコメーターの動きを意識して、なめらかなアクセルワークを心がけることで、エコドライブにも繋がります。
燃料計と水温計
燃料計は、ガソリンの残量を示します。目盛りが「F(Full)」に近いほど満タン、「E(Empty)」に近いほど残量が少ないことを表します。給油マークの隣にある三角形(▶)は、給油口がどちら側にあるかを示しており、ライズの場合は左側にあります。ガソリンスタンドで慌てないように、覚えておくと便利です。
水温計は、エンジンを冷却する冷却水の温度を示します。通常は「C(Cool)」と「H(Hot)」の中間あたりを指していれば正常です。もし針が「H」に近づいてきた場合は、エンジンがオーバーヒートを起こしている可能性があります。その際は、安全な場所に車を停めてエンジンを冷やすなどの対処が必要です。
オドメーターとトリップメーター
オドメーターとトリップメーターは、どちらも走行距離を表示するものですが、役割が異なります。
- オドメーター:車が製造されてから現在までの総走行距離を示します。この数値はリセットすることができません。
- トリップメーター:区間走行距離を計測するためのメーターです。ステアリングスイッチの「TRIP」ボタンで「A」と「B」の2種類を切り替えられ、それぞれリセットが可能です。 例えば、出発前にトリップメーターをリセットしておけば、目的地までの距離を正確に測ったり、満タン給油からの走行距離を元に燃費を計算したりと、様々な使い方ができます。
【種類別】ライズのメーターパネルに表示される警告灯の意味と対処法
メーターパネルには、車の状態を知らせるための様々な警告灯や表示灯があります。これらは色によって緊急度が分けられており、意味を正しく理解しておくことが安全運転に繋がります。
赤色の警告灯(危険性が高い)
| 名称 | 意味と対処法 |
|---|---|
| ブレーキ警告灯 | ブレーキフルードが不足している、またはブレーキシステムに異常がある可能性を示します。 パーキングブレーキを解除しても消灯しない場合は、ブレーキが効かなくなる危険性があるため、直ちに安全な場所に停車し、販売店に連絡してください。 |
| 充電警告灯 | バッテリーや充電系統(オルタネーターなど)に異常があることを示します。 点灯したまま走行を続けると、バッテリーが上がり、エンジンが停止する可能性があります。速やかに安全な場所に停車し、販売店に連絡してください。 |
| 油圧警告灯 | エンジンオイルの圧力が低下していることを示します。 エンジンオイルが不足しているか、オイルポンプなどに異常がある可能性があります。エンジンに深刻なダメージを与える恐れがあるため、直ちに安全な場所に停車し、エンジンを停止して販売店に連絡してください。 |
| 高水温警告灯 | エンジンの冷却水の温度が異常に高くなっていることを示します。 オーバーヒートの危険性があるため、直ちに安全な場所に停車し、エンジンを冷やす必要があります。 |
| SRSエアバッグ/プリテンショナー警告灯 | SRSエアバッグやシートベルトプリテンショナー(衝突時にベルトを瞬時に巻き取る装置)のシステムに異常があることを示します。 衝突時に正常に作動しない可能性があるため、早めに点検を受けてください。 |
黄色(橙色)の警告灯(注意が必要)
黄色の警告灯は、緊急性は赤色ほど高くありませんが、何らかの異常や注意を促すものです。 点灯した場合は、走行を続けることは可能ですが、なるべく早く点検を受けるようにしましょう。
| 名称 | 意味と対処法 |
|---|---|
| エンジン警告灯 | エンジン制御システムに何らかの異常を検知したときに点灯します。 センサーの異常など様々な原因が考えられます。すぐに走行不能になることは少ないですが、放置すると重大な故障に繋がる可能性もあるため、早めに販売店で点検を受けてください。 |
| ABS警告灯 | ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)に異常があることを示します。 点灯しても通常のブレーキは作動しますが、急ブレーキ時にタイヤがロックしやすくなります。雨の日など滑りやすい路面では特に注意が必要です。早めに点検を受けましょう。 |
| パワーステアリング警告灯 | 電動パワーステアリングシステムに異常があることを示します。 ハンドル操作が重くなる可能性があります。 安全な場所に一度停車し、エンジンを再始動すると消えることもありますが、頻繁に点灯する場合は点検が必要です。 |
| スリップ表示灯 | TRC(トラクションコントロール)やVSC(ビークルスタビリティコントロール)といった、タイヤの空転や横滑りを防ぐシステムが作動しているときに点滅します。 点灯し続ける場合はシステムの異常が考えられます。 |
| 燃料残量警告灯 | 燃料の残量が少なくなると点灯します。 点灯したら、早めに給油してください。 |
緑色・青色の表示灯(作動・状態表示)
緑色や青色の表示灯は、警告ではなく、システムの作動状態やON/OFFを示しています。 故障ではないので、慌てる必要はありません。
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| 方向指示表示灯 | ウインカー(方向指示器)やハザードランプが点滅していることを示します。 |
| ヘッドランプ上向き表示灯 | ヘッドライトがハイビームになっていることを示します。対向車や先行車がいる場合は、眩惑させないようロービームに切り替えましょう。 |
| ECOインジケーター | 環境に配慮した運転(エコドライブ)が行われているときに点灯します。 |
| クルーズコントロール表示灯 | ACC(アダプティブクルーズコントロール)などが作動中であることを示します。 |
警告灯が点灯・点滅したらどうする?
走行中に警告灯が点灯・点滅したら、まずは慌てずに安全な場所に車を停めましょう。 特に赤色の警告灯が点灯した場合は、走行を続けると危険な場合があります。
取扱説明書でその警告灯の意味を確認し、対処法を調べます。もし自分で判断できない場合や、走行に異常を感じる場合は、無理に運転を続けず、JAFやロードサービス、購入した販売店に連絡して指示を仰ぎましょう。
マルチインフォメーションディスプレイで情報を確認・設定しよう

ライズの上級グレードに搭載されている7インチTFTカラー液晶ディスプレイ、通称「マルチインフォメーションディスプレイ」は、単に情報を表示するだけでなく、様々な機能の設定変更も行える便利な装備です。
マルチインフォメーションディスプレイとは?
マルチインフォメーションディスプレイは、メーターパネルの中央に位置する液晶画面のことです。 ここには、航続可能距離や平均燃費といった走行に関する情報、スマートアシストなどの安全装備の作動状況、各種警告メッセージなどが表示されます。 情報をグラフィカルに分かりやすく表示してくれるため、運転中に必要な情報を瞬時に把握することができます。
表示される内容と切り替え方法
マルチインフォメーションディスプレイの表示内容は、ステアリングスイッチを使って切り替えることができます。 ハンドルから手を離すことなく操作できるため、安全に情報を確認することが可能です。
主な表示内容は以下の通りです。
- ドライブインフォメーション:平均燃費、瞬間燃費、航続可能距離、外気温など
- エコドライブ表示:エコ運転の度合いをスコアで表示するなど、ゲーム感覚でエコドライブを楽しめる機能もあります。
- スマートアシスト表示:車線逸脱警報や先行車発進お知らせ機能などの作動状況を表示します。
- 各種設定画面:車両の様々な機能を自分好みにカスタマイズできます。
これらの画面は、ステアリングの左右ボタンで大きなカテゴリーを切り替え、上下ボタンで詳細な項目を選択し、「ENTER」スイッチで決定するという流れで操作します。
便利な機能(燃費情報、航続可能距離など)
マルチインフォメーションディスプレイの中でも特に便利なのが、燃費に関する情報です。「あとどのくらい走れるか」を示す航続可能距離は、長距離ドライブや給油のタイミングを計る際に非常に役立ちます。また、平均燃費や瞬間燃費を意識することで、より燃費の良い運転を心がけるきっかけにもなります。
さらに、ハイブリッド車の場合は、エネルギーモニターを表示させることも可能です。エンジンとモーター、バッテリーの間でエネルギーがどのようにやり取りされているかを視覚的に確認できるため、ハイブリッドシステムの仕組みを理解し、より効率的な運転をするのに役立ちます。
各種設定の変更方法
マルチインフォメーションディスプレイでは、走行に関する情報表示だけでなく、車両の様々な設定変更も行えます。 例えば、以下のような設定が可能です。
- お知らせ日設定:誕生日や記念日、車検日などを設定しておくと、該当日になるとメッセージでお知らせしてくれます。 エンジンオイルやタイヤの交換時期も距離で設定できるため、メンテナンス管理に役立ちます。
- ブザー設定:先行車が発進したことを知らせるブザーの音量や、ウインカーの音色などを変更できます。 ウインカーの音は3種類から選べるなど、ちょっとした遊び心も嬉しいポイントです。
- スマートアシスト設定:衝突警報や車線逸脱警報の作動タイミングなどを調整することができます。
これらの設定は、設定画面から階層をたどって変更します。最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れれば直感的に操作できるようになるでしょう。
ライズのメーターパネルはカスタマイズできる!
毎日見るメーターパネルだからこそ、自分好みのデザインにしたいと思う方もいるのではないでしょうか。ライズのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイは、そんな願いを叶えてくれます。
表示デザインの変更方法
ライズのマルチインフォメーションディスプレイは、表示デザインを4種類の中から選んで切り替えることができます。 スポーティーで立体的なデザインから、シンプルで見やすいデザインまで、その日の気分や好みに合わせて変更が可能です。
デザインの変更は、マルチインフォメーションディスプレイの設定画面にある「画面選択」メニューから行います。 操作はステアリングスイッチで簡単に行えるため、停車中に気軽に試してみることができます。それぞれのデザインでタコメーターの表示方法などが変わるため、一つひとつ見比べてお気に入りのデザインを見つけるのも楽しいでしょう。
表示項目のカスタマイズ
4種類のメインデザインに加えて、表示される情報もある程度カスタマイズが可能です。例えば、常に平均燃費を表示させておきたい、あるいは外気温を大きく表示したいなど、自分がよく確認する情報を優先的に表示させることができます。
ドライブインフォメーション画面では、ステアリングの「TRIP」ボタンを押すことで、トリップメーターA、トリップメーターB、そして非表示といった切り替えが可能です。自分の使い方に合わせて、表示を最適化することで、よりスマートに情報を得ることができます。
自分好みのメーターでドライブをもっと楽しく
メーターパネルは、運転中に最も目にする部分の一つです。そのデザインや表示を自分好みにカスタマイズすることで、運転席に座るたびに気分が上がり、ドライブがもっと楽しくなるはずです。
また、オープニングやエンディングで表示されるアニメーションも、選択したデザインによって変化します。 こうした細かな演出も、ライズの魅力の一つと言えるでしょう。ぜひ、様々な設定を試して、あなただけの特別なメーターパネルを作り上げてみてください。
知っていると便利!ライズのメーターパネルの豆知識

ここでは、取扱説明書をじっくり読まないと気づきにくいかもしれない、メーターパネルに関する便利な豆知識をいくつかご紹介します。
メーター照度の調整方法
「昼間は見やすいけれど、夜になるとメーターが少し眩しく感じる」「トンネルに入ったときにもう少し明るくしたい」と感じたことはありませんか?ライズのメーターパネルは、その明るさ(照度)を調整することができます。
調整は、マルチインフォメーションディスプレイの設定画面から行います。 明るさは多段階で調整できるため、自分の見やすい明るさに細かく設定することが可能です。 周囲の明るさや自分の目の疲れ具合に合わせて調整することで、より安全で快適な運転に繋がります。
メンテナンス時期のお知らせ機能
マルチインフォメーションディスプレイの便利な機能の一つに、「お知らせ日設定」があります。 これを使えば、うっかり忘れがちなメンテナンスの時期を車が教えてくれます。
例えば、「エンジンオイル交換」の項目で、次回の交換距離を設定しておくと、その距離に近づいた際にディスプレイにメッセージが表示されます。 同様に、「タイヤローテーション」なども設定可能です。 愛車を良いコンディションに保つためにも、ぜひ活用したい機能です。
意外と知らない表示の意味
普段あまり見かけない表示灯の中にも、知っておくと役立つものがあります。例えば、一部のグレードやオプションで装備されているブラインドスポットモニター(BSM)の表示です。これは、ドアミラーの死角になりやすい後方からの接近車両を検知すると、ドアミラー内のインジケーターが点灯し、さらにその状態でウインカーを出すと点滅して注意を促してくれる機能です。
また、先行車発進お知らせ機能も便利な機能の一つです。 信号待ちなどで停車中、前の車が発進したにもかかわらず自車が発進しないでいると、ブザーとディスプレイ表示で知らせてくれます。 これにより、うっかり出遅れて後続車に迷惑をかけるのを防ぐことができます。これらの表示の意味を知っておくことで、ライズが持つ先進の安全機能を最大限に活用することができます。
まとめ:ライズのメーターパネル表示を理解して快適なカーライフを

今回は、トヨタ ライズのメーターパネル表示について、基本的な見方から警告灯の意味、そして便利なカスタマイズ機能まで詳しく解説しました。
ライズのメーターパネルは、多くの情報をドライバーに伝えてくれる重要なインターフェースです。特にTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイは、燃費情報や安全装備の作動状況を分かりやすく表示してくれるだけでなく、デザインや表示項目を自分好みにカスタマイズできる楽しさも提供してくれます。
警告灯が点灯すると驚いてしまいますが、それぞれの色とマークの意味を事前に知っておけば、冷静に対処することができます。この記事を参考に、あなたのライズのメーターパネル表示への理解を深め、より安全で充実したカーライフをお送りください。



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